「アミロペクチン第一章-23話~ネイクイル山脈~」


 エシスシルまであと20カナほどである。
私は水を飲み終えた後、ずんずんと街道を進んでいった。
そのうちに草原は途絶え、落葉した広葉樹の森が広がった。
葉はなく、雪も積もっているため殺風景である。
このような場所を一人で歩いていると若干恐怖を覚える。
私はティアナを走らせた。

 ネイクイル山脈はなだらかな山脈であるため、
テーデン山脈のような曲がりくねった道はないようだ。
そのため馬を走らせやすく、速く進むことができる。
そして私は適度にティアナを休ませながら順調に登っていった。
白昼ではあるものの、冬であり標高が高いということもあり寒さが身に凍みる。
しかしティアナは温かい。寒い時はティアナと身を寄せ合うのだ。
だが彼女は馬である。出来ることなら身を寄せ合うのは人間がいい。

 陽が西へ沈む黄昏時である。
夜まで山脈を動き回るのは危険なのでそろそろ寝ることにした。
適当な場所にテントを張り、夕餉の米粉パンを喰って寝た。

 うむ。書くことがない。

 次の日、私は早朝に寒さで目覚めた。
朝餉をこっそりと済ませ、ネイクイル山脈を登りはじめた。


用語集

  • ネイクイル山脈・・・ノルニアと、スプンタティア・エシスシルを隔てるなだらかな山脈。


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最終更新:2011年03月07日 21:34