星のカービィ ウルトラスーパーデラックス


総評 81点

【★★★★★】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 3 5 4 5 4 5 4 3 4 4
ファンが待ちに待ったSDXのリメイク作品。
リメイクというよりも移植+追加と言った方がしっくりくるゲームメイクになっており、当時のプレイヤーなら十二分に楽しめる。既に名作と呼べる作品だったリメイク元を内包している以上、面白くないわけがない。



 1:プレイ時間 【★★★☆☆】
SFCでやりこんだ人なら追加要素も含めて10時間強で達成度100%にできるだろう。
そうでない人でも15時間あれば恐らく可能。
よくセーブデータが消えるのがSFC版の特徴であり、手軽に完全攻略できたシステムがそんなところともマッチしていてプレイしやすく、当時は何度も何度もプレイし100%にしたものだ。
本作はそんなリメイク元の手軽さを大切にしたのか、同様のプレイ時間となっている。データは消えないが。

……それにしても、何かもう少し遊べる要素が欲しかったというのも本音である。
一通りクリアした後はタイムアタックに挑戦するくらいしかすることが無くなってしまうというのも寂しい。
(本作は簡単に・短時間でクリアできてしまうが故に)

やはりちょくちょく遊ぶソフトなのだろうか。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★★★】
あらすじ:
全体に渡るものは特に無し。個別シナリオ形式でありそれぞれに物語あり。

ほのぼのはるかぜ、やりこみレース、コレクション洞窟、シリアスメタナイト、総まとめ銀河、さらに+ααα、と様々なタイプのステージを用意しながらも、キャラクターの面々から物語自体までがカービィのほんわかとした雰囲気を崩すことのないつくりで一貫していて、安心してゲームを楽しむことができる。良。

追加ステージも、あるシナリオの後日談から人気のあのキャラの物語、とファンを喜ばせる充実の内容となっている。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
全体的に低難度は低難度なのだが、理由ある(納得できる)低難度ゆえ評価は下がらない。
作品の方向性として、ゲーマーよりもDS本来のだれでも楽しめるという範囲、加えて当時SFCで遊んでいて今はそれほどゲームをするわけでもない人、までもがターゲットであっただろう。
本作はそれに沿う設定がなされていたと感じた。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★★】
基本的にはリメイク元よろしく、簡単な操作で色々なアクションが楽しめる。レスポンスも良く、ゲーム全体のサクサク進んでゆく感覚がより増幅されプレイが心地よい。

これでキーコンフィグがあれば満点だったのだが、なぜ作らなかったのだろうか。寧ろ不思議である。


 5:独自システム 【★★★★☆】
→改修点
…洞窟大作戦や銀河に願いをにおける収集要素(宝、コピーのもとデラックス)が、エリア毎にいくつあるか/入手したかが明示されるようになっている。非常にプレイしやすい。◎
…コピーのもとをタッチ画面でプレイしながら選択することが可能になっており、何度もメニュー画面を開くストレスが解消されている。○。
…バランスやグラフィック等変更点は幾つか。

→追加要素
…ステージ(シナリオ)2つ、格闘王系2つ、新ミニゲーム。
 新雑魚、新ボスが追加されており、楽しくプレイできる。
 加えて、昔いたのにSDXには出れなかった中ボスが復活していたりと、ファンサービスも有。○。
 ただ、新ステージもステージ構成自体は使い回しで、新鮮味の薄いものであったのが残念。格闘王も基 本的にはいずれかのシナリオで戦ったボスとの再戦である為、同様に新鮮味は薄め。
 新ミニゲームはどれもタッチペンゲームであるが、対戦は非常に燃えそうである。

→あの人の特殊能力
…ライフ全回復は強すぎませんか。


 6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:4180円
思い出のある人であれば定価価値は確定で有る。
そうでなくとも、誰でも楽しめるというジャンルではかなり上位に入るだろう。
今回の移植っぷりを見ると、ちょっとした追加で過去の名作のアーカイブ的な位置づけなのかもしれない。


 7:キャラクター 【★★★★☆】
ストーリー項でも触れたが、デザインも性格付けも世界観から逸脱することなく、それでいて伝えたいものがストレートに伝わってくる良デザイン。
ジェットのツインビー型が変更されてたのは何か大人の事情でもあったのだろうか。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
地底大冒険のお宝回収や、コピーの元の収集、ヘルパーマスターへの道などちょっとしたやりこみ要素はあるが、より親切になったシステムも手伝ってどれもすぐに攻略できるだろう。
そうなると、それ以降はレースにせよそれ以外にせよ、タイムアタック以外にやることがなくなってしまう。
少々ボリュームの点において寂しい印象。
タイムアタックも、達成率とは別でもいいので一定タイムを超えればなんらかの特典を得られるなど欲しかった。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
OPから各シナリオの冒頭部分やクリア後のイベントシーンなど、SFC版ではキャラクターのアニメーションで構成されていたパートが全てCGでつくられている。多少ブロックノイズは目立つものの、可愛らしいムービー。
プレイ画面でも、自キャラもボスも雑魚もコミカルによく動いて観ているだけで楽しい。


10:その他 【★★★★☆】
待ちに待ったリメイクである。
会社側も、結構前からリメイクの話は出てたであろう。ネット上で要望もよく見かけた。
であるにも関わらず、追加要素……に限らず、(オムニバス形式ゆえのボリューム感はあるものの)プレイ時間を観ればボリューム満点とは言い難い作品に仕上がっていたのは少々残念であった。
時間のかかる作品が良い訳ではないが、「長く遊べる要素」も用意してほしかったというのが正直なところ。
つまるところ、「少なくともファンに喜んではもらえるという確信」を持てる仕事しかしておらず、
新しい何かに対する意欲などを感じられない一本に仕上がってしまっていたということ。
安牌ばかり切っていても勝利は訪れない。
せっかくあった時間をもっと有用に使ってもらいたかった。


……それでも、十分に名作と呼べる出来なのだからリメイク元の持つポテンシャルはやはり凄まじかったということか。




最終更新:2009年01月21日 23:56
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