「…なによこれ」
大河は、壊れかけた小さな椅子に腰を落とした。
混乱、困惑、パニック。
恐怖とか怒りとかそう言った類の感情よりも、「WHY?」の方が強い。
当たり前である。
自分が瞬間移動してるのに驚かないのは、人間じゃない。
若しくは、そういうものを日常的に見ているアニメのキャラクターだ。
自分が何故ここにいるのか、ここは何処なのか。
あの女達は何者なのか。
色々調べたいことがある。
「…でも、まずは荷物を確かめないと」
大河はデイパックを膝に乗せると、旅行のの準備をする子供のように支給品を見始めた。
表情は死刑を言い渡された囚人であるのだが、それは仕方ない。
「…知り合いは―――っと、みのりんだけか」
名簿の確認終わり。
………。
妙なことに気づいただろうか。
彼女には、知り合いが三人も来ている。
しかし彼女は、一人しか知らないと言った。
だが、彼女の言うことに間違いはない。彼女の知り合いは、一人しか来ていないのだ。
もし北村祐作が来ていたなら、二人となる。
何故か?
簡単なこと。彼女は、竜児と会う前――学年が変わる前に連れてこられたのであった。
つまりこの大河は、竜児の主人でもなければ亜美と犬猿の仲でもない。
密かに北村に恋の感情を寄せる、一人の女子生徒。
そんな状況を知るはずもなく、大河は呟きながら支給品を見ていく。
「えーと…これが食べ物か、でこれが地図、ね…見れば見る程鬱になっていく…
で、これはなんなのよ…?」
大河が最後に手に取ったのは、携帯電話のような小さな機械。
アンテナと画面がついており、その下にはボタンが一つついている。
「『今北産業用名簿』、参加者に向けボタンを押すと、その人の情報が三行で分かります。
…なんだかよく分からないけど、ボタンを押せばいいの?」
訝しげな視線を送る大河が、ボタンを押す。
すると直ぐに、情報は映し出された。
一般的な高校生
身長が小さく、淡い茶髪
俗に言うツンデレ
「……いまいち分かりにくいわね、職業と特徴、…ツンデレってなによ?」
大河は一人奮闘する。
親友は既に他界し、信用できる友はいない。
そんな彼女は、当たり支給品を利用して生き残ることが出来るのか。
【I-3 廃村/1日目・深夜】
【逢坂大河@とらドラ!】
[状態]:健康
[装備]:今北産業用名簿
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:この支給品について調べる
2:みのりん(櫛枝実乃梨)を探す
備考:とらドラ!が始まる前からの参加です。
【今北産業用名簿@オリジナル】
参加者の首輪に向けてボタンを押すと三行でその人の情報を映し出す。
一行目「職業」、二行目「身体的特徴」、三行目「???」である。
三行目に何が書かれるかは分からない。役に立ったり立たなかったりする。
因みに電波の届く範囲は5m以内。死亡者の首輪から情報は得られない。
使用に関する制限はなく、耐久度は携帯電話程度である。
最終更新:2009年10月03日 15:04