メタルスラッグ コンプリート


総評 60点

【★★★☆☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 3 3 4 2 2 4 2 3 5 4
メタルスラッグシリーズ7タイトルが1本のソフトで遊べてしまうソフト。
ロード時間の長さや本作品の独自性には良いところは殆ど無いにも関わらず、内包している各タイトル自体は面白いため、クソゲーとも呼ぶことができない。そういった意味で、ここまで評価に困るソフトというのも珍しい。一応本評価は、内包作品の高いクオリティも見つつ、どちらかといえば全体としての出来を重視した結果。
メタルスラッグシリーズをあまりプレイしない人であれば楽しく遊べるだろう。

ただし、PS2やWiiでも同じ内容のものが出ているのでどうせならそちらを買った方が2Pプレイもできて良い気がする。本作で2Pプレイするにはソフトと本体が2つずつ必要である上、そうして遊んだ場合やりこみに判定されない(後述)。


 1:プレイ時間 【★★★☆☆】
1タイトルを1回クリアするだけならば1~2時間。全部7タイトル1週ずつで大体10数時間。
だが元々RPGに代表されるような「一回遊ぶゲーム」ではないため、それはあまり参考にならないか。
遊ぼうと思えば何時間でも遊べてしまう。ただし人による。管理人は全部で大体40時間くらい遊んだだろうか。だがセンスがなく全タイトルをHARD(敵の強さ最高・残機最少)でのクリアは叶わなかった。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
特殊工作員である主人公たちは、反乱軍やテロリスト、果ては火星人からエイリアンにわたる軍事基地やアジトに潜入し、捕虜の解放や敵軍の壊滅・秘密兵器の破壊などを行ってゆく。

シューティングゲームのつもりで作ったという製作者インタビューがあり、歩行及びジャンプによる移動がメインで動きはロックマンに近いのだが、1被弾で死ぬれっきとした横スクロールシューティングゲーム。1作品におけるステージ6ステージ前後であり、ステージクリア後は少しのイベントのみを挟み、即次のステージが始まる。
つまり、ストーリーをメインで楽しむゲームではない。
……のだが、各作品ともにプレイヤーを飽きさせない、それぞれ異なった展開と演出を含んでいる。
恒例のイベントといったのも忘れないながら、新たな敵の出現、仲間との対峙、ライバルとの共闘、などなど、勿論全ては書けないが「今回はこう来たか」とプレイヤーに思わせるイベントの数々は十分に楽しめる。
こういった感想は本作のようなアーカイブ作品だからこそ、より強く味わえるものである。
とはいえ、あくまで「こういったゲームにしては」という評価。これ以上物語に力と時間を割いてしまうと、ゲーム特徴であるテンポの良さが失われてしまう為、これが妥当なところだろう。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
プレイヤーは3種類の難易度からオプションで変更してゲームに挑むことができるため、ゲーム自体は馴染みの無い人でもストレス無く遊ぶことができるだろう。以下3段階の難易度の内容。
EASY  :残機多・敵耐久力低・敵行動頻度低
NORMAL:残機中・敵耐久力中・敵行動頻度中
HARD  :残機少・敵耐久力高・敵行動頻度高
この書き方から分かるように、シューティングゲームでは残機の設定を自分で数字として選ぶものが多いが、本作では難易度とより予め残機が制限される。プレイヤーとしてはこれが相当厳しく、HARDでのクリアは一筋縄ではいかないだろう。(タイトルにより難易度が結構違うため、簡単にクリアできるものもある)

ちなみに、残機制限の解除(=無限)も用意されており、確実にラストまで遊ぶこともできる。○。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★☆☆☆】
ゲーム自体の操作はどのタイトルも思ったとおりに動いてくれて良い。独特な操作感はこのメタルスラッグというシリーズの持つ特徴だと捉えることができるだろう。何度も殺されながら進むゲームであるという前提ながらも、その殺される数をどれだけ減らせるか、というのがプレイヤーの腕の見せ所な作品である。が、1死で捕虜救助数がリセットされるというのは流石にシビア。沢山助けようという気持ちが湧かなくなる。

又、操作感として本作の誇る欠点が、ロード、即ち処理オチだ。PSP版だと特に激しいだろう。
タイトルプレイ中のに関しては所々に処理落ちがある程度で、気分を害するほどのロードや遅さは感じない。だが、タイトルを選択するまでの間や、全体のオプション画面等、この「メタルスラッグコンプリート」独自の部分の操作が総じて重すぎる。何かを選択する度にロードが入り、隣の項目に移動するだけでもロードが入り、操作キャラを選択するにもロードが入り、である。もう少しどうにかならなかったのだろうか。

選択(決定)後のロード時間を短縮するためにそれ以前(今回で言えばその項目にカーソルが合った時)に裏でロードを進めておくという手法はロード時間短縮の為によく使われるもので、確かにタイトルそのものが内包されている以上、選択してからロードを始めるのでは遅い。だがしかし、それを解消するのにその前にロード時間が入るのでは意味が無い。メニュー画面というのはどれだけサクサク動くかが重要な画面。そこにロード時間を散りばめてはプレイヤーはストレスが溜まるばかり。

加えて、各タイトルをクリアすることで貯まる「メタスラポイント」を使って各種壁紙や設定資料・原画などを購入することができるのだが、一つ購入するごとにメモリースティックへのセーブを強要される仕様もいただけない。これまたいやに時間がかかる。


 5:独自システム 【★★☆☆☆】
→メタスラポイント・ギャラリー
各タイトルを最後までクリアした際に難易度に応じたメタスラポイントが貰え、それを消費することでギャラリーの隠された要素を開封してゆくことができる。上で述べたとおり、セーブと、それに伴う読み込み時間がいちいち入る不快感仕様なのが残念。壁紙や音楽をパソコンに持ち込めるなど面白くもあるのだが、勿体ない。

→2Pプレイ
本体は勿論、ソフトも人数分必要であるのに加えて、「ただ遊ぶ」ことしかできないのが×。せっかく二人で協力プレイができるのにギャラリーの要素に関与されない。謎仕様。しかも通信状況の具合(管理人のPSPが1000なのもあるだろうが)なのか、処理落ちが相当発生するので目も当てられない。
メタスラを一人で遊ぶ・練習する用のソフトとして割り切った方が良い気がする。


 6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:3980円
昔からゲーセンでだけ遊んでいた管理人は「このゲームは山ほどお金を消費しながら進むゲーム」という印象が小学生時代に既に焼き付いていた。そんなゲームが7タイトルも入っていて、しかもお金を気にせずプレイできるだなんて、と思ったものだ。こういう人には良いのでこの評価。
ただし、良くも悪くも各タイトルの本編のみしか入っていない。あとは設定資料や壁紙。
個別に発売されているタイトルにはこの他にのいくつかモードがあるので、そういったタイトルを購入している人にとっては買う価値はほぼ皆無だろう。


 7:キャラクター 【★★☆☆☆】
それなりにプレイしたが、終えたときにキャラへの感慨は特に無かった。ゲーム中で一人一人にイベントなど用意するのは、下手をすればゲームのテンポを悪くし出来を下げてしまうため必要無い。が、他のモードであるとか、それこそ収集の一環として各キャラの設定や背景を掘り下げるものが欲しかったところ。
完全に「遊ぶ」のに特化したゲームである。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
前述したとおり、貯めてポイントを使って壁紙や資料を集める要素あり。
かつ、ハードでのタイトルクリアを条件に解禁されるものも用意されており、プレイヤーのやる気を駆り立ててくれる。○。もう一捻り、欲しかったところではある。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★★】
ドット絵で描かれたキャラたちが敵も味方も機械も生物も動く動く。
それも1パターンな動きではなく、敵の雑魚兵の死にパターンだけでも何種類も用意されているのだから驚きである。しかも一つ一つが面白い。戦争もの、それも銃で敵兵を撃ち倒してゆくゲームであるのに、そのコミカルなデザインや動きの数々で非常に楽しくプレイすることができるのは素晴らしい。


10:その他 【★★★★☆】
兎にも角にも、ロード時間が鬱陶しすぎた作品。また、PSPということで非常に手軽に遊べるのは確かに強みだが、友達とワイワイ遊べないのは惜しいかぎり。
購入するなら据え置き機版をお勧めする。





最終更新:2009年02月07日 11:30
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