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  • 第2章 墜落

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

第2章 墜落

最終更新:2020年03月14日 04:09

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集


 目を覚ますとアジトには俺だけで、テレビからは壱番魔晄炉爆破テロのニュースが、リポーターの緊張した声と共に流れてきた。俺はちょっと背伸びして、変な所で寝てたために凝り固まった身体をほぐしてやる。

 ……そう言えば、今日のミッションは朝からだったな。こういう事には気の早いハルヒだ。出発の時間までまだまだあるが、もう既に――

「遅い! 罰金っ!!」

 ――案の定、エレベータで「セブンスヘブン」に上がると、もう準備万端整えていて、腕組んで仁王立ちしていたハルヒに怒鳴られた訳だ。やれやれ。





                 『HARUHI FANTASY Ⅶ -THE NIGHT PEOPLE-』

                                第2章 墜落





「今日の標的は伍番魔晄炉よ! まずはスラムのお店で必要な武器や道具そろえて、1時間後に駅で落ち合いましょう。詳しい作戦は列車の中でするわ! では、一旦解散!!」

 店中に響き渡る大きな声でハルヒがこう宣言すると、古泉たちは三々五々己の目的の物を探すため、店から出て行った。大方、回復薬のポーションや、この辺りでも手に入る安いマテリアでも買うんだろう。マテリアは武具や防具に装着すれば、昨日の戦いで俺が使ったような『サンダー』や『ファイア』、『ブリザド』などの魔法を誰でも使うことが出来る。自然発生したものもあるが、大抵、世に出回っているのは神羅が作った人工製のマテリアだ。神羅と戦うのに奴らの商品を買って赴くってのも何かの皮肉にしか聞こえないが、火力や物量――無論マテリアによる魔力も――圧倒的に勝る奴らに、こうして喧嘩売るんだ。こうでもするしか、他にどうしようもない。

 さて、俺はどうしようかと思案に暮れていると、ハルヒが俺の袖をひぱっていた。

「あんた、この辺の店知らないでしょ?……あたしが、案内してあげる」

 後半、声のトーンが極端に下がったハルヒは、少し赤らめた顔をプイと横に向け、そのまま俺を引っ張って店を出て行った。

「おい、ハルヒ! は、離せって! 痛てっ! 色んなところっ、ぶつかってるだろが!!」

「いってらっしゃ~い!! ハルにゃん!キョン君!!」

 構わず俺を引きずっていくハルヒ。その後ろから、マリンの元気でのんびりした声が聞こえてくる。いや、ニヤニヤ見とらずに早くこいつを止めなさい。いや、出来んでもいいから少なくとも止めようとするポーズくらいは見せてくれ……

 (そのまま)ハルヒに連れられて入ったのは、このスラムで一番大きな建物の(といっても三階建てだったが)武器屋だった。「おい客、何か買うんだろうな、あ~?」と主人に半ば脅されるような形で品物を物色した。商品の量、質ともあまり大したことはないが、それでも今もってる装備よりはましだったので、鉄製の防具や手榴弾を買っておいた。あと、二階のトレーニングルームみたいなところを覗いてみると便利なマテリアが落ちていたのを見つけた。するとハルヒが、

「落とした奴が悪いのよ。あたしたちが見つけたんだから、あたしたちの物よ!」

 なんて言うから、つい拾って俺のバスターソードに装着してしまった。どんな効能があるか、後で紹介する機会もあるだろう。それから、俺たちはアイテム屋にはしごし、ポーションやマテリアを予算の限り買い揃え、その足で駅に着くと丁度約束の時間辺りだった。もう古泉たちが待っていて、そのまま俺たちは列車に乗り込んだ。


「あれっ? 随分空いてるじゃない? どうなってるの?」

 先に入ったハルヒがそう言うので車内を見渡してみると、確かに俺たち以外、人の姿があまり見えない。椅子の端っこでブルブル震えてるサラリーマン風の男ぐらいだ。その男はハルヒをいかにも怯えた眼で見詰めて、

「ヒッ!! き、君たちみたいなのが居るから、す、空いてるんじゃないか……ニュッ、ニュースぐらい見てるだろ? SOS団の爆弾テロ予告があったんだ。こんな日にミッドガルに出かけるのは仕事熱心な私たちサラリーマン神羅ぐらいさ」

 と声を震わせながら喋るもんだから、ハルヒはズカズカとその男に近づくと、ネクタイを掴んで、

「ふ~ん、あんた、神羅のモン?」


 ――何か恐喝してるかのようにからんでるぞ。


「わ、私は暴力には屈しないぞ~。こ、この席は譲らない」

 ハルヒが神羅に対して腹に据えかねているものがあるのは知っているが、健気にも震えた身体で抵抗しているこの男性を見ているとさすがに哀れに見え、

「ハルヒ、その辺にしておけ」

 と肩に手を置いて諌めてやった。ハルヒは少しの間口をアヒルみたいにして俺を見ていたが、ため息一つついて男のネクタイから手を離す。

「……あんた、ついてるわね」

 そう言い捨てて、ハルヒはその男から離れていった。俺は彼に一礼してハルヒの後を追う。ハルヒは依然として憮然としている。

「余計な事しなくてもいいのに……バカキョン」

「今のお前の行動のほうが余計だ、バカ。――それに何だ、お前、神羅に爆破予告しやがったのか?!」

 男の話を聞いて気になっていたのでその話題を振ると、ハルヒはこともなげに「ええ、そうよ」と肯定しやがった。聞いてねえぞ、そんな話。

「だって、あんた寝てたんだもん」

 いや、そういう問題じゃない。まずいだろ、それ。

「――あたしたちのせいで、無関係の人たちが、死ぬの、嫌だもん」

 こいつなりに昨日の壱番魔晄炉爆破の件で大勢の人間が犠牲になったことを反省しているのだろう。しかしだな……

「確かにそうだが、それじゃあ神羅に捕まえてくださいって言ってるようなもんだぞ!」

「なら、他にどんな方法があるって言うのよ! 他のみんなを傷つけずに、神羅だけぶっ壊せる方法が!! 言ってみなさいよっ!!」

 次第に興奮するハルヒの肩を後ろからついてきた古泉がポン、と抑える。

「まあ、落ち着いてください、涼宮さん。それにあなたも。……あなたの言うことにも一理ありますが、もう済んでしまったことです。今はこの状況下でどう作戦を成功させるかを考えなければ」

 古泉の穏やかスマイル顔を向けられるとハルヒもこれ以上言う気が失せたらしい。俺もついカッとなっちまったからな。すまん、古泉。するととタイミング良く発車のベルが鳴り、客車がガタンと揺れた。

「……列車の接続が済んだみたい。出発するわ」

 列車はゆっくりと動き出す。そういえば、俺はまだ根本的なことを聞いてない。

「今回の作戦について聞かせてくれ」

「へぇ~、仕事熱心ね。……まあいいわ。昨日列車で話したとおり、上のプレートとの境界には検問があるの。列車ごとIDスキャンするシステム。神羅自慢のね」

 ハルヒはまだ機嫌が直ってないらしく、最初は少々投げやりな口調だったが、次第に元の調子へと戻っていった。

「もう、昨日の贋IDは使えないわ。一応ジェシーに全員の贋IDを作り直してもらってるけど――」


『本日もご乗車ありがとうございます~四番街ステーション到着時刻はミッドガル時11時45分~』


 スピーカーから陽気な声の車内アナウンスが聞こえてくる。ハルヒはそれを聞いて険しい顔で腕時計とにらめっこする。

「――ID検知エリアまであと3分ってところね。よし、あと3分経ったら列車から飛び降りるわよ!」

 とハルヒが言ったその時だ。突然、車内が警告灯で真っ赤に染まり、不気味な警報音が鳴り響き始めた。

「おかしいわね。ID検知エリアはもっと先なのに」

『A式非常警戒態勢を発動。列車内に未確認のIDを検知。各車両緊急チェックに入ります。繰り返します。A式非常警戒態勢を発動。列車内に未確認のIDを検知各車両緊急チェックに入ります…』

 ハルヒは首を捻るが、さっきと打って変わって無機質で機械的なアナウンスは、明らかに異常な事態が俺たちに起こったことを告げていた。別の車両に居たジェシーが大慌てで飛び込んできた。

「まずいことになっちゃったわ。説明は後。早く! こっちの車両に!」

「……確かに、厄介なことになりましたね」

 お前に言われんでもそれくらい分かる、古泉。ハルヒはハルヒで軽く舌打ちした。

「……どこでしくじったのかしら」

『車両1に未確認ID検知。ドアロック準備』

 これはやばい、モタモタすると逃げられなくなる。俺たちは堪らず隣の車両へ駆け込んだ。

『車両1ロック完了。警戒レベル2に移行』

 だが、ここも安全ではない。前方に居たビッグスやウエッジが手招きする。

「走れ! 車両がロックされるぞ!!」
「走るッス!!」

 ハルヒは走りながら叫ぶ。

「仕方ないわね! 作戦2に移行よ!!」

 作戦2? それも初耳だぞ!

「だから、あんたが寝てたからでしょ? 説明は後! とにかく急ぐわよ!!」

『車両2ロック完了。警戒レベル3に移行』

 このアナウンスが流れたのは俺たちが車両3に飛び込んだコンマ数秒後のことだ。さすがに息が荒れるぜ。これで、抜けたか!? しかし、次のハルヒの言葉がそんな淡い希望をぶち壊す。

「まだよ、すぐ次の検知が始まるわ。ばれたらアウトよ! でも、心配しないで。前の車両に順々に移っていけばやり過ごせるわ」

『未確認IDは列車前半部に移動中。現在位置の再確認に入ります』

 言う間も無くハルヒは駆け出す。やれやれ、まだタイムランは続くのか。当然、俺も後を追った。

『車両3ロック完了。警戒レベル4に移行』

 走る最中、数人のチンピラ風の格好をした男女が俺にぶつかってきた。明らかにスリだ。なけなしの財産を持って行かれるのはかなり痛いが、捕まるよりはましだ。構わず走る、奔り通す。

『車両4ロック完了。警戒レベルMAXに移行』

 最後の車両に飛び込むと、変装したビッグスたちが待っていた。神羅兵のジェシーは分かるが、紺色のスーツ着て、黒い帽子を目深に被った姿は明らかに怪しいだろ、ビッグスよ。次○か? ハルヒは車両の扉を強引にこじ開けた。冷たい鋭い風が飛び込んでくる。

「よし! 上手くいったわ!! こっちよ! こっからダイブ!!」

「わかりました。では、お先に」

 まず、古泉が笑みを崩さず飄々と飛び降りる。次は――と、

「キョン、あんたよ」

「お前は? 早くしなきゃまずいだろ」

 するとハルヒはあの百万ワットの笑顔を輝かせて言った。

「リーダーは最後まで残るものよ! いいから、早く!――それから、く・れ・ぐ・れ・も、怪我はしないでよね! 作戦はこっから本番なんだからねっ!」

 分かった。お前も怪我なんかするんじゃないぞ。俺はそのまま勢い良く螺旋トンネルの闇の中へと飛び込んでいった――





 列車が走り去るのを見届けると、横には古泉がズボンのすそを払っているのが分かった。ハルヒも無事降りてきたようだ。ん? 他の3人は?

「あいつらは後始末係。神羅の連中を上手く誤魔化してくれればいいけど。そのまま魔晄炉に先行して侵入路を確保する手筈になってるわ」

 なるほど、そういう事か。その辺はちゃんと準備してたんだな。ハルヒは得意げにミニスカートを払う。

「ま、アクシデントはあったけど、ここまでは予定通りね。しかし、伍番魔晄炉にたどり着くまでは油断は禁物よ! 伍番魔晄炉はこのトンネルの奥! 二人とも、あたしに続きなさい!!」

 言われるまでもない。俺たちは魔晄炉目掛けて走り出した。



 ――螺旋トンネルを走り抜ける間、数匹のモンスターに遭遇するくらいで、何故か神羅兵は現れない。まだ俺たちに気付いてないのか?

「あたしたちSOS団の雷名に怖気づいて逃げちゃったのかもね!」

 いやハルヒよ、そう都合よく考えるな。まあ、余計な戦いをしないで済むのはいいのだが、何か引っかかる――そう考えていると、緑色の太い光の帯が行く手を遮っているのが分かった。こいつは、あれか――

「この光の帯は神羅の警報センサー。これ以上、奥には進めないな」

「じゃあ、どうすんのよ」

 ハルヒの問いに俺は周囲を見渡す。その側面に小さな横穴を見つけた。これなら、匍匐前進で行けばくぐれる範疇だ。

「せまっちい穴ねえ。ここからプレートの下に潜るの?」

 ハルヒはやや不満そうだが、仕方ないだろ、ここしかないんだから。

 俺たちは細い通路やダストシューターなどを潜り抜け、ようやく四番街プレート内部に入ることが出来た。ここまで来れば、伍番魔晄炉も目の前だ。

「キョンさん、こっちッス。伍番魔晄炉はこの梯子の先ッス」

 既に到着していたウエッジに導かれて梯子を上りきると、ジェシーが浮かない顔で立っていた。

「ごめんなさい。列車のIDスキャンのミス、私のせいなの。キョンのIDカード。私の特別製にしたから……あんなことに。心を込めたつもりだったんだけどね。失敗しちゃった」

「いいのよ、ジェシー。過ぎたことはしょうがないわ。今回の作戦を成功させることだけ、考えましょ!……『特別製』とか『心を込めて』とかがちょーっと気になるけど」

 ハルヒの言葉に、ジェシーは「あはははは」と張り付いたような笑顔で力無い乾いた笑い声を出していた。どういう事なんだろう。とにかく、ジェシーの案内で伍番魔晄炉への通路へと俺たちは走っていった。入り口にはビッグスが居た。

「俺たちはここで引き上げる。アジトで落ち合おうぜ。キョン、伍番魔晄炉の爆破、よろしく頼むぜ!」

 任せろ。引き受けた仕事はしっかりやり通すさ。



 魔晄炉に入るとさすがに人体に有害なスモッグを撒き散らすスモッグファクトやプロトマシンガンなど神羅製の警備メカがお出ましになった。丁度いいからここで使ってみるか。

「『サンダー』!!」

 スラムの店で拾ったマテリア――「ぜんたいか」は魔法の効力を敵全体に広げることが出来るスグレモノだ。敵にまとめて強烈な雷撃を食らわせ、あっという間に一掃してやった。――だが、ここにもソルジャーどころか、神羅兵の姿も見えなかった。ハルヒがあれだけ予告してるのに。これはおかしい。

 結局、順調に伍番魔晄炉の心臓部まで辿り着いてしまった。まあ、いい。さっさと爆弾をセットして引き上げ――あ、れ……――



 まただ。またあの囁きが聞こえてきたときのような、頭が締め付けられるような感じ……いや、それよりも、もっと、強烈な……





 こ……こは……ニブル…ヘイム…魔晄炉……目が、霞んで、よく見えない……そこに、そこに居るのは――ハルヒ……?

『お父さん! お父さん!!……セフィロスね! セフィロスがやったのね!』

 ……ハルヒが、もう、動かない、「何か」に縋り付いて……泣き叫んでいる。どうして、泣いてるんだ?何が、お前をそんなに――

『セフィロス……ソルジャー……魔晄炉……神羅……全部! 全部大嫌い!!』



                             ――憎ませているんだ?





「……ン、キョン!! どうしたの?!」

 気がつくと、俺は通路の上に倒れこんでいた。これまた心配そうに俺を覗き込むハルヒと古泉。昨日といい、今日といい何なんだこれは? しかし……

「……ハルヒ」

「ん?」

「い……いや……気にするな。さあ、急ぐぞ」

 俺は頭に浮かんだ光景のことをハルヒに聞こうとしたが、止めた。こんな事してる暇など無いし、何より聞いてしまうと、何かが、大切な何かが音を立てて崩れる、そんな気がしたんだ。

「あんたが言うな!……しっかりしてよね、全く」

 ハルヒの罵声を浴びながら。難なく爆弾をセットし、時限タイマーのスイッチを押す。昨日みたいに神羅のメカが空から降ってこない。俺たちはこれ幸いにここから立ち去った。

 ――全然幸いじゃなかったってことに気付いたのは、魔晄炉内部を出てT字型の空中通路に入った直後だったがな。

 左右の通路から神羅兵がどっと現れる。後ろには爆弾をセットした魔晄炉。完全に挟まれた。これはやはり――

「……罠、か」

 道理で上手く行き過ぎると思った。奴らは俺たちをここで一網打尽にするためにわざと泳がせていたんだ。悔しいが、見事だ。してやられたぜ。すると、俺たちの後ろからコツコツと靴音がする。誰だ?――振り返ると、何とも意外な男がそこに居た。

「プ、プレジデント・ケイイチ・神羅?」

 ハルヒもさすがに驚愕している。何せ、神羅のボスも大ボスがこんな所にいるんだからな。

「何故、プレジデントがここに居るの?」

プレジデントはハルヒの質問に答える素振りも無く、不敵にニヤッと口元を歪める。

「ほう。君たちがアレかね。……何て言ったかな?」

「SOS団!覚えておきなさいよね!」

 俺は腕まくりして今にも飛びかかろうとするハルヒを制し、プレジデントのほうに一歩近づいた。

「久し振りだな、プレジデント」

「……久し振り?ああ、君がアレかね。SOS団とやらに参加しているという元ソルジャー。確かにその目の輝きは魔晄を浴びた者……その裏切り者の名前は何と言ったかな?」

 俺は本編では決して出てこない自分の名を名乗ったが、プレジデントは思い出せないと言うように首を傾げるだけだった。

「済まないがソルジャーの名前なんていちいち覚えていないのでね。せめてセフィロスぐらいにはなってくれないと。そう、セフィロス……。優秀なソルジャーだった。そう、優秀すぎる……な」

「セフィロス、だと……?」

 その名前に俺の心の奥底が怒りで沸きあがる。セフィロス、そいつは――

「そんな事はどうでもいいわ! もうすぐここはドッカン!! よ! ざまみなさいっ!」

 そんな俺の心情をよそに、ハルヒはプレジデントに向かってピースサインを向けて叫ぶが、奴は余裕の姿勢を崩さない。

「そうだな。君たち蛆虫を始末するには高価すぎる花火ではあるが……」

「蛆虫!? 言うに事欠いて蛆虫ですって! あんたたち神羅こそこの星を死に追いやろうとする寄生虫よ! その親玉であるあんたが何偉そうにほざくの!」

 怒りを爆発させるハルヒを見るプレジデントの眼はこれ以上無いって位冷たかった。

「……そろそろ君たちの相手をするのにも厭きたよ。私は多忙な身なのでね。もう、失礼させてもらおうか。今日は、会食の予定があるもので」

「ぐっ……会食ですって!? ふざけないで!! あんたに言いたいこと、まだまだたくさんあるんだから!!」

「君たちの遊び相手は別に用意させてもらったよ」

 プレジデントはハルヒの言葉など意に介さず、指をパチンと鳴らす。すると兵士たちが居た通路の向こう側からゴゴゴゴと低く唸る機械音が聞こえてきた。

「!? 何の音?」
「こ、これは一体!!」

 現れたキャタピラ付きの巨大なメカに驚くハルヒと古泉。プレジデントは穏やかに嫌らしい笑みを浮かべた。

「我が社の兵器開発部が試作した機動兵『エアバスター』だ。君たちとの戦闘データは、今後の開発の貴重なサンプルとして利用させてもらうよ。では、失礼」

 そう言うや、通路の下から待っていたかのようにヘリが現れ、プレジデントを乗せそのまま察そうと飛び去ってしまった。

「待て、プレジデント!」

 俺は飛び去るヘリに向かって叫ぶが、もう遅い。

「取り敢えず、コイツを何とかしなければなりませんね」

 そうだな、古泉。いっちょ、やってやるか。こんなただの機械――

「魔晄炉ごとスクラップにしてやるわよ!!」



 しかし、兵器開発部が作ったものだけあって、なかなか強い。後方から攻撃してもカウンターのマシンガンの雨が降ってくるし、さっきハルヒが反転装置を殴り壊したらしく、奴のミサイル攻撃が前方に居る俺のところばっかりくるじゃねぇか。?! また来る――!!


                    ズドォォーン!!ズドォォーン!!ズドォォーン!!


 くっ、痛ってぇ…ポーション余分に買っておいてよかったぜ。

「大丈夫ですか!?」
「キョン!! しっかりしなさいよっ!!」

 ったく、好き勝手言いやがって。お前らの方にはカウンター以外あまり攻撃行ってねぇだろうが。――野郎、もう頭きたぜ。俺はバスターソードを構えると全神経をその剣に集中させた。

「『ブレイバー』!」

 右肩口にバスターソードを構え、一気に間合いを詰めて振りかぶって飛び上がり、上空から剣を一気にエアバスターに叩き付ける!!

 渾身の一撃を喰らったエアバスターは動きを止める。全身から電気が迸る。勝った――いや、これは――


                               「「「自爆?!!」」」


                    ドォォォォォォンンンンン!!


 エアバスターは大音響と火炎を撒き散らし崩壊し、その衝撃で足場が崩れる……ってあれ、俺、落ちる――

 ガシッ!

 寸での所で俺はむき出しになった鉄骨に掴まる。下の地面は何十メートルもあるスラム街だ。落ちたら助からねぇぞ、これ。上を見るとハルヒと古泉が残った通路の上から俺に向かって何か叫んでる。……よかった。あいつらは無事みたいだな。

「キョン! キョン!!」

 何とかしがみ付いてる俺に向かって名を何度も叫ぶハルヒ。古泉は今にも俺に向かって飛び込みそうなハルヒを必死に押し留めていた。

「涼宮さん、ここはもうすぐ爆発します! 早く脱出しないと!」

「だって、キョンが、キョンがぁ!! 古泉君、何とかならないの!?」

 ハルヒの必死な願いに古泉は静かに首を横に振るだけだった。

「……こればかりは、どうしようもありません……」

「キョン! 何とかして生きて! 死んじゃダメ!! 話したいことがたくさんあるの!」

「分かってる、ハルヒ」

 さすがにこれは無理そうだな、と一瞬思ったのはハルヒには内緒だ。こいつを悲しませるのはやはり趣味じゃないからな。すると、

「何とかなりそうですか?」

 古泉がそう聞いてくるので、手に力が入らなくなってるが精一杯強がって答える。

「…………自分の心配でもしてろ。俺はいいからハルヒを!」

 そう言うと、古泉は不意に寂しそうな表情をした。

「……そうですか。色々失礼しました」

 おい、これで終わりみたいな言い方止めてくれ。

「ふっ、そうですか。では、後ほど」

 くそっ、暢気に言いやがって。わかったよ。運が良ければまた会おうぜ――



       ズドドドォォォォォォンンンンン!!!!!!!



 ついに魔晄炉が爆発を起こした。その火炎と衝撃に耐えられず、俺は掴んでいた手を放す。――そのまま数十メートルの地の果てまで自由落下だ。


「キョンーーーーーーー!!!!!!」


 最後に、遥か彼方からハルヒの絶叫を耳に感じ、俺の意識は途絶えた。










                           ――……大丈夫か?――

                          ――……聞こえてるか?――


                              「…………ああ」

                 ――あの時は……膝擦り剥いただけで済んだけど……――


                              「……あの時?」

                                                             ――今度はどうかな?起きられるか?――


                          「……あの時?……今度は?」

                  ――……気にするな。今は身体のことだけ考えるんだ――


                        ――……身体、動かせるか?――

                              「……やってみる」



「あっ! 動いた!」

                            ――……どうだ?――

                      ――ゆっくりな。少しずつ少しずつ……――

「あのぅ、もしもし?」

                              「……分かってるさ」

                            「なあ……あんた、誰だ?」

「もしも~し!」

 その声に俺はハッと目を開ける。そこは、微かに陽の光の射す古びた教会、そして――

「あ。起きた?」

 小さな、小さな花畑の中で、そっと俺に向かって微笑む可憐な栗色の髪をした少女――八番街で出逢った、あの花売りの少女がそこにいたんだ。



                                                              ...to be continued

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