雪の魔女の洞窟
ピラルク旧市街復旧作業の視察を終えた、
ピラルク評議会メンバーは建築技師のベバッジを交えて復旧計画を再検討した。町に十分な防御力を与える施設を建設する作業に必要な職人が完全に不足していることが明らかになった。近隣から必要な技術を持つ人材を集めることは不可能だ。以前にミノタウロスの迷宮から解放したドワーフ達に協力を要請することが一番の解決策だという結論となった。彼らの一員であったバベッジの故郷、ストーンブリッジの位置を聞き出し、評議会メンバーは協力依頼のために旅立った。
ヘイムガルド北部の冬はいつでもむごく厳しい、雪が止めどなく降りしきり、しばれる風が強烈に吹き付け、人を骨まで凍らせる。ここ数日間、ピラルク評議員のパーティー一行は、ビッグ・ジム・サンという商人と行き先を同じくし、護衛を務めていた。隊商の荷馬車は北を目指し、雪と氷に閉ざされた交易地へと向かっていた。
パーティー一行は6台の場所の先頭に立って、凍結した湖を歩いて渡っている。もう間もなく正午で、行く手には氷指山脈の雪をかぶった峰々が低い雲の上に高くそびえている。隊商が目指すのはあの山々の麓、北方人が各地から商いに集まってくる市場だ。ストーンブリッジはその先をさらに進み、山脈の中腹にある巨大なアーチの入り口を持つ洞窟都市だ。今も雪は舞っているが、大した降りではない。その時、狩人の角笛が静寂をつんざいて響き渡った。
ビッグ・ジム・サンはパーティーを荷馬車に呼び寄せた。鮮やかな青い目が地平線を睨み、動くものがいないか丹念に探っている。深い声で彼は言った。「交易地から聞こえてきたようだ。行って確かめてくれないか? 一筋縄ではいかないかもしれん。だがすぐに帰ってくるんだぞ」
2時間後、パーティーは氷指山脈の麓にある交易地に着いた。血で雪は赤く染まり、北方人達の木の小屋はみな叩き壊されている。6人の遺骸が、身体をずたずたに引き裂かれて倒れており、各人の傍らには、壊れた斧が雪の中に埋もれていた。彼らを襲ったクリーチャーは足跡の大きさから、途方もなく巨大なやつに違いない。
不運な北方人たちにパーティーがしてやれることはなく、交易地には持ち帰るべきものもない。そこでこのことをビッグ・ジムに告げようと引き返し、あたりが夕闇に包まれる頃、隊商の元へと帰ってきた。交易地で見た殺戮のことを告げると、ビッグ・ジムは対象の面々が夜を安全に過ごせるように、荷馬車に円陣を組ませた。円陣の中央には盛大に火が焚かれ、パーティーは火のかたわらに座ってビッグ・ジムと話し合った。ビッグ・ジムは低い声で、その恐ろしいクリーチャーを探して始末してもらえないかと切り出した。そいつの息の根を止めない限り、永遠に商売を台無しにされたままだと言った。
- 少なくとも、正当な報酬+交易ルートにピラルク村を加えることは必要だな。 -- ピピン SIZE(10){2005-09-08 (木) 18:51:35}
- ルートの件は承知した。報酬は一人100gpでどうだ? -- ビッグ・ジム SIZE(10){2005-09-09 (金) 00:36:31}
再び交易所に戻ったパーティーは忌まわしい殺人獣が山脈に潜んでいると確信し、雪で見通しがきかない斜面を一歩、また一歩と登って行った。深いクレバスを迂回して進む一行の行く手に、雪の帳をかき分けて巨大な影が現れた。雄々しい牙を長く反り返らせた毛むくじゃらのマンモスだ。レシュラックの火炎光線を合図に戦闘が開始された。パーティーはマンモスの蹂躙攻撃から大きなダメージを受けつつも、これを倒した。見事な象牙を手に入れた一行はさらに先へと進んだ。途中、猛吹雪に見舞われながら毛皮猟師の丸太小屋までたどり着いた。暖かい小屋の中で、この建物の持ち主、毛皮猟師のブロガンの書き置きを発見した。それには恐るべき内容だった。この世に氷河期をもたらそうと企む、邪悪な雪の魔女の住処、水晶の洞窟を発見したというのだ。そして彼は勇敢にも魔女を滅ぼそうと出発した後だった。小屋で嵐の通過を待って、パーティーは再び山を登り始めた。
小屋から30分ほど進んだところで、ブロガンと交易所を襲った殺人獣イエティとの戦闘に遭遇した。パーティーは急いで駆けつけるが、一足遅くブロガンは倒されてしまった。イエティーを倒した後、パーティーは一度ビッグ・ジムのところに戻るか、それともブロガンの志を継いで、水晶の洞窟を目指すか議論した。そして速やかに雪の魔女の野望を打ち砕くことを決意した。
ブロガンの書き置きに書かれた手がかりによって、パーティーは水晶の洞窟を発見した。幻影で隠された入り口を通り抜け、洞窟へと進入した。洞窟を巡回するヴァンパイア・スポーンやコック、吟遊詩人のリリオン等との遭遇を切り抜け邪神を崇拝するコブリンやオーク、その上邪神自身をも滅ぼし、一行は魔女の元へと突き進む。魔女の部屋の手前で待ちかまえていたヴァンパイア・ソーサラーのヨーガルとフロストジャイアントにより大きなダメージを受けた一行は、一度ブロガンの山小屋へと引き返した。
再び洞窟へ侵攻を開始した一行は、待ち受ける雪の魔女のコンパニオンのホワイトドラゴン、スノーファングを滅ぼし、一緒に待ち伏せていたヨーガルを撃退した。魔女を求めて洞窟を進む一行は、最後の部屋で雪の魔女、吟遊詩人のリリオン、ソーサラーのヨーガルと退治する。ピピンと
ドップをヴァンパイアに支配され、ライトニングボルトとフレイムストライクによって致命的なダメージを負ったパーティは彼らの前に屈服した。
気まぐれな彼らのリーダー、リリオンはパーティーに賠償金を要求し、支払うことで見逃すことを許した。
迷宮探検競技
青空の下、ピラルク評議会が開かれていた。議題は今後のピラルク発展のための財源をどうするかと言うものだ。長期的な計画は既に定まっている。それは旧ピラルク市街の安全を確保し、陸のデスリーバー交通を把握することで安定的な財源を手に入れると言うことだ。旧市街の安全確保は評議員メンバーと市民兵で何とかなりそうだが、問題は旧市街を使用可能な状態に復旧させるための資金が不足していることだった。
議員達が眉間にしわを寄せて知恵を絞っている周りでは、手の空いている村人が芝生に座り込み、思い思いにくつろいでいる。先日、ミノタウロスの迷宮建設現場から救出されたハゲ3人組は、昼間から酒を飲み、まるで他人事のように会議に野次を飛ばしている。手にした瓶から酒を一口あおるとハゲAは言った。
[この時期、大金を手に入れると言ったらあれしかないだろ!」
リハクの年季の入ったひと睨みで、彼はすぐに俯いた。その鋭い目をぐるりと評議員のほうへ向けた。
「あやつらは取るに足りない者ですが、その言うことにはわずかながら馬鹿げた可能性があります。あやつらが言わんとしようとしていたのは
サザンクロスで年に1度開催されている、悪名高き迷宮探検競技のことでしょう。かの競技の優勝者には金貨50,000枚が渡されるというのは有名なことです。しかし今まで最後まで生き残った者はいません」
評議員は難しいことを考えず、鍛え上げた己の技だけで大金を得ることが出来るこの案を大いに気に入った。ここで再びハゲBが横やりを入れた。
「しかし、爺様。あの競技は団体での参加を認めてないんじゃないのかい?」
今度は殺気を込めた凝視で彼らを黙らせて、リハクは言った。
「このリハクに考えがあります。あの競技は、迷宮に入ってしまえばサザンクロスのシン卿の手を離れます。そして20人程度の参加者が4~5人のグループに分かれて迷宮に入ります。恐らく最初の部屋で一緒に入った者同士が、ライバルを減らすために殺しあいを始めるでしょう。生き残った者も無傷ではいられないでしょう。その様な状態でシン卿の考案した迷宮を抜け出すことは不可能です。そこでこのリハクの策略をもって、評議員の皆様が同時に迷宮に入れるように致しましょう。されば迷宮ごときに我らが評議員殿の進行を止められることが出来ましょうか!」
リハクは眉間に青筋を浮かばせながら、強く言い切った。かれの知略を疑うべくもない評議員一同は既にその気になっていた。
「おいおい、大丈夫かよ?」
青空の下、酔っ払って顔を真っ赤にしたハゲCが陽気に言った。
- フォルゴーン(確か)を思い出すところだな・・・ -- ISen SIZE(10){2005-03-13 (日) 23:19:27}
- ハゲ三人組にそんな余裕を与えられる程、ピラルクには余裕があるのか?ぶっちゃけ、農閑期は暇って事なのかな? -- 葵 SIZE(10){2005-03-14 (月) 22:45:19}
- とりあえずハゲ3人を呼んできて、競技について知ってる事を残らず吐き出させよう -- ブラス SIZE(10){2005-03-17 (木) 00:26:03}
- あっしらも1回見に行ったことがありますが、そりゃもう大変なお祭り騒ぎです。このときだけは堅苦しいあの街も無礼講で、いやぁ~楽しかったっすよ。ヒ~ック。 -- ハゲ3人組 SIZE(10){2005-03-17 (木) 23:24:32}
- むぅ。こ奴らはサボることにかけては天下一品です。ここは一つ牙殿にビシバシしごいて頂くとするか。 -- リハク SIZE(10){2005-03-17 (木) 23:29:21}
- 酒が入ったままでは話にならないし、牙のところで一週間ほどかけてじっくりと酒を抜いてきてもらおう -- ブラス SIZE(10){2005-03-19 (土) 00:15:41}
デスリーバーに面するサザンクロスの街で、有名な「迷宮探索競技」が開かれる。毎年一度、勇猛果敢な挑戦者達がシンが造り出した”死の罠の地下迷宮”へと分け入り、金貨50,000枚の賞金を競い合うが、迷宮から抜け出たものは一人もいない。しかし少なくとも今年はピラルク村評議会の勇者が参加する以上、そうはならないと信じたいものだ! 彼らに対する扱いは、まるで王侯貴族に対するようだった。迎賓館のきらびやかな部屋に案内され、食事と葡萄酒はとびきり上等、豪奢を極めた前夜を過ごした。だが、それほどの歓楽を経てもなお、炎の燃える穴、巨大な蜘蛛の群れ-そうしたおぞましい光景で夢が満たされるのを、とどめられずにいた。
ピピンは夜明けのトランペットで目覚めた。暫くして扉がノックされ、男の声が室内に響き渡る。「貴公の出番は午後からになります。先発する挑戦者がこれから迷宮に入ります」。ピピンは昨晩の打ち合わせを思い返した。ピラルク村の仲間はリハクの計略により同時に迷宮に入れるようになっていたが、競技関係者には彼らが協力して迷宮を突破する計画であることを悟られてはならない。そのため、昨晩も人目を避けて落ち合い、今日のための作戦を練った。事前の説明で迷宮内に持ち込めるアイテムに制限があることが分かっていた。アイテムの持ち込みを全員で分担し、最大限有利になるようにしたが、上手く持ち込めるかどうかは分からない。何と言っても邪悪なシンが主催する競技である以上、公平さなどは望むべくもない。ピピンは部屋に備え付けられた、彼には大きすぎる鏡の前で、監督官に披露する笑顔の確認をして、落ち着かない午前中を過ごした。
彼らの出番がやって来た。一行はやぶにらみの小男の案内係について裏通りや小道を進んでいく。小男に遅れまいとして、いきおい早足になる。やがて彼らはしっかりとした小さな建物に到着した。一行は不安げな表情で他人を装いながら、密かに目配せをする。意を決して先頭の牙から建物に入った。
部屋の中央のテーブルには心の中まで見通せるような鋭い目つき男、壁際には深くかぶったフードで顔を隠した4人の人物がいた。正面の男は入ってきたレシュラックから目を離さずに言った。
「で貴公はどのようなものを迷宮に持ち込むつもりかな?先に公示したように持ち込めるのは武器防具、魔法のアイテム、ただしポーションは2本、スクロールは5枚、ワンドは1本だ。食料と飲料は1日分、コンパス、ロープ、ピトンといった雑多なアイテムは持ち込みを禁ずる。例外として、背嚢、盗賊道具、聖印は許可する。また呪文については迷宮に入るまで使用を禁ずる。貴公が信義に基づいて何ら不正な行為は働いていないと信じるが、競技の公正を維持するために魔法で確認させて頂くことを了承願いたい」
彼が言い終わると、壁際の人物がそれぞれ呪文の詠唱を始めた。
「では貴公が持ち込むものを一つずつ確認させて頂こう」
結局、主催者側は競技の公正性を維持すると言うより、参加者が想定外の手段で迷宮を突破してしまわないよう目を光らせていたようだ。一行が分担して持ち込みをはかったワンドはほとんど取り上げられてしまった。監督官の心象が悪かったものは持ち込みが許可されるはずのアイテムも没収されてしまった。唯一健闘したのは、入念に笑顔を練習したピピンだけだった。
建物から続く道の両側には観客が幾重にも列をなし、彼らに熱狂的な歓声を送っていた。やがて行く手に迷宮の入口が見えた。その左右に巨大な石柱が立っている。更に進むと、挑戦者を迎えようとするサザンクロスの支配者シン卿の姿が見えてきた。大会係委員が一人一人に鍵を1本ずつ手渡していく。男は鍵を渡しながら「ちょっとした手助けにはなるでしょう」と告げた。
「では、全員うち揃ったところで」シン卿が口をひらいた。「競技を始めるといたそう」牙を先頭に全員が列をなして迷宮の入口をくぐった。
洞窟の暗がりの奥へ奥へと歩み入るにつれ、観客のどよめきが遠くかすかになっていく。天井には巨大な水晶がおよそ100フィートおきに吊され、どうにか通路を目でたどれるほどの弱々しい明かりを放っている。迷宮の空気は冷たく湿って澱んでいる。ゆっくりと5分ほど通路をたどると、左手の壁際に石のテーブルが置かれていた。箱は一行全員分用意されていた。いずれの箱にも鍵穴がついており、一人一人の名前が箱の上蓋に記されていた。
SIZE(40){恐るべき罠!}、SIZE(10){凶悪なモンスター!}、SIZE(15){難解な謎掛け!}
これら全てを打ち倒し、ピラルクの一行は最後の扉を押し開けた。迷宮の出口は初夏の西日を正面から浴び、暗闇に慣れた彼らの目を眩ませる。赤みがかった強烈な光の先からは大群衆のうねるようなどよめきが低く、そして力強く聞こえてくる。先頭のピピンが姿を現すと群衆の歓声がひときわ高くなる。続いて他のメンバーが出口を通り抜けるのを見ると、その声に戸惑いが現れる。挑戦者達-今や勝利者達だが-は小道を進むと、演壇の上の色鮮やかな日傘が作る日陰でシンがくつろいでいるのが見える。彼らはそのまま演壇の正面に立った。シンが不機嫌なのは、死の罠の地下迷宮を生きて抜け出せる者がいようとは、夢にも思わなかったからだろう。しかも一人だけではないのだ。だが今やサザンクロスの秘密は明らかになった。シンが椅子から立ち上がると、彼らは一歩一歩、階段を踏みしめながら壇上へと上っていった。シンの目前で立ち止まり、一礼してから真っ直ぐに彼に顔を向けた。頑なに事実を否定しようとする冷厳な瞳が勝利者達の目を射る。
ブラスが口元をゆがめて笑うと、シンが手を差し伸べてきた。耳を聾する大歓声がサザンクロスの人々からあがり、シンは金貨50,000枚を納めた櫃の蓋を開いた。そして耳元で囁く。~
「何とも欲のない者共だ。全員で分けたら10,000gpにしかならんぞ。誰が真の勝利者であるか証明する機会を与えてやっても良いのだぞ。勝利者とは強い欲望と執念を持つ漢のことを言うのだ」~
ブラスは耳を穿りながら、気のない顔をして言った。~
「いや、これで十分だから」~
「ピラルク村、万歳!」群衆に紛れたリハクが他を圧倒する大声で叫んだ。シンはあきらめたように両手を広げると、一つだけ用意された月桂冠をプラスの方へ放り投げると、足早に演壇から退場した。一行は改めて群衆に向き直り、高々と両手を揚げて宣言した。~
「我ら死の罠の地下迷宮を制覇せり!」
悪党だけが笑っている
みんな待ってろよ。一行の思いは空しく、敵の姿を捕らえることは出来なかった。あと1日で
バータータウンという所で最後の野営の準備をしながらパーティーの心は沈んでいた。バータータウンはさほど大きな町ではないとはいえ、暗い小道が入り交じり、よそ者の彼らにとっては迷宮と変わりがなかった。仲間の考えを代弁するようにドップが言った。~
「どうするよ?」~
- そこら辺歩いている気の弱そうな奴を暗がりに連れ込んで聞いてみようぜ -- ブラス SIZE(10){2004-06-01 (火) 23:43:58}
- 木偶狩り隊はアレだけの規模(8人パーティ)と数(荒野で2日に1度は遭遇する)なんだから他の隊が目的地まで案内してくれるのでは? -- ピピン SIZE(10){2004-06-12 (土) 23:40:38}
注意深く観察すると、待ちのあちらこちらに
木偶狩り隊の物とおぼしき馬車を見つけることが出来る。荷台には幌が張られ、中の様子を見ることは出来ないが、近付いて耳を澄ますとすすり泣きや、不安そうな会話が聞こえてくる。更にその馬車の動きを見張っていると、「テソブスタッフ」という文字の書かれた派手な看板を掲げた大きな建物の中に入っていく。建物の周囲には目つきの悪い男達がたむろしている。
- ピピンこっそり見てこいよ -- ブラス SIZE(10){2004-12-16 (木) 00:41:12}
- 見張りがいてはこっそりも難しいですよ。とりあえず、「テソブスタッフ」の評判?を情報収集しましょう。って、そんな余裕は無いんでしたっけ? -- ピピン SIZE(10){2004-12-16 (木) 23:14:31}
入口の扉の脇には大きな掲示板があり、そこには次のように書かれています。
雇用の創造~
就業形態、就業環境、業務内容、就業条件などに対してあらゆる雇用創造の可能性を追求する。~
人々の成長~
年齢・性別・国籍にかかわらず、仕事の経験を通して、人間性の向上を目指し働く人々の成長を支援する。~
社会貢献~
雇用の創造と有用な人々を通して、社会の発展に貢献する。 ~
近所の住人に噂を聞いて回ると、思った通り評判は芳しいものではなく、人身売買を行っているようです。ただ今までに何人かのパラディンが正面から乗り込んでいったが、皆一様に訝しげな表情で大人しく帰ったそうです。しばらく店を眺めていて分かったことは、正面にはお金を持っていそうな人々が出入りしており、木偶狩り隊らしき馬車は裏口から出入りしているということです。正面を出入りしている人々は、もちろん所謂悪党面の者もいますが、普通の農民の代表らしき人々もいます。
- バータータウンで騒ぎを起こすとどうなる? -- ブラス SIZE(10){2004-12-18 (土) 14:45:00}
- いつものことだよ。この町には警備員なんてものは居ないし、みんな自分の身に危険がなければ喜んで見物しているよ。 -- 通行人A SIZE(10){2004-12-18 (土) 18:35:38}
自由の守護者たるトライセリオンのクリレック、ブラスにとって、奴隷商人などはもっとも憎むべき敵の一つだ。~
「叩き潰すべきだ!火をかけて滅殺しなければならん」。~
仲間は彼の強い言葉に、行き過ぎを感じながらも同意を示そうとしていた。しかしここで、蛮勇を誇る牙が一言水を差した。~
「でも、ここに村人が捕らえられていると決まった訳では無し。死人は何も語ってくれないぞ」。冷静になった一行は、建物を一周し、捕らわれている人々を覗ける窓を発見した。そこから小声で虜囚に話しかけてみると、彼らは自身の都合でここにいることが判明した。ここのボスと一度穏便に話し合いをして、何か知っていないが探ってみることにした。
奴隷商テソブスタッフの従業員は悪党面ながら、接客は良く教育されている。一行は気持ちの悪さを感じながら事務所に入っていく。ピピンが何気ない会話をしながらも、必要な情報を探り出そうとしている横から、牙が単刀直入に切り出した。~
「我々はピラルク村の者だ。さらわれた我が村の住人の行方を捜している。ここの主人のジャッカルと話がしたい」~
奇っ怪な化粧をした受付嬢たちは困惑して顔を見合わせた。騒ぎを聞きつけて奥の部屋から上司らしき人物が現れた。その男はミスター・スマイルと名乗る、名前とは裏腹に眉間に深いしわを刻んだ渋面の男だ。スマイルは一行の話を最初から聞くと、すぐに待機スタッフと呼んでる人々に引き合わせた。そしてテソブスタッフは人身売買などではなく、売り手買い手双方の利益を満たすために働く、口利き屋だと説明した。それを肯定する待機スタッフの話を聞きながらも、一行の頭の中にかかった疑惑の雲が晴れることはなかった。そのとき扉が開き主人のジャッカルが現れた。彼は一行の話に心の底から同情しているように見える。そしてピラルクの村人が連れて行かれた場所として、沼の砦の噂を聞かせた。その砦は怪物に支配されており、このところ近郊の村々が砦の怪物に襲われ、連れ去られていると言うのだ。一行はその情報に一縷の望みを掛けてみることにした。
沼の砦まで後一日という所で野営し、夕食後の時間を思い思いくつろいで過ごしていたとき、街道を覚束ない足取りで歩く人影を発見した。身構え待ち構える一行の前で、その人物は頭を抱えその場にしゃがみ込んだ。~
「うう・・・、死にたくない」と言うと、彼の頭は目に見えない手で引っ張られたかのように持ち上がり、そのまま胴体から分かれてしまった。宙に浮かび上がった頭部の耳の所にはコウモリのような大きな翼が生え、おとがいと頭皮からは数本の触手が生えている。凶悪な牙が生えた口を大きく開けて、その怪物は恐ろしい金切り声を上げた。その声を聞いて一行の何人かは恐怖で身体が麻痺してしまったが、残りの者が一撃を食らわせると怪物は息絶えた。その晩一行は、遠くから聞こえるこの世のものとは思えぬ金切り声のために、不安な夜を過ごした。
翌日の昼過ぎ、霞がかった地平線に小高い丘とその上にそびえる砦を発見した。目的地を発見し、一行は気を引き締め先を急いだ。丘の上の砦と、中腹にある洞窟、それらにつながるみすぼらしい小屋が建ち並ぶ村がはっきりと見えてきた。そしてその村の手前で下品な顔をした乗騎の男がぼろぼろの衣服を身につけた村人をいたぶっている場面に出くわした。一行は何ら恐れる物は無いとばかりに、彼らに堂々と近づいた。ふと顔を上げた乗騎の男が一行に気付くと、2人の男が近寄ってきた。彼らは無遠慮に一行を上から下まで眺め回すと、次のように尊大な口ぶりで言った。~
「ここはブロソン様の土地だ。余所者は速やかに立ち去れ!」~
この男たちが砦の怪物の手下だと断定した一行は、目にもとまらぬ早さで抜刀し、一瞬で彼らを切り伏せた。これを見て、残った乗騎の男はあわてて馬首を巡らせて砦に逃げ出した。
アイシェルは成敗した男の馬に素早く飛び乗ると、卓越した乗馬の腕前を披露して瞬く間に逃げた男に肉薄する。しかし後もう少しという所で、男は村に逃げ込んでしまった。
一行は取り残された農民を助け起こすと、彼らの状況について質問した。彼らは砦の地下にミノタウロスのブロソンのための迷宮を建設するために、近隣の村からつれてこられた。砦にはミノタウロスの他に白子のドワーフの集団、人食い鬼を仲間にしているハイエナの頭を持つ怪物の傭兵たちがおり、迷宮の片隅には盲目の人食い部族が生息していることを話した。また農民が身につけた不格好な赤いランニングシャツについて質問すると、これは怪物たちが農民の健康状態を把握するために着ることを強制されていると答えた。赤い色は病人や身体が不自由な者、黄色は疲労が溜まり健康状態が良好でない者、緑は健康な者を表している。赤を着せられた者は遅かれ早かれ怪物共に喰われてしまう運命だという。彼はそんな運命から逃れるために、思い切って逃げ出したが先ほどの男たちに捕捉されてしまった。あの男たちは彼と同じように連れてこられた者だが、怪物共に取り入って、その手下として働いているのらしい。彼は知っている限りのことを一行に教えると、赤いシャツをその場に投げ捨て、自由に向けて出発した。
ピピンは村人が残した赤シャツを身につけて、村への潜入を図った。村人は疲れ果てており、ほとんどの者が赤シャツを着けている。話を聞いて回った所では、黄色や緑は迷宮建設のために肉体労働を強制されているようだ。砦のほうが騒がしくなり、敵の部隊が出撃した。余り時間がないと判断したピピンがさらわれたピラルクの住人を捜すと、4人のうち一人を発見することが出来た。彼の話では残りの3人は迷宮に入っているらしい。ピラルク評議会の一行がすぐ近くで救出の準備を整えていることを伝え、彼を励ましもうしばらく辛抱するように言い聞かせピピンは仲間の元に戻った。
村から少し離れた場所で待機していた一行は、目立たないように隠れていたが、出撃してきた敵の部隊にすぐに発見されてしまった。敵は騎馬兵5人、ハイエナ頭3匹、人食い鬼が1匹だ。初戦の射撃戦は牙の唸りを挙げるスリングにより敵の騎兵2体を倒したのに対して、味方の被害は零だった。続く肉弾戦もドップが枯れ草を刈るようにグレートソードを軽々と振り回すと、次々と敵は血の海に沈んだ。この戦いを観察していた砦側は恐れをなし、城門を固く閉ざして籠城の構えを見せた。ピラルクの勇者は敵の馬にまたがると、意気揚々と村へと入った。
捕らわれた残り3人の救出を第一目標として、一行は迷宮へと進行した。事前に迷宮の地図を村人から入手した一行は真っ直ぐに作業現場へと進んだ。配置されているはずの敵の姿はなく、どうやら決戦に備えて重要拠点に集結しているようだ。しかし完成済みの罠が一行の行く手を阻むが、何とかこれをクリヤーして迷宮の最深部へと突き進む。はたして作業現場では見張りが姿を消し、訝しんでいる作業員の中にピラルク村の3人を発見することが出来た。そのまま一行は敵の首領、ミノタウロスのブロソンが待ち構える迷宮の中心部を襲撃した。そこにはミノタウロスの他に魔法を操る白子のドワーフのリーダーが率いる邪悪なドワーフ8体と8体の盲目の人食い部族がいた。レシュラックのウェブにより敵の1/3を無力化し、魔法使いのマジックミサイルに悩まされながらもミノタウロスを倒すことに成功した。ミノタウロスが倒されると白子のドワーフとその弟子は秘密の通路を通って一目散に逃げ出した。
残りのハイエナ頭の傭兵隊と対決すべく、迷宮と砦を結ぶ螺旋階段を上った一行が見たものは、解放され喜びに沸く村人たちの姿だった。白子のドワーフがミノタウロスの死を傭兵隊に伝えると、彼らは取る物を取りあえずいそいで砦から逃げ出したそうだ。改めて迷宮と砦を探索した一行は敵の宝を発見し馬へと積み込んだ。そしてピラルクへの移住を希望する人々を率いて帰還の途についた。
連れ去られた4人の帰還が知らされるとピラルクの住人は評議員の勇敢さと誠実さをたたえ、喚起の声と共に迎え入れた。村の入口で出迎えたリハクの笑顔は英雄たちの後ろに続く人々を見て凍り付いた。~
「多すぎます。食料が持ちません」~
悪党共が多すぎる
良く晴れた麗らかな5月の昼下がり。植え付けも無事に済み、物見櫓の設置も完了し、村人は笑顔を取り戻した。PCは気楽な午後を過ごしながら、くつろいでいた。
ただ問題なのは、昨日身寄りのない子供を村まで連れてきたアイシェルのことだ。彼女は荒野を彷徨う子供達を保護し、PCが立てた木偶狩り隊への挑戦の看板を頼りにやってきた。アイシェルは腕の立つ戦士であり癒し手でもあるので、村のために協力したいという申し出は非常にありがたかったが、盾の乙女マイアヘンに仕えるだけあって正義や義務を声高に主張し、今日も朝早くから、子供達の両親がどうなってしまったかを確認するのは正義を報じる人間の義務だと演説をしている。トライセリオンのクレリック、ブラスなどは酒瓶を片手に鼻くそをほじりながら、薄ら笑みを浮かべて演説を聴いている。
その時、生来鋭い耳を持つピピンは南の櫓の鐘が鳴る音を聞いた。それも一度だけ。櫓の鐘の打ち方は様々なパターンがあるが、こんな打ち方は決められていない。なじみ深い感覚が浮かび上がってくる。罠?いや敵が近付いてる。
見事な手並みだった。付近には争った形跡すら残さず、村人4人が連れ去られた。物見櫓の監視兵は魔法で眠らされたらしく、幸せそうな寝息を立てている。起こされ事態を理解し真っ青になった監視兵に状況を確認した一行は、急遽装備を整え追跡を開始した。
南へ向かう敵の痕跡を順調に追跡していたが、突然それが消え失せてしまった。レシュラックは敵がダストオブトレイルネスを使ったに違いないと推測した。そして敵は進路を変え、本拠地があると言われているバータータウンに向かったのではないかという
牙の兄貴の直感を信じ、PCは西の方角を捜索することにした。夕刻、陽が完全に沈む直前に再び敵の痕跡を発見した。敵がバータータウンに向かっているらしいことがはっきりした今、無理に夜間の強行軍をして夜に徘徊する怪物と出くわす危険を避け、PC一行は休息を取ることにした。
皆が寝静まり、ピピン一人が不寝番をしていると、暗闇から不自然な発音の共通語で声をかける者がいた。~
「おっと、こんな所にいたのか。痛い目に遭いたくなければ一切合切置いて行きな。なに、ふんどしぐらいは残しておいてやるぜ」~
暗闇に紛れた野盗の姿はピピンには見えない。すぐさま隣の牙の兄貴を揺り起こす。牙は謎の野盗と丁々発止の言い合いをして時間を稼ぐ。仲間が全員目を覚ましたことを確認した牙は敵に最後の言葉を投げかける。~
「死ねや、ボォケ!」~
敵は華山群狼剣を使う
牙一族のコボルドだった。激しい戦闘により、コボルドを一匹残らず倒した一行は、敵に捕まっていた4人の農民を発見した。しかし彼らはピラルク村の人間ではなかった。彼らの話では8人の農民が木偶狩り隊に捕まっていたが、夕方に木偶狩り隊と牙一族が遭遇し、話し合いの結果彼ら4人を譲ることで分かれたそうだ。そのまま木偶狩り隊に連れて行かれた人々の人相を確認してみると、やはりピラルクの住人のようであった。陽が昇り、4人の農民にはコボルドからはぎ取った武器とブラスがしたためた許可証を与えピラルク村へ行くように命じ、PCは追跡を再開した。
あくる日も追跡を続けたが、結局敵の姿をとらえることは出来なかった。その晩も休息することにしてその準備をしていた。ふと周りを見渡したピピンは近くにある丘の上に一瞬の炎の輝きを認めた。何者かがそこにいるのか?確認をするために一行は戦闘準備を整え慎重にに丘を上った。丘の上には小規模な砦があった。砦を探索し、ここを住処としていたヘルハウンドを倒し、謎のオーブを発見する。地階へと下って行くと、そこはダンジョンであった。~
ダンジョンの中には戦士ウォルフの墳墓があり、また一振りの剣が安置されていた。剣の柄に近い刀身にはひしゃく型の7つの窪みがあり、砦で見つけたオーブをその一カ所に嵌めると、それは剣と一体化した。地下墳墓の先には邪悪なジャームレインや恐ろしい怪物が生息していたが、それらを倒しかなりの宝を手に入れることが出来た。
安全な砦で休息した一行は、彼らの農民を助けるため再び追跡を開始した。
- 希望があれば -- 無法者頭 SIZE(10){2004-04-07 (水) 14:26:28}
- アイシェルの登場方法は? -- Cane SIZE(10){2004-05-20 (木) 12:38:27}
- 特に希望がなければ、すでに村のメンバーということで -- 無法者頭 SIZE(10){2004-05-20 (木) 14:31:01}
- 櫓は俺らがこれから費用を稼ぎに行くんじゃなかったっけ? -- ISen SIZE(10){2004-05-21 (金) 00:31:34}
- 過去のメールのやり取りに拠れば、ドップを中心とするPC達の寄付で費用をまかなえたということらしいですが。 -- Cane SIZE(10){2004-05-21 (金) 01:45:37}
- シナリオに組み込まなくてもいいですが、何のエピソードもなく突然出現するのは面白くないですね。木偶狩り隊から子供でも助け出してピラルクに逃げ込んできたというのはどうでしょうか? -- Cane SIZE(10){2004-05-21 (金) 01:52:15}
- 城塞本によるとGuardpostでも数百gpなので、ただの物見櫓なら村人を招集すれば建設可能とした。 -- 無法者頭 SIZE(10){2004-05-21 (金) 10:03:59}
- キャラクターイメージにずれがある場合には各自修正してくれ -- 無法者頭 SIZE(10){2004-05-21 (金) 10:36:14}
種籾は黄金にも等しい
牙一族により壊滅的なダメージを負った
ピラルクを救うため、PC達は冒険へと旅立った。この時期に植え付けを終わらさなくては、冬を越すための収穫が見込めず、民は飢え、難民として荒野を彷徨うことになるだろう。彼らを救う種籾を購入するために必要な資金は、
長老リハクの見積によると2000gpだ。彼の記憶では
ケルティック山に忘れられたファイヤージャイアントの洞窟があり、そこを探索すれば必要な資金を得ることが出来るに違いない。
ケルティック山までは凡そ7日の旅程だ。村の食料庫にかかる負担を軽減するために、PCは最も近い町、無法都市
バータータウンで保存食を購入することを計画した。だが幸運にも
バータータウンに向かう途中出会った商人より、必要な量の保存食を購入することが出来たため、一路ケルティック山に向かった。
ケルティック山への行程で
木偶狩り隊を発見した一行は、これを襲撃し捕らえられた犠牲者を
ピラルクに迎え入れた。そして
木偶狩り隊を打ち倒した場所には、PCの正義を宣言する標識が掲げられた。
ケルティック山麓の集落で洞窟研究家を名乗るノーム、「爆発頭」のグリム・ニンゲルに出会い、ゴブリンの襲来によりファイヤージャイアントの洞窟を出られなくなった鉱物研究家のノーム、「燃える石頭」のシーボ・デュレンの救出を依頼された。バグベアーに率いられたゴブリンを一蹴し、「石頭」を救出した一行は、山の噴火が近付いており内部を探索するには今しかないと告げられる。熱気にやられ、身体が弱っている「石頭」を安全な部屋に残し、PCは洞窟の探索を急いだ。数回の噴火の予兆の後、もはや時間は残されていないと判断した一行は「石頭」と合流し、急ぎ洞窟を離れた。PCの読み通り、洞窟を出ると同時にケルティック山は噴火を始め、流れ出した溶岩により洞窟は塞がれてしまった。
「石頭」救出の謝礼と洞窟の中で発見した財宝により、十分な種籾資金を得て、PCは帰途についた。
- 感想なぞどうぞ -- 無法者頭 SIZE(10){2004-04-07 (水) 14:25:02}
最終更新:2011年11月30日 01:31