「エーリヒ、もうそろそろ作戦開始だが・・・通信は?」
「まだ入ってない、だがもうすぐ9時半になる。」
「全く、何時間も待たされるなんて思ってなかったぜ。」
「仕方あるまい、相手はゾンビだ、奴らの動きを見極めて作戦を練る、ソレは誰が相手でも一緒だろう?」
「まあいい、指示を待つのも悪くない。」
ルーデルは銃を構える。
「そろそろか。」
「そうだな、まずは銃での牽制を行う、作戦開始の合図と同時ににスモークを撃て。」
無線が鳴る。
「来た!早速開始か?」
「そう焦るな・・・
こちらエーリヒ、ガーランドか?」
「ああ、ルーデルもいるか?」
「もちろんだ、カウントダウンを開始してくれ。」
「よし、全員に告げる、カウント開始、10、9、8・・・」
「エーリヒ、こっちはいつでも準備完了だ。」
「よし、行くぞ。」
「5・・4・・3・・2・・」
「1・・0!」
「作戦開始!」
ルーデルが手溜弾を投げ込んだ。
爆発音と共に煙が周囲を覆う
「撃つぞ!」
「了解!」
エーリヒが機銃を、ルーデルは拳銃を放つ。
どちらも威力はかなりのもので、ゾンビは弾丸が命中すると同時に吹き飛んだ。
「相変わらずデカい音だ、その「電動鋸」は。」
ルーデルはエーリヒに聞こえないように呟くと、数メートル先の敵に照準を合わせた。
「さてと、そろそろデカいの一発行きますか!」
リロードを済ませると片方をホルスターにしまい、もう片方を両手で構える。
「37mm!ヘッドショット!」
銃身の前に小さい魔法陣を3枚展開する。
「FIRE!」
トリガーを引く。
轟音、爆音、そして命中。
「馬鹿!こんな場所で・・・。」
エーリヒを爆風が殴りつけた。
慌てて壁の中に隠れる。
「命中したな、うむ、俺のユンカースは今日も絶好調だー!」
ルーデル、ご満悦。
「ば、馬鹿野郎!対戦車用の「カノーネンフォーゲル」を堂々と室内でぶっ放すな!俺まで吹き飛ばされるとこだったぞ!」
「いいじゃないか、ゾンビは大体片付いたぜ?」
ルーデルが拳銃で指し示した方向にはゾンビはほとんど残っていなかった。
エーリヒが咳払いする。
「そういう問題じゃないが、俺の活躍を減らしてもらっては困る。」
「またまた冷静ぶっちゃって~。」
「うるさい、とりあえず行くぞ。」
エーリヒが刀を抜いた。
「はいはい、分かりました、で、その刀なんだっけ?」
「お前・・・ウルスラの事忘れてたのか?」
「俺の記憶力をアテにしてもらっては困る。」
「それ、したり顔で言う事か?」
「ああ。」
「ああ・・・こいつ本当に馬鹿だ・・・。」
最終更新:2011年03月06日 12:14