ドラムの音で目が覚めた。

地響きにも似た音を発しながら振動しているドラムを眺めながら起き上がる。

「お?起きた?」

教官が椅子に座ってドラムを叩いている。

教官の腕は中々のもので、所属しているバンドでその腕をふるっているらしい。

だが問題はここが職員室だということである。

机と机の間のスペースに音楽室から持って来たと思われるドラムセットが置かれていた。

それを椅子で寝ている真横で鳴らされたものだからたまったものではない。

「起きたも何も・・・人の寝ている真横でドラムを叩く人間がいますか?」

「いないと思うわ?」

何の躊躇も無しに教官が言う。

「・・・私の目の前にいるんですが。」

「あら?私は死神よ?人間じゃないわ。」

「こういうと時だけ屁理屈こねないでください!」

「悪かったわよ、でも腕が訛ると皇帝陛下に迷惑でしょ?」

教官の所属するバンドには皇帝がギターとボーカルを担当している。

ベースは空軍の将軍であるロウカ・ベスカルート。

キーボードは海軍の将軍であるベレッタ・スティンガー。

そしてドラムは教官である、パッと見ただの私的なバンドだが全員かなりのお偉いさんである。

私も演奏を聞いた事があるのだが、至って普通であった。

多忙な生活の中でよく練習の時間がとれるものだ。

「確かにそう思いますが、せめて周囲に迷惑をかけない程度にお願いします。」

「分かったわよ、じゃあ音楽室にこれ運ぶから手伝って。」

そういうと教官は2つほどドラムを担いで歩いて行った。

      • 最初から音楽室でやろうとは思わなかったのだろうか。

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最終更新:2011年04月07日 15:32