総評 40点
【★★☆☆☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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3 |
4 |
5 |
アニメ序盤の設定とノリから、オリジナルの物語が展開する。
ゲーム自体は面白いのだが、全体にわたるロードの重さが何より悪い点。
1:プレイ時間 【★★★☆☆】
ストーリー進行を優先したプレイで1周25時間程度。
PS2のRPGとしては短い方だが、これ以上長くなるとクリアしようという意気まで失う危険性があるギリギリのバランスである。あっさりすぎる話の「量」が、ゲーム全体の重たさと合致して丁度プレイが嫌にならない瀬戸際でまとまるという、偶然のマッチングが起きている。
進化系譜を埋めるとなるとこの倍~3倍はかかるだろうが、そこまでしようという気は起きない。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★☆☆☆】
あらすじ:
主人公・大門大らDATSのメンバーは、行方不明になった子供を追いデジタルワールドを調査中、七大魔王と称されるデーモンと遭遇する。その圧倒的な力に打ちのめされる彼らであったが、デーモンは倒れる大の落したデジヴァイスを見るなりその場から立ち去ってしまうのだった――
7大魔王デジモンが総登場しそれを撃破してゆくことでキーアイテムを回収してゆくという、RPGにおいての王道の流れでありデジモンが好きなプレイヤーなら在る程度楽しめるだろう。
ただそのシナリオ自体は「悪さをしている悪党を懲らしめる」程度のもので、展開としてどんでん返しも用意されているがそれも容易に想像できるレベルのもの。
キモである7大魔王デジモンも、ダンジョンの奥にいて一言二言しゃべるだけでキャラクターも何も感じられないのでは肩透かしもいいところである。単に姿を使われただけという状態は残念の一言。
3:難易度設定・調整 【★★☆☆☆】
基本的に逃走しながら進めない限り、敗北することはまず無い、といった設定になっている。
通常のゲームであればこの低すぎる難易度設定はよろしくないのだが、このゲームにおいては後述するプレイ感覚の悪さからこの程度の設定でなければやる気が続かないという状態の、これもギリギリのバランスと言える。
ラスボスでも一つの心配も無く撃破できてしまう状態が良い筈がない。
又、出現デジモンの種族が終始偏ってしまっているのもいただけない。
4:操作感(プレイ感覚) 【★☆☆☆☆】
このゲーム最大の問題点は何をするにも細かいロードが挟まれスムーズに進まない点である。
エンカウント時・マップ切り替え時は勿論、メニューを開く・メニュー項目から一つを選択する・一つ項目を戻す・戦闘中の行動選択から行動を行うまでの間・一人が攻撃して次のキャラのターンに移る間……等々、ほぼ全ての物事の間に数秒のラグが生じて全くもってスムーズに進まない。特に戦闘がどうしようもなくダルく感じてしまうのは大きな×。
5:独自システム 【★★★★☆】
→ギャラクティカエヴォリュションシステム
進化先毎に用意されている複数の条件を満たすことでそのデジモンへの進化が可能になる。
一つの条件を満たすごとに星座を構成する星の一つが光り、星座が完成することで条件を満たしたことになる。
なりたいデジモンの必要条件を先に確認できるので、行動の指針を立ててゲームをプレイできる。○。
RPGというゲームの枠にデジモンの進化の楽しみを込めるならばこういう手法になるだろう、と考えられるものを正確に実現していると言えるだろう。
→エモーショナル・コマンド・システム
戦闘中のコマンドはデジモン自身が望んでいるものの中から選択する。逃走したくともデジモンが逃げる気が無い場合は逃走することができないが、デジモンが一番望んでいる行動を選択すると信頼度がUPする。
これは原作の「デジモンとテイマーの友情・心のつながり」を再現したシステムであろう。
結論からいえば、ゲーム的な視点から見れば特に魅力も必要性も無い。
原作再現が一番の目的のシステムであってプレイの楽しみを追及したものではないからである。
行動決定も結局は数値的なことを考えてのプレイを強いられるだけになる。△。
作中でイベントにより数値の変動がある等、別の要素との繋がりがあればもう少し良かったかもしれない。
6:価値 【★★★☆☆】
購入価格:980円
デジモン好きならば、この値段であれば買って損はない。繰り返すが、非常にプレイ感覚は悪いのだがシステム全般に関しての作り自体は悪くないのである。デジモンを愛していれば十分プレイできる。
ただし、それほどデジモンに対して感慨も持っていないようであれば最後までプレイするのは困難だろう。
試しにも買うのは止めた方が良い。
7:キャラクター 【★★☆☆☆】
オリジナルキャラが話の中心になるのだが、大体プレイヤーが思ったとおりの動きをする。
というより、話自体にボリュームが無いのでキャラクターを魅せる暇がないというのが正直なところ。
加えて原作キャラも、各キャラに関するエピソードなど皆無で感情移入のかけらもできない。
ゲームはまだ原作があまり進んでいない状態で開発されただろうから、その点に関しては仕方がないかもしれないが。
8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
クリア後のセーブはないものの、最終セーブポイントでのセーブによって隠し要素が解禁される。
それによってラスボスより強力なボスと複数戦えるようになるので、十分楽しみは存在している。
だが、それを楽しむのにもやはりロードの遅さがプレイしようという意気の足を引っ張る。本当に勿体ない。
進化系譜を埋める楽しみも同様の足の引っ張りでなかなかやる気が起きてくれない。
9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
PS2によくある3Dと2Dの中間のような絵柄で造形がなされている。
デジモンはどれもなかなか細かく格好良く可愛らしくデザインされており好印象。完全体や究極体にも進化させてみたい・させてやりたいという気持ちが湧いてくる。◎。
10:その他 【★★★★★】
プログラミングの問題なのだろうか、システムそのままに作りなおせば良作になりうるゲームだと思う。
最終更新:2009年01月22日 00:57