スーパーロボット大戦K


総評 70点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 4 3 4 4 5 4 2 3 5 3
DS発のスパロボ第2弾。
参戦するかしないか、と言われていた近年の作品を多く参加させた斬新なラインナップになっている。「Z」もそういった性質があったのを考えると、今後はこういった形式で進んでいくのだろうか。確かに面白いのは確かではある。易しめの難易度はDSらしく良いのだが、ストーリーの組み方が少々下手、というよりも雑な印象。前作(W)に存在したバグと似たようなバグが残っているのも正直いただけない。
システム面は相変わらずよくできている。


 1:プレイ時間 【★★★★☆】
例によって表示されないため正確な値ではないが、一週目は大体30~40時間だと思われる。全36話とだけ見ると非常に短く見えてしまうが、本作では従来2話とカウントされていた前編・後編タイプのシナリオが、インターミッションを挟むにも関わらず1話カウントになっている。そのため、単なる2MAPのシナリオよりもボリュームが増しており、MAP数・シナリオ数だけ見れば決して少なくはない全体量になっている。そのことに初め気付くことができず、戸惑ったりもした。
後述する本作の難易度設定とキャラのステータスの成長により、周回することでみるみる時間短縮が行える。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
地球からは遠く離れた惑星ストリーム。主人公・ミスト=レックスはこの星の防衛隊パイロットを務めていたが、突如謎の侵略者によりストリームは滅ぼされてしまう。その後彼が流れ着いた惑星ベザードも同様の侵略者の手により滅ぼされるが、彼は生きて地球へと漂着することになる。これらの経緯から自身の無力を痛感した彼は、二度と戦わないことを誓う。しかし仲間の危機を前に、迷い悩みながらも三度戦うことを決意する――


中心になるのはやはり初参戦組、ガイキング、ジーグ、ゾイド、ガン×ソード、ゴーダンナー辺り。ゴーダンナーは正確には初参戦ではない(SC2)が、SRPGという区分では初再現である為割合大事にされていた印象。
主人公周りは男固定主人公が、ダブルヒロインのうち一人をそれまでに立てたフラグから選ぶ形でエンディングに向かう構成。主要オリジナルキャラの血縁者が次々と現れるのはあまりにフィクショナルではあるものの、二人のヒロインどちらが選ばれようと両方に終盤まで見せ場が用意されている構成は良い。加えて、どちらを選んだかによって僅かながら展開に変化が生じるのも面白い。フラグの立て方によっては双方が諦めることなく終わるかたちもあり、バリエーションも豊かだ。
しかし、いわゆる版権作品群のシナリオは少々期待はずれな出来だったというのが正直な感想である。結論からいえば、今回のシナリオは非常にサンライズ系作品に似た形式の、各原作を一つずつ終わらせてゆく方式を採用していた点がよくない。さらに、各作品同士のつながりも薄く、敵同士で相互に関わり合ったのはオリジナルとギル・バーグ程度。他は全て各軍個別にしか動くことがなく、クロスオーバー分があまりに弱い。重要なシーンで原作をあまりに崩すのは困りものだが、そうでない部分でまで生真面目に原作を尊重するのは失敗だろう。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
難易度は低く設定されており、全編通して強敵と言える相手は殆どいない。DSソフトらしい調整で○。
今回後述するAコンボのような新しい試みも込められており多少調整が難しかったのだろうか、とも感じられた。
本作には周回しても敵が強くなる仕組みが一切無くEx-Hardモードのようなものもない。その為、周回後は俺TUEEEEや隠し機体取得に限って楽しめるが、それしかできない。そういう意味合いでは、少々練りの足りない構成であったとも言える。
ラスボスはもう少し強くてもよかったかもしれない。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
元々、既にシステム面では整備があらかた済んでいるスパロボシリーズ、加えて本作はAコンボの存在によって戦闘はサクサクと気持ちよく進めることができるようになっている。難点を上げるとすれば、やはり小隊まがいのシステムを積んでいるがゆえ、分岐合流後は多少面倒である点か。もう長いこと言われていることなので、何らかの対応策でも用意されていたら素晴らしかった。また、戦闘アニメを加速できなかった点も理由が聞きたい(笑


 5:独自システム 【★★★★★】
→アタックコンボ(=Aコンボ)
Aコンボレベルを持っているパイロットがコンボ属性をもつ武器を使用する時、射程内の複数の敵ユニットに攻撃することができる。Aコンボレベルの上限は3であり、パートナーバトルシステムと相まって最大で3×2=6体の敵機体に攻撃を行える。ある程度コンボ属性武器を改造してやると、非常に気分良く敵をせん滅してゆくことが出来、かなりの爽快感を得ることができるだろう。と同時に、スパロボシリーズ往年の課題である「ボスユニットの強さの設定・表現」にも一役買ったシステムにもなっており、なかなか上手い調整がなされていたと言える。何度援護ユニットが落とされたことか。

→パートナーバトルシステム
2機の機体を一つのパートナーユニットとして運用することができる、OGsのツインバトルシステムを彷彿とさせるシステム。ただし、相違点として 1:組み換えはインタミッションのみ。戦闘MAP中の分離・合流は不可 2:援護攻撃・防御はこのシステムで編成したユニット同士でのみ行える 3:単機時のみ、Aコンボを使用できる 4:移動はメインの機体の適正のみが関係する(ユニットの移動力は相方の地形適正及び移動力に影響されない) の4点がある。
移動力の高い機体で近付き、次のターンに攻撃力の高い機体に交代して攻撃するなど、様々な戦術を考えてユニットを編成する楽しみを味わえる。○。ただし、上記理由その2によって本作では援護攻撃がほぼ死に技能になっている点(戦線に出ない相方側に主力ユニットを組み込まなければ高威力+高威力が実現できないため)や、その1・その3によってメインユニットの多くが単騎になってしまう点など、まだまだ改善改良できそうな部分は多く存在している。

→ステータス強化
パイロットの撃墜数100毎に全ての能力が10ずつ上昇する。これによりお気に入りキャラをさらに強化してゆくことができる。反面、使われないキャラは何周しても弱いままという悲しい状況にもなりえてしまう。
ちなみに、撃墜数の上限は999で、その気になれば一周で限界まで引き上げることができる。


 6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:約4000円
定価を超えるほどか、と聞かれると疑問符が残るもののスパロボが嫌いでなければ損はしない内容。スパロボが好きだ、好きな参戦作品が一つでもある、という状況であればプレイするべき。前述の通り、敵組織はみな別々に行動するためある程度は原作の雰囲気のままに楽しめるだろう。


 7:キャラクター 【★★☆☆☆】
今回、全話数が少なかったのも影響しているのだろうが、主人公の悩みやイベントがめまぐるしく進んでしまい、あまり感情移入できる状態までもっていける場面が無い。主人公の性格付けや設定、外見も少々ひねりが足りないか。△。二人のヒロインの関係性や悩み自体・展開自体は好みの部類なのだが……どうしても急ぎすぎているのが勿体ない。ところで、TOHをプレイしてからロリ+僕っ子のキャラを見ると全てベリルで脳内再生されるから困る(関係ネェ
一方、オリジナルの敵方はみなデザインやキャラクターに統一感も魅力も薄く、撃破する際のカタルシスも弱い。×。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
今回は携帯機全般でよく用いられた「改造値そのものが持ち越される」タイプではなく、主に据え置き機で用いられる「取得資金が還元されて次周が始まる」タイプとなっている。しかし、本作では元々一周における合計取得資金も多めで、3~4週もすれば一通りの機体は15段階の改造を行えるようになってしまう。加えて、前述の通り2週目以降周回を重ねてもから攻略に関する楽しみは特に見当たらず、どんどん退屈になっていってしまう。何ももう一ひねり、二ひねりあってほしかったところ。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★★★】
Wに続き、本作も据え置き気に負けずグリグリと動く戦闘アニメーションが素晴らしい。挿入されるカットイン、原作シーンなどもツボをしっかり押さえており、ファンサービス分に不足もない。◎。一部気になったのは、(途中中断はできるものの)イベント戦闘に代表される、戦闘を「強制的に見させられる」場面がちと多すぎたかな、という点。変化があるうちはいいが、終盤など長回しの同じアニメーションを何度も見させられるのはよろしくない。


10:その他 【★★★☆☆】
やはりバグの存在が大きい。うっかりとでも言うべき、修正して然るべきレベルのバグだと思われる。
ガイキング・ザ・グレート、鋼鉄神ジーグなど作品の大トリを務める機体が軒並み通常ユニットで無かったのは少々残念。オリジナルの合体技などもあったのは非常によかったが。
主人公機の最強技がちと既出ぎみだったかな、と(Rで見たこと、あるよね?)



最終更新:2009年06月15日 20:04
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