総評 70点
【★★★★☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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FF7の物語の中心であるクラウド、セフィロス、そしてザックスの過去を語る作品。
FF7に思い入れがあるなら
PSPごとでも購入してほしい一本。ちなみに管理人は7がMyBestFF。
実際システム面はそれほど良い作品でもないのだが、物語ラストでガッツリ泣かされた&&FF7がひどく懐かしくなりリメイクが待ち遠しくなったので、少し総合点に上方修正がかかっている。
やりこみ要素は充実しているが、完全に観るゲーである。
1:プレイ時間 【★★★☆☆】
本編クリアまでまっすぐ進めば15時間前後。
このゲームは本篇とは別にミッションモードという小分けにされた戦闘マップを攻略してゆくモードがあり、そのミッションをどれだけこなしたかによってプレイ時間が変わってくる。
ミッションの総数は300近く膨大で、一つ大体5分以内で攻略可能とはいえあまりに多い。
後述するがミッションは同じことの繰り返しでもあるので最後までやるのは苦行の類。
特にその中でも終盤にあたる高難度のミッションともなると装備の選択やアクションのコツも必要になり、管理人が全てクリアする頃には100時間を超えていた。
(1週目から通算の2週目でのクリア時なので、恐らく70時間強程)
2:ストーリー(シナリオ) 【★★★★★】
あらすじ:
主人公であるザックスは英雄を夢見て戦いを重ね、又様々な経験を経ながら一流のソルジャーとして成長していく。終盤、FF7でも語られたニブルヘイムの事件を経てクラウドを救い、そして……
本編ではザックスを主人公に、3人の先輩First(最上級)ソルジャーの元での成長を描く。
FF7本編やACでは思い出での登場しかなく、それらでクラウドを導いた存在として描かれていた為に管理人はザックスを本作で描かれているものよりもかなり大人にイメージしていた。ゆえに鈴村の声も初めは違和感があったものの、プレイするほどにそれが解消されてゆくのはザックスというキャラクターが丁寧に、かつはっきりとしたイメージを元に描かれていたからだろう。良い例。
ザックス自身のアンジールやジェネシスとの物語もしっかり感情移入させてくれるし、セフィロスやエアリス、クラウドといった重要な人物の登場で話はより盛り上がってゆく。
プレイ時間が短いことから分かるように展開が割合早く、話が次々に進んでゆくが急ぎ足には感じず、寧ろ面倒なお遣いシナリオも無くて良いという印象を受けるのは話の組み方が上手いからである。
しかし正常な時代のセフィロスの格好良さとカリスマは異常。
FF7が特別好きであることも理由の一つであろうが、やはり本編ではっきりとは描かれなかった部分の補完が、DSではなくPSPだからこそ可能な美麗CGによって成されるとあればテンションも上がろう。
そして物語最大の魅せ場、ラストシーンにおいてはシステムさえ利用した見事な演出に感動させられた。
それまで邪魔には感じても決して良い感情は抱いていなかったD.M.Wシステムにこうもやられるとは。
完全にアイデア勝ちで、ラストシーンだけでも★+2評価である。あの発想は無かった。
3:難易度設定・調整 【★★★☆☆】
ミッションモードのプレイが即ちレベル上げになるのだが、特にそれが必要になる場面は無く観るゲーであることに見合った難易度設定と言えるだろう。○。
緊急回避も無敵時間が比較的長めにとってあり、ストレス無くサクサク避けられて楽しい。難易度低下の大きな要因にはなっているが、方向性に照らし合わせても矛盾した調整ではなく管理人には好印象。
減点対象はやはりミッションの数と内容。
もう少し色々な任務を用意してあればマンネリも解消されようが、ただ宝箱を開けながら探索してボスを倒すという動作ばかりを延々させられては嫌気もさそう。バリエーションの増加、数を減らす、等々バランスの取りようはいくつもあっただろうに、ただプレイ時間という意味でのボリュームを求めてしまったか。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★★☆☆】
画面切り替えにはPSPらしいロード時間あつきまとうが、メニュー画面関係をエフェクトを交えてスムーズに進むように仕上げてあるのは良い仕様。マテリア合成などでメニュー画面内で過ぎる時間も少なくないゆえ。
不思議な、かつ大きな失敗としてムービーパートを飛ばせないという欠点がある。
観るゲーであり挿入されるムービーもかなりの数になっているにも関わらず、それを全て見なければならないのはストレスの元である。配慮が足りなかった。
5:独自システム 【★★★★☆】
→D.M.W
本作を特異な作品にした非常に面白い試みで、バトル中にポイントを消費しながらスロットが回り続ける。
このスロットの結果が与える影響は召喚獣の召喚に代表される「バトル中のイベント」に留まらず、(自身・マテリアの)レベル上昇等ゲームを進める上で必要な要素にもかかってくるから驚いた。
……のだが、一応隠しパラメータとして経験値というものがあり、それが一定量に達していないとレベルUP目は出ないようになっている為、思っていたより不安定な結果が出ないよう調整されていた。○。
近年流行りのアニメ系CRパチンコのようにリーチの発展や多段予告が仕込まれており、観ていて暇をしない。
しかし逆に、全て見てしまった後は完全にバトルの進行を遅らせるだけの要素になってしまう為、エフェクトのON/OFFが用意されていたら満点だった。
→マテリアシステム
FF7の世界においてマテリアというものはシステムに限らず、そのメインストーリーに関わる存在であるゆえマテリア系装備システムに関しては実装する以外の選択肢はなかっただろう。
今回もマスターすると分裂したり売値が上昇するマテリアの特性(?)が維持されており、かつ本作ではステータスへの作用を「マテリア合成」によって高めてゆく、やりこみ要素に近いシステムも組み込まれ7以上に様々なマテリアを育てるのが楽しくなっている。
マテリアの成長が経験値依存ではなくスロット依存なのは一長一短だが、管理人としては何度も雑魚を狩って経験値を溜める作業をするよりは放置でもマテリアが育つ本作のシステムの方が好み。
→ミッションシステム
別の節に大体書いてしまったが、小さな戦闘マップを攻略するモード。
全てのミッションが「宝箱を回収する」「雑魚・ボスを倒す」しかできることがないのに加えて、その数が300を超えるほどである為マンネリ感の塊になってしまっているのは残念。
そのくせ、強力な装備やマテリア・召喚などは全てこのミッションモードの中にあり、それらを入手するには苦行を乗り越えなければいけないという設定はあまりよろしくない。
敗北しても特にペナルティが無いのはよいのだが。
6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:2980円
管理人はFF7の大ファンである為、予想以上に楽しめた。
作品としていわゆるスピンオフムービーのようなソフトなので、FF7をプレイした人用か。
特別7に思い入れがなかったとしても、ストーリー面においては十分良作~名作である。
ささっと物語だけ楽しんで終わるのも一つの手。
7:キャラクター 【★★★★☆】
3人のソルジャーFirstの織り成す復讐劇と、その中で翻弄されるザックス、そしてクラウド。
どのキャラクターも過去からしっかり作ってあり好感が持てる。
ただ、Gackt演じるジェネシスは少し「何を考えているのかわからないキャラ」を突っ走りすぎて、その根幹となる何故動くのか・何を成したいのかといった部分さえ分からなくなってしまっていて残念。
ゆえに彼との戦闘にも戦う悲しさしか感じられず、今一つ熱くなれなくなってしまっていた。
あ、Gacktの演技自体は悪くなかった。ちゃんと声優していたと思う。
8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
既述の通り、やりこみ要素というよりも時間使わせ要素になり果てているがミッションモードは充実。
マテリアの育成は楽しいのだが。
又、通常レベルの次週持ち越しは次週のプレイ内容が大きく変化するためあまり良いものとはしないのだが、D.M.Wシステムを採用した本作はレベルが上がるのに多少の運と時間が必要な為に、非常にマッチしている。
9:グラフィック・アニメ 【★★★★★】
観るゲーとしては一級品であり、携帯ゲームでこのクオリティのものができる時代かと感動できる。
アクション用CGには多少粗は目立つものの、格好良くデザインされている。○。
流石はお家芸、といった内容。
10:その他 【★★★★☆】
ストーリーが進むごとに自分のいる場所が限定される作りであり、一度行った場所の殆どに戻れない作り方はゲームの広がりと自由度を失わせる、決してほめられない作り。
武器防具が無い仕様は買い物と言う概念の無い本作に無理に採用するには難しく、悪くない。
最終更新:2009年01月22日 00:18