本能



「イライラするんだよ……」
「GUOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

向かい合っているのは一人の男と一頭のヒグマ。
男の名は浅倉威、またの名を仮面ライダー王蛇。
無尽の闘争本能に身を委ね戦い続ける浅倉と、生きるために他者を喰らうヒグマと出会うことは必然だったのかもしれない。

<ミ三w三ノフ  「ADVENT」

浅倉の影から紫色の蛇が飛び出し、ヒグマ目掛けて一直線に飛びかかる。
ベノスネーカー、王蛇と契約し力を与えるミラーモンスターである。
人間を丸呑みにするほど巨大な大蛇が、ヒグマの頭部を噛み砕く――

「――――ッ!???」

しかし、現実は非情である。
蛇が熊に勝てる道理など存在しない。
哀れベノスネーカーはヒグマに頭を顎を捕まれ、力任せに引き裂かれてしまう。
そのまま丸かじりにされ、長い胴体をむしゃむしゃと咀嚼され、契約モンスターを失った王蛇の体色が紫から灰色に変わる。
ブランク体と呼ばれる何の力もない形態だ。今や浅倉威はベノスネーカーと同じくヒグマに一方的に捕食されるだけの存在となった。
立ち尽くす浅倉へと、ヒグマはのっそりと近寄ってくる。

「はは……なんだ、まだ食い足りないのか? 俺と同じだな」

しかし浅倉は慌てていない――このヒグマが自らと同種の存在だと感じ取ったから。
理由など必要ない。目の前に獲物がいるならば、ただ、喰らう。
生物としての無駄を極限まで削ぎ落とせばこうなるという、命の純粋なカタチ。

「いいぜ――じゃあ、もっともっと腹一杯にしてやるよ」

浅倉は一枚のカードを抜き取る。
それはベノスネーカーを失った事で新たに補充された契約のカード――コントラクト。
浅倉がコントラクトをかざすと、ヒグマは一瞬にして無地のカードに吸い込まれた。
ヒグマはベノスネーカーを捕食したことによりミラーモンスターの形質を獲得した。
故に、浅倉はヒグマ――ミラーモンスター・ヒグマプレデターと契約することができた。

仮面ライダー王蛇改め、仮面ライダー王熊(オーク)。もしくは仮面ライダーヒグマ。

王蛇のスリムなスタイルから一点、王熊はマッシブかつワイルドな姿に。
荒ぶる浅倉の闘争本能とヒグマの生存本能は驚異的な融合係数を叩き出し、両者の意識は完全に一つになった。



「はぁぁぁ……さあ、行くぜ。腹を満たしによ……!」/「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」




【D-2/深夜】

【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
状態:仮面ライダー王熊に変身中
装備:カードデッキ@仮面ライダー龍騎
道具:ランダム支給品0~2、基本支給品
基本思考:本能を満たす
1:腹が減ってイライラするんだよ
[備考]
※ヒグマはミラーモンスターになりました。
※ヒグマは過酷な生存競争の中を生きてきたため、常にサバイブ体です。


No.028:決着 投下順 No.030:逆転ヒグマ
No.028:決着 時系列順 No.030:逆転ヒグマ
浅倉威 No.070:人間という名の獣

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最終更新:2014年10月06日 18:30