総評 73点
【★★★★☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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仲間と力を合わせて巨大な敵を狩る「チーム連繋型ハイスピードハンティングアクション」。長いジャンル名。1人プレイ時もCPU3人を連れて戦闘が行える。
モンハンが携帯機の次回策を出さないことを狙い済ました同ジャンルゲーの発売はお見事な狙い。そのおかげもあってユーザーが流れたのは間違いない。
ダッシュやキャンセル行動が一通り実装してあり、比較的ストレス無くキャラを操作しながら戦うことができる。
他方バランス調整や難易度設定は今一歩な状態であり、「難しい・すぐ死ぬ」か「簡単すぎる・数分でクリア」かの極端になってしまいがちなのが惜しい。理由等は後述。
といっても、本策はこれがデビュー作。今後シリーズ化して改良や調整を続けていけばモンハンとは似て非なる1つの作品として確立できそうな可能性は十二分に秘めている。
クリア後は完全に射撃ゲー。これは流石に修正すべき点。
モンハンと比べるなという意見も見るが、寧ろこの作品を比べて評価しないのは愚か。制作側もモンハンを前提として提案や調整を行っているに決まっている。
信者の馬鹿な比較批評だけを見てその行為自体を悪と決めつけるべきではない。
1:プレイ時間 【★★★★★】
ストーリークリアまで70時間。クリア後に出現するミッション全てクリアまでで130時間ほどかかった。とはいえ、友人と遊んでた時間も多かったのでプレイ時間は人によりけり。以降はやることといったら武器を作るなどのやりこみくらいか。モンハンのように何100時間も遊べるゲームではないが、十分なボリューム。
1ミッションあたりの時間は大体15分~30分。ただし、自身の戦力がミッションの難度を大幅に上回る場合は1分以内でのミッション完了も可能。
特にクリア後、武器の類を最終形まで鍛えることができれば最早敵無し状態を味わえる。これはアイテム集めなどをする際には楽でよいが、そこを超えたらその先のプレイが完全に作業になってしまう諸刃の剣。やることがある間は比較的夢中になって遊べるのだが、やることがなくなったり、一度詰まってしまった時のやる気減衰具合もかなりのもの。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
世界は人間を愛していない。それを人間が自覚したのは、この地球に突如として現れたある生物が世界を食い荒らした後だった。凶暴な力と無慈悲な獣の心しか持たぬその生物は、世界全てを喰らい続ける。人は、その生物を「アラガミ」と名付け恐れ戦いた。アラガミを倒す術はただ一つ。それは、「アラガミ」自身の細胞を人体に連結し、兵器として操ること。無論、誰もがそれを行えるわけではない。「神」に対抗する兵器を操ることのできる者を、人々は「ゴッドイーター」と呼び希望とした。最早、アラガミによって滅亡に向かう世界の中にあって、人々が縋ることのできるものは彼らしか残されていなかったのだ。それは、決して遠くない、未来――――
本作の特徴の一つとして「物語にも力を入れている」点が挙げられる。
ストーリー要素を完全に捨て去ったモンハンとは対照的に、キーミッションのクリアによってストーリーが進行する形態を取っており、物語の進行度によって仲間の構成も変化する。多人数プレイさえも親機のストーリー内に他のプレイヤーが入り込むという形態を取る徹底っぷりだ。
物語の中身は、ちとその境界がはっきりとしすぎているが、仲間の一人一人に順番に焦点をあててキャラの掘り下げをおこなってゆくスタンダードな方式で内容も悪くない。終始展開はどこかで見たような容易に先が想像できる流れが多いものの、イベントや設定自体は丁寧に作ってあり突飛すぎる展開も無く全体的に及第点は守れている。
勿体無かったのは、そこまでストーリーや設定をちゃんと作りながら、主人公をキャラメイキングを行う形態とした為に介入できない構成となってしまっていたこと。
よりによって見た目のみならず声まで選択できるキャラメイキング部分はモンハンを踏襲してしまい、そのせいでキャラが会話を行うイベントパートでは頷くくらいしかアクションのできない、「いるだけ」キャラになる以外に道が無くなった。せっかく出来のよいOPアニメーションも仲間たちしか出られない。そりゃソーマが主人公に見えるというもの。
多人数プレイが前提のゲームゆえキャラメイク要素を捨てるわけにいかないのは分かるが、ここはデザインだけに留めて声や動き・設定はストーリー内で扱えるものを用意するべきだった。なまじ本編に力が入っているがゆえに尚更主人公が関与しないのが浮いているように見えてしまう。特異な方法を取るなら、主人公を完全に一平卒の「イベントをみているだけであることが自然」な設定として扱うという手もあるだろう。なんにせよ皆のリーダーとして動くキャラが一切イベントも無く関与もしないのは不自然極まりない。
3:難易度設定・調整 【★★★☆☆】
「死んでも生き返らせてもらうことが出来る」という非常に調整の難しそうなシステムの中で、よくよく上手く調整できている。仲間CPUの強さの設定も期待以上に頼りになる設定になっており、一人でも十分遊べる内容と言って差し支えない(それでも、やはり本策の醍醐味は友人と助けて助けるとワイワイ遊ぶことだとは思うが)。
4人で挑んでも各個の動き的には個人戦になりがちなモンハン以上に仲間同士のやりとりが楽しい一本としてよく作られている。
アイテム作成時の必要素材が少し多すぎるのは本編プレイ中には厳しい。10回以上のプレイ前提の必要材料ばかりでは新しい武器を作る気がなかなか沸かない。
また察するに、製作陣の予想外だったのは「ないぞうはかいだん」の出現と普及だろうか。
ゲームシステムとして近接武器にあまり個性が無い(一応3種類用意されているが、どれも剣で代わり映えは薄い)本作の自由度の中核であるバレットエディット。遠距離攻撃の内容を自由にエディットできる機能だが、まずこれにかかる費用が高すぎてやすやすと着手できない仕様だったのが非常に勿体無い。せっかくのシステムがわざわざ遊びにくくしてあるのだ。また、強力だとしてネットで普及した「ないぞうはかいだん」系の威力はすさまじく、ゲーム終盤、特にトリガーハッピーを入手してからなどゲージをアイテムで回復しながら射撃だけ行っているだけでゲームがクリアできてしまう。ネトゲであれば弱体化調整が入るであろうレベル。
加えて、敵戦力がある程度まとまる(3体以上合流等)と、殆ど手がつけられなくなる点の後押し。これらによって、強いバレットが用意できず戦力が整いきれない時期は難度が高すぎ、かつ、戦力が一度整ってしまえば「瞬殺=合流も防げる=低すぎる難易度」であるという悪い方向の2極化が生じてしまっていた。
しかし、よく考えれば前者はバレットエディットに関わらない内容であり、やはり調整面が粗かったのは明白か。
難しい議題だと思うが、「中毒性」を出す設定には何が必要か、ということをもう一度協議する必要がありそうである。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
冒頭に書いたとおり戦闘中のプレイ感覚は非常に良い。
スピーディに動き、ガードを交え、テクニカルに戦えて遠距離攻撃と近距離攻撃を切り替えながら戦えるシステムも生きている。◎。
惜しむらくは、調整面の荒さによって「どうあがいても死ぬ」状況が頻発すること。所謂めくり・起き攻めの類。
本策は特に複数のモンスターを同時に相手にする場面が多い作品であり、そのことも非常に重く作用している。足掻いた末に負けるのはプレイヤーの腕前でしかないが、逆転の可能性が無い状況にしょっちゅう陥ってしまっては遊んでいて楽じられない。プレイしていてストレスの溜まる主原因となっている。
5:独自システム 【★★★☆☆】
→捕食
本作のタイトルにして最大の特徴。……のはずなのだが、今ひとつ狙う価値が薄いという印象が強かったのが残念。
基本的な使用方法は 1:敵の隙を突いて捕食→自身強化 2:倒した敵を捕食→アイテム回収(=剥ぎ取り) の2通り。
2は語るべくも無いが、1こそがウリでありガツガツ狙って行くべき要素であるはずなのだが、チャージ攻撃に近いスタイルの為慣れないとリスクが非常に大きく、逆に慣れてしまえば使う必要もなく勝ててしまう。ここでも調整のアンバランスさが垣間見えてしまっている。×。
→形態変化
本作の戦闘は近接武器と遠距離武器を切り替えながら行われる。どちらをメインとするかはプレイヤー次第。
近接攻撃によってゲージを溜め、ある程度溜まったらそれを消費して遠距離攻撃を加える、というのが基本的な動きになる。
この形態変化システムは面白いのだが、「近距離&遠距離」に限定されてしまっているが為に、逆に全員同じ構成しか存在しえなく逆に自由度が低く感じられてしまうのが惜しい。
もう少し近遠の枠の中に限らず選択の幅を作ってあげられるとより面白味が増したのではないかと感じられた。
→バレットエディット
遠距離武器状態の時に撃ち出す弾丸の種類から、描く軌道まで自由に組み替えることができる面白いシステム。しかもエディットできる範囲は一発の弾丸に限らず、着弾後の動きを合計8つまで連続して設定することができるようになっている。有名なものは、着弾後に敵の身体に張り付きその場で弾丸をばらまく「ないぞうはかいだん」系、一度空高く上昇してから敵に向かって誘導で落ちてくる「のうてんちょくげきだん」系、等。
色々と作りながら遊べたらよかったのだが、「改造にかかる費用が高くあまり無駄に改造できない」「説明がザックリしすぎておりどう手をつけて良いか序盤困惑してしまう」などの理由から今ひとつ満喫できなかったのが残念なシステムである。もう少し気楽に簡単に改造できた方が良かった。
→多人数プレイ
オリジナルなのは「物語に介入する」という点。まぁ良いとも悪いとも無いけれども。
多人数プレイ中に請け負えるミッションは「最も進度の遅い人」に統一され、その人は仲間と一緒にストーリーを進めてゆく形になる。そうしているうちに追いつくなどして皆の足踏みが揃えば、まさしく力を合わせて本編を進めている感覚になる。まぁ、そんな時はワイワイやってるので物語どうでもよくなってしまいますが(笑
他、部位破壊やスタミナ、敵を倒して得た素材を使って装備作成などは特記事項無し。
6:価値 【★★★★★】
管理人の購入価格:
定価でも十分楽しめる一本。
操作も複雑でないため、手にとってすぐに遊ぶことができる。
ただし難易度はライトユーザ-向けではない。特に攻略を覗きたくない人(ないぞうはかいだん作らない人)は厳しい。
とはいえ、モンハンやれた人ならそのうちクリアできる程度ではあるだろう。作り込みが成っているわけではないのだ。
7:キャラクター 【★★★☆☆】
各キャラ完全に役割通りのキャラメイクに特化しており、多作品と比較して個性的とは決して言えないが、その役割は十二分に果たせるレベルで描かれている。○。
イベントが終わったキャラもそのイベントを経ての成長がちゃんと語られる形となっているのも良い。一人ずつ焦点の当たる物語の組み方だと使い捨てのように焦点の当たる時しか各キャラ目立たなかったりするのが悪い例だが、そうはなっていない。特別上手いと感じるほどの使い方ほどではないが。
あとは敵の種類がもう少し多かったら良かったか。種類の増やし方が亜種系に頼りすぎている。
8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
クリアしていないミッションをクリアしたり、武器集めをするのがやりこみにあたるだろうか。
ゲームクリア後にもう2段階敵の強さが用意してあるのでやりがいはある。が、一、二種類強い武器を作ってしまえば他の武器を作らなくても問題無く勝ててしまい、武器を作るのに何度もミッションをやらなければならないこと、武器による差異が殆ど無いこと(特に同じタイプ。色違い多)などから、そこまで色々やろうという気は起きない。
9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
CGはなめらかとはいえないが、十分なクオリティ。
OPアニメもかなり良い出来で見応えアリ。本編クリア後に見るとかなりネタバレ満載であることが分かる構成も良い。
10:その他 【★★★★☆】
スタングレネード時間短すぎワロタ
最終更新:2010年03月30日 22:24