スーパーロボット大戦GC


総評 63点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 4 3 3 2 4 4 4 2 2 5
ゲームキューブにて発売された、スパロボシリーズの中でも随一陽気な一作。
参戦作品の中でもライジンオーとJ9シリーズ三作の存在感が大きく、全体として明るい雰囲気を纏ったままに、強大な敵や絶望的な状況を前にしても挫けず諦めずに立ち向かい続ける姿勢を貫くことに成功している。
SRPGには不向きなコントローラーの仕様やバランス調整が上手すぎて失敗している感は残るものの、新システムも総じて上手くつくってあり最後まで楽しくプレイすることができた。
Wiiで発売予定のNEOもこんな雰囲気になりそうな予感(笑


 1:プレイ時間 【★★★★☆】
正確な時間は分からないが全 話とさすがの据え置き機の長さで70時間前後。本編もそれなりに長いのだが、本作では特定のマップの後にサブマップといういわゆる「稼ぎ場」が用意されている。このサブマップは話数にカウントされておらず、また隠し機体の殆どがこのサブマップをプレイすることが条件となっている為に飛ばす気にもなれない。結果、話数の示す見た目の長さ以上に長く感じられた。
しかし、後述する難易度設定の妙により一度コツさえつかんでしまえば、プレイスタイルを一切崩すことないままにとっかかりもなく先に進むことができるようになるので、長さが辛さにならないという少し不思議な感覚に陥ることができる。

 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
最上重工の社長、秋月瑞雲(すいうん)の一人息子(or娘)である主人公・秋月秋水(あきみ)は、どこにでもいるスポーツ好きで明るい少年(or少女)である。ただ一つ普通と違うところがあるとすれば、それは父親が秘密裏に開発していた人型兵器のパイロットを強制させられている事だろう。地球を狙う多くの勢力、そして迫る強大な野望。秋水は、最上重工の社長秘書でありサブパイロットのフェアリと共に、戦いの渦へと巻き込まれてゆくのだった――


参戦作品の中で特に中心となる作品はなく、全作品が万遍無く扱われている。
ファーストガンダムを再現したスパロボは非常に久々にプレイしたような気がする。プレイ中はてっきりファーストだけかと思っていたが、まさかそのままZ・ZZまで持っていくとは思わなかった。ちょっとしたネタばれだが、ファーストのシナリオが終わってからほんの少しの後にクワトロがララァとカミーユを連れて加わった時には予想の斜め上を行かれた気がして吹き出してしまった。まさかそう来るとは。同様に、予想を少し裏切った展開が幾つか挿入されていたのは○。
オリジナル周りは全体的に王道展開多めで管理人好みな進め方。しかし、特に大きなイベントもなくさらっと後継機乗り換える、ヒロインが終盤まで人の話を聞かないキャラでイライラさせられる、ラスボスが少々あっけない、の3点は正直よろしくなかった。最終話で「最終話」と表示されず、最後の幹部からそのままラスボスとの戦いに突入しそのまま倒す話の流れがスムーズすぎて資金を殆ど残したまま終わってしまったのも久々^^;(つまり、途中まで最終話だと気づかないままにクリアを迎えてしまった)
最後の盛り上げが大きく足りなかったのは非常に惜しい。×。


 3:難易度設定・調整 【★★★☆☆】
難易度は低め。というのも、本作はほぼすべてのキャラがひらめきor不屈を所持している、かつ不屈の消費SPも15であり総精神P量も多めに設定されている。その為、常にいずれかの確定回避系精神をかけながら全軍で侵攻することができてしまう。しかもそれが最後まで通用する。本作に参戦しているスーパーロボットはその殆どが3人以上のパイロットの乗る多パイロット機体であり、精神コマンドの宝庫となっているのもそれに拍車をかけている。
加えて、難易度調整が上手すぎたか、最初から最後まで難易度の波が一切感じられない調整がなされている。キャラのレベルUPと機体の改造という二つの自軍強化があるスパロボにおいて、この調整はお見事、なのだが……前述の安全侵攻があるせいでゲーム全体が非常に平坦なイメージにしてしまった。惜しい。

 4:操作感(プレイ感覚) 【★★☆☆☆】
操作に関してはレスポンスもよく、まったく問題のないつくりになっている。
しかし大きな問題点がある。コントローラーの仕様が非常に不親切である点だ。カーソルの移動は基本的にアナログスティックで行うようになっており、十字キーも一応反応はするのだが、非常にピーキーな設定でちょこっと押しただけで驚くほどカーソルが動く。ゆえに使い物にならない。結果、慣れるまでは動かしたいところになかなかスムーズに動かせずにイライラすることになってしまった。
また、時代もあるのだろうが精神コマンドの一括がけや逆引き検索ができないのは、やはり今プレイすると不便だも感じる。便利に慣れ過ぎるというのもまた問題がある、なんて使い古された言葉が思い出された。

コマンドリセットが用意されていないのも大きくマイナス。


 5:独自システム 【★★★★☆】
→部位システム
本作最大の特徴がこのシステムである。
各機体には、普段のHPと同じ扱いである「BODY」、命中/回避能力を左右する「HEAD」、攻撃力と武器の使用権を持つ「ARMS」、移動力を左右する「LEGS」の4つのHPが用意されている。通常の攻撃はBODYに加えられ、BODYをゼロにすれば機体は撃墜扱いになる。が、特定の条件を見たした時その他の部分を選択攻撃することができ、上記の機体能力を下げることが可能となる。その条件は、
 ・相手が自分よりも大きい ・特殊技能「狙い撃ち」を持っている ・精神コマンド「狙撃」を使用する
の3点であり、リアル系の主人公クラスのキャラの多くは2つ目の条件を満たし、それが強みにもなっている。加えて、このシステムはこれから独自システムとして挙げる二つのシステムとも繋がりのある構成になっていることが素晴らしい。
最終的にはやはりBODYへの攻撃が必要不可欠になり、それができない機体たちが足手まといになってしまうのだが。

→サイズ差特性
従来のスパロボにもサイズ差によって命中・回避とダメージ量に差が出るシステムは存在した。
しかし本システムでは、サイズ差の及ぼす影響をさらに大きく広げることに挑戦している。具体的には2点あり、
  • 自分より2段階以上大きい相手に対してはBODY以外の部位を全て破壊してからでなければBODYを狙うことができない ・自分より2段階以上小さい相手に対しては、特定の武器(主に射撃武器と高威力武器)が使用できない
である。
つまり、多くの巨大ボス(LL)に対して多くのリアル系(M、S)は直接BODYを攻撃できない。逆に、Sサイズの敵(ザカールなど)に対してLサイズのスーパーロボットは殆どの武器を使用できない。敵側もまた然り。
このシステムを回避する方法も用意されており、それが部位攻撃の条件の2つ目と3つ目、「狙い撃ち」と「狙撃」だ。即ち、リアル系の主人公レベルの多くは直接攻撃が可能であり、非常に大きなアドバンテージとなる。なりすぎて、狙いうちを持たないリアル系主人公(クワトロやジュドー)に全く使い道が無くなってしまっている。システムでキャラの価値が完全に決まってしまっているのは少々可哀想だった。

→捕獲システム
MAPに登場する敵機のうち、名無しパイロットの乗る機体であれば、BODY以外の全てのパーツを破壊することで捕獲が可能になる。戦艦で隣接すれば1ターンに1機まで捕獲できる。
捕獲した機体は、リアル系であれば自軍で運用(同作品パイロットが乗り換え可能)、資金に還元(撃墜した場合の倍額になる)、強化パーツに変換(あまり強いものにはならない)、のいずれかから選択する。一度運用に回した後に資金やパーツにすることも可能である。撃墜以外の戦い方もできる、面白い発想のシステム。
しかし、終盤に近づくほど各部位のHPも多くなりこの条件を満たすのが難しくなる。結果、面倒で普通に撃墜してゆくことを選ぶ。(捕獲は撃墜数にもカウントされない)


 6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:1480円
値段と楽しめた時間を比較すると非常によい。
やはりスパロボの本質はお祭りクロスオーバー作品、シリアスな展開も良いが明るく楽しめる流れも非常に良い。
冒頭に書いたとおり割合全作品が均等に登場するが、やはり最近のように目新しい作品ばかりではない。ファーストガンダムから話を広げる展開は新しいには新しいが、やはり見慣れた作品群もあるだろう。その辺りは承知の上で臨むべきかもしれない。



 7:キャラクター 【★★★★☆】
オリジナル主人公は絵にかいたようなさわやか熱血漢といじらしい少女、わかりやすいキャラで良い。ライバル及びヒロインも、もう初登場から「あとで仲間になるんだろうな~」と匂わせるどころかハッキリ示すレべルのストーリーも好み。残念だったのはやはり後継機乗り換えのイベントがスルッと過ぎ去る点、後継機のデザイン、そしてラスボスのデザインとあっけなさ、か。あと一歩ツボを抑えていればダサカッコ良い物語になっただろうに。ラスト以外の敵型のオリジナル機体はデザインがGブレイカーの人と同じなのであろう、ガーディアルなんかがモロ使われてるのはGブレイカー好きの管理人には非常に好印象。


 8:やりこみ要素 【★★☆☆☆】
サブシナリオさえしっかり回れば一周目で一通り隠し機体を回収しきってしまえるのは少し手応え無くさみしい気もする。


 9:グラフィック・アニメ 【★★☆☆☆】
近年のスパロボ最大の醍醐味の一つである戦闘グラフィックを楽しめないのは大きくマイナス。
今回部位システムを採用するにあたり、それを表現するためにも従来の2Dグラフィックでは全機体の一部パーツ破損グラフィックを用意しなければいかず、難しかったのだろうというのはわかる。だが、やはり3D戦闘ムービーには動きに迫力も弱くスピード感もあまり感じられなかった。動きも固い。
XOがどうなっているかは未プレイのため分からないのだが、次回3D作品を作る際にはもう少し頑張ってほしい。


10:その他 【★★★★★】
管理人の中で「THE・使えない子」に認定されていたエルガイム・エルガイムMk2がそこそこ強くて感動した(笑



最終更新:2009年06月29日 20:20
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