総評 58点
【★★★☆☆】
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時間 |
シナリオ |
調整 |
操作 |
独自 |
価値 |
キャラ |
やり込み |
グラフィック |
その他 |
評価 |
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前後編モノのゲームの後編が前編を内包する珍しい珍しい作品。1作品目を買った人は腹立たしい仕様だが、本作レベルに「前作の続き」なシナリオでは親切な面、そうして然るべきな面も強い。
「RPGの全てがここにある」なんてCMやっていたが……シナリオは突っ込み所満載、変身しちゃう、かなり進めるまでしばらく作業ゲーな戦闘、ネトゲな各種方面の調整……と、中身はなんともちぐはぐ。「会話しなきゃいけない」場面以外で村人と一切会話する必要が無いようなゲームのどこが王道RPGか。
特に「プレイヤーの9割はGR20到達前に辞める」と言われるクエストマラソン必須な数値設定とや、文字通りマラソンをさせられる広すぎるマップ+走らせることが目的であるかのようなクエストの数々には腹立たしいを通り越して呆れてしまった。これはもう、ただただ時間を使わせようという制作陣の悪意と言っても過言ではない。
調整次第ではもっと遊べたゲームだと思うのだが。
1:プレイ時間 【★★☆☆☆】
サブイベント無視気味(通りすがりで行えるもののみ実施)で一部二部両方クリアまで80時間ほど。といっても、友人との通信プレイも時々行っていたので、実際は60~70時間ほどだろうか。現在プレイ時間110時間ほどでGRはまだ14。頑張ろうと思うと先は長いが管理人はそろそろ「ガンバってメインプレイ」はリタイヤ。
すぐ上で述べた通り、本作は無駄に時間を使わせるよう仕向けられたような部分があまりに多く、プレイしていて辟易としない人はいないだろう。そんなレベル。ひたすらキャラを走らせた時間がプレイ時間のうちにどれだけあったやら。圧縮すべき部分ばかりのゲームメイクは正直センスの有無で語るにも及ばない。もう一度言おう、悪意だ。
2:ストーリー(シナリオ) 【★★☆☆☆】
あらすじ:
国王ヴァルトスのもと平和な日々を送ってきたバランドール王国は、王国の姫君シズナの成人を祝う式典の最中謎の組織「ウィザード」の襲撃を受ける。巨大なモンスターによる突如の襲撃にバランドールの兵達は為す術もなく、ついには城内への侵入を許すことになってしまう。偶然襲撃の場に居合わせた青年レナードは、逃亡中のシズナを連れて城の地下へと逃亡することとなるのだった。そして、地下で行き着いた先、宝物庫にて彼は巨大な鎧と出会う。そして目覚めるシンナイト。古より続く運命の物語は、こうして再び動き出したのだった――――
ふとしたきっかけから力に目覚めた若者が姫を救う旅に出て、そしていつしか世界を救う闘いにそのみを投じてゆく―――――と書くといかにも王道RPGっぽいのだが……。シナリオ自体はツッコミ所満載のご都合主義万歳展開ばかりが続き、だんだんと一つ一つの流れや会話がネタに聞こえて笑えてきてしまう。王道「っぽい流れ」を追うことに夢中になりすぎて、そこに至る経緯や何故そのイベントが起きたのかといった部分が殆ど蔑ろになってしまっているのだ。しまいには物語後半の大部分やラスボス戦まで主人公(レナード)が使えない脚本は、普通のRPGとしても崩壊してしまっている。そりゃないぜ。
世界観に似つかわしくない「変身!」のかけ声に代表されるネタ的な面白味はあるものの、全体の構成としても二部が一部のMAPをひたすら逆流してゆくような物語の出来が良い筈がない。
一部時点では全く本編と繋がりがなかったらしいクエストや通信プレイを本編の延長線上、それもクリア後の隠しダンジョンに据え結びつけた手法は良かったのだが、後述するGRの上がりにくさで殆どの人に遊んで貰えないのでは意味が無い。他が万全という訳でもないのに、既述の通りプレイヤーの9割がたどり着けないようなところに力を注ぐのは間違っているのである。×。
3:難易度設定・調整 【☆☆☆☆☆】
この項目で星0は初めてかな?
まず一言で言えば、どれこもれも主に「量」の設定がおかしい。マップの広さ、GRのLVUP必要量、各クエストやサブイベントでの移動量、etc。。。「長く遊べる」と「長く遊ばされる」は違う、という作品の典型例。突き抜きすぎていて典型例とも呼べないレベル。
管理人は前作未プレイだが、他の人のレビュー等読めば前作時点で同様の指摘は多数上がっていたはずなのに、更に悪化したらしい。どういう方針だ。GRを一つ上げるのに100回単位でのクエストマラソンをしなければならないのは酷すぎる。転生やヴェルガダンはせっかくシステムとして用意してあるのだから、せめてこの辺りの可能範囲まではサクサク上げられるようにしておくべき。遊んで貰えないシステムを作ることほど無駄なことはない。ネトゲのレベルで設定するならば、家ゲー用の準備は必要無いのだ。両方に力を入れようという本作のどっちつかずな内容が非常によろしくない。
ただ本編中の難易度の面に限って言えば、ゲーム本編は通り道の雑魚を一掃しながら進んでいけば特にレベル上げも必要無く、かつ苦戦しながら進んでゆける難易度となっていて丁度良くはできている。
4:操作感(プレイ感覚) 【★★☆☆☆】
戦闘の操作感は悪くなく、プレイヤーによって様々なプレイスタイルを許す難易度も相まって楽しくプレイできる。(自キャラはひたすら攻撃でCPUに回復を任せる、3キャラ切り替えながら戦う、等。管理人は基本ものぐさなので前者プレイ) メニュー画面はやや見難いが慣れれば問題無い程度でレスポンスは良い。
悪い点は、まず兎に角フィールドの広さに反して移動が遅いこと。わざわざ古の記憶を先に出して公式テストプレイをしたにも関わらず、こういったプレイ感に関わる部分に改善が入っていないのは×。次に、アイテム所持数が少ないにも関わらず自動整理関連の機能が全く用意されていないこと。装備購入前にわざわざアイテム欄を空けなければならないとかいつの時代のRPGだ。
あとは散々書いているGRのレベル上げ感。最早これ以上語るべくも無し。
5:独自システム 【★★★☆☆】
→アバター作成
体格から顔の細かいパーツまで一つ一つサイズ調整できるのは面白いが、反面如何せんパーツ自体の種類がそれほど豊富でないのが残念。
腕脚の体格変化よりも顔のパーツが一つ違う方が見た目のインパクトは大きい。そういう意味では力のいれ所が微妙にずれている。
→スキル
武器や魔法からレベル上昇で得られるポイントを振るタイプ。
全体の武器のバランス調整は良くできており、特定の装備が特化していない為に武器の使用者も広く分布しているようだったが……管理人的には寧ろ「どれもあまり変わらない」イメージの方が強かった。弓でも斧でも剣でも大して与ダメが変わらない印象が強い感覚。とはいえ、例えそれでも特定の武器に利用者が偏るよりはマシなのかもしれない。
後述の転生によりスキルポイントの再振り分けが可能。
→転生
レベル80(MAX)状態の時レベルを60まで下げることでスキルポイントの再振り分けとボーナスポイントの取得ができる。この機能を利用することで全てのスキルをMAXにするトロフィー等が入手できるのだが……これが利用できるようになるまでのハードルが非常に高い。ギルドランクによって最大レベルに制限があり、80までレベルを上げることができるのはGR20が必須。そこに至るまでには1回のクエストで数万しか貰えないポイントを合計二千万以上溜めなければならないというのは苦行もすぎるというもの。一緒に遊ぶ友人がいても辛すぎる。
→ブレイク
中型以上のサイズのモンスターは部位毎にHPが設定されており、それを0にすることでブレイクという名のダウン状態にすることが出来る。片足に攻撃を集中させたり複数の相手がいる場合にできるだけ集中攻撃したりと、ただの連打ゲーになることを辛うじて防いでいる本作における大事なシステム。
→シンナイト
戦闘中の行動により貯まるポイントを消費して巨大な騎士であるシンナイトに「変身!」できる根幹システム。
初めは本編の主人公のみの特権だが、話を進めるごとに変身可能キャラが続々と増えてゆく。
大型の敵に対してこちらも巨大化することで、戦闘後MPは0になるが圧倒的優位に戦闘を進めることが出来るバランスは良い。難点は、変身後の行動の殆どに変身継続時間を消費する効果がついていること。それにより、結局ダメージ効率では通常攻撃をひたすら繰り返した方が総ダメージ量は高くなってしまい、行動の一元化がなされてしまう。面白味の無い戦闘は勿体無いなぁと。
→ジオネット
ネットプレイ用のSNS的なコミュニケーションシステム。日記書いたり自分の街を発展させたり。白騎士物語のメインシステムでもあるのか。
ここに起点を置いて遊べた人は本作を最後まで遊べたのかもしれない。
管理人は元々「友人とのゲーム」を起点として本作をプレイしていたので、イマイチ乗り切れなかったというのが本音の部分だろう。
6:価値 【★★☆☆☆】
購入価格:5559円
前述の通り、「一人で遊ぶ」「友人と遊ぶ」用に購入すると痛い目を見る。
不特定多数の「知らない人とのネットプレイ」に主眼を置いた遊び方を基本とし、同時にカナリの時間を本作に割けるだけの時間的余裕があれば購入をお勧めする。……といってもこの記事をアップする頃には既に本作遊んでる人なんて大分減っているだろうし、不特定多数ともまともに遊べてるのか不安ではあるが。
7:キャラクター 【★★★☆☆】
たいした過去もないのに姫を助けることに固執する前半の主人公や、主人公一行を見ても主人公の名前を呼ぶことしかしない姫など、物語の中心自分がどうにも感情移入できないイタイ感じのキャラクターが多いが、それ以外の自軍キャラは総じて魅力あり良い味出している。ユウリ可愛い。聞き慣れすぎた声で別キャラが頭に浮かぶがw
騎士のデザインもかなりロボ的な格好良さに溢れていて管理人好みだった。
8:やりこみ要素 【★☆☆☆☆】
ギルドランクに依る、クエスト関連のネットプレイがやりこみに属するだろう。
何度も書いているとおり途方もなさすぎて無理ゲー。
9:グラフィック・アニメ 【★★★★☆】
グラフィックレベルが次世代機万歳レベルで非常に良好。かつ変身シーンなどはそのタイミングで整形しているようで、装備を反映した姿でムービー級の映像が流れる。素晴らしい。
しかし、せっかくの素晴らしい映像レベルながら会話系のムービーシーンなどは未だに後ろに立っているキャラたちが無表情棒立ちなのは惜しいの一言。なんとかならないのかね。
10:その他 【★★★☆☆】
書き忘れたがネットでの通信クエストのやりにくさも本作の残念な点。
キャラの強さがレベルに大きく依存するので同程度のレベルでなければクエストはやりにくく、であるにも関わらず入手経験値などが低い方のレベルの人に統一されるので高レベル側も美味しくない。両方が損をする構成はプレイする意欲を狩ってくれますね。
古発売後の、既にこういった方針でゲームを作成することが決まっていたのかなぁ。ここまで古後のユーザの意見を無視しているのは逆に不思議。
しかし、RPGで100時間プレイしてトロフィーが半分揃わないゲームも辛い。
最終更新:2010年10月28日 12:31