総評 63点
【★★★★☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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ライトノベル原作のアニメ「生徒会の一存」をわかりやすくギャルゲーにした作品。管理人はアニメのみ視聴。
一応特徴としては主人公が妄想の中でヒロインに対してタッチペンで触りまくることで高感度を上げる妄想モードなどがあるが、そんなものはいわゆるファンサービスであり、まさにオマケでしかない。
本作の醍醐味は、やはり生徒会の一存『自体』であるとも言える「キャラ同士が駄弁る」シーンに存在していて、原作(より寧ろアニメ)ファンこそが楽しめる、かなり尖ったつくりキャラゲーと言える。作り方は非常に良い。当然原作者監修の元、見覚えのある会話から見覚えの無い会話まで織り交ぜられていて飽きない。
早送りモード等ギャルゲの周回には欠かせないシステムも一通り容易されていて、何週か遊ぶ気にはなる。難易度自体も高くは無くしてあり、あくまでキャラゲーであるという設定が貫かれている。○。
まともな攻略サイトが立たないのもあり、発売後1ヶ月が立っても板に生存者はいるのに完全攻略(称号コンプリート)の報告が出ないという珍しい作品にもなった。
しかし、やはり杉崎の声がほしくなってしまうのは俺だけだろうか。
1:プレイ時間 【★★★☆☆】
一周目クリアまで10時間強。2週目からイベントを送ると3~4時間くらいになるのかな。しかし、未だに攻略サイトが無いのには吹いたw 称号の方は結局全ての条件が解明されたのか分からないが、これは調べるか調べないか次第だろう。CG、称号全て自力で集めようと思ったら相当かかりそうな気はする。
とはいえ、普通に遊ぶ分のプレイ時間としては、きわめて普通といったところ。
ゲーム内容としてはひたすら「放課後に生徒会質で駄弁るのを見る」「同じ攻略法のミニゲーム(妄想モード)を行う」の繰り返しなのだが、その駄弁り自体が目的なので飽きずにプレイを続けることができた。ゲームの目的・モチベーションが単にエンディングを目指すだけの作品になっていないのは良い。しかしそれゆえ2週目以降、一度見た会話に関しては流石に面白味も感じず完全に作業ゲーになりがち。
ジャンル的に当然といえば当然かもしれないが。
こういった作品の中では意外とちゃんと出来たゲームだった。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★★☆☆】
あらすじ:
主人公・杉崎鍵には譲れない思いがある。・・・・・え? 主人公とは呼べない? いやいや、普段はどこまでもぞんざいな扱いを受けていたり妄想の海に泳ぎ出すこと数多ではあるが、ゲーム作品でくらい主人公の座は譲れない。おおっと話を戻そう。そう、譲れない思い、それはいつか自分のハーレム作ること。美女に取り合われながら毎日を楽しく過ごす、そんな毎日・・・! というのも無論願望の一つだが、彼の求めるものはそうではない。自分の好きになった相手、自分を好いてくれる相手、その全ての幸せ、ただそれだけだ。ハーレムエンドは登場人物全員がもれなく幸せな顔をして物語が幕を閉じる。恋破れ悲しい気持ちを抱く者はいないのだ。彼がそう考えるようになった経緯は当然あるが、それはまた別の話。彼はただひたすらに、彼の暮らす私立高校・碧陽学園にてハーレム目指して日々を生きる!! めげずに生きる!!!w
プレイヤーは主人公・杉崎健となって原作でもアニメでもひたすら叫んでいるハーレムエンドを目指して女の子達の高感度を上げ続ける。
非常に「らしい」会話の中で原作やアニメの雰囲気が良く出たスタイルだった、というのが正直な感想。ただ、ギャグ色前回で、特にアニメで強調されていた「ちょっぴり切ない」的な部分はほぼ丸ごと排除されているのは良いか悪いか。それを加えることででテンポが崩れるくらいならば今回の設定で良かったとは思える内容。
それ以外にストーリー項で特別取り上げることは無い。
3:難易度設定・調整 【★★★☆☆】
ゲームの目的としてはハーレムエンドを目指すのが原作からの共通の目的なのだが、1週目から特別工夫無しにサクッといけてしまう辺り相当優しい設定だろう。管理人は他のEDを制覇までもプレイしていないが、どうやら個別エンドの方が難しいようだ。管理人は全体的に難易度はゆるめの方が好きなので印象は悪くない。
こういったジャンルのゲームが何度もプレイして色々なエンディングを回っていく形式になるのは分かるが、全て「最初から」なのが管理人的にはやる気がおきない。こういった作品にも周回要素ってあるのだろうか? 例えば、ゲーム開始時に周回数に応じて事前に高感度を振り分けて上げることができ、初期状態からだと相当難しいEDにも徐々に行きやすくなっていくとかさ。・・・・・まぁ、これは安直な思いつきの例だが、せっかく何週も遊ばせるなら何かしらそれが報われる何かを用意したいところ。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★☆】
作品の雰囲気を再現する上で重要な進行と会話のテンポがいずれも秀逸で、読み進めるのが全く苦にならない。元々大した内部処理も無い正統派ギャルゲーなので、レスポンスや読み込みで溜まるストレスも皆無。いずれも○。進行が軽快すぎて、サクサク読んでいると突然入るアイコンタクトのチャンスをスルーしてしまいがちなのは僅かに悲しいが、大したことではない。
よろしくないのは妄想モードで、必ずクリアできる仕様でかつ毎回画像と少し台詞が異なる以外に代わり映えが無く、中盤辺りから完全に作業ゲーかつタッチペン連打ゲーになってしまう点か。
縦横を生かした画像のチョイスなどは良かったのだが・・・・・もうひと工夫あると化けたかもしれないと思える惜しい機能だった。
5:独自システム 【★★☆☆☆】
全体的にそれぞれが孤立してしまっていて、物足りない出来。
→妄想モード
主人公・杉崎健の脳内で繰り広げられる美少女(+α)に対するお触り祭。
妄想内で様々な格好をした生徒会メンバー(+α)の手足やお腹や首筋や頬や脹脛や髪や腕や背中や太股をタッチしまくるモード。しかし彼の妄想はリアルすぎるようで、胸や尻をタッチすると怒られて高感度が下がる。また、何度かタッチしているとOKだった場所も怒られるようになるので、ミルクモードを発動してタッチ数をリセットしてやる必要がある。ミルクモード中はゲージ上少量は減少しているものの元々OKな部位であれば何度でも触れる。
ということで、基本的には触れるところをタッチしまくって何だかよくわからないミルクゲージを一杯にするのが目的。成功(クリア)するとキャラの高感度が上昇する。
ミルクモードも何度でも実行可能であるし、タッチ→ミルクモード→タッチを繰り返していれば絶対にクリアできる甘口仕様。なんとも頑張り甲斐が無い仕様で完全に作業ゲーになる。
→すかうたー
まぎる先生から頂く大変ありがたい謎アイテム。
これにより、ゲーム中は、ラスト付近の一ヶ月間を除いてキャラたちの高感度をいつでも確認することが出来る。全員の高感度を上げてのハーレムエンドを目指しやすくする為のシステムだろう。ゲームの中核に適したシステムで○。管理人のようなギャルゲ初心者にも非常に優しい。
→黒板・生徒会日誌
イベント一日舞にその日の主人公がその日のまとめを行うパートがあり、そこで事実をそのまま書いたり、フォローを入れたり、事実を捻じ曲げて書いたりすることによって高感度がまた上下するらしい。
掲示板とはゲーム中いつでも開けるメモで、日誌で事実を入力したい時にはそこにメモを残しながらプレイすることができる。が、普通に遊ぶ分には完全に不要なもの。
→杉崎提案
主人公が持つ話題を提案することで、その日に繰り広げられるはずだったイベントを別のイベントに変更することができる。変更された方のイベントはその周ではもう見ることはできない。
これも工夫が一歩足りず、「とりあえずこんなことできる」というだけで使いどころも使い道も、何も示されないのが悲しい。
もう少しその後どういうイベントが起こりそうだとか、これは回避したほうがよさそうだとか、そういう何かを本編内で示してくれないと使おうにも使う場面が無い。
なんとなく使ってもそれがどういう結果を引き起こしたのかも何も分からない為、これまた使い甲斐の無いシステムになってしまっている。
→称号システム
主人公が特定の行動をとることで、様々な称号を得ることが出来る。・・・・・それだけ。
称号を付け替えることで何かが起こるとか、そんなことは無いようだ(もしかしたらあるのかもしれないが、少なくとも管理人は目にしたことは無い)
そんな辺りから、これも集めるだけが目的の寂しいシステムになってしまっている。
6:価値 【★★★☆☆】
管理人の購入価格:約7000円(BOX版を購入した為)
無駄にボリュームはあるが、そこまで楽しめるかどうかは完全に人次第。原作愛と、ギャルゲー耐性次第、か。
とはいえ、それはやりこむ場合の話で、とりあえずファンならば楽しめる出来には十分至っている。キャラが出てるだけのクソゲーではない。
値段分遊べたという気にはならないが、毎週ラジオを聞いている者としてゲームでくらい投資してやるか、という意図での購入なので後悔は何も無いのだった(笑
7:キャラクター 【★★★★★】
オリジナルキャラはいないが、アニメキャラたちの再現性はかなり高い。と思う。
原作キャラというよりはアニメキャラの再現性。原作読んでいないのでその辺詳しくは分からないが。
8:やりこみ要素 【★★☆☆☆】
極めて普通。ギャルゲらしく、CG集を埋めたり、妄想モード図鑑を埋めたり(いつでも再プレイ可能)といったことが中心となる。
CG集は、夏祭り・文化祭・修学旅行を全てのキャラで通貨して全キャラ分エンディング見れば集まる気がする。あくまで気がするだけ。未実施。
しかし、本作最大のやりこみ要素はそれらではなく、記述の「称号」を全て集めること。
本編だけでなく、黒板を塗りつぶすだとか、スタンプを連打するだとか、様々な部分に条件が用意されているのは遊び心があってよい。
しかし何かもう少しヒントが出て集めやすくなっていてくれていると、尚良かったのだが。最後まで見つけてもらえないのでは意味が無い。
9:グラフィック・アニメ 【★★☆☆☆】
妄想モードの画像は中目黒含めて無駄に綺麗に描かれているが、イベントCGはまさにDSクオリティといった程度のレベル。
加えて、キャラの立ち絵も今一歩な出来のものが少し多いのが気になった。もうすこし丁寧に描いてあげようよ。
10:その他 【★★★★★】
検索したら攻略サイトどころか、Wikipediaにさえゲームタイトルとして登録されて無くて笑ったww
出来は悪くはないんですけどね。
最終更新:2010年06月08日 21:46