デジモンチャンピオンシップ


総評 71点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 3 3 4 4 5 5 2 3 4 4
非常にひっそりと発売されていた、内容も地味なデジモン育成ゲーム。
同様にDSで出たデジモンシリーズとして「デジモンストーリー」があるが、そちらはシステム的にRPGの色が非常に強い。本作はその逆で、育成ゲームとしてのデジモンを突き詰めたゲームだと言える。
システムも育成とバトルに特化しており、ストーリー性は皆無である。
小さな画面の中でピコピコ動くデジモン達に、操作しすぎない戦闘、食事やトイレなどのケア、などたまごっちの亜種として世に出た頃の楽しさが凝縮されている。当時の思い出の一つでもあればのめり込んで楽しめることうけあい。


 1:プレイ時間 【★★★☆☆】
ゲームクリア(スタッフロール)まで20~30時間。
ゲーム内で大会が開催される時期とデジモンの育成具合とのマッチング次第でもあるのだが、比較的スムーズに進んだ結果。ゲーム内での一年に一回しか各大会は開催されないので、このマッチングが上手くいかないとなかなかクリアにこぎつけることができなかったりする。
ゲームのシステム自体は愚直な程忠実に育成ゲームであるのだが、唯一それを崩している点がゲーム内の時間の進みを早めている点だ。それゆえ、育成ゲームの足かせとなる「時間」の問題をクリアし、スピーディーに自由な育成をすることができるようになっている。○。
小学生の頃この時間が問題で上手く育成できなかったなぁ。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:本作にストーリーは存在しない。


ストーリーどころか、登場人物さえ一人として姿を見せないのが本作最大の特徴だ。
一応世界観としては、プレイヤーはデジモン育成の世界一を目指す一人として、デジモンを育てながら開催される大会に出場し自分のランクを上げてゆく、というものがある。しかし、本作では本当にひたすらに育成と大会出場の二つを行ってゆくことになる。ともすれば、ゲーム全体の盛り上がりを担ってくれるキャラクターや物語の部分を一切省いてしまったのは少々残念でもある。
だが、それがゲームのスピーディーかつ快適な進行に一役買っているのも確かで、面倒な操作もなく一心にデジモンと触れ合うことができる。これぞ育成ゲーム、である。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
上手いこと進化させて行ければ、戦闘自体はオートであるのも相まって攻略難易度は低い。が、最もデジモン育成で大切な進化条件が本作は非常にわかりにくく、加えてその条件をゲーム内で参照する方法・システムが一切用意されていない為に、一筋縄ではいかない。自力で探そうと思うとプレイ時間が倍になるかもしれない(管理人は一週目の途中から攻略サイトの進化条件一覧を除いたヘタレでした笑)。
また、デジモンを育てる上でよく問題になる「育成ミス」を意図的に引き起こすのが、今作も非常に大変。×。
具体的には、わざわざ飯やトイレのケアを抑えて病気にしてやらなければならず、手間も時間もかかって仕方がない。このせいで普通にプレイしていると育成ミスが必要な進化だけが最後まで一度もならずに終わることもままにある。修正すべき。
ちなみに、一度クリアすると戦闘時に自分で操作することができるようになる為、CPUをフルボッコできるようになる。……まぁ、面白くなくなるが(笑


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
操作は全てタッチペンで行う。画面内、育成ルームに自由に箱庭を設置し、その中にデジモン達を放り込んでゆく。前述の通り時間の進みが早いのに加えて、10体以上同時に育てることも可能であるので、ボーっと眺めている時間は少ないのが一つの特徴だ。むしろ、幼年期が多い時期など大忙しで、エサにトイレにトレーニングにと常に操作を続けている状況もある。
このおかげで育成ゲームにありがちな、マンネリ感や時間のかかるイメージからは上手く脱却できており、非常に上手い。○。逆に、のんびりやりたいんだ!という人には少々向かないかもしれない。


 5:独自システム 【★★★★★】
→ケージシステム
プレイヤーは、許された範囲内に「攻撃が上がるケージ」「防御が上がるケージ」「回復するケージ(診療所)」などの小部屋の中から必要なものを自由に配置・配置変更することができる。そしてその中にデジモン達を移動させながら育てることになる。ゲームを進める中で、大会優勝賞金などを使って手持ちのケージを増やすことで上げることのできる能力値の幅や量が広がり、より様々なデジモンを育成できるようになってゆく。又、本篇を進める(多くの大会で優勝する)とケージをおける範囲もドンドンと広がってゆく。これにより複数のデジモンを同時に効率よく育成できるようになる。
操作方法もちまちまと部屋を変更するのではなく、中で暮らすデジモンをタッチペンで掴んで隣の部屋に放り投げるという、非常にアバウトで手軽。デジモン自身もリアクションを返してくれるし、同様につついたりすることもできる。まさしくペットを飼う感覚で接することができ、和むことができるシステム。面白い。

→戦闘システム
基本3VS3のフルオートで行われる。つまり敵味方で最大6体が入り乱れて攻防を繰り広げる。操作は殆どできないデジモンらしいシステムで良いのだが、何度も見ていると少々長く、逆転要素も薄く中断方法も無い。その為に、序盤で勝敗の分かる試合をのんびりと見せられる・見なくてはならないという状況もよくあるのが難点。何かもうひとひねり欲しかったか。

→捕獲システム
デジモンは寿命を全うしたときに、次世代の卵を残すのだが、それでは数が増えない。育て初めはどうするのかという部分にあたるが、答えは簡単、捕まえに行く。
プレイヤーは「森」「砂漠」など様々なフィールドへと出向いてゆき、そこに生息しているデジモンをタッチペンによるアクションでGETする。生息デジモンは天気や時間帯によって異なっており、特定の場所・時間帯・天気の時にしか出現しない比較的レアなデジモンも存在する。
時間帯、という言葉でピンとくる人もいるだろうが、本システムの面白い所はこの捕獲中にも育成エリアでは時間がリアルタイム(風)に進んでいるという点である。長々とデジモンゲットだぜ!を楽しんでいたら、可愛い育成中のデジモンがお腹をすかせてウンチに囲まれているという状況もありうる。実はこれは戦闘(試合)中にも言えることで、常に時間が統一で進むというのが本作品の特徴と言える。


 6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:1580円
「完全に育成ゲームである」とわかった上での購入・プレイであれば十二分に楽しめる。デジモンや育成ゲームが好きであればきっと楽しめるだろう。値段も安い。ストーリー性や冒険要素を求める人はデジモンストーリーをプレイしたら良いだろう(管理人はそちらは未プレイ)。これでもう少し登場デジモン数を増やしてくれたらよかったのだが。オメガもベルゼブもいなく、痒い所に手が届かない感じが少し哀しい。


 7:キャラクター 【★★☆☆☆】
前述の通り本作にはキャラクターと呼べる存在は登場しない。
唯一デジモン達こそがつまりはそういった存在なのだが、進化の順番など微妙に疑問符の残る設定が色々と目立ちあまり満足な状態とは言えない。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
クリア後は残った大会での優勝や、デジモン図鑑を埋めることが目的となる。
この毎度おなじみのデジモン図鑑だが、今回は割合サクサクと育成できるシステムである為に、楽しくやれるし簡単に埋まってくれる……と、思っていた時期が、僕にもありました……。
実際は、図鑑の中には「進化先」という欄があり、その欄は他のデジモンからその行き先デジモンの図鑑を埋めても埋まらないという鬼仕様。具体的に書くと、ベタモンからメラモンに育てても、ガブモンの「進化先→メラモン」欄は埋まらない。
つまり、図鑑完成には全ての進化ルートをたどる必要があるということになる。
正直無理である。なぜこんな仕様にしたのか疑問しか残らない。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
各デジモンのグラフィックは2Dのドット絵で、何かこちらからアクションをする度にその子たちがピコピコとリアクションを見せてくれて育成するのが楽しくなる。上手い。
アニメーションやCGなどのパートは一切無く、映像で魅せるシーンは皆無と言っても良いが、それでもその分を取り返すほどにデジモンたちの仕草が可愛らしい。


10:その他 【★★★★☆】
一部の究極体デジモンがバランス調整の為かバグなのか、攻撃頻度が低くなっている。
せっかく強キャラできて喜んでたらそんな感じで使えない。哀しくなる。
デジモンワールドのリメイク出ないかなぁ。



最終更新:2009年06月14日 21:09
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