Doomcore

Doomcore(ドゥームコア)


ドゥームコアのBPMは、例外もあるが130~160BPMで、ハードコアテクノの中ではもっともテンポの遅いジャンルと言えよう。
トレードマークであるTR-909 kickdrumは他のハードコアのジャンルとは違う使われ方をしており、通例としてあまりディストーションやディケイをかけていないが、時折リバーブを使用している。オフビートのシンバルが通例である。曲の雰囲気としてはインダストリアルミュージック、ドゥームメタルやダークアンビエントとしばしば類似している。

プロデューサーは不気味なアンビエントパッド、悲鳴といった恐怖心を煽る異なるサンプルとインダストリアルなノイズを使うことによって表現している。メロディックな曲とは対照的に、ドゥームコアにメロディラインは必須条件ではない。それを使う場合、頻繁なほど主旋律の反復を行うのが一般的な方法である。

初期のドゥームコアトラック(90年代前半にリリースされた)は、Mescalinum United(マーク・トローナ氏による)のWe Have Arrivedのような初期のハードコアテクノトラックの延長線上のスタイルであった。このトラックは当時一般的なハードコアテクノにJuno hooverのような新しい要素が取り入れられても、ダークでインダストリアルな雰囲気であり続けた。初期のドゥームコアトラックの多くはマーク・トローナ(Marc Acardipane)氏によって、数多くの名義の下プロデュースされている。2000年代初期には、ドゥームコアアーティストと認められるプロデューサーも出現するというニューウェーブが押し寄せる。The trademark TR-909 kickもまた他の最新のヴァリエーションへと変わった。Dr.Strage若しくはJoshuaなどの当時の楽曲は通常、ドゥームコアに言及されている。ドゥームコアは基礎的なスローかつダークなハードコアのイメージであるという事実もあるが、彼らのスタイルは初期のドゥームコアと比べて多彩なサウンドを持っているということを留意すべきである。

一部にはダークコアをダークよりのハードコアの総称として呼ぶ者もいる。しかしながらそれ自体に歴史があり、そもそもダークコアという言葉自体、DJ Ruffneckによって創立されたレーベル「Supreme Intelligence」とともに始まり、その当時は当レーベルのサウンドという意味合いだった。現在Supreme Intelligenceは消滅しているが、そのサウンドはEnzyme XやGenoshaなどのレーベルに引き継がれている。それはインダストリアルハードコアの一つの形式であり、ドゥームコアは通常テンポが遅めなのに対し、それは一般的に150~180BPMである。

ドゥームコアとダークコアのもう一方の違いは、こんにちのダークコアは、通常粗く、さらにディストーションの効いたキックが用いられていることである。"ダークコア"と呼ばれるオランダのCDコンピレーションシリーズがあるが、内容としてはアップテンポでメインストリームよりであり、ダークコアというジャンル自体とは関連がない。また、ジャングルという音楽ジャンルの中でもダークコアというサブジャンルがあり、それら二つと混合すべきではないということも留意すべきだ。ダークコアアーティストとして知られるプロデューサーらとして(彼らのほとんどはダークコアの枠に収まらないことに注意)、Armageddon Project, Meagashira, Hamunaptra, Ophidian, The Outside Agency, Petrochemical, Chaosbringerらがいる。
最終更新:2017年03月30日 18:26