Gabber

Gabber(Gabba,Gabberhouse)(ガバ/同/ガバハウス)


オランダ、ドイツ、イタリア、ベルギーでは最も人気があるジャンル。ディストーションをかけた強く歪んだバスドラム(キックドラムとも)が用いられ、一般的に150~220BPMである。Gabber、Gabba(オランダではガーバ、またはガーバーと発音)はハードコアテクノのサブジャンルであり、1990年代初期にオランダのロッテルダムにて誕生した。

ガバを語る上で欠かせないのが、前述の歪んだキックである。ガバキックとも呼ばれており、音程が認識可能な程度の重低音であり、はっきりとした矩形波(スクエアウェーヴ)になるまでディストーションをかけるのが特徴。ガバはメロディラインや多くのサンプルを使い、一般的なテンポの範囲は160~220BPMである。

ガバの特徴の一つにキックがある。バスドラムを合成してさらにそれをオーバードライブさせるのが普通である。ガバキックの最初におおよそ正弦波の波形サンプルをピッチを下げながら矩形波にクリップさせていく。これにより、周波数スペクトルが拡大し、よりけたたましく、アグレッシブなサウンドとなる。それによりサスティーンがより長引き、エンベロープも変化する。ディストーションをかけることにより判別しがたいピッチのドラム音もメロディックなトーンとなる。バスドラムのパターンをベースラインになぞらえてピッチを変えることも珍しくない。

そしてもう一つによく挙げられる構成要素がRoland Alpha Junoシンセサイザーによる”hoover(フーバー)”である。粗く歪んだサウンドで、低いキーで奏でることにより暗く陰気な雰囲気のベースラインを作り出すことができる。一方高いキーで奏でれば甲高くアグレッシブなリードを作り出すことができる。テンポの速いガバは極端に速いフーバーパターンを繰り返していたり、ギャッピング(Gapping、最大音量部と静音部の間の音量を急速に変えること)を多用する。ギターのリフ(ガバのパーティのライブでよく生演奏される)やMC(大抵ディストーションをかけている)もガバに共通して用いられる。

主流のガバのリリックやテーマは通常、好き勝手な内容であったり、性的、暴力的、反体制的である。しかしながら、ガバは通常それらのテーマに込められた皮肉をほのめかしているだけ(もっとも、一部にはシリアスに受け止められるような曲もあり、決して当時のトレンドというわけではない)ということも留意すべきだ。通常、陰謀説に基づく精神病的なものであったり、終末論的啓示や社会批判的なリリックであるが、それらのテーマの大部分は映画や楽曲からのサンプルである。
最終更新:2017年01月21日 20:09