Nu Style Gabber(New Style Gabba)(ニュースタイルガバ/同)
1990年代後期のハードコアシーンはやや分裂しつつあった。一部のプロデューサーはテンポの遅いスタイルを採用し始めていった。古くからの速いテンポのハードコアよりも強力なバスドラム(ガバキック)が特徴のスタイルである。この新しいサウンドは「ニュースタイル(New Style, Nu Style)」「ニュースクール(New Skool)」と呼ばれ、テンポは遅くなり、
ハード・ハウスと類似していった。
多くのハードコアファンはハードハウスやそれを象徴するクラブシーンを非常に嫌い、テンポやプレイされていた曲のスタイルによっては頻繁にDJ界はファンのグループにブーイングにさらされては、同じパーティの別のグループからは支持されたりした。これは”レギュラー”なハードコア(ガバなど)とハッピーハードコアのファン同士のライバル関係や相互嫌悪といった対立と同類である。最終的には、その二つのスタイルが融合し、今日のハードコアは160~170BPMの範囲で作られている。1990年代中期のロッテルダムスタイルよりもやや遅めとなり、まだ誕生したばかりの遅めのニュースタイルの曲よりもやや速くなっている。
ニュースタイルガバとオールドスクールガバとの最大の違いは「テンポ」によって定義される。
オールドスタイルガバは160BPM未満のトラックはめったに存在せず、頻繁に繰り返されるバスドラムロールは時折スピードアップすることがある。
しかしながら、ニュースクール(ニュースタイル)ガバはスピードが150BPMまで落ちながらもバスドラムの長さが延長されている。これにより、低周波音がより長く続く(この点では、”ニューガバ”は明らかにオールドスクールガバよりも激しさが劣るとは考えられないが、スローなハードコアも時折やや劣っている面もある)。典型的なスタイルはロッテルダムテラーコア(
Rotterdam Terror Corps)(Corpsのpsは発音しない)によるものである。ビートが3連符(盆踊り調といえば分かりやすい)になっており、フーヴァー(
hoover)は短くしか用いられず、スタッカートを用いていたり、行進曲風な印象を受ける。
ガバに関するよくある誤解は、「うるさく、粗野に感じる」ということだ。スタイルは(あくまでもファンの感覚として)数年間でクリエイティブな
ジャンルに発達した。複雑なリズムと旋律の組み合わせが知名度を上げた。近年のガバは、音色をより豊富にするために旋律やドラムにさまざまなエフェクトをかけている。ガバはシリアスな音楽のスタイルへと発達した。その要因には、記憶に残るような音楽を創造するため、様々な音楽スタイルを織り交ぜるなどして
アーティストらに実験的なトラックを作らせてきたハードコアのポテンシャルにある。
ハードコアの極端なテンポと攻撃的な曲調、スキンヘッド、それとネオナチと関連した服装から、一部はガバファンらを新右翼、またはネオナチ団体の一員であると語る者もいる。例えば1990年代初期、ガバはドイツやアメリカ中西部でのごく小規模なネオ・ファシストによるレイブシーンでも支持者を増やしていった。ほとんどのガバファンらは前述の団体に属しておらず、多くのプロデューサーらも、例えばレイシズム(人種差別主義)に対してボーカルで非難するトラックをリリースするなどしている(
Hardcore United - Time to make a standなど。
Soundcloudリンク)。
最終更新:2017年03月26日 11:18