97魔女と花嫁と妖精
垢版 | 大砲
2023/05/08(月) 01:48:58.33ID:2EGz5lHH0
ガンダムファイト会場
日登町スタジアム
選手控室
ドモン「アレンビー、いるか?」ガチャ
リリッケ「ああっ!? ダメですよ~関係ない人が入っちゃ!」
ドモン「うん? いや俺は陣中見舞いに…」
アレンビー「アハハ! 大丈夫だよその人は中に入れても」
リリッケ「あ、わ、わかりました」
アレンビー「本番前に応援に来てくれたんだ、ドモン?」
ドモン「まあな。しかし、どうしたんだこれは」
オジェロ「お、おいあれって…!」
ヌーノ「キングオブハートだよな、ほ、ホンモノの!」
ニカ「ちょっと二人ともサボらないで。ノーベルガンダムの整備は終わった?」
アリヤ「駆動系はOKだよ」
ティル「スラスター周りはもう少し」
ドモン「メカニックも周りのスタッフもいつもの奴等と違うな。というより随分若い。もしかして学生か?」
アレンビー「当たり。みんなアスティカシア高専の生徒さんなんだって」
ドモン「高専の生徒だと? 大丈夫なのかそんな素人で」
アレンビー「そこはアタシも心配したんだけどね。意外とみんな腕利きだったよ」
ドモン「というより何で
こんなことに。前のスタッフはどうした?」
アレンビー「ノーベルガンダムに仕込まれてたバーサーカーシステムのせいだよ。実はアレ、ネオスウェーデンで結構問題になっちゃってさ」
ドモン「まあそれはそうだろうな」
アレンビー「で、前のチームが解散になって新しい体制でスタートしたんだけど、代わりに人員もお金もほとんど国から支給されなくなっちゃって。
どうしようもなくなって、結局企業からスポンサーを募ることにしたんだよね」
ミオリネ「そ。それで私たちがスポンサーに名乗りを上げたって訳」
スレッタ「アレンビーさぁん! 倉庫からプロテインバー持ってきましたよ。他にやることは…って、あれ? ドモン兄さん?」
ドモン「なんだ、アレンビーのスポンサーってスレッタたちの会社だったのか」
ミオリネ「ええ。ここにいるのが株式会社
ガンダムの社員たち。私がCEOの
ミオリネ・レンブランよ。よろしくねキングオブハート」
ドモン「ドモン・カッシュだ。アンタのことはスレッタから聞いていたが…想像よりずっと若いな」
アレンビー「びっくりするよね。ミオリネってアタシより一つ年下なのに社長をやってるんだって!」
スレッタ「そうです! ミオリネさんはスゴいんですよ!」
ミオリネ「ふん、別に会社経営に歳なんて関係ないけどね」
チュチュ「の割に褒められて鼻高くなってるけどな?」
ドモン「しかし聞いた話によると、スレッタたちの会社はまだ出来たばかりという話だろう? よくスポンサーなんて引き受けたな」
ミオリネ「逆よ逆。引き受けたんじゃなくて私たちが買って出たの」
マルタン「どう考えたって無謀だから僕らは反対したんですけどね…」
リリッケ「実際すごく大変でしたよね、資料作りから根回しまで」
スレッタ「でもミオリネさんがどうしてもやるって言い張ってなんとか実現したんですよね」
ミオリネ「当たり前でしょ。ガンダムファイターのスポンサーになれるチャンスなんて滅多にあるものじゃないし、
それがアイドル級の人気を誇るアレンビー・ビアズリーなら尚更よ」
アレンビー「へへ、アタシアイドルだって。面と向かって言われると何か照れちゃうな」
ドモン「まあ確かに。女子高生ガンダムファイターを女子高生社長が率いる企業がスポンサーとして支えるとなれば、
それだけでいい宣伝になることは間違いないな」
ミオリネ「その女子高生を強調する言い方がいかにもおじさん臭くて気になるけど、まあ概ねそのとおりね」
ニカ「それに、ファイターの動きを再現するモビルトレースシステムは、私たちの目指すGUND医療の事業化にも役立つかもしれないしね。
…ノーベルガンダムの整備、終わりましたよアレンビーさん。最終チェックをお願いできますか?」
アレンビー「了解、すぐに行くね。ドモンも今日は来てくれてありがと」
ドモン「油断するなよアレンビー。今日の相手はネオカナダのランバーガンダムだ。お前は一度勝ってはいるが…」
アレンビー「わかってるって。勝負は水物だし、前回の勝利もバーサーカーシステムのせいだからね。今回こそアタシの真の実力を見せてあげるよ!」
ドモン「ふ、ならばいい」
98魔女と花嫁と妖精
垢版 | 大砲
2023/05/08(月) 01:49:51.99ID:2EGz5lHH0
スレッタ「あ、あのアレンビーさん! わたし、他になにか手伝えることありますか!?」
アレンビー「手伝えることか…あ、そうだ。なんかファーストフード食べたいから買ってきて。ハンバーガーがいいな」
スレッタ「ハンバーガーですね。わかりました! すぐに買ってきます!!」
アレンビー「頼んだよ~」
ミオリネ「ちょっとスレッタ!」
スレッタ「なんですかミオリネさん?」
ミオリネ「いい? くれぐれも『普通の店』で買ってきなさいよ。
変な店で買った変なモノを食べさせて体調不良を起こしたなんてなったら大問題になるんだからね!」
スレッタ「わ、わかりました!」
ミオリネ「まったく…前の会食といい、この町油断するとすぐ変な店や変な料理にぶつかるんだから…ブツブツ」
スレッタ「普通の店のハンバーガー、普通の店のハンバーガー、普通の店のハンバーガー…」
ティファ(
マクダニエルでバイト中)「…いらっしゃいませ」
フミナ(マクダニエルでバイト中)「いらっしゃいませ~」
スレッタ「あ、マクダニエル! 確か有名なハンバーガーチェーンだよね。ここならミオリネさんも納得してくれるかな。すいませ~ん」
フミナ「はい、いらっしゃいませ」
スレッタ「ええっと、ハンバーガーを一つください」
フミナ「ハンバーガーお一つですね。ご一緒にドリンクとポテトはいかがですか?」
スレッタ「えっ!? じゃ、じゃあそれもつけてください」
フミナ「かしこまりました」
ティファ「…ハンバーガーなら、+50円で日登町限定のスペシャルバーガーにできる。
さらに今だけ限定でマクダニエル仕様のクールさんとホッツさんのぬいぐるみがついてきてお得…です」
スレッタ「ええっ!!? じゃ、じゃあそれにしてください!!」
アレンビー「うん、これこれ! やっぱマクダニエルのハンバーガーが一番落ち着くね。ドリンクとポテトもつけてくれるなんて気が利くじゃん」
スレッタ「よかった、喜んでくれて」
アレンビー「これで試合も頑張れそうだよ。それじゃ行ってきます!」
ミオリネ「頼むわよ。この一戦、アンタにとっても私たちにとっても大事な試合なんだからね!」
99魔女と花嫁と妖精
垢版 | 大砲
2023/05/08(月) 01:50:42.50ID:2EGz5lHH0
実況『さあ今夜も始まりましたガンダムファイト! 赤コーナーから登場したのはネオスウェーデンのノーベルガンダム!
そのボディには今期からスポンサー契約をした株式会社ガンダムのロゴが光ります!』
スレッタ「あっ! あっ! 今テレビに映りましたよ私たちの会社のロゴ!」
チュチュ「うっせえなあ、そんなに騒がなくても見えてるっての」
ニカ「さあ大事な初戦だよ。勝てるといいね」
ミオリネ「ダメよただ勝つだけじゃ。スマートに、かつ見栄え良く、会社の知名度アップに繋がるような勝ち方をしてもらわないと」
アレンビー「ノーベル、フラフーープ!!」
実況『ノーベルガンダム、得意の新体操殺法でランバーガンダムに速攻をかける!
ああっとだがしかし! ランバーガンダム効いていない! 全ての攻撃を凌ぎ切った!!』
ドモン「まずい、ランバーガンダムは機動性を捨て、装甲に全振りする戦法に切り替えたのか!」
アレンビー「やっば…!」
グラハム「今だ!!」
実況『おーっと! 好機と見たかランバーガンダム猛チャージ!
ノーベルガンダムを壁際に押し付け、その剛腕で細首を絞めあげるーー!』
スレッタ「ああっ!? た、大変大変! このままじゃ負けちゃいますよ!?」
ミオリネ「ちょっと何やってんの! アンタには莫大なスポンサー料払ってんだから、こんなとこで負けんじゃないわよ!!」
マルタン「ちょ、ちょっとミオリネ、他の人も見てるから落ち着いて…」
グラハム「よしいける! このまま首をねじ切って…?」
アレンビー「……ファイト」
グラハム「?」
アレンビー「ファイトしようよおおオオオオオ!!」
実況『な、なんだこれは~! 何が起こっている!? 劣勢のノーベルガンダムが突然変形を始めて…
ああっ!? これはデビルガンダム四天王ウォルターガンダムだ~~~!!?』
グラハム「な、なんだとぉ!?」
アレンビー「グアアアアアア!!」
ミオリネ「ちょっとどういうこと!? なんでノーベルガンダムが突然ウォルターガンダムに変形したのよ!?」
ニカ「わからない。整備中調べたけど、今のノーベルガンダムはバーサーカーシステムはもちろん、DG細胞なんて一片も含まれていなかった。なのにどうして…」
ドモン「ならばおそらく、アレンビーが原因だ」
チュチュ「アレンビーが?」
ドモン「ああ。かつてアレンビーはノーベルガンダムごとDG細胞に感染させられ、デビルガンダム四天王となった。
治療で身体は元に戻ったものの、その後遺症はまだ残っている」
マルタン「なんですか後遺症って」
ドモン「DG細胞に対する感応性が極端に高くなってしまったんだ。
つまり、わずかでもDG細胞を取り込めば、アレンビーはすぐにデビルガンダム四天王へと戻ってしまう。乗っている機体ごとな」
ヌーノ「で、でもよ! DG細胞なんてどこで取り込んだんだよ、この辺に野生の
デビルガンダムなんていないし」
オジェロ「食べたものだって、持ち込みのプロテインバーと、さっきスレッタが買ってきたマクダニエルのハンバーガーぐらい…」
ティル「ねえ」
チュチュ「あんだよ」
ティル「このスレッタが買ってきた日登町限定のスペシャルバーガーってヤツ、包装紙にプロデュースドレストラン・コウサカって書いてあるんだけど」
スレッタ「あ」
ミオリネ「え」
100魔女と花嫁と妖精
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2023/05/08(月) 01:51:29.74ID:2EGz5lHH0
フミナ「やりましたよおじさん! おじさんがプロデュースしたスペシャルバーガー、ようやく一個売れましたよ!!」
チナパパ(電話)『おおそうか! いやあ、マクダニエルがウチとコラボしたいと言ってきたときはどうなることかと思ったけど、これで安心したよ』
フミナ「ヘルプに入ってくれたティファさんのおかげです!」
チナパパ(電話)『そうかい。彼女にもよろしくお礼を言っておいてくれ』
ティファ「…ううん、マクダニエルが作った、地域限定のデビルガンダムバーガー。売れてくれないと、私も、困ります」
アリヤ「うわあ…ネットで成分表見たらこのスペシャルバーガー、100パーセント日登町産デビルガンダム肉使用だって」
チュチュ「なら100パーセント原因コレじゃねーか!」
ミオリネ「スレッタ~~!!」
スレッタ「え、あ、、で、でも! ミオリネさんが言ってたのは『普通の店』のハンバーガーだからこれでも間違いじゃない、かな、って…?」
ミオリネ「『普通の店』の! 『普通のハンバーガー』って言ったのわたしは!!」
スレッタ「う、あ…ご、ごめんなさ~~~~~~~い!!」
アレンビー「キシャアアアアアアアアアアア」
グラハム「グわ~~~~~っ!」
実況「ウォルターガンダム、ランバーガンダムの四肢を噛みちぎる! あまりに凄惨な戦いに観客はドン引き状態!
ここでゴングが鳴った! ランバーガンダム戦闘不能により、勝者はノーベルガンダムもといウォルターガンダムだ~~~!!」
アレンビー「もっと、もっとファイトしようよ~~~~~~~!!」
試合後の控室
アレンビー「いやあまいったまいった。すっかり理性飛んじゃったよ」
ドモン「まったく笑い事じゃないぞ。下手したらあのまま観客を巻き込んで暴れていたかもしれないんだからな」
スレッタ「うう、ごめんなさい…わたしがデビルガンダムバーガーなんて買ってきたから」
アレンビー「大丈夫、スレッタのせいじゃないよ。アタシが言っておかなかったのが悪いんだし」
マルタン「ま、まあ形はともあれ初戦は勝てたんだから結果オーライじゃないかな?」
チュチュ「勝ち方として最悪だったけどな」
リリッケ「観客の皆さんドン引きでしたし」
アリヤ「ウォルターガンダムに変形したせいで、株式会社ガンダムのロゴも全部消えちゃったしね」
アレンビー「あ、アハハ…そういえばミオリネ社長は?」
ニカ「ミオリネなら今、マスコミ対応に行ってるよ」
101魔女と花嫁と妖精
垢版 | 大砲
2023/05/08(月) 01:52:20.97ID:2EGz5lHH0
記者会見場
ミオリネ「だ~か~ら! ノーベルガンダムがウォルターガンダムに変形したのは事故だって言ってるの!!」
ベルトーチカ「本当に事故ですか? 識者の間では、あらかじめ仕込んでおいたDG細胞を、負けそうになったから発動させたという見方が強いですが」
ミオリネ「その識者ってのはどこのどいつよ! いるなら今目の前に連れてきなさいよ!!」
フラン「原因はデビルガンダムの肉で作られたハンバーガーを食べたからだそうですが、
あらかじめその情報を知っていて、わざとアレンビー選手に与えたのでは?」
ミオリネ「そんなことして私たちに何の得があるってのよ! 観客ドン引きで会社の株価も下がるし、私たちも被害者なのよ!?」
フラン「しかし、ハンバーガーを購入したのは株式会社ガンダムの社員であると裏が取れています。それはミオリネCEOの指示では?」
ミオリネ「そ、それは確かに私だけど。でも! 私は普通のバーガーを買ってこいって言ったの! それをあのバカスレッタが調子に乗って…!」
フラン「『私は知らない、部下が勝手にやった』とミオリネCEOは釈明しており、と…」メモメモ
ミオリネ「ちょっと!? なに人の言葉を曲解してんのよ! そんな記事載せたら許さないからね! 絶対訴えてやるから!」
ベルトーチカ「あ、今の発言は報道の自由に対する圧力と受け取ってよろしいですか?」
ミリアリア「噂の女子高生社長、ガンダムファイトのドーピング疑惑で報道陣を恫喝、と。これはいいネタになるわ~」
ミオリネ「そこ! 何勝手に写真撮ってんの! そのネガ寄越しなさい、寄越しなさいったら!!」
そして次の日
スレッタ「良かったですねアレンビーさん。昨日の試合、あんまり大きな記事になってませんよ」
アレンビー「うん助かったよ。あれが大事になったら、今度こそ国からクビにされるかもしれなかったからさ」
マルタン「まあ、僕たちとしてはあんまり喜べないけどね」
チュチュ「代わりのトップニュースがアレだからなあ」
ニカ「それで、当のミオリネは?」
スレッタ「今日は体調が悪いから休むって…大丈夫でしょうか」
チュチュ「大丈夫っしょ。どうせ恥ずかしくて出てこれないだけだって」
ミオリネの私室
ミオリネ「『疑惑の女子高生社長、ガンダムファイト後の記者会見で大暴れ』『ミオリネ・レンブランCEO、報道陣相手にガンダムファイト』
『ミオリネ社長吠える“文句があるならいつでも学園に決闘に来い”』
…なんでどこの記事も私のニュースばっかりなのよ!!」
こうしてミオリネの我が身を削った行動により、結果的に株式会社ガンダムの知名度は上がったとさ
最終更新:2025年04月07日 12:35