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Another

何が起きている。
青年川内一輝は、一人支給されたハンバーガーを貪りながら状況を分析していた。
無気力を体現したような、言ってしまえば堕落した性格の一輝だが、流石に怠惰にはなれなかった。
自分は、このゲームと殆ど同じような殺し合いに参加させられた筈。
最初こそいつもの無気力さを発揮していたが、何人かの仲間たちを得て本格的な主催打倒を目指していた。死体だって見たし、殺人者に襲撃されたりもした。
しかし突然、全く以て意味不明と言う他ない『放送』が流れ、気が付けばあの『開幕の場』に居た。
何が起きたのか、全く理解できない。
殺し合い――既に『前回』となったゲームにて主催者を勤めていた富山という男も居なかったし、自分の仲間たちの名前は名簿には一つも載っていなかった。
幾名か記憶にある名前はあったが、確かその名前の人物は前回のゲームにて、放送で名を呼ばれていたと記憶している。同姓同名の別人かもしれないが、そんな偶然が果たして有り得るだろうか。

(偶然……じゃなかったら何なんだ、まさか死人が生き返ったとか言う気か?)

一輝が如何に堕落した性格だとはいえ、夢と現実をごっちゃにしてしまうような人間ではない。
わざわざ『脱落者』である死人を生き返らせるような真似をしても、あの富山からしてみれば興が削がれるだけに過ぎないだろう―――それに最後の放送、そんな事は語られていなかった。
思い返せば、『お前ら』とあの男は言った筈だ。
なのに、川内一輝ただ一人がこの新たな殺し合いに呼ばれていると言うのは不自然ではないか。
もしかして自分は、前回の主催者、富山由紀夫さえ予想だにしなかった事態に巻き込まれているのではないだろうか、と頭の中に一つの可能性が浮かんでくる。
思えば前回の時だって、何の脈絡もなく突然に全てが始まったのだ。
ならば今回だって、そんな風に『常識外れ』の始まりを迎えようと何らおかしくはない。

「あー……何か唐突にだるくなってきた」

事態が元々より更に、滅茶苦茶に拗れているかもしれないと思うと、面倒になってくる。
恐らくこのゲームの元だろうとある小説を読んだことがある一輝だったが、前回も今回も、主催者は国なんて大層なものではなくただの恐らくは『一個人』だと見える。
そんな人間の考えを理解しようとするだけで、凄く『だるい』気分になるのだった。

とはいえまさか易々と殺されてやる気はないし、殺し合いに乗る気も皆無である。
また前回のように仲間を集めて布陣を固め、少しずつ主催者打倒を進めていくしかないだろう。
だが、一輝とて前回のようにいく可能性が低いことくらいは重々承知していた。
ああも順調に毎回進められるほど、楽なゲームではない。
もしも最初に、重火器を所持した殺人者などに遭遇したならそこで殺されるかもしれない。
殺さなければ殺される、その覚悟を留めておくことができなければどちらにしろ生き残れない。
それら全てを考え、様々な可能性を加味して考えていくと尚更面倒な気分になる。

(しばらくはここでじっとしてるか……自分から動いて乗った奴と出会してもあれだしな)

ハンバーガーを食べ終わるとその包みを傍らに放り投げ、デイパックから支給された武器を取り出す。
前回ほど恵まれたものではなかったが、こんな大きな鋏となれば立派な武器だ。
刺したとしても普通のナイフとさほど変わりはないだろう。
見た目が少し貧相だったが、そんなことを気にしている場合ではないしむしろ目立たない方が好都合だ。
わざわざ仰々しい武器を携えた相手に迫っていく人間などそうは居ないのだから。

そうして川内一輝は、ぼーっと、押し寄せる倦怠感に耐えながらも静かに座り込んだ。
其処は学生の教室のようだったが、つい最近まで使われていたかのような様子が不気味極まりなかった。



「……愚かだわ」

学校内部にて、まだ殺し合いが始まって然程時間が経っていないにも関わらず、女性はそれを見つけた。
大量の血液。
誰が見ても致死量と判断できただろう。
女―――土御門伊織は、その光景を眉をひそめながら見下ろしていた。
彼女が此処にやって来たのは偶然と言う訳ではなく、単純に走り去る一人の人影を目撃したからだ。
途方もない年数を生きる妖怪『白澤』である伊織には、その人物が何か、罪と呼べる何かを犯した人間だということはすぐに予測が付いた。
ましてや此は殺し合い、犯す罪など人殺し以外に何があると言うのか。
追い掛けても無駄だとは思ったが、何となく校内を徘徊して、これを発見した、と言うわけだ。
十中八九下手人は先の少女と見て間違いないだろう。
年端もいかぬ、伊織にとっては赤子よりもまだ幼いとさえいえる少女だったが、あんな少女さえも殺し合いに駆り立てるとは少しばかり予想の範疇を超えていた。
しかもあの『目』は、保身などという下らない三下の目ではなかった。
あれは何かを決め、それを遂げるためにならどんなことだって惜しまないという目。

(『賞品』……あれがもたらした恩恵はかなり大きかったようね)

誰にでも願いと言うものはある。
些細なことから絶対に譲れないものまで、およそ誰もが持つものだ。
そして人々は時にその願いにすがり、時に諦め―――時に願いを遂げる為に罪人とさえなる。
尤も伊織からしてみれば、あのような連中に願いを叶えてもらうなどまさに『愚か』という他なかったのだが、そうまでして叶えたい願いを持つ者が居ることは理解できる。
そしてその『願い』を賞品に設定すること―――何とまあ、悪辣な手口だろう、と伊織は思う。
死者の蘇生、大金。或いはもう少し特殊な何かを求める人物も居るのかもしれない。
土御門伊織は、努力なくして叶える願いなど何ももたらさないと思っている。
だから賞品などに興味はないし、とりあえず生き延びることを最終目標にはしていたが、よっぽどの事がない限り進んで他人を殺める気もなかった。
が、これで確信する。
この殺し合いは、既に始まっている。
更に、悪意の渦はどんどん広がっていき、時には人を変貌させる。

「これは……早い内、お仲間見つけた方がいいかもしれない」

伊織も妖怪、いわば人外の存在だ。
人間と乖離した、言ってしまえば『能力』と呼べる常識外れの力を有している。
だがしかし、窮鼠猫を噛む、なんて事態が起きないとも限らない。
大体伊織のような人物を呼びつけてくる主催のことだ、ゲームの公平性がどうとかで普段通りに能力が使えなくなっている可能性だって十分に有り得る。
故に、油断は禁物。
侮ってかかればいずれ痛い目を見かねない。
細心の注意を払って行動し、なるべく早急に同行者を獲得する。
伊織は当分の行動指針を固め、とりあえずこの学校の中を色々探索してみることにした。
土御門伊織は、手始めに教室をしらみ潰しに見ていこうと思い立った。



………お兄ちゃん。


青木百合は、廊下をゆっくりと歩きながらそう呟き嘆息した。
まさか殺し合いなんて馬鹿げたものに『また』巻き込まれるとは、夢にも思っていなかった。
彼女とその兄、青木林は、此処に来る前に既に一度殺し合いを経験している。
前回のゲームで彼女たちは殺し合いへの反逆者として、慎ましくはあったが行動を共にしていた。
しかし、あの優しい兄は百合を『ゲーム』から脱出させて自らはゲームに残るという行動に出たのだ。
青木百合は少なくとも生還することが確定し、青木林の生死はゲームの結末次第――なんて状況。
もしも林が何者かに殺されて、死を遂げていたとしたなら。
自分がどうなってしまうのか、彼女自身にも分からなかった。
平静を保てずに暴走して、本来なら想像もつかないような行動を執ってしまうかもしれないし、もしかしたら自ら命を断ってしまったかもしれない。十分に有り得る。
百合の中で、林という存在は余りにも大きくかけがえのないものだったのだ。

しかし自分はこうして新たな殺し合いに参加させられ、名簿には『青木林』の名前がしっかりとある。
林は生きているのだ。
これがあのクマの思惑通りなのかどうかは知らないが、林が生きているだけで十分だった。
もしも林の名が無かったなら百合は殺し合いに乗っていただろうし、狂乱したっておかしくはない。
今この時間、この会場で最愛の兄は、自分と同じく殺し合いをさせられている。
不謹慎ではあったが、そんな当たり前のことが彼女を安心させた。
そうして百合は、冷静さを失わずに殺し合いでの方針を決めることが出来たのである。
まず一つに、青木林との合流。
もし仮に殺し合いに乗らないとしても、林との合流を最優先して行動する。
林の情報を集めて、一分一秒でも早く兄の無事を確認したかった。
第二に、殺し合いへの参加意思。
これに関してはとりあえず保留といったところだ。
前回こそ早急に林との合流が叶ったから殺し合いへ反旗を翻したものの、今回は分からない。
何せ、青木林という存在がどれだけ青木百合にとって大切なものか、今の彼女はしっかり理解している。
林を守る為になら何にだってなる、何だってする―――それくらいの覚悟は完了していた。
殺し合いに乗ってしまえば、林を優勝させるまで生きていられるかはともかくその可能性を上げることくらいは出来る。
あの優しい兄はきっと殺し合いには今回も乗らないのだろうし、危険人物の排除が先決かもしれない。
林の敵に回るような、殺人者共を殺していく。
それもかなり合理的で、更にゲームの解体にも繋がる良いポジションだ。
只の殺人鬼となってしまうよりかは、そちらの方が幾分かハードルも低いだろうし。
しかし、まだこれに関しては決めかねる。
迷いがあるのだ。
人殺しへの迷いではない、そのくらいの覚悟はある。
ゲームの解体、林の意思の尊重―――そんな悠長なことを言っていていいのか、という話だ。

二度目のゲームで流石に百合は悟っている、『このゲームの解体は余りにも困難だ』と。
首に巻かれた首輪、狭くなっていくエリア、集まる殺人鬼達、そして最後には主催との対決。
幾つ難題があるか分かったものではない。
まずこの首輪をどうにかしなければいけないし、主催にそれを感知されでもしたら御仕舞いだ。
それだけの技術がある参加者なんてものがこの殺し合いに果たして存在するのか?
主催者からすればそんな人物を参加させることにメリットがない。
細心の注意を払って、そういったことが可能な人物を参加させていなくとも全くおかしくはない。

(そうなったら、乗るしかない)

最優先すべきは『青木林の生還』なのだ、『ゲームの解体』などは所詮スペアプランに過ぎない。
もしも殺し合いの打倒が不可能と分かったなら、そうなったら自動的に林を優勝させるように行動することになる。
林が幾ら良心的な人物だったとしても、林が自分を止めたとしても――――


(――――――私は殺す)

愛しい兄の為に、全てを壊して全てを滅ぼして、最後は自らも壊して滅ぼそう。
歪んだ少女は、しかしまだ冷静さを保った心で決意する。
躊躇いはあった。
兄はきっと自分を嫌うだろうし、そうまでして生き残ればあの兄は自ら命を断つかもしれない。
けれども、遂げる。
今はまだ『危険人物の排除』を行っていくだけだが、万一その時が来たなら覚悟を決めよう。
静かに、まるで自分に言い聞かせるように首を振り、前を向いたその時だった。

「………話し声?」

そう遠くない場所から聞こえる、確かな人の声。
どうも危険人物のようではないが、一応接触しておくに越したことはない。
まさかとは思うが林の情報を持っている可能性だってあるし、無視してしまうのは少し惜しい。

「………行こう」

支給された一本の斧を持って、不審だとは自覚しながらも百合はその声に近付いていった。




声の出所はすぐに見つけることが出来た。
『2年C組』の教室から、確かに男性と女性の会話が聞こえる。
話の内容まではこの距離だと聞き取れないが、声の調子などから考えるに乗ってはいないようだ。

(内容……聞いておきましょうか、一応)

盗み聞きとは誠に趣味が悪いと百合は一般常識として理解していたが、この状況がまず常識という言葉を背負い投げするレベルに非常識なのだ、躊躇ってはいられないだろう。
それに危険人物の殺害を主として行動しようなんて思っている人間だと万一勘づかれれば後々面倒なことになる、最悪拘束されたりするかもしれない。
むやみやたらに人と接触するのは避けた方が賢明だろう、と百合は決める。
少しずつ、さながら忍か何かのように教室に近付いていく―――ここだ。ここなら聞き取れる。
まずあちらからこちらの姿は確認できないだろう。
代わりにこちらからもあちらの姿は確認できないのだが、今は会話の内容を聞ければそれでいい。
林の情報を得たいというのはあったが、仕方ないというものだ。


「成る程。一輝はこの殺し合いは『二度目』なのですね」
「……ああ。突然放送で別な場所に飛ばすとか言われて、気が付いたら此処に」


心臓がどきり、とした。
『一輝』と呼ばれた男の境遇が、自分と似ていたのだ。
特に『この殺し合いは二度目』という箇所。
もしかすると確認していなかっただけで、自分と同じ殺し合いに参加していたのかもしれない。
だとすれば、青木林の情報を何か保有している可能性がある。
あの後林はどうなったのか、そして突然放送で告げられたこととは何か。

「けど、俺の仲間は居ない」
「……妙ですね、それ。その『富山』という男には貴方だけをこんな場所に飛ばす理由がない――それは確かに川内さんの言う通り、この殺し合いは異常事態なのかもしれません」

富山?百合の脳内に疑問符が浮かぶ。
前回の主催者のあのクマは確か、『モノクマ』とか名乗っていた筈だ。
富山なんて人物には心当たりがないが、放送を行ったのはどうもその『富山』らしい。
おかしい。
幾らなんでも自分の知っている殺し合いと話が違いすぎている。
あのモノクマが、他人に自分の楽しみを譲ってしまうような輩には見えなかった。
あれは心の底から人々が絶望し、殺し合いをする様を見て楽しんでいたのだ。
その点では今回の主催者――『人無』だったか、よりもよっぽど性質が悪いとさえ言えるだろう。
なら、川内の言っているものは自分の経験した殺し合いでない可能性が高い。
殺し合いのゲーム、そんな悪趣味なものがまさかそこかしこで行われていたと言うのか?

(……狂ってる)

覚悟を決めた筈の百合でさえも、そう言わずにはいられなかった。
異常すぎる。
何もかもを踏みにじって破壊するこのゲームを行うような人間が、この世には蔓延しているという。
どこまでこの世界が狂っているのか、百合は一瞬吐き気のようなものさえ覚えた。

「土御門、アンタは何か知ってることあるか?」
「年長者には敬語を使うものでしょうが……まあいいでしょう、私の知り合いが一人この殺し合いに参加しているようです――――そして」


次の瞬間、百合は本能的に目を瞑った。
教室の後ろのドアに、一本のナイフが突き刺さっている。
投擲に適したフォルム、俗に言う投げナイフというやつだろうか。
素人である百合には分からなかったが、とにかく『土御門』という女性に気付かれたということは分かった。既に一輝にも知れているだろうし、逃げられるかどうかは運といったところか。
どうするか。
今ここで斧を持って突入し、牽制したとしても相手の投げたナイフを打ち落とせる筈がない。
仮に逃げたとしても、後ろ姿だけでも見られてしまえば悪評を振り撒かれる可能性だってあるだろう。

「今なら、『話し合い』に応じましょう……しかし、出てこないようならそれなりの措置を執らせていただきますよ?……分かったなら早く出てきなさい」

仕方ないか、と百合は教室の、投げナイフが刺さったドアを開けて入室する。
中に居たのは二人の若い男女で、現在は情報交換の最中だったと見える。
『話し合い』に応じる、その言葉に偽りはないらしく両者共に行動を起こす様子はない。
このまま睨み合っていても仕方ないし、何よりあの土御門という女は相当、厄介そうだ。
相手のペースに飲まれてはいけない、こちらから話を振っていかなければ。

「私は青木百合と云います、殺し合いには『今のところ』乗っていません」

嘘をついたところでどうせこの女には見抜かれてしまいかねない。
そうなれば信用はがた落ち、少なくとも『真実』を言うよりも圧倒的に落ちてしまう。

「……私は危険人物、殺人者に対処していこうと思っています……場合によっては、殺すこともあるでしょう」

一輝―――川内一輝は眉間に皺を寄せ、土御門の様子を窺っている。
無理もないだろう、いきなり『危険人物限定でなら殺しもやる』と言われて警戒しないような人間はいない。
別に彼らと行動を共にする気は百合には無いのだ、情報を明かしてしまっても構わないだろう。
それに彼らとしても百合のような存在は害悪ではなく、むしろ助けられるとさえ言える。
危険人物が減ればそれだけ反逆の為の準備も楽になるのだから、当然の話ではあるが。
土御門―――土御門伊織は無言で、只何かを思案するように腕を組んでいた。
どうするか計りかねているのだろう、まさかここまで堂々と対応されるとは思うまい。
しかしそれを待つ百合ではない、速やかに自分の聞きたいことを質問することにする。

「一輝さん、土御門さん。私の兄――青木林という人物に心当たりはありませんか?」

黒い髪で学生服の少年。
余りこれと言って大きな特徴がある訳ではなかったし説明に多少困ったが、何とか特徴を説明した。
一輝は静かに首を横に振って知らない、という意思を示す。
伊織は難しそうな顔をして、只一つ百合に質問を投げ掛けた。

「百合――その方、貴女にとってどのくらい大切な方なので?」


考えるまでもなかった。

「世界を滅ぼしたって構わないくらいです」


刹那。
青木百合の視界が突如、白煙に覆われる。
伊織と一輝の慌てたような声を暫くぼうっと聞いていると、背中に何か衝撃を感じた。
その間ものの数秒。
たったそれだけの時間で、青木百合の意識は闇へと消えるのだった。



土御門伊織と川内一輝、そして一輝に背負われている青木百合の三人は、学校を脱出していた。
誰にも出会さず―――そう、『誰にも出会すことなく』学校を脱出したのだ。
簡単に言うなら、あの時百合の視界を煙幕で遮り、あまつさえその意識を奪ったのは他ならぬ伊織である。
一輝からしてみれば余りに唐突すぎてパニックになってしまったし、今もまだ伊織に『何故青木百合を昏倒させたのか』の理由を聞けずにいる。何故だか学校から一刻も早く出なければならないと捲し立て、その勢いに反論できずこうして従っている、という訳なのだ。

「……この子は異常です」

厳かに伊織はそう切り出す。
どうにも嫌な胸騒ぎがする。
青木百合が青木林の死を知ったなら、彼女はきっと伊織達に牙を剥くだろう。
そして青木百合の青木林に対する感情は並大抵のそれではない、彼女が語った『世界を滅ぼしたって構わない』という言葉もまた、彼女にとっては誇張でも何でもなかったのかもしれない。
これは殺し合い。青木林が死亡する確率は決して低くはない。
どうするべきか―――土御門伊織は、その妖怪として生きてきた経験から思考する。
殺すか?
そうすればとりあえず間近な脅威は消し去ることが出来るし、一輝も話せば反対はしないだろう。
しかし余りに早計すぎる気も否めない。

(―――なら)

単純明快。
非常に難しく面倒な手段ではあるのだが、これぐらいの愚策しか伊織にも思い付かなかった。

「……万一のことがあっても、決して青木百合に放送を聞かせないように……そういう偶然も、時としてはあり得るのですから」

無言で一輝は首を縦に振り、伊織もまた安堵する。
いずれボロは必ず出るだろうが、その時にまた対処していくしかない。
面倒だなあ、と伊織は安堵と打って変わって、深い溜め息を漏らした。


普段なら、こんなに乱暴なまねはしなかったろうが、経験が告げているのだ。

―――――一波乱ある、と。


【F-5/学校 出口付近/一日目/朝】


【川内一輝@需要なし、むしろ-の自己満足ロワ3rd】
[状態]健康
[服装]特筆事項なし
[装備]大鋏
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らないでおく。
1:土御門の行動指針に従う
[備考]
※マイナー参加者ロワに飛ばされる瞬間からの参加です

【土御門伊織@オリキャラで俺得バトルロワイアル】
[状態]健康
[服装]特筆事項なし
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1、投げナイフ(残り七本)
[思考・行動]
基本:生き残る。
1:とりあえずは殺し合いには乗らない。
[備考]
※俺得オリロワ参加前からの参加です

【青木百合@DOLバトルロワイアル2nd】
[状態]気絶中
[服装]特筆事項なし
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品×2、斧
[思考・行動]
基本:青木林の為に行動する
1:…………
[備考]
※DOLバトルロワイアル2nd、ゲーム離脱後からの参加です



支給品説明

【ハンバーガー】
川内一輝に支給。
某マクド○ルドの照り焼きバーガー、美味しい。

【大鋏】
川内一輝に支給。
園芸や調理に用いられる大型の鋏。刺しても使えるが、切れ味も相当のもの

【投げナイフ】
土御門伊織に支給。
狩猟から手品など様々な用途で用いられる投擲に特化したナイフ。八本セット。
素人でも簡単に投げられるように出来ていて、殺傷能力もそこそこ。

【煙幕弾】
土御門伊織に支給。
相手の目を眩ます為に用いられる軍用の煙幕弾。ガスは人体に無害なもの。

【斧】
青木百合に支給。
木を切ることに使われるものだが殺傷能力は十分で、軽いため簡単に振り回せる


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GAME START 青木百合 056:メカクシコード
GAME START 川内一輝 056:メカクシコード:
GAME START 土御門伊織 056:メカクシコード

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最終更新:2012年06月16日 12:31