「ウロボロス・・・ねえ。」

趣味の悪い名前だ、と口を開けず溜息をついてみる。

「俺ならもっといい名前を考え・・・いや、やっぱいいか。」

「何をさっきからブツブツ言っているんだ?」

すすっとマークが俺の隣に移動する。

「俺にも良心って物があってね、こんな趣味悪い所からさっさとオサラバしたいのさ。」

「へえ、まるで普段君に良心が無いみたいな言い方じゃないか。」

「自覚はないんだけどな、どうも周りが五月蠅くて。」

俺は頭を掻く。

「だろうね、君はちっとも女の子らしくないし、それに戦い方も荒っぽい。」

ハタから見れば男に見えるんだろな、俺は。

「ま、俺は気にしないけどな。」

四の五の言っても仕方あるまい。

さっさと片付けて栄斗との新婚生活を満喫させてもらおう。

そのためには早いこと黒幕に会ってカタを付けるしかない。

そんなことを思いつつ俺は長く不気味なほどに真っ白な廊下を歩いて行くのだった。

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最終更新:2011年08月03日 18:58