ゲームセンターCX 有野の挑戦状2


総評 58点

【★★★☆☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 3 3 4 4 5 3 2 3 3 5
魔王アリーノーとの戦い第2弾。
今作も新たなゲーム内ゲームが盛り沢山かつ高クオリティであると共に、前作で遊べたゲームも簡略化版ながら一通り内包されているのはポイントが高い。やりこみ要素として毎日遊べるシステムも導入され、あまり新しいゲームに手を出さない人であれば、より遊べる一作になっているのは確か。逆に、色々なゲームを遊ぶ管理人のような人は結局そう長くは遊ばないし、前作に存在したやりこみモードが無くなってしまっていたのは残念。


 1:プレイ時間 【★★★☆☆】
クリアだけを目指すと、全タイトルクリアまで15時間弱。各タイトルに事前に用意され、ゲーム中に教えてもらえる「裏ワザ」を利用するなら、さらに短縮することもできる。逆に、やり込もうと思えば、腕を磨こうと思えば、いくらでも時間をかけることができるのが本シリーズのようなシンプルさを求めたゲームの強みであろう。それをどれだけ楽しめるかが、本作を楽しめるか否かの大きな要点の一つ。
しかしながら、本作をプレイして感じた最も大きな点はやはり昔と今は違うということだった。発売タイトルがまだそう多くなく、同時に手にできるタイトルの数はさらに小さい、そんな状況でこそ各々が「やり込む」ことに燃えた時代があり。一方、今は本当に溢れんばかりの数のタイトルが毎年発売されていて、一本のタイトルを延々とプレイすることも、その必要性も無くなってしまった。それゆえ、本作はやはり時代を逆行して浸ることこそできても、やはり時代にマッチしたソフトとは言い難い。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
有野の挑戦失敗の無念の想いがデジタルな姿となって実体化したゲーム魔王アリーノー。前作にて一度は消え去ったはずのアリーノーであったが、その後も度重なる挑戦失敗によって再び有野の心にはある想いが影を落とし始めていた。「もっとゲームが上手かったら……!」 そんな弱った心はなんとゲーム魔王アリーノーを復活させ、彼は再び日本中のゲーマーへと新たな挑戦上を叩きつけたのであった――


ゲーム全体の大筋・流れは前作からまったくもって変わっていない。もう少し工夫が欲しかった。×。
ただ、本作では「様々なレトロゲー風ゲームを楽しめる」だけでなく、当時(1980年代)を模したソフト面の進化に加えてハード面の進化をも味わうことができるようになっている。具体的には、ゲームコンピュータ(いわゆるFC)からディスクシステム、ゲーコンボーイ(GB)、さらにスーパーゲームコンピュータ(SFC)へと変遷してゆくと共にゲームの幅が広がってゆく驚きと喜びを味わうことができる。時代を体感するという方向性をよく再現できている。○。しかし、やはりアリーノー関連にももう少しヒネリを加えてほしかったところ。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
何も考えずにプレイするとやや高めと言える難易度で、かつプレイを続けてゆく・ゲームファン(ゲーム内に用意されたファミ通的攻略雑誌)を積極的に読む、などすればみるみる上達し攻略に辿りつける、なかなか上手い調整がなされている。
本作は前作以上に「うまくプレイできない人」への配慮に長けたシステムになっており、ゲームファンの中に裏ワザ(事前に用意されたもの。ワープや残機UPなど)もバンバン載っているし、アリーノーへの連絡によって挑戦、つまりは出されていた課題を失敗したものとして未クリアのままで先へと進むこともできるようになった。しかし、少々やりすぎではないだろうか、というのが正直な感想。ゲーム自体の難易度を下げ過ぎている感も残る印象。まぁゲームファンを読まなければ良いのだが、それは同誌の内容を知っていてこそ取れる対策。ゲーム全部を楽しみたい人間や、知らなかった人に読むなというのは難しい話だろう。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
各内包タイトルは非常に「らしい」反応と操作感が味わえる。ゲーム全体に関しても、タイトル選択時や移動時のメニュー画面の処理もストレス無く進めることができる。○。タイトル選択後の「有野オーン!」の部分が少し鬱陶しく感じてしまう時もあるが(笑)、それもゲームセンターCXという本作の醍醐味の一つ、広い心で受け止めるべきところであろう。
★が一つ少ないのは、前作同様なのだが挑戦成功直後にイベント(アリーノーがうろたえ、次のお題が出される)が挿入される為に、プレイしていた分が無かったことになる点。特にアクション系などはプレイしていると突然打ち切られるような感覚で、プレイをぶつ切りにされるように感じられあまり心地よくない。アリーノーの設定同様、前作からの改善が見られず残念だった点である。


 5:独自システム 【★★★★★】
→ゲートレツール(ゲームトレーニングツール くぐれ!ギリジャンMAX!)
有野課長提案の、1:ギリジャン(ギリギリからのジャンプ) 2:障害物回避 3:移動床をタイミングをとって飛び移る の3行動だけをひたすらに行い、より先へ進むこと・高得点をたたき出すことを目指すミニゲーム。あくまでトレーニングツールとして作られており、クリアなどのゲームらしい要素は用意されていない。しかし、非常に単調な内容に見えてコインを取るか取らぬか・いつくぐるか・いつ飛び移るか、など経験とセンスを問われる場面が思いのほか多く、終始緊迫した状態でゲームをプレイできる。その為、地味ながら今回用意されたゲームの中でも随一、飽きずにプレイしてゆける良作に仕上がっている。単純なゲームほどツボを押さえれば面白い、という典型例かもしれない。これ一つで星5つ級。

→今日の挑戦
魔王アリーノーからの新たなる挑戦状。本篇のゲームの中から一日一つが選ばれ、何らかの課題が出される。それをクリアしてゆくことでポイントを溜め、隠された要素を解禁してゆく新たに追加されたモード。継続的に楽しめる非常に良いアイデアなのだが、如何せんご褒美までのポイントが少し遠すぎるという欠点、否大欠点がある。継続していても1日に与えられる点数は多くはなく、前述の通りこのゲームソフトに溢れた時代、いつまでたっても埋まらない収集要素にそのうち諦めやめてしまうのが関の山だろう。入手できるものも、有野少年のTシャツとゲーム開始時の掛け声が少し変えられるようになる程度のものであまりパッとしない。システムや発想はよかったのだが、調整面が上手くなかった。×。


 6:価値 【★★★☆☆】
管理人の購入価格:約4000円
面白い出来ではあるのだが、やはりレトロゲーへの愛、あるいはゲームセンターCXへの愛がなければ長続きはしないタイトルに留まってしまっている。その辺りに自信がある人であれば購入しても問題ない。昔プレイした事のあるジャンルのゲームに対しては愛着がわくこと間違い無し。あとは前作からの進化が今一つハッキリしなかったのが残念。


 7:キャラクター 【★★☆☆☆】
登場人物は、魔王アリーノー、有野少年、主人公、の3名のみであり前作と全く変化が無い。
もう少し手を加えようという意思が見られたらよかったのだが。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
前作に存在したやり込みモードは姿を消し、代わりに登場したのが独自システム項で述べた「本日の挑戦」「ゲー取れツール」の二つであり、それぞれがやり込み要素と言えるだろう。本篇内の各タイトルもそのまま本編中でやり込むことはできるのだが、やはりボタンの押下数など「そのタイトルにどれだけ時間を費やしたか」を直接見ることができる何らかの数値も欲しかった。前作のやり込みモードの問題点は「作業になってしまう」「本編と別データで初めからやる必要がある」などであったが、まさか改善するのではなくそのまま消すとは予想の斜め下を行かれた気分である、残念。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】
ゲーム内タイトルの出来栄えや画面は今回も非常に良い出来なのだが、キャラクター同様このグラフィック面でも具体的な進化に一切踏み込んでいないのがやはり残念。


10:その他 【★★★★★】
目立つバグも無く、丁寧に作っている。
次回作(が出るなら、だが)では是非マイナーチェンジではなく新しい一本に挑戦して欲しい。




最終更新:2009年06月29日 20:39
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。