総評 65点
【★★★★☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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5 |
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3 |
4 |
DSへの移行と共にエグゼから変化を遂げた、シリーズ第二作。
続編になってもシステム面に大きな変化が見られないのはエグゼシリーズと同様のようだ。
ゆえに評価において前作と差が付くとすればストーリー面になるのだが……結果は見ての通りである。
とはいえ、一貫して「絆」に置かれた重点がぶれないシナリオ構成は健在。何度か涙ぐまされた。
しかし3バージョンを2本のソフトで販売するとはなかなか面白く、プレイする側からしても嬉しい仕様だなぁ。
1:プレイ時間 【★★★★☆】
サブイベントを飽きない程度にこなしながらのプレイで、本編クリアまで20時間弱。
本作もなかなかのボリューム。しかしながら、少々移動によるストレスと高いエンカウント率に実時間以上のプレイ時間を感じることになる。
もう少し快適なプレイができる設定をした方が、このシリーズにはマッチすると思うのだが。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
前作から2ヶ月、ホラー映画のチケットを手に入れたスバルたちは、映画を見に「TKシティ」へ行く事になった。最新鋭の技術が搭載されているTKシティに興味を示しつつ、映画館に入ったスバルたちは「マテリアルウェーブ」による新型の映画を堪能する。しかし突如、館内に電波ウイルスが出現し、委員長が紳士のような格好をした男がスバルに宣戦を布告するのだった――
前作では宇宙からの来訪者として電波体(意志と電波の体を持つ生命体)が主人公の前に現れた。
本作は地球のロストテクノロジーやUMAにも前作のものとは別由来の電波体が関わっていた、という話。
本筋は悪くないのだが、主要キャラに関するイベントを前作で一通りやってしまっている為か、本作では「悪者が登場し、それを倒して解決する」流れが中心になってしまっていたのが非常に残念。心の弱さにつけ込まれて悪行に走らされる敵もいるのだが、前作で感動した本人自身が闇に打ち勝つ場面は殆ど無く、倒されることによって
解放され行いを悔いるという場面が多い。×。
勿論、根っからの悪人を倒す際には気兼ねする必要も相手への同情も不要であるがゆえに感じられるカタルシスもあり、その流れ自体が悪いわけではないのだけれど、そればかりになってしまってはシリーズ(といってもまだ2作目だが)の良さを感じられず、プレイヤーの求めるものとの齟齬が生まれてしまう。勿体無い。
敵の目的が「世界征服」であり前作の「宇宙からの破滅の招来」以上にリアリティが薄い為、全体の流れにプレイヤーの意識が向いていかないのも惜しい点。
と難点ばかりを挙げたが、これらはいずれも「流れ」に対する指摘。
個々の物語自体は冒頭の総評に書いたとおり、決して悪くない内容で泣けるシーンもいくつか。
メインキャラの面々は皆非常に生き生きとしており、プレイしていると、作者がキャラを動かすのではなくキャラ自身が動くのだ、と言える良いシナリオ。◎。
分かりやすく書けば、「そうだよな、こいつならそう言うよな!そうするよな!」と強く感じるシナリオになっているということ。
どちらも選ばない選べないダブルヒロイン構成、賛成ですよ^^
3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
強敵だと感じる相手はラスボスくらいなもので、基本的には難易度は低い。
……のだが、エンカウント率がなぜだか妙に高く設定されており、ダンジョンの仕掛けをこなす間や町間の移動が非常にダルく感じられたので、もしかしたら両者を考慮しての設定だったのかもしれない。雑魚はそれほど強くないためしょっちゅう遭遇して溜まるストレスが多少軽減されている。
とはいえ、高いエンカウント率に設定するならばそれを下げる何らかの手段も用意しておくべき。一応エンカウント防止アイテムも用意されてはいるものの、値段が高くおいそれと使えないのでは意味がない。
前作ではあまり使い出の無かったフォームチェンジに関しては、弱点ダメージ2倍の撤廃、3種類の差異の強調、開始時から装着するスキルが用意されている、等使いやすいようよく改善されている。特に2番目が重要で、通信対戦をする際にどのバージョンが相手かということが勝敗や戦い方により大きな影響を与えるようになっている。○。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★★☆☆】
基本的な操作全般はレスポンスも良く快適。どこでもセーブできるのも楽でいい。
だが、元々移動が面倒だという性質をもつエグゼ・流星シリーズにおいて、本作では主人公の行動範囲が海外にまで伸び、その海外までの移動はショートカットはあれども基本自分の足でいかなければいけないという仕様が、前述した高いエンカウント率と相まって大きな障害となっている。正直ルーラ欲しい。
少なくとも、好きな地点にウェーブアウトできるようにはなってほしいところ。
5:独自システム 【★★★★★】
→ブラザーバンドシステム
シリーズの主軸。前作と同様ながら、互いに交換できる情報により広がりができた。
→1カートリッジ2バージョン
従来1カートリッジに1つしかセーブが作れなかった同シリーズであるが、本作ではそれが2つになったと共にそれぞれを別バージョンとして楽しむことができる。両方遊べて、一本で二度美味しい仕様。○。
→トライブオン システム
いわゆるフォームチェンジ。基本的には自分のバージョン特有の変身を行うのだが、他のバージョンとブラザーバンドを結ぶことで他のバージョンの変身も楽しむことができる。
そして前作はここまでだったのだが、本作ではさらに複数の変身を重ねるダブル・トライブ、トリプル・トライブシステムを追加し、更に遊びの幅を広げている。
6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:1480円
相変わらず値段と内容が良い方向に合致していない。
中古プレイヤーとしては嬉しい限りなのだが。
ロックマン自体嫌いガキ臭い・ロックマンは横スクロールしか許せない・絆とかアホらしい
みたいな人でなければ買い。
7:キャラクター 【★★★☆☆】
前作からのメインキャラが魅力的なのは良いとして、新たに登場した敵陣のキャラクターがみな今一つ。
エンプティーはデザイン・設定共によかったのだが、それ以外は軒並み魅力が無い。
UMAがテーマであるのに敵の親玉の名前がオリヒメ、というのも何かしっくりこない。
だが、前作のレビューに書いた「ライバルキャラ」が登場したのは○。今後の動きにも期待。
8:やりこみ要素 【★★★★☆】
本作もやれることは山ほどあり、それでもそれぞれに「達成後の何か」をちゃんと用意している。○。
前作もそうだがボスキャラの再戦がランダム出現なのが面倒であり、もう少しやりやすくした方が良い。
あとは……ボス10秒撃破とかシビアすぎるw
9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】
前作と全く同じクオリティ。
EDラストくらいアニメか一枚絵をつけてもよかったかと。
10:その他 【★★★★☆】
絆の大切さを説く内容は相変わらず良いのだが、それもこれで2作目、次は何か別の良さを出していかなければマンネリ感を感じざるを得ない状態になってくるだろう。
エグゼといいこのシリーズ、進化を感じられる点が少なく無難な続編にまとまる流れからは逃れられないのだろうか。
最終更新:2009年01月22日 00:40