鮭狩り ◆GY7cBYZINQ
「ハァ……ハァ……クソッ！」
「初っ端からこいつかよ。ついてねえ！」
明へと振るわれる爪の猛攻を明は生えていた日本刀でいなし、隙ができた脇へと刀を滑らせる。
「くっ」
しかし刀がヒグマを切り裂くことは無く逆に刀が折れた。
明は刀を放り捨て逃亡を図る。
「！？ 早ェ！！」
それよりも早く、ヒグマの右ストレートが入り明はノーバウンドですっ飛ぶ。
幸い受身は取れたが、暫くは痛みで動けそうに無い。
明は思考し、そして思いつく。
この状況を打破する必勝法……！
明は自身のバックをヒグマへと放り投げる。
荷物を漁る内に逃げようという魂胆だ。
(よし、ヒグマはバックに夢中になってる)
こっそりと音を立てずに移動しようとしたところで……ヒグマは再び明へと向き直った。
(な、何で……あいつはさっきまで……まさか！？)
明はポケットへと手を突っ込み、自らに支給されこっそりと抜き取っていたおにぎりを取り出す。
「あいつは鮭が大好物なんだ！！ このにぎり飯鮭だから、ちくしょう！！」
万事休す。最早手立ては無い。
全ての希望は断たれた。
青年には為すべき事、為さなければならない宿命があった。
決着を付けなければならない宿敵がいた。
しかし終わり。明の全ての終着点はここになる。
これが明の最期の――
「ふが」
否。
丸太だ。
ミサイルのように飛んできた丸太がヒグマへと直撃しヒグマを地面へと叩き付けた。
「だ、誰か知らないが、でかした！ 丸太さえあればあいつに勝てる！！」
丸太を投げた小さいメイドに礼を言い、飛んできた丸太を明は拾い上げヒグマへと振り下ろす。
刀を圧し折ったヒグマの爪を今度は丸太が打ち砕いた。
「いける、このまま押し切れば！」
ヒグマもただでは終わらない。
確定された勝利を覆してこそ野生の狩人。
再度振るわれた丸太を、今度は口で受け止めた。
孫悟空のかめはめ波すらも飲み込んだ凄い口だ。幾ら丸太といえども長くは持たない。
「そんなっ！！ 丸太が！！」
数多くの吸血鬼を吸血鬼を屠ってきた丸太はまさに鬼にとっての金棒。
アーサー王ならエクスカリバーに匹敵するものだ。
そんな無敵の丸太が、ヒグマの牙により今砕かれんとしている。
「ふが」
その時メイドが再び何かを投擲し、明の持っていた丸太を弾きヒグマの口へと突っ込んだ。
「ズバリ、うあああああああああああああああ！！！！！」
「でかした！！」
それは丸太ではなく、丸尾君である。
ヒグマに牙に引き裂かれ絶命する丸尾君を余所に、明は丸太を思い切りヒグマへと叩き付ける。
僅かにぶれた事に手ごたえを感じ、今度は生えていた日本刀で丸尾君の遺体を更に切り裂き血をぶちまける。
「ハァハァ、よし今だ！」
小さいメイドがヒグマへと体当たりをかます。
ヒグマは丸尾くんの血により足を滑らせ背中から転倒した。
その内にメイドと明は逃げ出した。
「助かった。あんた名前は？」
「ふが」
「そうか、ありがとう」
【丸尾君＠ちびまる子ちゃん】死亡
【H-7森/深夜】
【宮本明＠彼岸島】
状態:ハァハァ
装備:生えてた刀、丸太＠彼岸島
道具:
操真晴人＠仮面ライダーウィザード(
支給品)、鮭のおにぎり、基本支給品、ランダム支給品×０～１
基本思考:脱出する
1:ヒグマから逃げる
【
フランドル＠怪物王女】
状態:ふが
装備:予備の丸太
道具:基本支給品、ランダム支給品×０～１
基本思考:脱出する
1:ヒグマから逃げる
【ヒグマ5】
状態:疲労
装備:
道具:丸尾くんの死体
基本思考:野性の本能に従う
1:鮭を追う
※鮭が大好物です
最終更新：2016年07月15日 22:49
