そんな俺は、とんでもないことになっていた。
「あー、暇だな」
俺はあいも変わらず、ニートを満喫していた。
「そろそろ金魚とカメにエサをやらんとな」
趣味は生き物の飼育や、観葉植物の栽培。
へへ、ニートとしてはなかなかいい趣味だろ。
しかし、一日のほとんどの時間は、パソコンの前に座っているか、
ゲームをしているかだ。
そして、一日の終了。
つまり、寝る前には必ず妄想をしている。
あるときはアニメの主人公を自分とすりかえたり、音楽CDを聴いて
そのヴォーカルが自分で、大勢のファンの前で歌っていたり・・・。
まぁ、様々だ。
「おおきな ゆめ ゆめ すきでしょ♪」
妹達は学校へ。親父とお袋は仕事へ行っている時間。
そう、午前中が俺の一番楽しみな時間だ。
大声で歌を唄い、大音量でギャルゲーやエロゲをやる。
なぜ、午前中にしかできないかと言うと、やはり夜では大きな声で唄えないし、エロゲをやるにしても、いつもまにか親が後ろに立っていた!
なんて事態を避けるためだ。
別に出迎えてもいいのだが、俺の幸福の時間を奪われるわけにはいかんのだ!
客が帰るまで、エロゲのエロシーンでも見てるか。
「なごみ・・・」
いつしか俺の右手は息子へとそえられていた・・・。
「おお・・・、やはりなごみんは何度みても萌えるな」
・・・自分のペースにあわせてシーンを進め、ヒロインが絶頂を迎えると同時に、俺も果てるという寸法で自慰行為を行っている。
なんだ?誰もいないはずなのに、声が聞こえてきた。
一気に戦慄が走る。
なぜ?玄関の鍵は閉めてあったし、窓も全部閉じている。
この台詞はまさか・・・・!
密かに俺が好意を抱いているキャラクター。
長門?!
いやいや、待て。
さすがにそれはないだろう。
長門は涼宮ハルヒの憂鬱というアニメ(小説、漫画含)のキャラだろ?!
どう考えてもおかしいだろ!
ああ、妄想のしすぎでついに幻聴まで?!
病院いくかっ!俺ええええ!
あぁ、俺は幻聴どころか幻覚まで・・・。
いや、これは俺の脳内の出来事か・・・。
だってこれは、昨日俺が妄想したシチュエーションだからな!
現在ニートの俺の生活が堕落しきっていて、それを都合よく察知したどっかの機関が、俺を真人間へと成長させるべく派遣した人間。
それが長門ってわけだ。
それから炊事、洗濯、金銭援助まで何から何まで俺に尽くしてくれる。
※妄想の中では、長門は金持ちで、かつ、前の学校では恋人同士。そんな設定だ。
いわゆる、デレ。
ツンデレではない。完全にデレ状態ってわけ。
問題は、なぜここに長門がいるのかってことだ。
―落ち着くためにまずタバコを吸おう。セブンスターのライトだ。
これはまじでうまい。みんなにもお勧めの一品だ。
・・17歳ということには目を伏せて欲しい。
―俺の口からタバコが消滅した。
消えてしまったのある。
これがまぎれもない現実だということを。
ふっ、俺は結構何でも信じるから、これくらいのことなんとも無いぜ!
「何?」
「これは俺の妄想が具現化したって事でおk?」
「そう。あなたは小学4年生から、妄想をやめたことがない。それがなんらかの作用を起こし、具現化する
能力を得たみたい。情報統合思念体は、あなたの事を興味深く思っている。だから私が派遣された」
いやまてよ。その情報なんたらってのはアニメで見た限りでは宇宙人っぽいの?なわけだ。
でも俺の妄想の中では、長門は普通人なんだぞ!
宇宙人に設定した覚えはない(゜д゜)
考えないほうがいい」
これはまずい事になった。
俺は妄想の中で、都合の悪い部分は自分のいいように設定を変えてしまう癖がある。
これからはそれができないってわけだ。
都合の悪い部分ができる→修正できない→マズー(゜д゜)
ってわけだ。
家族だ。
妄想の中では、家族は旅行に行ってる設定にしているのだが、現実ではそうはいかないだろう。
「ちょっと質問があるんだけど」
「何?」
「俺の親とかの設定ってどうなってんの?旅行に行ってるとかない?」
「それはない。これから世界は通常通り回る」
親や妹が帰ってきたとき、長門はどう説明する?
まさか拾ってきましたじゃあ、ダメだろうな・・・。それじゃ俺は変態になってしまう。
―妄想してる時点で変態なのかもしれないが。
長門の姿が、俺たち現実の人間より少し違うのだ。
つまり、 ア ニ メ 絵 の ま ま な の だ ッ (;´Д`)
これで俺が一人暮らしなら、狂喜乱舞するだろう。
だが、現実はどうだ。
17歳ニート。
当然、家族とは同居中。
これはやばすぎな匂いがプンプンするぜぇーっ!
どっかに隠しておくか?!
いや、バレるのも時間の問題だろう。
どうする?
ドウスル?
・・は?なんですと?
確かに妄想の中では、俺がアニメの世界に行くことだってあった。
しかし、それは妄想の中だけであって、現実におきようとは・・。
ってことは小泉も?!
マッガーレ!
アナルの危機!
長門は高速で呪文を逆再生させたようなことを言っている。
な、なんだ?これはいったい・・・。
見事なまでのアニメ絵。
背景、建物、通行人、そこにある全てのものがいつもテレビ越しに見える、見慣れたものに変わっていた。
俺が自分の置かれた状況を理解するまで、少々の時間を要した。
えっと・・・、(;´Д`) ?
「あなたの意思は、もはや重要ではない。これは決定事項」
俺の意思こそが最重要だろうが!!
このボケナスが!
俺の子供を孕ませてやろか!
「?」
「あぁ、なんでもない。こっちの話だ」
「そう」
このわけ分からん世界で、果たして俺は生きていけるのでしょうか・・・・。
「心配はない。あなたは私と同じマンションで暮らす」
キタヨキタヨ(゚∀゚=゚∀゚)キチャッタヨー!!
これぞ妄想の醍醐味。
これから何かとおいしい生活ができるのであれば、ここでの生活も悪くないだろう。
そういや、俺の家族とかどうしてんのかな。
めんどくさいから聞かないでおくけど、あっちの世界は時間が止まってますよーに。
てか、俺元の世界に戻れるのだろうか。
まぁそこはアニメの世界のトンデモパワーでなんとかなるのだろう。
だって俺、世界が違うわけじゃん。
・・・あぁ、そうかここは長門が得意の情報操作とやらをするわけだな。
そんなこんなで夜になった。
「だめ、私にはあなたを真人間にする使命がある」
「てゆーか、俺の財布とか携帯とか通帳とかは?」
「こちらの世界には転送していない」
俺は高校1年の頃からバイトしていて、通帳には200万は貯まっていたのだ。
それらがすべて無駄になった俺の気持ちを考えていただきたい。
しかも、財布にはいろいろとポイントカードが・・・・。
俺の10枚のアニメイトカード等、貴重なものも入っていた。
・・・しかもやべえ!パソコンはどうよ?!
エロ画像満載じゃねーか!あとエロゲも^q^;
あぁ、現実の世界の俺の人生\(^o^)/オワタ
「そうだな・・。寝るか」
ね・る?
この部屋で俺と長門は寝るわけだ。
フヒヒwなにやらエロゲー的予感。
長門と俺が一緒の布団で寝るなんてこと・・・・
あるあ・・・・あるあるwwwwwwwwwwwwww
よーし、今夜は頑張っちゃうぞー。
でも、こんな所で挫けるボクじゃないのよ!
「じゃ、おやすみ」
「あぁ」
と、いうことは2人を隔てる壁がないのいうことっ!
長門には悪いが、寝込みを襲わせてもらう事にする。
フヒヒwすいませんwげ、下品ですが、勃っちゃいましてwwwww
深夜3時、俺は頃合と思って布団から這い出した。
長門にむかってダイブ!
カムヒア!俺の青春ッ!
ガゴッ
「ぐぉ・・、なんだ・・・」
俺がぶつかった場所に手を当ててみると、なにやら壁ができているようだ。
畜生ッ!完全にぬかったぜ。
これじゃ俺は生殺しってわけか。
しかも長門がいることによって、俺は必然的にオナ禁することになる。
別にトイレとかでやってもいいんだけどね?
あんまり長い時間篭ってると、ウンコかと思われそうだしな。
てかここパソコンねーじゃん!ニートのネット中毒の俺にとっては最悪な環境だった。
長門がいるのに襲えない。オ○ニーできない。エロゲできない。ネットできない。VIPできない。
そういやカメとか金魚だっていねーじゃねーか!ぬおおおお、俺の生きがいが・・・。
しゃあねえ、寝るか。
そして俺は、いつものように妄想しつつ深い眠りに落ちたのであった。
俺は夢を夢と自覚できるので、夢の途中を自分で改変し、構築することができた。
ふ、これも長い妄想から生まれた産物であろうか。
夢の中、長門、ハルヒと両手に花状態のデートをしていた。
なぜこの2人なのかというと、俺の嗜好なので突っ込まないでいただきたい。
俺の腕に手を絡めてくる長門、それを怒るハルヒ。
あぁ、妄想っていいよなぁーっ!
その後ホテルに行って素敵に恥ずかしい大人行為する予定だったのだが、邪魔が入った。
「ん・・、あれ?お前俺とktkrしてたんじゃあ・・」
「・・・・・」
あまりよく分からないが、長門の表情が曇ったような気がした。
・・・気まずい雰囲気だぜ(あれなぜか変換できる)
「これはあなたの。今日からあなたも学校に行く」
「急な展開ktkr」
「?」
「いやなんでもないっす」
今更行きたいと思えるものでもなかった。
まぁ、ハルヒ達とフヒヒwな関係になれるなら、別にいいか。
俺の気持ちの切り替えの速さはハンパじゃないって教師や友人に言われてたので、これくらいなんともないぜ!
それはそうと、メシだメシ。
「ある。どんどん食べて」
何を隠そう。俺はカレーはあんま好きじゃないのだ・・・。
こういうわけにもいかず、引きつった顔でカレーを食べるのであった。
んじゃあ学校に行くか。
当然のように、俺と長門は一緒に登校ということになる。
うはwwwwおkwwww
俺はまず職員室に案内された。
「分かった、サンクス」
君誰?なんて言われて、不審者として警察に通報されるなんて嫌だぞ・・・。
「おー、君が鈴木一馬君か。待ってたよ」
ここで説明しておくが、断じて俺の本名ではない。
・・俺の本名をちょっといじった程度だが。
「分かりました」
でも知ってる人がいたら、こっそり教えてくれると嬉しいぞ。
ちなみにハルヒとキョンのクラスだ。
つーかさ、俺また1年生からかよwwwwww
「はい・・・、まぁそんなもんです」
・・・・長門よ。せめて年齢設定変えてくれよ。
「はい」
緊張してないと言うと嘘になるな。
「男か?!女か!!」
などと無責任な期待を抱いているものもいるが、俺は前者だ。残念だったな。
そして、いよいよ自己紹介のようだ。
よし、ここはちょっとファンキーにキメてやるとするか!
趣味はアニメ、ゲーム、読書、生き物飼育や、植物の栽培等、多趣味です。みなさん、よろしくお願いします」
やべ、完全にはずしたみたいだ。
つーか転校先の高校の名前も知らない俺ってどうよ?
まぁ名前と趣味をちょこちょこっというだけの、簡単なものだったが。
真っ先に涼宮ハルヒがすっ飛んできた。
ここでちょっとギャグでもカマしてやるか。
「やっぱりー!転校生って絶対何かあるもんねー!」
・・・やべっ、間に受けちまったか。
「おいおい、ハルヒ。そんなことあるはずが・・」
「あの、涼宮さん。それはちょっとしたジョークで・・」
「四の五の言わない!あんたは異世界人なの!自分でそう言ったんだからね!」
×ゲームで俺はホモですって言えと言われ、クラスの教卓で言わされ、それからずっとあだ名がホモになった
ような心境だ。
一応言っておくが、俺はそんな体験したことないぞ。
普通ならば断る。だが、俺は入るつもり満々だった。
なんせ、これからフラグがたつんだからなwwwwwww
「おいおい、ハルヒ。一般人を巻き込むのはやめろとあれほど・・」
これをフラグといわずになんと言うっ!
でも、ここは知らないふりをしておこう。
「そうよ!宇宙人とか未来人とか超能力者を探して出して、一緒に遊ぶの!」
「ほう、それはなかなか楽しそうだね」
ここで肯定しておくのが、高感度アップに繋がるのだろう。
本来ならばセーブ機能とロード機能が欲しいところだが、俺の手腕で乗り切ってやるぜっ!
ちなみに昼飯は食ってない。弁当を買う金もないし、長門が用意してくれなかったからだ。
ガッデム。
「おいハルヒ」とそれを追うようにキョンも消えた。
・・・ここで問題が発生した。
「SOS団の部室ってどこにあるか知ってる?」
「鈴木君、SOS団に入るつもりなの?」
しかし、何やら不安げな顔だな。
「それよりもうちの陸上部に入りなよ。君運動神経よさそうだしさ」
「あ・・・涼宮さんごめんなさい。じゃあ鈴木君、またね」
「あ、うん。またー」
「ちょっと鈴木君!あー、なんか呼びにくいわね。もういっちゃんでいいや。
いっちゃん!何ですぐに部室にこなかったの!死刑になりたいの!」
部室くらい教えろカス( ^ω^)
と言おうとしたが、心の中に留めておいた俺はなかなか自制心があるようだ。
「あー、そうだったわね。いいわ、案内してあげる。でも今日だけだからね」
「あい」
「今日からSOS団に入団することになった。いっちゃんよ!みんな
仲良くしてあげてね!」
うーん、やっぱりメイド服なんだな。
ほんとのほほんとするなぁ。キョンの気持ちがよくわかったぜ。
いっちゃんのままで覚えられるのは嫌なので、自分で自己紹介しておいた。
わからない事だらけですので、よろしくお願いします」
あの悪名高い古泉だ。
俺は【涼宮ハルヒののSS in VIP @wiki】というサイトで、こいつがどんなキャラかと把握していた。
いきなり何か叫んだかと思えば、俺の引き締まったケツを揉んできたのだ。
いきなり人のケツ揉みやがって。
俺は言葉で返す代わりに、キッと古泉を睨みつけた。
その光景を見て、みくるは唖然としている。
ない。断じてない。
古泉の野郎。いらぬ誤解を招きやがって。
いやまて、今は弁解が先だ。
「ふぇぇ・・・、そうなんだ。ごめんね、いっちゃんさん。誤解しちゃって」
それにしても古泉。こいつだけは許さねぇ。
さっきまで分厚い本で読んでいた長門が口を開いた。
なんて事を言いなさる。
つーか起きてたのかよ・・。
いや、それ以前に一緒に住んでる事がバレてしまったわけで・・・。
それを俺が・・・
いやまてまて、これでSOS団での俺の立ち位置は変態になってしまったわけだ。
正直、どうしよう。
それもそうだろう。
同居している上に、俺が長門を襲ったという事実を告げられたのだ。
これは帰ったほうがいいな。
もう、学校もやめたほうが良さそうだ。
あぁ、死にてぇ。
帰るか、と玄関で靴を履いている間、誰かの靴音がした。
-
- 古泉か!と咄嗟に隠れる。
だから、昨日の出来事を言った。それがこんな結果になるなんて、私の不注意だった。本当にごめんなさい」
そういうことだったのか。長門なりに気を使ってくれたんだな。
正直、かなり情けない顔をしていたのだろう。
あなたの好きにして」
?!
なんと言いました?
俺が長門を好きにしていいだと?
「あー、いたいたぁ!有希いきなり走りだしてどうしたの。そんな強姦魔なんかから離れなさい」
今の言葉は悲しかった。自分でも泣いてるなじゃないかと錯覚したほどだ。
続けてハルヒはこう言った。
うぅ、長門なんて優しいんだ。
「でも・・」
「サンキューな。お前の気持ちは嬉しかったぜ。んじゃあな」
――
―――
今は何時だろう。携帯がないから時間が確認できない。
それにあんな事があったんだ。今さら長門の家に行けないしな・・。
ずいぶんと軽率な行動をしたもんだ。
時くらいの気分だな。
いや、それ以上か(笑)
長門!俺の妄想がちょっとだけ現実になって嬉しかったぜ!
んじゃ(´・ω・`)ノシ