「アミロペクチン第一章-22話~シャーダラ~」
シャーダラ街道を北西へ約4カナほど進み、シャーダラという町に着いた。
もう夜である。私は早々、寝ることにした。
町の中心部にある酒場で夕餉を済ませた後、宿屋へ行った。
ティアナを外の馬宿へ預けて私は一人で淋しく寝た。
身を刺すような寒さで私は起きた。
思えばもう冬である。暦の上では大雪の頃だ。
私は宿屋から出、朝餉のためにカレー屋へ出かけた。
特にカレーを食いたいという気分ではないがノルニアにはカレー屋しかないのである。
カレーライスが売っていなかったため、私はやむなくパンを頼んだ。
朝餉を終えた私は馬宿からティアナを引き取ってシャーダラ街道へ出た。
うむ。一人というのがここまで淋しかったとは。
思い返してみればフレシュと先生と共に旅をしていた頃はなんて楽しかったのだろう。
今や私は一人である。ティアナという愛すべき馬もいるが彼女は無言だ。
3カナほど進んだところに川が流れていた。
ここら辺はもう人は住んでいないため水は澄みきっている。
ここから先にはもう町はなく、ライタティア山脈が聳えている。
山脈を越えた先はエシスシルである。
私は喉が渇いていたため、この川で水分補給をすることとした。
ティアナも口乾なようで川の水を冷たそうに飲んでいる。
私も水を手ですくって飲んだ。
そうしていると何故か妙な孤独感が襲ってきた。
そういえば私はこれまでの19年間、一度も恋人というものを作ったことがなかった。
用語集
- 何か旅行記みたいで面白いなあ・・・。 -- 辛子マヨ改 (2011-03-06 21:22:53)
最終更新:2011年03月06日 21:22