「あーくそ………参ったな。やっぱ完全に見失っちまってる」
青年、
沖崎翔は散々走り回った挙句、息切れして汗をかいていた。
自分でやったことの落とし前くらいは自分でつけるのが筋ってもの――だからあの男を追ったのだが、何処に行ったか分からない。
D-3の方向に行ったとは思ったのだが、あれだけ混乱していれば何処に行ったのかの手がかりはないに等しい。
仕方ないのでとりあえずスタート地点に戻り、そこで一度、自分という存在を見直してみようと思った訳だ。
――――畜生、情けねえ。
自分でしたことへの落とし前もつけられないなんて、『沖崎翔』失格だ。
こんな力があれば人を幾らでも救えるってのに、あんな風に力を使うなんて―――許されることじゃない。
俺の人生はそんなもんじゃいけないんだ。
一人でも多くの人間を幸せにして、自己犠牲の正義を振りかざして救いを振り撒く。
誰にも褒められずとも、誰にも認められずとも、盲目的に正義を振りかざす。
それが沖崎翔という『登場人物』に充てられた役割であり、決して覆ることのない絶対のルールだった筈だ。
バトルロワイアルなんて許し難い、まさしく『最悪』と呼ぶに相応しいゲームなら猶更、俺は戦わなければいけない。
殺し合いに乗った人物を俺の力を以て改心させ、殺し合いに乗らない人物は責任を持って俺が守る。
死にかけた人間が居たなら遺言を聞いてやり、せめて苦しみを消してやる。
恐怖に怯える人間が居たならその恐怖を取り除いてやり、暴走する可能性を摘み取って―――。
「って、何でここまで分かっててあんなことしたんだ、俺は」
溜め息交じりの声を、沖崎は漏らす。
銀髪の青年は、自分の今置かれている状況を再度確認する。
参加者を殺す殺人ゲーム。
ついさっき遭遇し、不本意ながら壊してしまった男のように、恐怖から殺し合いを始めた参加者も既に存在する。
知り合い―――元より然程信頼できそうな人物など数えるほどしかいないのだが―――が居るかどうかは不明。
少なくともあの幼馴染の少女は参加していない、そこだけは少し安堵だった。
「御音の奴はこういうのには向かねえだろうしな……」
淡い微笑みを浮かべる。
傍からは凄く無防備な光景だったろうが、沖崎には恐怖という様子はない。
自分の力を過信している訳でもなく、ただ純粋に恐怖していない―――これも『反転』の影響であった。
自らの人間性が強引に反転させられていることにも気付かぬまま、地図を取り出して眺める。
「一番近い場所で目ぼしいのは塔か……建物を目指す奴らは多いだろうしな、行ってみっか」
いくら能力者とはいえ、流石に丸腰で歩くのは不安が残る――彼は右手に、一本の刀を握っていた。
刀、といっても一部の不幸な参加者に渡された妖刀の類ではなく、名もなき真剣、日本刀だ。
ぶん、ぶん―――風切り音を鳴らして刀を振り回すと、満足したように口元を歪める。
予想していたよりいくらか重いが、そんなものは苦にもならない。
これだけの一品ともなれば見た目だけでそれなりの印象を与えられる、暴走した参加者の鎮圧にも役立つだろう。
いざ戦闘となれば扱った試しは真の意味で零、少し不安が残るが―――まあ、それなりに鍛えているのだしどうにかなるだろう。
腰のベルトの辺りに鞘を取り付け、そこに日本刀を納刀。
侍ってのはこんな気分だったのか、確かに悪くはない気分だった。
「……行くか」
ゆっくりと立ち上がり、一歩足を踏み出す。
顔には自信ありげな笑顔が浮かんでいたが、それを誰かが見たなら、誰もが『獰猛』という印象を抱いただろう。
好戦的な、沖崎自身こそ気付かないものの、『以前の』沖崎の断片的な要素であった。
しかし彼は気付かずに、塔へと向かっていく。
(そういえばあいつ……あの殺人鬼、あいつもここに呼ばれてるのか?)
沖崎翔という人物に過剰なまでの執着を寄せ、追い続けてくる『辻斬りハロー』と呼ばれる連続殺人鬼。
動機不明、ただ無差別に殺戮を行う――としか報道されてはいないが、あれは明らかに沖崎に執着しているとしか思えない。
―――正体には大体心当たりがある。
しかし、『他人に尽くす』筈の自分が何故追われているのか。
何故―――あの学級委員長、
柄部霊歌に追われているのか。
それはきっと、自分が自分の役割に背いて、ルール違反をして、『悪』を働いたことが原因なのだろう。
彼女は沖崎翔を憎んでいる。
いくら彼女が殺人鬼、罰せられるべき悪人だとはいえ、沖崎がそれを糾弾することは出来ないだろう。
罪を償えなんて酷なことは言えない。
自分がさっき行った非人道的な行いに比べれば、理由ある殺戮なんて可愛いものだ。
だから、せめて辻斬りなんて無意味な行為を止めて欲しい。
もしも自分をどんなリスクを支払ってでも殺したいなら、命なんてくれてやる。
――――だから。
――――彼女との因縁も、願わくばここで清算してしまいたい。
霊歌が呼ばれているかは分からない。
でも、彼女と自分の並々ならぬ因縁を――神が見過ごすとも、あの極悪なる少年が見過ごすとも、思えなかった。
全て受け止めよう。
殺意も罵倒も嘲りも憎悪も怒りも、全てを甘んじて受け止め、彼女に償おう。
この殺し合いでなら、沖崎翔はもう一度リスタートすることができる。
願ってもない機会、願ってもないチャンス。
この機会を棒に振ってしまえば、きっと自分はもう二度と立ち直れなくなる、それだけは絶対に避けたかった。
「ははっ、俺はついてるな」
希望を抱きながら、沖崎翔は歩いていく。
彼の人間性は反転し、悪の権化、外道なる人間から、善の権化、正道なる人間に反転した。
殺し合いを称賛する心は殺し合いを批判する心に変わっている。
本人にも周囲にも、良い方向の変化であったことは確かだ。
しかし、いずれ生じるかもしれない最悪の可能性についても、知る者はきっと誰もいない。
≪四字熟語≫―――≪
心機一転≫。
彼の身が滅びたとき、その四字熟語は消える。
このままヒーローとなった彼にやがて再度の反転が訪れるとき―――物語はどう転ぶのか。
誰も知らない物語に向かって、悪人は向かう。
聳え立つ塔の姿が見えてくると、沖崎翔はもう一度不敵なる笑顔を浮かべるのだった。
◇
「おいおい………何だこりゃ」
沖崎は、その惨状を見て苦い顔をして声を漏らした。
倒れている二人の人間。片や顔中ぼろぼろの男、片や少女。
見る限り二人とも死んではいないようだが、この状況、何が起きたのか全く分からない。
実に差別的な解釈をするならば、男の方が少女を襲撃し、逆上した少女が男をボコボコにしてショックで気絶、か。
成程有り得そうな話ではあるが、この状況は非常に面倒臭いことになっている。
何せこの二人の間にはほぼ間違いなく敵対関係が成り立っているのだ、目を覚ませばどうなるかなど想像に難くない。
最悪流血沙汰、どちらかの命が失われる可能性だってある。
体格差でなら男の方が有利だし、下手に止めに入れば沖崎だって負傷してしまいかねない。
さて、どうやってこの状況を打破するか。
並々ならぬ何かがあったのは事実だろうが、殺し合いの場ともなればそれが只の喧嘩でないことくらいは分かる。
当然目を覚ませば殺し合い――最悪のシナリオが容易に想像できる。
しかし、それをどうにかしなければならないのが『沖崎翔』だ。
自己犠牲の正義を掲げて、たとえ傷を負うかもしれなくとも救わなければならない。
――――まぁ、対応の仕方など考えるまでもなく。
つい先刻やってしまった『悪行』を引き起こすに至った、『異常なる能力(サイキック)』。
人間の尊厳を簡単に操作してしまう非人道的な能力、それを行使すればいとも簡単にこんな事態くらいは対処できる。
目を覚ましてある程度の事情を聞いた後で、原因に繋がった事実を突き止め、『メーター』を操作してやればいい。
卑怯な、ヒーローとしてあるまじき手段だが―――こうするより他に、これをどうにかする方法なんて存在しない。。
倒れる二人の身に危険が迫るようなことを無くする為には仕方ないことだ。
その為にも早く目を覚ましてほしいのだが、と沖崎は溜め息を吐く。
「―――ったく、こんなにボカボカ殴ったら痛えだろうが」
暇潰しがてらに、支給された救急セットからガーゼと消毒液を取り出し、男の顔に処置を施す。
かなり執拗に殴ったようなところを見るに、余程の何かがあったらしい。
おっさんも時と場合を考えろよなセクハラすんなら……と、やれやれといった様子で沖崎は呟く。
実際には彼が想像しているより更に深い理由あってのこの有り様だったのだが、彼がそんなことを知るよしもない。
傷の手当など、ろくにしたこともなかったが、どうにか記憶を掘り起こして完了する。
こんな何気ない善行でも、沖崎翔という人間がどれほど人を『傷付けること』に長けていたのかが分かり―――沖崎はゾッとするような感情に襲われた。
(何だってんだ……まるで『今の俺』が間違ってるみたいじゃねえか)
自分は弱きを助ける自己犠牲の人間……頭で分かってこそいるものの、何かが引っ掛かる。
自分が今まで行ってきた、それこそ本当にゾッとするような悪行を、どうしてこの自分がしたのか。
何故自分の役割とまで自負している『善』をねじ曲げてまで『悪』へと墜ちたのか。
そう考えるとどうしても、『善の沖崎翔』は偽物で、以前までの『悪の沖崎翔』が本物であるかのような、何一つとして根拠のない妄想に取り憑かれてしまう。
いや―――この自分の変わりようが、既に立派な根拠なのかもしれないが。
例えば、『悪』の自分の記憶以外にも。
さっき自分が思考し、罪を償おうと考えた『柄部霊歌』のことも、はっきり言って『今更』だ。
自分が彼女の兄をナイフで刺したのは確かに事実―――がんっ。
「痛っつ……何だ急に。頭痛……だよな」
何だ。
『あの時』のことを思い出そうとした瞬間、沖崎の頭に激しい鈍痛が走った。
それ以上先を考えれば死にそうな程の、明らかに異常な、誰かに『作られた』頭痛だった。
よく思い出せばこれは初めてのことではない――そんな気がするのだが、どうしても記憶がぼやけている。
しばらく悪戦苦闘していたが、悪戯に体力を消耗させることは無意味と判断し思考を打ち切る。
それに――眠る少女の方が、若干おかしな様子を見せている。
『おかしな』と言えば少し大袈裟だな、世間一般で言う『魘されている』状態にあるようだ。
何であいつが、だとか今度は絶対に、だとか――何というかまあ、凄く物騒な寝言を、青ざめてさえいる顔色で呟き続ける姿は言っちゃ悪いが、少し不気味でもあった。
それでもまあ、放っておくのも忍びない。
たとえこれが偽物の『沖崎翔』であったとしても、自分の役割を遂行することに変わりはないし、極悪非道の『本物』にわざわざ戻りたいとも到底思えなかった。
だから自分は『偽物』のままでいい――何かを決めたように、魘される少女の額に手を乗せる。
「ん―――こういう風に使うのも初めてだな」
サイキック―――異常なる力。
沖崎翔のそれを、『善』として使う。
弄るのは『睡眠状態の深さ』。
夢を見ないレベルまで睡眠の状態を浅くして、強引に見ているだろう『悪夢』を断ち切る、という寸法。
その筋の学者が聞いたら唾を飛ばしながら反論しそうな話だが、それを可能にするのがサイキックだ。
ただしこの方法の弱点は――、
「ん……あれ、夢………?」
―――意識を失う直前まで錯乱状態にあったと見られる少女を、起こしてしまうことにある。
「……………」
「……………えーと。オハヨウゴザイマス?」
◇◇
「っ、ちょっと待てっての」
意識を取り戻した
加賀咲が真っ先に執ろうとした行動は、無言で未だ意識を取り戻さない中年の男の首を絞めようとする、という行為だった。
当然、すぐ近くに居た沖崎がそれを見逃す訳もなく、強引に彼女を止めようとしていた。
しかしながら加賀の力は男の沖崎でさえ食い止めるに手を焼く程のもので、倒れている中年の男と加賀咲の間にある問題は、沖崎翔の思うより遥かに深刻なものだと彼にようやく気付かせる。
執念と言ってもいいレベルの憎悪を、加賀はこの男に対して懐いているようだ。
今の彼女には容赦だの情けだのといった感情は存在していない――冗談抜きで、殺す気。
「離しなさい! そいつは外道――私たちを滅茶苦茶にした、生きている価値もないような人間なんだぁぁぁああああああ!!」
(…………やべえな。完全に冷静さを失ってやがる)
普段の加賀ならば、男性の沖崎に掴みかかられている時点で嫌悪感を示していただろう。
しかし今の彼女の頭の中にそんな些事は存在せず、ただ自らの父親への憎悪に取り憑かれていた。
このまま放置すればこの男は十中八九間違いなく殺されるし、その間に男が目を覚ましたりでもすればまた、血を見るような争いに発展することは想像に難くない。
そうなってからでは遅いのだが、かといって『サイキック』に頼るのもどうも気が引ける。
加賀の父親への憎悪という感情は決して良いものではないが、それでも立派な『加賀咲』という人間の証であり、彼女の一部だ。
沖崎の力でこの事態を収束させるには、その一部分を『ねじ曲げ』なければならないのだ。
先の『睡眠』などならまだしも、それが『記憶』と密接に関係しているともなればーー気が引ける。
仮に誰も死なずに済ませられても、その時加賀咲という存在は加賀咲であって加賀咲でない。
沖崎がもう一度、わざわざ『憎悪』を引き上げて元に戻しでもしない限り、彼女は帰ってこないのだ。
その行為が当人にとってどれほどの苦痛かは―――想像するまでも、ない。
(さあどうするよ……沖崎翔)
自嘲的な笑みを口元に浮かべ、沖崎は自らに選択を迫る。
決めなければ誰かが死ぬ。
決めれば誰も死なないが一人の少女が自分という存在を失う。
どれを取っても待っている結末にハッピーエンドはないーーー偽善者の正義に、独善者の正義に過ぎない。
沖崎は笑う。
善人と成り果てた自分を蔑みながら、静かに暴れる加賀の頭を右手で押さえ付けた。
「悪いな。俺じゃあヒーローには役不足だったよ」
加賀の動きが突然にぴたりと止み、瞳が凍りついたように動かなくなる。
感情が、加賀咲の一部分が―――引き下げられていく。
「よってこっからの俺は独善者だ。自己満足かもしれないが自己犠牲で頑張るから」
笑顔で。
たった二人のことさえ救えない自分を呪いながら、加賀咲の一部分を、壊した。
直後背後から伸びる腕。
沖崎を薙ぎ払い、自らを殴り倒した少女へ明らかに怒りに任せて突っ込んでいく中年の男、
川田喜雄。
その首を掴んで組伏せ、また静かに呟く。
「あんたはもう少ししっかりしろよ……『理性』を上げる」
最初は暴れていた川田の動きもやがて止まり、自分は何をしていたんだ、という風に立ち上がる。
と、まあこんな風に。
たった数分で二人の間にあったわだかまりは綺麗さっぱり清算されて。
一人の独善者が自らの『善』の方向を決めるに至った。
独善者として、誰に否定されようが一人でも多くの命を救うために行動せんとすることを決めた反転した青年は、両手を広げて少しきょとんとしている二人に向けて言うのだった。
「んじゃまずは謝罪コーナーからいきましょうか」
◆◆
はいどうも。独善的
正義の味方!なり損ないヒーロー沖崎くんのターンだぜい。
さっきまでのあらすじとか面倒だから割愛するけど、まぁ単刀直入に言えば穏便に事は進んだよ。
俺が加賀咲ちゃんの『要らない部分』と川田喜雄っつーおっさんの『足りない部分』を補完してやったおかげで何一つ荒事にはならなかった―――、何と男性恐怖症だった加賀ちゃんに川田のおっさんに謝らせるのは難儀だったがな。
父親の憎悪を零にした加賀ちゃん。
十中八九父親が原因で発症した恐怖症を発症した理由が消えたから、当然矛盾ができちまう。
原因もないのに何故だか男が嫌い、生理的に受け付けない―――なぁんてことになる訳だ。
尤も加賀ちゃんからすれば『最初から何もなかった』認識なわけであって、絶対に俺が理由を消したなんてことは分からない。つくづく、都合のいい能力だよ――笑えねえ。
俺は『加賀咲』と『川田喜雄』を壊した訳だ、独善的に。
本物の善人なら、あそこは説教でもくれてやるんだろうけど、俺には無理だ。
そういう柄じゃねえってのもあるが、所詮『偽物』にはこんぐらいが似合ってんだよ。
主役張ろうなんて考える方がおこがましいってもんだ。
独善的に、他人に尽くし、独善的に、他人を壊す。
救いとは名ばかりにぶっ壊す。
そういう風に俺は出来てる。
偽物が本物になるには、これくらいの決意しなきゃならないのは当然も当然、第一条件だろ。
俺は本物になる―――本物が偽物になっちまうような、そういう強さってもんを勝ち取ってやるさ。
やれるのかって?
やれないだろうな。
少女一人におっさん一人――いや、最初のあいつも合わせれば二人のおっさんか――も救えないで強さを勝ち取ってやるだなんて身の程知らずにも程がある。
だけど知ってるかい。
人間ってもんは、結果より過程を本能的に尊重する生き物なんだぜ。
頑張れば何でも出来るって嘘っぱちを唱える奴が多い理由もそこにある、『頑張った人』を見ていれば気持ちいいから、結果はどうであれその結果以上に満足できるからだ。
だから俺は頑張る。
劇的に偽物の株価を上昇させて、本物の株価を大暴落させて世界的不景気を起こしてやる。
見てろよ神様――――そして、本物。
てめえの悪性なんざ俺の善性で塗り潰してやる。
覚悟してろよ。
そして人無。
てめえは神様気取って安全席で俺らが必死に足掻くのを眺めてるんだろうさ。
そこからの眺めはさぞ清々しいだろうな、俺に譲ってほしいくらいだ。
良いぜ、てめえらは安全席の暖かい暖炉の側で優雅に俺らを鑑賞してるがいい。
だが忘れるな。
神様は絶対だ。
全てを一存でどうにかできる、まさしくストーリーテラーと呼べる存在だ。
だが、神様は唯一じゃない。
『絶対に越えられない壁』を『唯一越えられる者』が居たとしたら―――どちらが強いかは分かるよな。
――――って、何だこの説教臭い文章。
こういうのは某禁書なんちゃらの作者にでも書かせなさいよ、もうちょっと重みが出るからな。
ま、つーわけで神様、あんたをぶっ殺す為にまずは唯一になろうと思うんでそこんとこよろしく。
■ ■
…………はあ。
これ絶対私の人生の汚点になったじゃん……何が悲しくてあんな親父殴り倒してたんだろ。
普段なら近付きたいとも思わない『男』によくぞそこまで出来たな、と少し自分を褒めたくなる。
おっと、ここからは加賀咲の一人称パートね。
何故だか知らないけど気が付いたら知らない中年男をボコボコにしてて、目を覚ませば銀髪の如何にも『俺チンピラだぜHAHA』って格好した男に謝らされるなんて羽目に遭った私は今、塔を下りている。
ぶっちゃけあの場から二人を追い出して居座っても良かったんだけど、いくら私が男嫌いだからといっても……『何があったのかよく分からない』んだから、正直居たくなかった。
出鼻を挫かれた、って言うのかしらね。
でももう一つ挙げるなら、あの中年親父の顔が――『あいつ』に、父親にそっくりってのもあった。
私を虐待して、母に殺された哀れな外道男。
恨んでるには恨んでるけど、いつまでもあいつに縛られてるのも癪だから、殺したい程に恨んでるって訳じゃない……そうでもなきゃ多分、あの中年親父を殺してる。
川田喜雄、とかいったっけ。
正直気まずいのは事実だから、それでなるべく同じ空間に居たくなかったのもある。
しっかし、あれだけのことされて憎んでないなんて私の心も随分広くなったもんだ。
男性恐怖症を何で患ってるのかいまいちよく分からないレベルに、心広すぎね。
多分一生この恐怖症だけは抱えて生きていくんだろうから、別に今更治そうとも思ってないけど。
そんな心の広さ東京ドーム158個分の私なわけだが、悪いけれどあのチンピラ風の男みたいに根っからの善人じゃあない―――だから、このゲームでも正義の味方なんて大層なものにはなれない。
ぶっちゃけて言えば、自分が死ななければそれでいい。
いや、そうは言っても嬉々として他人を殺しまくってやるとは言ってないよ?
私だって別に好き好んで人殺しになんてなりたくないし、返り血で汚れるのも遠慮したいもの。
絶体絶命のピンチにでもなったらそりゃ分からないけど、当分人殺しはご遠慮しとく。
だけど好き好んで他人を助けたりはしない。同じくよっぽどのことがない限りは。
逃げて、逃げて、逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて―――とにかく生き延びよう。
と、いうわけで。
私こと加賀咲もまた、バトルロワイアルの方針を固めた。
――――頭の中に、ほんの少しの違和感を抱えながら。
【E-1/塔入口前/一日目/午前】
【加賀咲@DOLバトルロワイアル4th】
[状態]健康
[服装]特筆事項無し
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、漫画雑誌@オリジナル、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本:死なないようにする。
1:殺し合いに乗った人物に出会ったら即逃げる。
[備考]
※DOLバトルロワイアル4th参加前からの参加です
※川田喜雄への勘違いは彼女の中で自己解決したようですが、苦手意識が若干残っています
※沖崎翔によって『父親への憎悪』の感覚を引き下げられました。父親のことを許してはいませんが殺したい程の憎悪はありません。他に、男性恐怖症発症の理由が分からなくなっています
◇■
痛ってえ、まだ頬が腫れて痛みやがる。
あのチンピラっぽい兄ちゃんが処置してくれたことには割と感謝しねえとな。
これである程度処置されてなかったら悶絶してるかもしれん……畜生あの姉ちゃん、ボカボカ殴りやがって……混乱してたのは分かるけど、程度ってもんを考えろよ。
……って、そりゃあとっ始めから誤解して殺人しそうになってた俺が言えたことじゃねえか。
ったく俺もやきが回ったな、あんな『理性の欠片もない行動』をするなんてよお。
どう見たってありゃ殺し合いに乗ってる雰囲気じゃなかった―――よく思い返してみればな。
俺だっていい年だ、仮に殺し合いに乗ってたとしてもよっぽどのクソ野郎でもない限りは説得したりするのが普通なんだろうが、まあそこまではしなくてもいいだろ。
理性を保った行動が出来てりゃ、最低限常識さえ守れてりゃ後は死ななきゃいいんだ。
いくら近頃物騒だからってよ、全員が全員殺人犯なんて訳はねえ。
中には必ず、殺し合いを良しとしないであのいけすかねえクソ餓鬼に対抗する奴だって出てくるだろ。
悪を滅ぼす!なんて大層なもんじゃなくたって、この厄介な首輪をどうにかしてこの場所そのものから逃げ出してしまおうと考える奴だって居ない訳じゃねえだろ。
俺はそっちに乗る。
脱出しようとしてる連中に会って……ま、乗っかるってことだ。
俺にはこんなよく分からん首輪を外すことは出来んだろうが、ちょっと工学かじったような奴ならどおうにかなるもんじゃねえの?案外そういうもんだと思うぜ。
んじゃあの兄ちゃんはしばらく残るらしいし、どうも首輪外したりは出来なそうだしよ。
俺もここを出てどっか行くことにするかね。
…………こうして冷静ぶってるけど、実はめっちゃくちゃ怖いんだからな、俺。
つーわけで、川田喜雄パートでしたっと。
しかし俺ってよお……いや、なんか……いや、まあいいか。
【E-1/塔/一日目/午前】
【川田喜雄@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]恐怖、顔に殴られた痕(処置済)、酔い(小)
[服装]特筆事項無し
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本:脱出を目指す、ただし自分の命を最優先
1:脱出を考えてる奴等を探す
[備考]
※俺オリロワで泥酔している状態からの参加です
※沖崎翔に『理性の感覚』を引き上げられました。よって自暴自棄、理不尽な勘違いなどの『理性的でない行動』を大分取らないようになっています
◇◇◆
――――――ん、これは夢か。
ったく久し振りだな夢なんて見んのも……俺は基本的に夢見ねえ体質だからな、これは貴重だぜ。
そしてこれ俗に言う明晰夢……夢の中でもある程度の意識を持ったまま行動できる、ってやつじゃねえか。
こんなことしてる場合じゃねえのは確かだが――ま、明晰夢ってことは覚ますことも匙加減だろ。
時間的にそろそろ不味いと思ったら飛び起きればいい、滅多に出来ない体験はしとくに限る。
まあそれはともかくとしてこの風景、俺ん家の周りか。
道理で見慣れてると思った、季節は冬ってとこか?
そんならこれは案外、『過去の自分』を振り返るって種類の夢なのかもしれんなー。
ただ、俺は今までおおよそ後悔というものなくして生きてきた人間だからな、正直判別がつかん。
―――おっ。そうそうこの公園。
今でこそ土地の所有者の意向だかでマンションの建築予定地になっちまってるけど、昔はよく遊んだもんだよなぁ……俺に妙に懐いてくるあの幼なじみと、さ。
あいつのことは嫌いじゃない、だがよく友好的に過ごせてたな、と今になって不思議に思う。
何より何かあれば俺に頼ってくるとことか、俺もよくうざがらなかったもんだ。
お前はどっかの黄色いシャツの少年か!俺は未来から来た猫型ロボットじゃねえんだぞ、って感じでな。その癖してやたらと絡まれやすいときた、おかげで俺の出番が増える。畜生。
おかげであいつの母さんからもやたら気に入られるし、ほんっと傍迷惑な話だ。
もしもこの『バトルロワイアル』にあいつが居たらーーそれでも守るのかもしれんが。
むしろ今までの俺、よくあいつにぶち切れなかったな……いくら以前の俺でも人間だったってことか。
思い出せばきりがない。
例えば俺が今立っている真横の家のじいさんは普段温厚だがキレると木刀を振り回す癖がある。
その右隣の家の親父はすげえ浮気屋で、例の公園で不倫してた女十人と自分の妻とに同時に詰め寄られて精神をフルボッコにされたという伝説を持っている。
俺とその幼なじみで盗み見てたんだがーーあいつは余りの剣幕に泣き出しちまったっけ。
懐かしいな。
いやまあ、俺まだ普通にここら辺に住んでるし、風景自体は何にも懐かしくないんだけど、下手をすれば帰ってこられない風景だからか、やけに懐かしく見える。
しかし俺の明晰夢ってやばいなこれ……再現率が高すぎるじゃねえか。
「あ……翔くん?」
う、うっわ。
マジかよおい。こんなとこまで再現してんじゃねえよおい。迷惑だぞおい。
俺の恐る恐る振り返った先に見えるのは、案の定青髪にアホ毛の、触れれば壊れそうな『あいつ』。
俺の幼なじみ―――鏡御音。
ここでこいつが出てくるのか。
――――――――はあ。何でこんなことになるんだろうな。
「あー、ごほん。爽やかな笑顔を浮かべてるとこ悪いけどこれ俺の夢だぞ」
文字通り夢をぶっ壊すような行為だとは分かってるが、俺はやっぱりこういう人間だ。
善に生きる独善者だろうが、美学の無い正義の味方だろうがそこには何の変りもない。
そんな夢も希望もない俺に、あいつはいつも通りの笑顔で言うのだった。
「知ってるよ」
「そうなら話は早い。多分俺帰れねえぞ」
「帰ってきて貰わないと困るよ、私のボディーガードじゃない」
「勝手に任命しないでくれっつの」
大体こいつには俺がやってきた―――『本物』のやってきた悪行を教えてあるんじゃなかったか?
どうも本物はこいつにあまり自分に近付くとロクな事にならんぞ、と警告の意味を込めたんだと思うんだが、懲りない奴だな。
夢の中でまでこうなのか。いい加減自立しろよお前。もう高校生だろ。
バトルロワイアルなんて殺伐とした雰囲気には全くそぐわない、走馬灯のように穏やかないつかの記憶。その夢。明晰の夢。
両手で缶ココアを持ち、猫舌でそれを啜る御音。
何やかんやで懐かしい――多分、まだ高校に入学する前の受験シーズンのあいつなのかね。
「バトルロワイアルだったっけ? 災難だね、それも」
「ああ、どこぞの糞餓鬼が企画したらしくてな、だからその神様に一矢報いてやろうと思ってるとこだ」
「さっすがー」
ココアが気管に入ったのか、けほけほと咳き込むあいつを俺はどこか呆然と見ている。
そして辺りの風景をちらりと見て、俺は驚愕した。
立ち並ぶ家々が静かに、黒い炭のように崩れ去って、空間の裂け目のようなヒビに吸い込まれていく。
――――『夢の終わり』。
俺の意識が覚醒しつつあるって証拠か、確かにあまりここで長々とこいつと話し込んでても何も始まらん。
それどころか眠っている俺の体は放置されているから、誰かに襲撃されでもしたら目も当てられないことになるだろう。
嫌いじゃない―――数年振りの夢の感想を俺はふと漏らす。
それを聞いたと思われるあいつは、静かに言う。
「私は大好きだよ?」
滅びゆく世界で、最後まで笑いながら。
あいつの体は足元から、データが削除されるように消えていく。
俺の体もやがてつま先から同じように消え始め、いよいよこの幸せな夢も終わりらしい。
「帰ってきてね、約束だよ」
「あー、分かった分かった。帰ってくるよ」
「うん」
最後まで笑い続けた俺の夢は、静かに終わる。
瞼をあげたとき、そこには加賀ちゃんもおっさんの姿もなく、俺だけが残っていた。
んじゃ、行くか。
帰る為に。
神を射ち落とす為に。
唯一の存在になる為に。
正義の味方を、始めよう。
【E-1/塔九階/一日目/午前】
【沖崎翔@サイキッカーバトルロワイアル】
[状態]健康、スタンス反転
[服装]特筆事項無し
[装備]日本刀
[道具]基本支給品一式、救急セット(消毒薬、ガーゼ消費)@オリジナル、ランダム支給品1
[思考・行動]
基本:独善的に、自己犠牲の精神で人を助ける
1:主催者は必ず打倒する
[備考]
※サイキッカーバトルロワイアル参加前からの参加です
※能力に関しては『自殺願望』を与えることを禁止とします
※スタンスが反転しています
※『自分が以前までの自分ではない』ことに薄々感付いています
◇○◇
――――――――時は遡り。一人の女性が、行動を開始していた。
彼女の名は楓坂闇薙、俗に『異常能力者』と呼ばれる人種である。
知る者が聞けばその不穏な苗字に身を強張らせただろうが、これから会うとある人物にそんなものが通用するとは思えない。闇薙が如何に実力者といえど、戦闘向きでないのだから相手の機嫌を損ねればまあ間違いなく殺されるだろう。
相手の所有するは『異常能力』とは似て非なる『超能力』。
超能力を専門とした一賊、『人無一賊』の人間、人無結。
本来ならば正直関わりたくない領域ではあった―――領分の違う相手に関わるのは余り良くない。
『楓坂研究所』――『異常能力』を専門とした研究を行う異常者の家系に生まれ落ちた闇薙故に、如何にそういう行為が好ましくないかはよく理解していた。
だから一人、護衛の楓坂を侍らせているのだが、正直な話行きたくない、会いたくない。
自分が言うのも何だが、どんな目的があるにせよバトルロワイアルなんてものを企画し、それを実行に移せる行動力を持った人間なんかと関わるのは怖くて仕方がなかった。
「嫌ですね……正直言って帰りたいんですけど。紅茶飲みたいんだけど」
隣の男は喋らない。
これでも楓坂の研究者だというのに、この寡黙さはいかんだろう――と、闇薙は溜め息を吐く。
闇薙とて好き好んでこんなことをしている訳ではない、理由がなければ絶対にやりたくない。
しかしそうしなければならない理由があって、人無結との、『バトルロワイアル』主催者との面会を行おうとしている、という訳なのだ。
彼女とて譲れない、絶対に妥協できない一点がある。
そこをどうにかして貰えない限り退くことは出来ないし、どんな手段でも使ってやろう。
最悪戦争だ。
焼き討ちだ。
徹底抗戦だ。
世界大戦だ。
………と、威勢こそいいものの、実はアポを取っているからそんなにゲリラ的なものじゃない。
無断で突撃して『やい人無ー! お前に言うことあってきたぞ!』なんて言おうものなら殺られる。
空間操作の異常能力者である闇薙ではこれから会う人物に勝てる場所が多分空間の制作範囲くらいしかないと自負していた。隣の物騒な男もまた、真っ向から向き合うには役不足だ。
楓坂の中でも上層部の連中を連れてこられればもう少し違ったのだけど、残念なことに一身上の都合でほぼそういったコネクションを失っている彼女には無理だった、残念。
―――がらがらがら!
わざとらしく大きな音を立てて『教室』のドアを開けて入室していく。
「やいこら! 楓坂様のご到着だくそ餓鬼ー!」
「…………」
「…………」
しーん。
そんな擬音が聞こえてきそうなくらいの白け方を見せる教室。
「あなたも大変ですね」
「全くだ」
「喋った!? 私の台詞は全部無視するのに!?」
早くもこいつらは一体何をしに来たんだろう、というような若干蔑みのこもった眼差しが向けられる。
やはり相手の陣の内に入る行為はどうも嫌だと感じる。
この『力の規制』ならばお得意の空間作成も出来ないだろうし、隣の男も体術くらいしか出来まい。
それでいて相手は普通に力を使ってくる―――拳銃を突きつけられているようなものだ。
はあ、と深い溜め息を吐いて深呼吸をすると、闇薙は『楓坂』の顔に戻って人無結を見据える。
「私は戦いに来たんじゃないんですよ……そう気張らないでください」
「ついさっき突撃してきた人が居ましてね。あまりにチート過ぎて手を焼いたので警戒してるんです」
そういうこと言われると何かこう、自分はここだと全く以てチートの要素がない、よって彼の不安は全くの杞憂なので何だか申し訳なくなってくる。
しかしそう、彼女は戦いに来た訳ではない。
単刀直入に言うならば、機密事項の保持というありきたりな『お願い』に来た訳だ。
実は全く以てこれっぽちも戦う気なんてなく、ましてや戦争に追い込むなんて絶対にお断りだった。
楓坂のお偉いさんが動いてくれる筈もないし、最悪けじめとして闇薙の身が危ない。
「で? あなたは何をしに来たんでしたっけ」
「単刀直入に言いますと、うちのサイキッカーの過去の情報を何があろうと漏らさないで下さい」
それだけ。
詳しい理由はここで語られるべき話ではないので割愛するが、それだけは隠さねばならぬことだった。
楓坂の最終機密事項。
楓坂研究所が全力を以て隠匿する程の機密。
もしも漏れれば血を見るレベルの争いになる――情報源云々の話ではなく、無差別に可能性という可能性を焼却し破壊する、徹底的なまでの証拠隠滅が行われ、これを見逃せぬとするいくつもの組織間での大戦争が引き起こされるだろう。
そんな酷い惨状を見るぐらいなら危険を冒そう。
楓坂の中でも良識派の彼女だからこそそんな思考に至った訳だが、拍子抜けする程あっさり彼は首を縦に振った。
「そんなことですか。ボクはてっきり『サイキッカー返せー!』とか宣うものと思っていたのですが」
「私のイメージそんな馬鹿みたいなキャラで固定しないで下さい……そこは拘らないからいいんですよ、並行世界から拉致してくればいいんですから」
「皆が皆さっきの人みたいじゃないんですね……そういえばそちらの方はどなたですか?」
「楓坂閉塞。こんな危険地帯に生身でいけますかって」
それともう一つ言いたいんですよ、と闇薙は指を一本立てる。
「あなたの目的はすごく正しいと思いますよ? 人間として」
「何でどいつもこいつも知ってるんですか」
「あははー。まあそこは機密事項ってことで」
それから薄い笑顔で、彼女は続ける。
「家族を大事にするって気持ちはすごいよく分かりますし―――そういう人には好感が持てます」
「はあ。部外者のあなたに言われても色々あれなんですが」
「―――ふふっ。まあ頑張って下さいね、人無結さん」
静かに彼に背を向け、二人の楓坂は呆気なく教室を出ていき姿を消す。
こうして物語は元の通りに軌道補正され、楓坂の女は全く同じように殺し合いの準備に入る。
残された一人は、静かにサイキッカー達の記憶を調べ直し――、問題のある記憶を持つ人物に超能力を起動するのだった。
種類は『記憶障害』。
思い出そうとすれば頭痛が走り、何がどうあっても思い出せないようにする『枷』の能力。
とはいえ、楓坂の計画に関わるような記憶は一つしかなかったので、その一人、沖崎翔の記憶に枷を嵌める。
これで良し。
――――――――全く関係ない補足の物語。
――――――――どこかで進行する物語の真相隠しの為の物語。
――――――――しかし、何の滞りもなくバトルロワイアルは刻一刻と進んでいく。
――――――――物語は、終わらない。
支給品説明
【日本刀】
沖崎翔に支給。
刃渡り73cm、銘柄不明のもの。切れ味はかなりのもの
【救急セット】
沖崎翔に支給。
中身は包帯、ガーゼ、消毒液、絆創膏、止血用の布など。
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最終更新:2013年02月11日 14:27