ごちそうさま、の合図で白銀の序曲の面々は姿を消し始めた。
ケイとヴィルは足早に。
弥散とイチヤは突っ伏して寝ている。
敦眞のそばで、ユエノがごろごろと喉を鳴らす。
敦眞がまんざらでもない顔をしているのは、誰も言わない。
「ほら!寝るよ!一弥?起きてる?」
愛澄が一弥をたたき起す。いや、起きてはいるのだ。ただ、ここに心あらず。
「ん、あー・・・?愛澄?おはよう~」
「おはようじゃなくて!ほら!イチヤさんも起こして!」
「解った解った、寝るんでしょう。イチヤ、起きて起きて」
うひゃひゃ、と想像もつかない声で笑いながらイチヤをばしばしと叩く。
「いだだだ、一弥何ー・・・あ、終わり?寝るの?うん。おやすみ」
おぼつかない足取りで席を立つと、部屋へと向かって行った。
廊下からは一弥のうひゃひゃ、という笑い声が響く。
それを後ろから見ていたミントやロウ、テルがおなかを抱えて笑っていたのも、また内緒。
笑い声が目ざましとなったのか、突っ伏していた面々が目を覚ました。
「あ~、テルちゃんがいっぱいいるーあははー」
ふらふら、よろよろとテルのもとへ寄り、抱きつこうとした矢先にロウに抱えられる。
「はいはい。お子様は寝てくださいね」
「えー。やーだーテルちゃんと寝るー」
なおもじたばたと動く弥散を黙らせるとロウは部屋へと連れて行った。
でれでれしていた敦眞とユエノも姿を消していた。
アネは黙々とペンを走らせたあと、ロウのいた席に何かをおいて去った。
ただ、ミントがまだニコニコと微笑んでいるのと
誰も起こそうとしないリヴォルブだけが放置されていて
部屋に戻るに戻れないテルが黙っているだけだった。
「ロウさん、またこっちに来るみたいだから私は寝てるよ?」
「え、あ、はい?おやすみなさいです」
「リヴォさん、お願いしたよ」
ふごー、と寝息を立てて寝るリヴォルブを横目に
テルへウィンクするとミントもまた、部屋へと戻って行った。
「え、えー・・・と・・・」
起きない獅子と寝れない子羊。
コチコチと針の動く音だけが、時間の経過を伝えていた。
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「や、テルちゃんまだ起きていたのかい」
弥散を寝かしつけたと思われるロウさんが戻ってきた。
ちら、とリヴォルブさんに目をやりながら。
「え、ええ。まあ・・・」
ふう、とため息ついて元の席に座ると視線を落とす。
視線の先にあったのは、アネさんが何やら書いていったメモ帳。
ふっ と鼻で笑って再びリヴォルブさんを見やった。
「何が、書いてあったんです?」
「ああ、これかい?見てごらん」
メモ帳を見るとそこに書いてあったのは
≪ロウさんへ≫
あのお酒、僕は買ってないんだZE?
言っちゃえば・・・発掘品なんだぜ・・・
ゴーストブルーの船から出てきたから、と思って。
ああ、リヴォさんが飲んだ以外は本物だから安心するといいんだぜ
≪アネ≫
ああ、それで笑っていたのね・・・
「実を言うとさ、ゴーストブルーのお酒ってどうなるか解らないんですよね・・・」
ははは、とロウさんが苦笑する。
「リヴォルブは寝ちゃうだけだからいいんだけど、人によっちゃ暴れたりとか・・・」
そんな危ないもの、よく持ってこられたわね・・・
心の奥でアネさんの心配をしながら笑い返す。
「・・・ほら、リヴォルブ。起きてください」
「ん・・・」
つんつん、とリヴォルブさんをつつく。
ふわ、とあくびをしたかと思うと、ふにゃりと笑う。
「ロウですか、あれ・・・テルさんも・・・皆さんは・・・寝たんですかねえ?」
「寝ましたよ。ほら、リヴォルブも寝なさい」
それを聞いてか、ふにゃふにゃ笑顔がまじめな顔になる。
何を言うのかと身構えたが、そんな必要もなく
リヴォルブさんが口からこぼしたのは、愚痴。
「もー、なんなんですか・・・
ロウはいきなり居なくなっちゃうし、戻ってきたかと思えばガールフレンドなんか連れて・・・
ただでさえ白銀の中は暑苦しいのにさらにカップルが増えちゃってもう・・・
えーえー。どうせ私は独り身ですよもう。
あっつんだって、ユエノさんにデレデレしちゃってますしさあ
私だって女性の一人や二人・・・
ロウが紳士だからいけないんですよ
ロウにばかり女性が群がって・・・
いや、私にも人気はありますよ。うぬぼれちゃいませんって」
ふにゃふにゃとまた笑う。
この人は可愛いの部類なのかしら、とテルは首を傾げる。
「拗ねないでくださいよ。ね?コウもなかなか魅力的でしょう?」
この流れでコウさんを薦める理由はよく解らないけれども。
「コウさんはズーマさんと仲良しこよしです~」
ぷぷー、と頬を膨らませる。
それから、再び突っ伏した。
「そこで寝てないで、お部屋で寝ましょうよ?」
「解ってますよ。ちゃんと戻りますから・・・」
酔いの冷めたリヴォルブさんはいつもの口調で返した。
それなら、とロウさんは優しく笑って席を立つ。
「また、よろしくお願いしますね」
「え?」
ズズ、と椅子を引きずる音でロウさんの耳には届かなかったのだろうか。
ロウさんは聞き返したけれどリヴォルブさんは何も言わなかった。
困ったように笑ってから、こう言った。
「僕の方こそ、どうぞよろしく」
聞こえてたのか聞こえていなかったのか、リヴォルブさんは反応を見せなかった。
けれども、テルには聞こえていた。
二人の小さな会話と
再び紡がれた旋律と。
それは綺麗な白と銀が混ざった色で
白くなっていく夜に溶け込んで。
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ちょっとしたあとがき
さて、如何でしたか?
これにて「心につもる・白い旋律」は終わりとなります。
この先何を書いていこうか何も考えていません。
リクエストとあらば、光の速さでネタを考えます。
ギャグから純愛まで、なるたけ対応したいですねえ。
最後の方はあわてて詰め込んだ感が否めませんけど^^;
このあと、オリジナル登場人物の詳しい姿恰好とか
絵なり文章なりにしてお伝えできればな、と思ってます。
ええ。私の事ですから、どうなることやら。
仮面の方のギルドメンバーで学園ものとかも面白そうですけどw
ゲフンゲフン。
それでは
カバリア島で会いましょう
------------------------------------------------------fin.
by Ibitsu
すぺちゃるさんくす
白銀の序曲 の皆様
ミント・クライス様
リヴォルブ様
一弥様
イチヤ様
敦眞様
愛澄様
だーす様
ブリュークナク様
アネ様
獅槻様
ズーマ様
・・・名前抜けてる人がいたら言ってね。