総評 74点
【★★★★☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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SFCで人気を博し、今でも根強いファンの多いスパロボの外伝作品の移植作品。リメイクだと思って買ったら予想以上に移植だった。笑。
スパロボ世界最古のオリジナル自軍キャラであるサイバスターとマサキにまつわる物語の始まりと終わりが深く描かれている。それが今回はOGシリーズのまさしく外伝と銘打たれての発売となった。
今回の開発はなんと本家スパロボ開発のウィンキーソフトが携わったようで、感慨深くはあるものの、そのせいか妙にシステム面で快適さの不足が目立つ作品に仕上がってしまっている。後述するがプレイ感、特にメニュー展開速度などは完全にSFC版のままといった状態で、かったるさまで移植されている。
その移植っぷりは中身も然りで、様々用意されているフラグの立て方から隠しキャラの取り方のあたりは9割以上がそのまま移植されている。
ゆえに、SFC版プレイ経験者でればうろ覚えの記憶頼りでもかなりサクサク遊べる。
1:プレイ時間 【★★★★☆】
一週10時間~15時間程度。話数はルートによって異なるが、大体45話前後。ルート分岐は移植前から非常に多かったが、今回DS版として生まれ変わるのに伴ってセーブデータの作成数が100近くまで増加したため、それを生かしながら各分岐を埋めていけば、割と簡単にやり込み要素を充足することも可能だろう。分岐含めて全ての話でセーブを残してももう少しあれば足りそうな量だ。普段のスパロボだと「こんなにいらねぇよ!」となるのだが、本作に限っては内容にマッチした良い配慮。
ただ、プレイ感覚の重さの割に話数的には軽すぎる感が強いのは確か。プレイ中に無駄に過ぎる時間が長いにも関わらずのこの感覚はなかなか。
単なる移植に留まらず、イベントや会話の追加なんかも是非行って欲しかった。そうすればボリューム的にももっと丁度良くなった筈。こういった変更を嫌う人もいるだろうが・・・・・やはり少し昔のゲームだけあって、キャラの説得時の心変わりなど、少々心の変化の描き方が雑なものも少なくない。その辺りへのテコ入れは行って欲しかった。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★★★☆】
あらすじ:
地球の裏側、地球内部の異なる異相空間に拡がる地底世界「ラ・ギアス」に存在する国、神聖ラングラン王国。5万年の歴史と長きに渡る秩序の元、平穏な暮らしが続いていたその国は、未来に迫り来る驚異と闘おうとしていた。「巨大な魔神が、ラングランを滅ぼす」アカデミーの未来見が、予言したのだ。そしてそれは、遅くとも10年後であると。ラ・ギアスの予言はこの世の占いとは異なる。それは、幾多の未来の中から今最も近きに存在しているものを視る行為。絶対の宣言ではないが、由来無きものでも無い。事を重く見たラングラン国王アルザール・グラン・ビルセイアは、それに対抗し得る力を創りだすことを決めた。精霊の力を宿せし機神、魔装機計画の始まりである――――
あれ、あらすじにもなってないですねww
そして、魔装機の操者として主人公:マサキ・アンドーが地上より召還されるところから物語は始まります。
第一章・第二章の2部構成で語られる物語は、第一章がサイバスターとマサキの出会いとOG1に繋がるストーリー、そして第二章がOG外伝のエンディングにてシュウがその呪縛の生から解き放たれた後のストーリーとなっている。こういったOG世界との繋がりの部分は大幅に修正が加えられているものの、本編自体はラ・ギアスの中だけで行われるので基本的に変更や追加はSFC版から殆ど無い。原版の雰囲気を残すのは確かに良いことなのだが・・・・・正直、気合いを入れすぎているな、という印象が強い。既述の通り、ファンでも補完しきれない点もイベント不足なところは少なくないのだ。ウィンキーは無駄にストイックなイメージが強かったが今も変わっていないのだろうか。特に後半の説得相手達。全て分かった上で闘う事を決めているシモーヌや、思い込み全開のファングがマサキの説得1、2回であっさり過ちを認めて仲間になるのは不自然と言わずしてなんと言うか。
しかし、ついこの間死んだばかりのシュウがその後無事にルオゾールに生き返らせられて本作でヴォルクルスの呪縛からも完全に解き放たれた。あと何作続くか分からないが今後のOGにサイバスター勢が参戦する場合にはシュウの正規自軍参戦もあるかも? あるかも? と、シュウ好きの管理人はwktkが止まらない状態ww 続きの楽しみ度が更に上がった。
ただ、1章と2章の間に入るはずのスパロボEX分の物語がまるまる空白(回想で終わり)なのは、このまま放置なのだろうか。
地上人がわんさかラ・ギアスに降りてきての戦乱もやって欲しいんだけどなぁ。EXプレイしてないと物語がしっかり繋がらないとか、王子の苦悩とかカークスの格好良さとか、悲しいなぁ。ちゃんと見たい。今後なんらかの制作があってくれると嬉しいなぁ。OG世界版も。
3:難易度設定・調整 【★★★★☆】
全体的に易しく、管理人好み。
基本的にはSFC版と変わらぬ調整だが今回乱数保存が無くなっているので、クイックセーブを禁じていたりしない限りはサクッとクリアできるようになっている。個人的には○。
敵味方共にグングン上がる攻撃力に対してどちらもHPの上限が低い為、物語が進むほど一瞬の油断が命取りになるような設定。スリルは感じられる。敵味方に言えることであるので、ラスボスでもこちらの技から攻撃力の高いものを熱血がけで背面からぶつければ2発で落ちる。本当にクイックセーブを使うか否かで大きく難易度が変わる。
ただ、少々雑魚敵の数が全体的に少なめであるため気力上げが辛いステージが多めであったり、仲間を満遍なく強化することが非常に難しかったりするのが惜しい。ただでさえ魔装機神4機だけで十分戦えてしまう調整なのだから(特にサイバスターとグランヴェール)、その辺りはもう少し手を入れて欲しかった。ファルクとかどう足掻いても使えないよ。
中盤以降のボスを幸運がけで倒すこと、そしてある程度強化する武器を絞ることさえ心がければ、能力・その絞った武器は全て改造しきってしまうことも可能。周回による集積が無い本作では打倒か。○。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★★☆☆】
何と言っても乱数保存が無くなったことと戦闘ムービーを飛ばせるようになったことで、相当に快適に遊べるようになっている。なっているのだが。発売の媒体がDSということもあり、快適度への期待値があまりに高く実際の操作感、肝心の操作感はイマイチどころかイマサンといったところ。
機体を選んでからメニューが開くまで、そこから移動を選び移動可能な範囲が表示されるまで、自軍機の移動、移動後に武装一覧が表示されるまで、etc... 一つ一つの動作が重い! 状態の遷移がおよそ今の時代のDSのソフトとは思えない速度。マシな速度なのは戦闘ムービーに入るところくらいか。まさにSFC版と同じ速度なのだが・・・・・これは雰囲気でも残そうとしての故意なのだろうか。故意だとしたら、明らかに失敗。管理人はあまり戦闘ムービーを見ないので音声にこだわりは薄いので基本的にはDS発売は嬉しいのだが、こんな速度ならPSPにして声付けてくれた方が嬉しかった。
DS版の長所である「手軽さ」「快適さ」が見事に失われていたのは残念。生きていたのはクリックセーブ後の即ロードの早さかな。
妙な意地張らずにサクサク進むようにすればよかったのに。いくら立体描画してるからって所詮2D描画、他のスパロボでやれてこれでやれないはずはない。ノウハウを共有していないか制作者の意地か。どにちらにしても残念。
5:独自システム 【★★★★☆】
→戦闘システム
攻撃を加える相手の機体の向き(正面、側面、背面)によってダメージや命中に差がでること、ZOC、などスパロボではあまり実装されていないものが数多く実装されているが、SRPG的には特に目新しいものはない。描画されるキャラ・1マスが結構大きいのに比べて移動力が敵も味方も高いので、その辺りは少し慣れるまで時間がかかるかもしれない。
→追想録・語録
DS版になったことで追加された収集要素。言い換えればCG集と、用語辞典。いずれも本編で見たもの(全てのデータの総合)から埋まっていく。
前者は分岐セーブ(セーブデータを使って、分岐の両方をチェックしていく手)を使わなくても4週のプレイで全て揃う。後者は管理人も全部埋めていないがほぼ全ての分岐・話を通る必要がありそうなので分岐セーブを使わないとかなりシンドイだろう。一部を除いて基本的なルート分岐の条件がSFC版から変わっていないため、攻略サイトなんかは昔のものを参照すれば十分事足りる。
本作はマルチエンドであることも特徴の一つなので、面倒な人はそれを見ながら何種類も存在するエンディングやストーリーを楽しむのも良いだろう。元々ストーリーが良いので周回はしたくなるが、色々なものを見る気を更に引き起こしてくれる、本作にあった良い追加要素。
→武器成長
ウィンキー時代のスパロボには時々あったシステム。武器の最大改造時に性能の異なる別の武器に変化する。変化後はまた1段階目から改造できる。
飛躍的に性能が上昇するもの(例:アカシックバスター)、威力は上がるが消費MGや必要気力も上昇し使いにくくなるもの(例:ヨツンへイム)、純粋に攻撃力だけが少し上昇するもの(近接通常兵器全般)、等々、効果が様々あるのも面白い。DS版は一気に改造を進めることが可能になったため、変化後の性能を最初に確認してから武器改造が始められるのも良い。
ちなみに、ゲーム中に存在する全武装の5割以上にこの武器成長が実装されている。
6:価値 【★★★★☆】
管理人の購入価格:4474円
スパロボプレイヤーでもしSFC版未プレイならば是非プレイして欲しい。OGはプレイしてる、とかならもう嫁を質に入れてでもプレイしる!
SFC版遊んだ経験があるなら、どちらでも。懐かしい気分には浸れるのは間違い無い。新たに追加されたCGの数々も良い感じではある。
そういえばスパロボ遊んだことない人でも楽しめるらしいよ!(友人に、「スパロボはコレ(SFC版)しか遊んだこと無いけど、コレは自分の中でも未だに五指に入る名作! 5周遊んだ!」みたいなこと言ってる人がいました)
7:キャラクター 【★★★★☆】
マサキやシュウといったスパロボで名の知れたキャラたちはもちろんだが、今回魔装機神以外に登場する全16機の魔装機のパイロットとなる様々な戦士たちもなかなかに良いキャラ付けができている。いずれも少し古くさいキャラではあるがその分無理もしていなく、それが世界観にも合っていて心地よい。○。
その分やはりもう少し各キャラの出番というか、イベントを増やして欲しかった。しつこいようだが。
8:やりこみ要素 【★★★☆☆】
一応SFC版にはなかったCG集や語録の追加によって周回はする気にはなるが・・・・・うーん、何とも言えない。
管理人が元々全EDは回るつもりだったからかも知れないが、それ以上をしようという気にはさせてくれなかった。よって★3。
加えて、本作は周回後の持ち越しが「クリア時の残り資金」である為何周しても持ち越しが資金が殆ど貯まらない。一応クリア時に持ち越し用のボーナスは出るが、それほど多くもない。
管理人はDSやGBAのスパロボの周回するほど溜まっていくタイプのクリア特典が好きだったので、この点も残念だった。
9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】
戦闘マップでの機体絵、会話シーンのアイコンや絵、微妙3Dの戦闘ムービー、いずれも作り直しているようだ。頑張ってる。
CGの数々も結構な数があるので予想以上にストーリーパートが賑やかになってくれていた。
足を引っ張ったのは・・・・・やっぱり戦闘ムービーですね^^^^^
戦闘ムービーがあんまり動かないってのは既に「スパロボっぽくない」と言えてしまう時代です。それほど他のスパロボがよく動く。
開発陣はその辺もう一回認識した方がいい。
10:その他 【★★★★★】
うーんこうしてみると★5がつくものが無い。
移植ではこのくらいなものだろう。改悪はないが素晴らしい改良というのもあまりなかった、という感じだろうか。
あ、元が良いので相当に面白いのは確かですよw
最終更新:2010年06月11日 01:56