961 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/30(日) 16:53:06 ID:???
シュウト「刹那兄ちゃーん、ちょっとこの問題わかんないんだけど……」
刹那「了解した。ミッション、ファーストフェイズに移行。
刹那・F・セイエイ、算数の宿題への介入行動を開始する」
シロー「馴染んできたな、刹那」
マイ「最初はびっくりしましたけどね」
ジュドー「あぁ、アレはなー、ちょっとなー」
~回想~
???「すいませーん、刹那君いますかー?」
アル「刹那……誰?」
シュウト「さぁ……」
アムロ「ん? 君は近所の……」
沙慈「はい。沙慈・クロスロードです。こちらの刹那・F・セイエイくんと一緒に
『天柱』に見学に行く約束だったんですが……住所間違ったかな?」
セレーネ「天柱って、うちの機構と兄さんの社が共同で参画してるプロジェクトのアレよね?」
アムロ「あぁ、軌道エレベーターの……沙慈君、だったかい?
その住所を書いたメモ、ちょっと見せてくれないか?
沙慈「あ、ハイ……どうぞ」
アムロ「ン……確かにうちの住所だな。この情報をどこから?」
沙慈「刹那君本人から教えてもらいましたけど」
アムロ「また『刹那』か」
セレーネ「どういうこと? この子達が産業スパイには思えないし……」
ルイス「ね~、沙慈ぃ~、あんなヤツほっといて行っちゃおうよ~!」
沙慈「けど……」
シン「! この感じ……来る!!」
アムロ「来るって何が? 俺は何も感じないが、またいつもの妄言か?」
その刹那、爆音とともに天井をぶち抜いて一人の人影がそこに降り立った。
我々はこの赤いマフラーを爆風にたなびかせる少年を知っている!
いや! 幼さを残した中東系の顔立ち、強い意志を示す光をたたえた眼差しを知っている!
ジュドー「な、なんで天井裏から!? い、いや、それより誰なんだアンタ!?」
刹那「コードネーム、刹那・F・セイエイ。俺が……
ガンダムだ!」
…~~~…
シン「だから散々言ってたじゃんか、あそこには人がいるって!」
ウッソ「それについてはごめんなさい。けど、ニュータイプの僕らでもわからなかったのに
なんでシン兄さんだけわかってたんですか? おかしいですよ!」
ガロード「まぁまぁ二人とも、短気は損気だぜ?」
キラ「それで、その後どうなったんだっけ?」
962 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/30(日) 16:54:08 ID:???
…~~~…
刹那「待たせたな沙慈・クロスロード、
ルイス・ハレヴィ。ミッションを開始しよう」
ジュドー「おいコラ待て! それが人ン家ぶっ壊しといてとる態度かよ!?
質問に答えろよ! 一体アンタ何モンだ!?」
刹那「俺に関する情報のすべてはレベル7の極秘情報となっている。お前には知る権利がない」
ジュドー「ハァ!? 何訳の分かんない事を……」
セレーネ「……!! 兄さん、あの子!」
アムロ「ソラン……ソランなのか!?」
刹那「!! ヴェーダへ、こちら刹那・F・セイエイ。レベル7の機密情報が漏れている。
この場は危険と判断し撤退を開始する」
沙慈「あっ、刹那君?」
アムロ「待て、ソラン、ソラン!」
…~~~…
シン「あんなシリアスに取り乱してるアムロ兄さん、初めて見た」
ジュドー「あん時ゃ焦ったよなー」
…~~~…
アムロ「……ソランはお前たちが生まれる前、中東を旅行していたときに行方不明になった
俺たちのもう一人の兄弟だ」
ジュドー「な、なんだってー!?」
セレーネ「私たち家族はあの子を探したのだけれど、すぐに内戦が始まって、
まだ皆小さかったからあきらめざるを得なくて……」
シン「それがなんで家の天井裏に潜伏してたんだよ!?」
アムロ「わからない。しかし生きていてくれただけでも……」
ロラン「……ついに姿を現す気になったんですか、ソラン……いえ、刹那」
アムロ「ロラン!? お前は知っていたのか!?」
ロラン「ハイ。最初は偶然でした。僕が∀でいつものようにグエン様を追っ払おうとしたら
見たこともないたくさんの剣を持った
ガンダムが襲いかかってきて……
まぁ、絶好調の∀に敵うはずもなくけっこうあっさり無力化したんですけど」
ジュドー「相変わらず容赦ねーな」
ロラン「話を聞いていたら妙に気が合っちゃいまして。うちの天井裏を隠れ家として提供したんです」
アムロ「どういう点で気が合ったのかは聞かない方が良さそうだな」
ロラン「そうしてくれると助かります。けど、それ以外にも気になるところがいくつかあって……
確信を得たのはアルバムを整理していた時です。
いくら成長しても変わらないあの瞳を見た時、その正体に気付きました。
彼もまた僕の弟なんだなって」
アムロ「じゃあなぜそれを俺達に言わない!?」
セレーネ「私達だって、あの子の事を、どれだけ……心配してたと……!」
ジュドー(セレ姉が泣いてる!?)
シン(むしろこっちのが衝撃映像だ!)
ロラン「彼はどうしても自分の事は秘密にしておかなくてはいけないと言っていたんです。
けれども、彼は僕たちの騒がしくて変態も来るけど概ね楽しそうな毎日を見て、
羨ましそうにそれを眺めていたんです。だから、僕は待ちました。
彼が自分から兄さん達の前にその姿を現す日を。
その時に僕は彼に本当の事を教えてあげたかったんです。君は僕らの家族だよって……」
963 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/03/30(日) 16:55:19 ID:???
アムロ「…………」
ロラン「黙っていた事は本当にごめんなさい! 隠そうとして手荒な事をしてしまった事も謝ります!
お小遣いもカットしてもらってかまいません!
だから、今度刹那が帰って来た時……温かく迎えてあげてください! お願いします!」
セレーネ「兄さん……」
アムロ「……わかってるさ。二人には聞きたいこともあるし、
この大穴の始末も……叱ってやらなくちゃならんしな」
ロラン「それじゃ!」
アムロ「あぁ、十何年も待ったんだ……帰って来るまでくらい待ってやるさ」
…~~~…
シン「で、何やかやあって今に至る、と」
ジュドー「いやぁ、話せばわかる奴だったよ、アイツもさ。さっすが俺の兄!」
刹那「……? 何の話だ?」
ジュドー「おわっ!? 宿題の手伝いしてたんじゃなかったのかよ!?」
刹那「ミッションは終了した。
アルとシュウトはすでに消灯している」
シロー「あ……もうそんな時間経ったか」
キラ「何でもないよ。何でもね」
刹那「……?」
刹那・F・セイエイに関する現時点における所感
我々の家族に彼が帰ってきて幾許かの時経てり。
対象刹那・F・セイエイ、未だ世の事情に疎いところはあるものの
兄弟仲は良好にして早くも信頼関係の構築に成功したことは喜ばしい限りである。
我々は彼の過ごしてきた過去や現在の素性について熟知せざる点多かれども、
いつの日かわだかまりの全てが氷解し、
互いに笑い話にできるような日が来ることを切に望む次第である。
なお、功名心にはやるパイロットの駆るAEUの新鋭機イナクトが
例によってガンダムエクシアに空中分解させられたことは極めて遺憾である。
オリヴァー・マイ
最終更新:2019年12月06日 22:34