流星のロックマン3



総評 64点

【★★★★☆】
時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他
評価 5 2 4 4 3 4 3 3 3 5
流星のロックマンシリーズの完結作。
一作目から引っ張っていた主人公の父親にまつわる話が明かされる。
戦闘システムは更なる進化を遂げ、終盤で大きく動く全体のシナリオ構成も良い。
が、やはり前作以上に各エピソードが戦闘中心に描かれるようになってしまっているのは残念だった。


 1:プレイ時間 【★★★★★】
本編クリアまで20時間弱。隠しボスクリアまで30時間。隠し要素コンプで40時間程。
プレイ時間自体は他の流星シリーズと変わりないが、前作と比べエンカウント率がかなり下げられており、より内容の濃い時間を楽しむことができる。雑魚との戦闘や移動に時間をとられるゲームはやはりダルさが勝ってしまう。プレイ感覚にも関わる大切な点だ。
前作の評価を下げた一因をしっかり補正している点が素晴らしい。


 2:ストーリー(シナリオ) 【★★☆☆☆】
あらすじ:
文明の発展により電波技術は更なる発展を遂げ、電波は実体化までをも為し得るようになっておりこれまで以上に様々なことが可能になっていた。だがその反面、電波ウイルスの凶暴化や増大したノイズによるシステムの暴走などが世界的に頻発するようになる。そんな中、突如として現れる巨大流星「メテオG」。暗躍する謎の組織。スバル達は三度地球を救うことができるのだろうか――――

これまで人と人・人と電波体の織り成す絆の物語としての色を強く押してきた流星シリーズだったが、本作では文明のもたらす利便性と危険性に焦点を当てたものになっている。だがやはりシステムの根幹に由来する絆という概念を捨てることも出来ずそちらもやろうとして、シナリオの軸がブレてしまったな、という印象。どちらもそれなりに描かれてはいるが、まさしくそれなりで感情を動かされるレベルには至っていない。
加えて、冒頭にも書いたが戦闘で大体が解決してしまう本作のエピソードの数々も低評価。問題が起きた→悪い奴が悪さをしている→やっつけて解決!、では敵を倒す楽しみしかない。そんなものはアクションゲームでやればいいわけで、RPGというジャンルで描くならば後一歩踏み込んで欲しいところ。1作目ではそれがよくできていたのだが、だんだん劣化してしまったのが勿体ない作品だった。盛り上がるところは勿論あるが、それでも管理人は流星シリーズには「子供向けらしさ」「子供にこそ伝えたいもの」というものを描いて欲しかったのだ。

トランプのシンボルに関係づけられた敵組織の構図や、星座で用意された主人公のフォームチェンジなどの設定関係とても好みで良いのだが。
終盤の大きく動くシナリオの構図と、毎度ではあるが王道展開の全開のクライマックス、歴代シリ-ズのキャラが色々と出てくるクリア後のシナリオなども良い。新たなライバルと主人公との親子関係の描き方も悪くない。
ただ、シリーズ全体として最後に戦うことになる本作の隠しボスにキャラとしての魅力も設定も殆ど無かったのは残念。

あと、個人的にはやっぱり委員長の陰が薄くなりまくりなのが寂しいね(笑
今回は親子の物語が中心みたいなので仕方がないといえば仕方がないが。


 3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
流星シリーズの中では比較的難しい。が、何度か挑戦しているうちに慣れ勝てるようになる調整は良い。
相変わらず戦闘の自由度は高くはなく、3作品出して戦闘の基本システムが殆ど変わらないのは惜しい。
前述の通り、エンカウント率の再調整がなされているのは◎。いわゆるルーラのような便利魔法の無い本シリーズには非常によい調整である。


 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
全体的にレスポンス良く、町と町の間の距離もシリーズ作品の中でもかなり狭くなっており、快適にプレイできる。
タッチペンによって作業がスピーディーになるようシステムが設計されているのも良い。
ただ、隠し要素に他ソフトとの連携が必要不可欠な設定はよろしくない。


 5:独自システム 【★★★☆☆】
基本的なシステムは従来と同様。
→ノイズ率
そのバトルにおいてどのくらいのノイズが発生しているかを示す数値。
戦闘の内容(敵へのダメージの与え方)によって上昇し、一定以上になると時間と共に減少してゆく。この値によって後述するノイズチェンジのもたらす効果が変化してゆくと共に、戦闘終了時の入手アイテムにも変化が生じる。特に後者の影響は大きく、上手く使うことで序盤~中盤でクリア後並みの強力なカードを入手できることもままにある。なかなか面白い。
→ノイズチェンジ
いわゆるフォームチェンジのシステム。全部で11種類(バージョンにより各6、うち一つ重複)存在し、基本的にはその中の一つがセットされる。ノイズ率が0~49%、50%以上、更にその先、によってカードやバスターの威力など様々な恩恵が受けられる。また、ブラザーバンドを結んだ友達からはその友達のセットされているフォームのカードを使うことができ、自分のフォームと混合した姿にもなれる。勿論恩恵もより大きい。
→ファイナライズ
ノイズ率が200%を超えると行うことが出来る、最終形態への変身。基本能力は勿論、手持ちのカードまで強力なものに塗り替えられる鬼性能。
が、正直かなりカードが充実しないと滅多になれない。この縛りはもう少し緩くしても良かったか。本編中はイベント以外では一度しかなれなかった。
→Wi-Fiウェーブバトル
Wi-Fiを用いたランダム対戦。対戦する相手の強さを少しだけ指定できることや、対人対戦を繰り返していると特別に強化されたCPUと時々エンカウントするなど、なかなか面白く構成され練られたシステム。


 6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:1200円(新品)
本シリーズは今回も驚くべき値下がりをしているのでこの項目は高評価(笑
今回はシリーズの完結編ということで、過去作からの因縁や伏線も多くあるのでやはりシリーズをプレイしている人向け。


 7:キャラクター 【★★★☆☆】
新キャラはどれもキャラが立っており、新キャラ・新フォームのデザインも軒並み格好良く仕上がっている。◎。ロボっぽくて良い。
ただ、敵組織の親玉がちと薄っぺらすぎるのと、新たなライバルであるジャックにまつわるエピソードが少しありがちで面白味が無いのが残念。
前述の通り隠しボスも同様に。


 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
全体的に相変わらずという印象が強いが、やはりコレクション要素を充足した後にようやく戦えるボス、というものを用意してあるのはやる気を沸かせてくれる良い設定である。ここは変わらなくて良かった。ただ、やり込み要素の中に他のプレイヤーとの通信が必要不可欠になってしまったのは大きな×。別のバージョンがあってさえ一つのソフトで全て集まる(バージョン固有のものはあるが、コレクション要素の完成には関与しない)のが本シリーズの特徴であり良いところだったのだが。


 9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】
グラフィックは全体的に悪くないのだが前作からの進化がほぼ0であるのが△。


10:その他 【★★★★★】
割合対戦に重きを置かれたソフトであったと思う。
管理人は本シリーズはシナリオに魅力を感じていたのでそこに齟齬が生まれたか。
次のロックマンシリーズはどの機種でどんなのが出るのか……(エグゼとのコラボはスルー予定)



最終更新:2009年10月10日 16:22
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