「アミロペクチン第一章-21話~第三ノルニア王国街道~」



 私はこれからはこの馬と共に旅をすることになる。
もちろんエシスシルに着いても共にあるであろう。
というわけで馬に名前を付けることにした。
性別ならあそこを見れば一目瞭然なのだが、
蹴られる可能性があるため歯を見ることにした。
見てみると犬歯が存在しなかった。つまりメスであるということだ。
私は彼女に「ティアナ」と名付けた。

 南の街道を北へ進み、ニューナンヴィバティー中心部に戻ってきた。
せっかくニューナンヴィバティーに来たのだから大聖堂へ行ってみようと思い、
聖アナンドビハール大聖堂へ寄った。

 これからの事やフレシュと先生の無事を祈った後、ティアナを連れて北へ向かった。
そろそろ出発せねばならぬ。そして私は北の街道へ出た。
地図には載っていなかったがこの街道は“第3王国道 シャーダラ街道”というらしい。
エシスシルまではあと何カナほどであるのだろう。
きっとまだ長い道のりがあるのであろう。ティアナがいるため淋しくはないが
やはり共に旅をするのは馬よりも人間の方がいい。
しかし今はそのようなワガママは通用しない。

 北へ進むにつれて古い建物が増えてきた。
そうか。ここら辺は旧ナンヴィバティー地区だ。
つまりノルニアの王宮があるのである。以前から一度は見てみたいと思っていたのだ。
そう思っていると白い大きな建物が見えてきた。
その建物は広大な森に囲まれており、荘厳な雰囲気であった。
門から宮殿にかけては長い庭園が広がっている。
宮殿は真っ白に塗られている。美しい。
遠いので分りずらいが様々な装飾も施されているようだ。
カメラ・オブスクラがあれば綺麗な絵を描くことができるが今は持っていない。
そして私は絵が下手である。この情景を写すことは難しい。
土産物屋で絵を買うのも面倒なので私は潔く諦めることにした。

 そして私はティアナに乗り、シャーダラ街道を進んでいった。



用語集

  • カメラ・オブスクラ・・・レンズから取り入れた光を紙へ映すことで絵画を上手く、鮮明に描くことができる。18世紀の時点では小型化し持ち運びが可能となっている。現在のカメラの原点ともいえる。


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最終更新:2011年03月05日 21:01