総評 52点
【★★★☆☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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剣豪・宮本武蔵をモチーフに、2刀流を生かしたゲームシステムが楽しいアクションRPGの2作目。
敵をバッサリと切り捨てる快感や、己の眼力を持って敵の技を「見切り」自分のものとする新システムなど、ゲームの根幹を成すシステム群の出来は決して悪くはない。
が、カメラが近すぎることで悪くなったプレイ感覚や、ごり押しで最後まで行けてしまうバランス調整といった勿体ない点も多い。特に前者は致命的。
世界観が異なるのは分かるが、前作との関連性が皆無なのも残念。
1:プレイ時間 【★★★☆☆】
収集要素は分かりやすいものだけに留めてクリアまで13時間。2週目要素も多少あり。
こういったジャンルのアクションゲームのボリュームとしては周回要素もあるしサクッと遊べて悪くないのだが、シナリオからフィールドまでがほぼ一本道で自由度が低く、せっかくのフリーランアクションなのにフリー感が無くなってしまっているのがよろしくない。前作の、広大なフィールドの各所に散りばめられたイベントや収集要素の数々を駆けずり回って探す楽しさは一切無くなってしまった。カメラ位置の仕様もそれに拍車をかけている。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★☆☆☆】
あらすじ:
時は魔蒸世紀。不思議な力を持ち神獣と共に暮らす民族「ミスティック」の姫君は、世界を牛耳ろうと企む武装勢力から世界を救って貰おうと究極魔法「英雄召還」を実行する。まばゆい光と共にこの世界へと召還されるムサシ。だがムサシが目覚めた時、既に彼を召還した姫は敵の手に落ちていた。世界を救うため、そして自らの世界に帰るため、ムサシは自らの剣と刀を手に悪に立ち向かうことを決意するのだった――――
非常にわかりやすい勧善懲悪の一本道ストーリー。敵組織と戦いながら5種類の聖剣を集め、同時に巫女や姫を次々と救い出してゆく。
管理人はこういったわかりやすいシナリオはどちらかといえば好きで、特にアクションゲームのようなシナリオありきでないジャンルのゲームであればどんと来いだ。
……がしかし、ほぼ全てのキャラが焦点の当たる特定のイベントでしか目立たない構成や、全6章からなる物語のシルエットが殆ど同じ(姫を助けて、ボスを倒して剣を手に入れるの繰り返し)であるのは流石に辛い。また、ラスボスの設定は冒頭から匂わせた通りで好印象なのだが、その点に関するフォローや背景が用意されていないのは勿体ない。そう調べていないのでもしかしたらあるのかもしれないが、それが劇中で全く語られないのではどちらにせよ意味がない。
6人の巫女+姫全員にラブの気配を匂わせて起きながら結局一切描くこともないのではキャラゲーにもなれていない。寂しい。
3:難易度設定・調整 【★★★☆☆】
雑魚からボスまで総じてHPが低めに設定されており、気持ちよく敵を倒して進んでゆける仕様はバッサリ感を重視したプレイ感覚にマッチしており良。
作は前作とは異なりボス戦で特定の手順(攻略法)を見つけなくてもクリアできる、つまりとりあえず回復を絶やさずに殴っていればそのうち倒せるようになっているので、ゲームとしての難易度は低い。お金も割とザクザク手に入るので、ラスダン前に回復薬を買い込むだけでクリアは簡単。
せっかくのアクションゲームでこの仕様は正直勿体ない。ストーリーが捻りが何も無く極めて平坦なものになってしまっているのに、攻略部分まで退屈では救いが無い。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★☆☆☆】
剣で敵を倒して進んでゆく内容から、GBAのロックマンゼロシリーズに通ずる「バッサリ感」を楽しめるアクションゲームであり、その点はなかなか良くできている。倒した相手が動きながら崩れていく、ゆっくりと動きを止め二つに割れる、等動きにも凝っており見ていて楽しい。
問題点は強攻撃は勿論弱攻撃さえモーションが遅く、かつ緊急回避的な行動が一切準備されていない為に、戦闘の単調さが更に強調されてしまっていることだ。テクニカルに戦うことがそもそもできない仕様では緊張感も何も無い。×。また、メニュー画面などのレスポンスが今ひとつ遅いのもいただけない。
そして何より、カメラが近すぎる事による操作のしにくさは劣悪。キャラの背後一歩下がった辺りに設置された位置にカメラがあり、動かしてもすぐに元の位置に戻ってしまう為に周囲が見渡せず、行動の幅も狭まってしまっている。加えて、カメラ位置を操作できないマップも結構ありストレスの確かな源になっている。
5:独自システム 【★★★☆☆】
→見切りシステム
敵をロックオンし続けることで「眼力ゲージ」を溜め、溜まりきった後でその敵の特殊攻撃を受けると相手の技から新たな技を習得することができるシステム。前作のゲットインシステムを少し進化させたものであるが、自身の眼力ステータスが成否に関係するようになってしまった為にあまり自由に習得することができなくなってしまったのは少し惜しい。また、習得した技の殆どが○ボタンだけで発動する付け替え式の技になってしまったのも面白味が薄れたか。前作のように特定の順番とタイミングで攻撃ボタンを押下することでいろいろな技をいつでも出せる状態の方が面白かった。
→ダッコシステム
前作ではキャラや敵を「持ち上げる」→「投げる」といった操作が可能であったが、本作ではそこに工夫を加えてヒロインや敵を「ダッコ」するシステムに様変わりした。ダッコ状態では通常では出せない「放り投げ→敵を切る→華麗にキャッチ」などの行動が行えたりと、なかなか面白いシステムだった。
ダメだったのはその使い方で、毎章出てくるヒロインを毎回毎回ダッコして抱えて村に帰るというシナリオだろう。冒険している時間の四分の一近くがダッコしたままでの攻略を強いられるのだ。この状態では操作性も下がるし攻撃のバリエーションも(通常とは違うとはいえ)少なくなってしまっている。
せっかくダッコなどというメルヘンチックなシステムを携えているのに、ドタバタでもなんでもいいのだ、色恋沙汰の一つも描かれないのも勿体ないとしか言えない。
6:価値 【★★★☆☆】
管理人の購入価格:950円
ワゴンゲーであり、このくらいの値段相応には楽しめる作品。
前作のプレイ経験がある場合は、あまり期待しないで遊んでみるとそれなりに楽しめるだろう。期待してガッカリ、という意見がなんだかアマゾンレビューの大半を占めていたのには笑ってしまった。まぁ、定価で買えば肩すかしなのは確定だろう。
7:キャラクター 【★★☆☆☆】
キャラデザは総じて好み。だが使い方は敵も味方も最悪。
5属性及びメインヒロインからなる全6人の姫君たちはどれもなかなか可愛く作られているが、ゲームを通してイベントの総量が少ないために思い入れをしようがない。素材は悪くないと感じるのだが、登場してムサシに剣を託して以降はどのキャラももう単なる脇役になってしまう。勿体ない。敵キャラも特徴はあるのだが、同様に描かれるシーンが少なすぎる。ラスボスについてシナリオ項で書いたが、どのキャラももう少し掘り下げてくれ。
8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
捕まっている村人を助けたり、カードを集めたりといったコレクション要素はあるが、マップの狭量化に伴いすぐに集まるようになった。
評価したのはアビリティを全て集めてクリアすることで解禁されるBLADEMASTERモードの追加。これはいわゆる高難易度モードなのだが、単に敵が強くなるのではなく敵・味方共に攻撃力だけが5倍になっているというスリル満点なモード。単調で早々に飽きのくる本作のようなゲームにはなかなか良いモードだ。
9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
適度にカクカクした漫画チックなグラフィックは動きもなめらかで、キャラデザにも合っていて非常によい。
OPのガイナックス制作のアニメーションも非常に見応えのある、好き勝手やりまくった感じの出来映えで見応えアリ。
10:その他 【★★★★☆】
出来が悪くても手抜きとは違う作品というのも山ほどあるが、本作は手抜きの方。システムもシナリオも工夫が不足しすぎている。
1作目は面白かったのだが、2作目で早くもエンドタイトルとなるとは出た当初は思っていなかった。
残念無念。
最終更新:2009年10月24日 16:21