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DIFFERENT SENSE

E-3の市街地。
とある二階建ての古いアパートの、二階の一室。
川田喜雄は部屋の中にあったタバコを吹かしながら、名簿と地図を見ていた。
名簿は19人の名前に線が引かれ、余白に名簿に載っていなかった三人の名前が書かれている。
地図には禁止エリアと指定時刻が書き込まれていた。
第一回目の放送を、喜雄はこの一室で聞いた。

「ハァー……」

溜息をつく喜雄。
第一回放送は彼に多くの事実を与えた。
21人もの人間がこの殺し合いで既に命を落としている。
自分も下手をしたら放送で名前を呼ばれる事になっていたかもしれない。
禁止エリアは、現在いるエリアはまだ大丈夫のようだが油断出来ない。
地図上ではエリア分けされているが実際には、放送主の人無も言っていたが、目に見える形で区分されているのではない。
気付いたら禁止エリアに入っていた、何て事も有り得る。
禁止エリアには近づかないようにするのが賢明だろう。

数時間前にE-1の塔で出会った少女、加賀咲と自分の命の恩人である少年、沖崎翔の名前は呼ばれなかった。
加賀咲については別に仲間では無かったしむしろ殺されかけたのだが、別に死んで欲しいとは思っていない。
志水セナ――確か、自分の経営する食堂によく顔を出していた狐耳の少女。
放送で名前が呼ばれた一人。確か以前の殺し合いでも名前があったような気がする。
そこまで親しい訳では無かったが顔見知りが死んだと聞かされるのは、いい気分では無い。
そう言えば自分を最初襲った桃髪の牛耳の少女はどうなったのだろうか。
気にはなったが、名前を知らないので余り深くは考え無かった。

「常連が一人いなくなっちまったか……いやそんな事言ってる場合じゃねぇやな。
随分死んでやがる……そんなに乗ってる奴いんのか?」

たった6時間で21人。
かなり多いと言える。
殺し合いに乗っている人間がそれだけ多いのか、それとも一人で何人も殺しているのが多いのか。
恐らくどっちか、いや両方でもあるのかもしれないが、殺し合いに乗っていない参加者を探す喜雄にとっては良く無い知らせだ。
あまりもたもたしていると、どんどん人数が減って取り返しがつかなくなる可能性もある。
死んでいった中に、有力な反抗者がいたかもしれないのだから。

「さっさと乗ってねぇ奴探してぇけど……」

喜雄はコタツのテーブルの上にある自分の支給品に目をやる。

麦わら帽子、網に入った小玉スイカ3個、水鉄砲。

「人無結プレゼンツ 夏の風物詩セット」と書かれたメモ用紙が添えられていた。

これを最初に見た時「ふざけてんのか」と喜雄は思った。当然の反応だろう。

「もっと他に夏の風物詩あるだろうが、て、突っ込む所はそこじゃねえよな。
こんなもんお前、*崎とモ*マンの対決じゃねーんだから……」

そう言いつつも、喜雄は水鉄砲を手に取って台所に向かう。
その水鉄砲は大容量の850ccタンクを備えた大型の物だった。
喜雄は戸棚の中を漁りある物を取る。
何の変哲も無い食塩。
大きな計量カップに水を入れ食塩を溶かす。そしてそれを水鉄砲のタンクに入れる。
それを繰り返し、水鉄砲のタンクには高濃度の食塩水が詰まった。
これを相手の顔に向けて放てば目潰しぐらいには使えるだろうと、喜雄は思う。
流石に、丸腰でこの先進むのは危険極まりない。

「けど、塩水鉄砲だけじゃな」

他に武器になりそうな物は無いか喜雄はアパート室内を漁る。
放送直前にこのアパートにやってきたので、まだ部屋内の探索をろくにしていない。
すると、サイドボードの引き出しから、特殊警棒が見つかった。
何でこんな物が、と思ったが、恐らく護身用に家主が購入したのだろう。
家主には悪いが貰って行こう、と、喜雄は特殊警棒を取り出した。
既にタバコとライターを拝借しているのだが。

基本支給品の食糧であるおにぎりを口に突っ込み、同じく基本支給品の水を流し込む。
酒が冷蔵庫に入っていたので飲みたかったが、自制した。
そして荷物を持ち警棒を装備して、アパートの玄関へ歩いていく。

「死にたかねぇけど、動かねえと誰も見つけられねぇしなあ……」


◆◆◆


E-3市街地の一角にある不動産事務所。
一ノ瀬進はここで放送を聞いた。
呼ばれた名前は21人、当然「切磋琢磨」の名前もあった。
その名前が呼ばれた時、進はやりきれない気持ちになったが、しっかりと放送は最後まで聞いた。

「もう、こんなに死んでいるのか……琢磨以外にも」

大勢の名前が線引きで消された名簿を見て進は言う。

「くそっ、人無め……!」

ここに来て、進は改めて主催者の人無への怒りを露わにする。
傭兵と言う職業に就いている以上、余り偽善じみた事を言うつもりは無いが、
命と言うのはこうも粗末に扱われて良いものでは無い。
ましてや、誰かに強要され殺し合わされた末に大勢死ぬなど。
以前の殺し合いでも、今回の殺し合いでもそれは同じだ。

何としても、この殺し合いは潰さなければ。

「……落ち着け」

感情に呑まれてはならない、冷静になろう。
進は大きく深呼吸をする。

(冷静さを失えば、死ぬ。戦場でも、ここでも同じ事だ)

落ち着きを取り戻した所で、進は自分の服装を見る。
あいも変わらずのパジャマ姿、動きにくいから他の服を探そうと考えておいて未だにそれは果たせていない。
不動産事務所の奥の方は住居部分に繋がっている。
最初ここに来た時は放送も近づいていたので人がいないかどうかだけ見て探索しなかったが、よく探せばパジャマよりはましな服がありそうだ。
進は座っていた応接用のソファーから立ち上がり住居部分に向かう。

見つかったのは、カッターシャツと紺色の背広。
中年以上の男性が着るようなデザインだ。
恐らく不動産屋の主のものだろう。
動きとは言えないがパジャマよりはましだ。

「こいつを借りるか……」

進は持ち主に申し訳無いと思いつつも、洋服ダンスから背広とカッターシャツ、ベルトを取り出す。
ネクタイは締める必要は無い、正装する時では無いのだから。

サイズは、若干小さくはあるが、動く分には問題は無さそうだった。
背広上の前のボタンは閉じず開いたままにする。
閉じると少しきついためだ。

「良し、何とか様にはなったか」

姿見で着替え後の自分の姿を確認する進。

その後、基本支給品の食糧と水を少量口にし、荷物を纏めて出発の準備を始める。
放送を聞くために、もう十分に休んだ。
行動を起こすなら早くした方が良い。
放送で指定された禁止エリアには、現在いる市街地とは別の、北の方にある市街地全域が含まれている。
もし人が多くこの北部市街地にいたら、移動を与儀無くされるだろう。
それより北には特に何も無い、ならば移動する者達は建造物の多い北へ向かうと思われる。
現在いる市街地を目指す者もいるだろう。
殺し合いを潰す、首輪を調査するにしても、仲間は多い方が良い。

それに――――島民ふれあいセンターで敵対した二人。
青髪の少年と銀髪の男。
どちらも殺し合いに乗っている。
特に、銀髪の男は、自分と行動を共にしていた切磋琢磨に致命傷を負わせた。
どちらも危険だ。
まだこの市街地内にいるかもしれない。
あの二人を放っておけば更なる犠牲者が出るだろう。
出来る事なら、見付けて、倒さなければ。

「もう少しこの市街地を歩いてみるか」

進は今後の行動方針を決め、得物であるH&K MP5A2を手に取りデイパックを引っ提げ、不動産事務所を後にした。

◆◆◆

「止まれ!」
「いっ!?」

とある細い交差点で、一ノ瀬進は鉢合わせになった男に銃を向け止まるよう命じる。

「ま、待ってくれよ、俺は殺し合いには乗ってないって」
「……本当か?」
「本当だ! 本当、マジだって!」

男は必死に殺し合いに乗っている事を否定する。
しばらくして、進は銃を下ろした。

「……すまない。こんな状況だから、警戒してたんだ。悪く思わないで欲しい」
「あ、ああ」
「俺は一ノ瀬進……あんたは?」
「川田喜雄だ」
「誰かに殴られでもしたのか? 顔が少し腫れているようだが」
「ん、まあな……」

苦笑いを浮かべながら喜雄は言う。

「俺、殺し合いに乗っていない仲間探しててよ……」
「ん? 奇遇だな、俺もだ」
「本当か? じゃあ、俺を仲間にしてくんねぇか、一ノ瀬さん」

喜雄からの頼みを聞いて、進は少し考える。
この男を仲間にして本当に大丈夫かどうか。
万一、この男が嘘を吐いていて不意打ちを狙っているとしても、この男は、正直、切磋琢磨よりも弱そうに見える。
故に、対処は十分に可能だろう、と進は考える。
人を疑いたくは無かったが、迂闊に信用して命を脅かされては元も子も無い。

「……駄目、か?」
「いや、大丈夫だ。一緒にこの殺し合いを何とかしよう、川田さん」
「お、おう! 宜しくな、一ノ瀬さん」

進は、喜雄を仲間にする事にした。



【E-3/市街地/一日目/日中】

【一ノ瀬進@需要なし、むしろ-の自己満足ロワ2nd】
[状態]:健康
[服装]:紺色の背広、白いカッターシャツ(若干サイズが小さいが行動に支障無し)
[装備]:H&KMP5A2(37/40)
[道具]:基本支給品一式(水と食糧少量消費)、MP5予備弾倉(2)、ランダム支給品(1)
[思考]:
基本:脱出の手段を探し、達成を目指す。危険人物はそうと分かり次第排除。
1:しばらくはE-3、F-3市街地を回ろうと思う。
2:川田さんと行動。
3:銀髪(氷室勝好)、少年(相川友)は早い内に排除しなくては……。
4:ゆくゆくは仲間を集め、首輪を外したい。
[備考]
※エピローグ後からの参戦です。
※切磋琢磨の話に少し疑問を抱いています。
※島民ふれあいセンターの構造を大まかに把握しました。
※切磋琢磨から四字熟語バトルロワイヤルについて、大まかに聞きました。
※着ていたパジャマは放棄しました。

【川田喜雄@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:恐怖、顔に殴られた痕(処置済)
[服装]:特筆事項無し
[装備]:特殊警棒(調達品)
[道具]基本支給品一式(水と食糧少量消費)、麦わら帽子、小玉スイカ(3)、水鉄砲(高濃度塩水入り、残り850cc)、煙草(調達品)、100円ライター(調達品)
[思考・行動]
基本:脱出を目指す、ただし自分の命を最優先
1:一ノ瀬さんと行動。
[備考]
※俺オリロワで泥酔している状態からの参加です。
※沖崎翔に『理性の感覚』を引き上げられました。よって自暴自棄、理不尽な勘違いなどの『理性的でない行動』を大分取らないようになっています。
※酔いは覚めました。
※沖崎翔、加賀咲の名前と容姿は記憶しています。


《支給品紹介》
【麦わら帽子】
川田喜雄に支給。
夏場子供や農作業の人がよく被る麦わらで出来た帽子。某ゴムの人のトレードマークでもある。
防御力は全く無い。

【小玉スイカ】
川田喜雄に支給。
網に入った小玉のスイカ。小玉と言ってもそれ程小さくない。網部分を持って振り回せば武器になる?

【水鉄砲】
川田喜雄に支給。
850ccの大容量大型水鉄砲。

《調達品紹介》
【特殊警棒】
川田喜雄がE-3市街地にて入手。
伸縮する金属製の警棒。警官や警備員が良く装備している。

【煙草】
川田喜雄がE-3市街地にて入手。
銘柄不明。

【100円ライター】
川田喜雄がE-3市街地にて入手。
フリント式のよくある安価なライター。


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040:たとえ死があったとしても 川田喜雄 :[[]]
073:天国と地獄 一ノ瀬進 :[[]]

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最終更新:2013年02月11日 14:27