プロローグ
『人は何時から、俯いて歩くようになったのかしら。』
『え・・・?』
とても美しい人が、
僕にそう聞いた気がした。
『なんで、そんなことをぼくに・・・・・?』
幼い僕は、聞き返した。
けど、声は返ってこなかった。
僕が家に帰ろうとしたので、ついていくことにした。
家に帰って、さっきの出来事を必死に訴える僕がいた。
お母さんやお父さんに話しても、
『そう、シュインが夢でも見たんじゃないの?』
と、まるで信じていなかった。
『だってあれは確かにパパの本で見たア・ゴッデスだったもん!!』
『はいはい。』
久しぶりに見る、お母さんの笑顔。
なつかしい。
不意に、その景色が遠くなっていく。
いやだ、僕はもっと、ここにいたい。
孤独ばかりの未来になんか、帰りたくない――――――――
・・・・・・――――――――――
――――――――――・・・・・
「ん・・・ふわぁ~・・・・」
とても、懐かしい夢を見た。
あのころは、まだ、みんな――――――
「・・・・うじうじしないって、あの日、誓ったじゃないか。何を考えてるんだ、僕は。
今日は、お墓参りに行くんだろ?泣いてるところ見たら、母さんたちが悲しむじゃないか。」
どうして、あんなに訴えていた自分がいたのか。
今はちっとも、信じちゃいないのに。
ここでふと、僕は思い出す。
「・・・でも、あの時あの人が言ったことは、正しいんじゃないかな?」
僕だって。十年前の、あの日から。
・・・でももうそんな事言ってられない。言わないって、約束したんだから。
プロローグ・完
最終更新:2008年08月30日 20:03