ここでは、生産関数や効用関数などとして使われるコブダグラス関数と、
コブダグラス関数を一般化したCES関数の基本性質について紹介する。
コブダグラス関数

を正の定数としたとき、

の形で表される関数をコブダグラス関数という。
両辺の対数をとると、

と対数の線形関数になる。
コブダグラス関数の形の生産関数はY:生産量、K:資本、L:労働として、

という形で表される。コブダグラス関数型なので

である。
資本と労働を1単位ずつ投入したときには、

だけ生産される。
ここでYの単位をAにすれば、

とすることができる。
このようなプロセスを正規化や標準化と言ったりする。
ここでKとLがk倍されたとすると、

となる。

のとき、

であるので

…①となる。
同様に

のとき、

であるので

…②となり、

のときは、

より

…③となる。
①のときを
規模に関して収穫逓増と呼び、②の場合を
規模に関して収穫逓減と呼ぶ。
③の場合は
規模に関して収穫一定と呼び、このときこの生産関数は1次同次である。

より

であるので、

と表記できる。
CES関数
生産量Y、資本K、労働LとするとCES生産関数は、

と表される。
このCES関数はコブダグラス関数を含んだより一般的な関数となっている。
CESとはconstant elasticity of substitutionの略で、「代替の弾力性が一定」という意味である。
CES関数は様々な関数を含んだ一般的な関数であるので、σの値によって様々な関数型になりうる。

のとき、

となって線形関数となる。

のとき、右辺の対数をとると

となる。

の極限をとると

となりロピタルの定理を用いて、

と変形される。
最初に対数をとっていたのでそれを元に戻すと、

とコブダグラス型関数になる。

のとき、

と変形できる。
ここで

と仮定し、

、

とおく。

より

なので、

となる。

のときも同様にすると

となり、

のときは

である。
最終更新:2013年08月14日 00:32