決別 - 崩壊学園wiki

ダダダッ！！

イザーリン
ぎゃあ！死ぬ死ぬ、もう死ぬ！どこもかしこも敵だらけ！今度こそ死ぬ……！

エミザ
うっせえな！それ以上わめくとゾンビの山に放り投げるぞ！！

イザーリン
やだ！スパナをちょうだい！機甲に焼かれ悶えながら灰になるくらいなら、自分の手で苦しむことなく死ぬわ！

エミザ
だったら、その前に叩き殺してやるよ！

イザーリン
いやあ！エミザに殺されるぅ！助けてぇ！！！

エミザ
エミザって呼ぶな！

エミザ
え！？なんだ、機甲の動きが止まった……電池切れか？

イザーリン
え、ほんと！？た、助かった……の？

ゼーレ
エミザ！イザーリン！

イザーリン
ゼーレ！！ブローニャたちもいる……！

エミザ
ふぅ……どうやら、あちらも無事みたいだな。まったく運のいい奴らだ。

イザーリン
ブローニャ、ここの機甲兵器が突然動きを止めたんだけど、あなたたちのおかげ？

ゼーレ
当然でしょ！お姉ちゃんがME社のシステムに侵入してくれたから、こいつらは止まったのよ！

姫子
フン……そのために崩壊エネルギーに侵食されて、あやうく全滅するところだったけど。

ゼーレ
姫子さん、余計なこと言わない！

イザーリン
崩壊エネルギーか……早く気づくべきだった。この機甲のブラックボックスを見ると、システムはとうに破壊されてる。それでもまだ動いていたということは、何か別のものにコントロールされていたのは明白……。
それが崩壊だったとはね。この厄災はもはや機械だろうと侵食できちゃうのね……。

エミザ
ブローニャは大丈夫なのか！？崩壊に侵食されてゾンビ化しなかったの？それはこっちじゃ治せないからな！

ブローニャ
もう大丈夫です……幸いゼーレが助けてくれたので任務を遂行できました。崩壊エネルギーとの接続も解除されています。

ゼーレ
エヘヘ～今回はゼーレ、大手柄でしょ！

ブローニャ
すみません、心配をかけて。
みなさんが頑張って戦ってくれたおかげで、今回の作戦は成功したのです。

ゼーレ
やったああ！！勝利ーー！！

姫子
喜ぶのは早いわ。外にはまだ崩壊生物がいるんでしょ。まだ危機は脱していないのよ。

ゼーレ
もう、姫子さんったら空気読まないんだから！誰か一緒にバンザイして盛り上げてよ。ねえ、あなたも黙って突っ立ってないで！

▼選択肢分岐

① 戦闘で疲れすぎて力が出ない……
ゼーレ
もうっ、どうやら鍛錬が足りないみたいね。バンザイする気力もないなんて！

② みんな生きてて本当に良かった。
ゼーレ
そうね。今回の戦いは本当にきつかったわ。でも、こうしてまたみんなに会えて良かった。

▲分岐終わり

ブローニャ
ME社での勝利は、反撃の第一歩に過ぎません。兵器工場の機甲製造ラインを奪取したのです、次は律者に戦いを挑みます。これは想像を絶するような、非常に苦しい戦いになるでしょう。

イザーリン
えっ！機甲の製造ラインを奪取した！？……ってことは、私たちも機甲兵器を製造できるの？

ブローニャ
その通りです。機甲兵器だけでなく、ホムロボットにも万全な整備ができます。もっと戦力を補強できるでしょう。

イザーリン
わお！やったあ！！今日はここ数年で一番幸せな日だわ！

エミザ
いっつも気怠げなイザーリンがこんなに興奮するなんてな。頭、イカレちまったか？

イザーリン
あなたには分からないでしょうね……この厳しい状況下で製造や発明をするのがどれだけ大変なことかを……製造ラインはあっち？早く行きましょう！

姫子
落ち着きなさい。入口にはまだ崩壊生物がいるのよ。忘れてないでしょうね。

ブローニャ
ええ、みなさん焦りすぎてはいけません。まだこれからやらねばならないことがたくさんあります。外の崩壊生物を退治して、基地を駅からME社に移して、それから……。

「警報！警報！ME社内で崩壊エネルギーの漏出反応あり！全ての入口がまもなく封鎖されます！中にいる人は指定の地点に避難してください！」

ブローニャ
なっ！？

隊員
報告します！ホール入口のゲートが閉鎖されました。崩壊生物の進攻は阻めますが、これでは外に出ることもできません！

イザーリン
どういうこと？ME社のシステムはブローニャが制御したんじゃなかったの？どうしてこんな……。

ブローニャ
……重装ウサギがME社の内部で巨大な崩壊エネルギー反応を検出しました。ブローニャを侵食した崩壊エネルギーが消え去っていなかったのでしょうか……。

姫子
チッ、まったく厄介ね！行くわよ！中に何がいようと、今度こそ葬ってやるわ！

ブローニャ
ええ、行きましょう！みなさん警戒を怠らずに！もしかしたら、機甲兵器がまた活動を再開するかもしれません。

ゼーレ
了解！

ブローニャ
崩壊源の位置はこの辺り……。

ゼーレ
やっぱり機甲兵器が動き出してる。厄介ね……。
あれ？お姉ちゃん、あそこのゲートが開いてる。さっき通路を通ったときは閉まってたのに！
私たちの他にもここに誰かいるってことかな……？どうしよう、入ってみる？

姫子
罠かもしれないわね。防衛システムでもしてやられたし……。

ブローニャ
はい……でも、他の通路につながるゲートは全て閉まっています。他に選択肢はないようです。

姫子
フン、強引な招待状ね。行くわよ！崩壊に侮られてなるもんですか！

ブローニャ
はい、みなさん隊形に注意。気をつけて進みましょう。

ゼーレ
ここは……実験室？

姫子
うっ！崩壊エネルギー濃度が高すぎる……他の隊員を外に出して！普通の体じゃこの汚染に耐えられない！

ゼーレ
あ、はい！

ブローニャ
こんな強大な崩壊エネルギーがどうして……。

芽衣
……。

ブローニャ
芽衣姉様！？

姫子
ブローニャ、どいて！

バンバンバン！

芽衣
…………。

姫子
チッ！やっぱり銃弾は効かないわね！それならこれでどう？！

——キンッ！

ゼーレ
そんな……姫子さんの大剣を素手で受け止めた！

ブローニャ
姫子！やめてください！

姫子
甘い考えは捨てなさい！今の芽衣は律者よ！世界を滅ぼした元凶なのよ！！
ハァッ！！！

ドガン！！！

ブローニャ
やめてください、芽衣姉様！戦いはやめて！一緒に帰りましょう！

芽衣
……。

姫子
あんたの言うことなんか耳に入ってないわ！今の芽衣は崩壊生物と変わらないのよ！
ゼーレ！私が律者の動きを封じるから！その隙に殺るのよ！

ゼーレ
で……でも……！

姫子
これは命令よ！

芽衣
…………。

ブローニャ
姫子！早く離れてください！

シャンッ！！

姫子
ぐっ！

ブローニャ
姫子！

姫子
平気よ……くそっ！

芽衣
……。

ブローニャ
芽衣姉様！待ってください！

姫子
私に構わず！早く追うのよ！

ブローニャ
芽衣姉様！

芽衣
……。

ブローニャ
芽衣姉様、聞いてください。これ以上の戦いはやめましょう！ブローニャは生き残った人間を集結させました。みんなで力を合わせれば、きっと新しい生活が始められます！
だから……お願いします。芽衣姉様も、戻って来てください……一緒に、この世界を元に戻しましょう！

芽衣
……。

もう……戻れない。
この世界はもう終わったの……あなたもここで死ぬのよ。

ザンッ！

ゼーレ
お姉ちゃん！

ブローニャ
うっ！

芽衣
彼女たちを殺しなさい。

剣士
命令確認。コアデータが脅威を感知、殲滅プログラム起動……。

ブローニャ
もう話し合いの余地はないのですか……。

ゼーレ
お姉ちゃん！姫子さんの言う通りだよ、その人はもう芽衣姉様じゃない！

ブローニャ
でも、芽衣姉様はどうして……。
ブローニャたちには、この世界で生きていく理由があります。たとえ、芽衣姉様でもそれは止められません！！

ブローニャ
芽衣姉様……どうか許してください。芽衣姉様が敵だというなら、武力で倒すしかありません！

剣士
機体の損傷は……深刻……システムはまもなくシャットダウン……機能停止……。
ジ、ジジ、ガ——。

ゼーレ
ふぅ……勝ったの？……お姉ちゃん大丈夫？

ブローニャ
はい……何とか機甲には勝てましたが……。
芽衣姉様は……どこに？

ゼーレ
さっきの戦闘中に消えちゃったよ……逃げたのかな？

ブローニャ
いえ……芽衣姉様のことです、現れたのには何か理由があるはずです。重装ウサギ、この付近で高い崩壊源の位置を測定してください。

ピピピ——
「測定完了。上方の垂直高度800メートルに高強度の崩壊エネルギー反応を検出」

ブローニャ
上方800メートル……まさか！？
全員、急いで隠れてください！

芽衣
虚無の世界に生命は不要。
無意味な抗争は、破滅のときこそ価値のあるもの……。
さよなら……希望という名の幻想を抱いて、消え失せなさい。

ドォーン！！

芽衣
！？

ドゴォォン！！

芽衣
……ちっ、ズレたか。

芽衣
愚か者がまた一人……。
ザ、ザザ……。
エネルギーが……今日はここまでにしておきましょう。
どれだけ足掻こうと、最後に待ち受けているのは破滅だけ。今のうちにせいぜい束の間の光を味わいなさい……。

ゼーレ
ゲホッゲホ！この威力……何が起こったの！？

ブローニャ
みなさん大丈夫ですか？ゲホッ……！動ける者は周囲の状況を確認してください！負傷者を見つけたら、広いところに運んで！

エミザ
電力系統がやられた……真っ暗で何も見えない。おーい！生きてるやつは声を上げろ！

イザーリン
ううう……怖い……さっきの攻撃は何なの！？崩壊生物ができるレベルのものじゃないでしょ？

姫子
律者よ。

イザーリン
り、律者ぁ！？

姫子
芽衣のヤツ……その気になればME社を廃墟にできたのに、なぜわざと外したの？私たちを弄んでるの？

ブローニャ
考えている暇はありません、負傷者の救護を最優先しましょう！これだけ大きな衝撃を受けたら、いくらME社でも倒壊するかもしれません。直ちにここから撤退しないと！

イザーリン
じゃあ……工場の製造ラインはどうなるの？

ブローニャ
今はそれどころではありません！まずはみなさんの安全を確保しないと！

ゼーレ
ん？あれ？……ちょっと、どうしたの！？目を覚まして！

ブローニャ
ゼーレ、どうしたんです？

ゼーレ
九霄……九霄が……。

ブローニャ
誰か！救援に来てください、早く！

ゼーレ
ちょっと！しっかりしなさいよ！ねえ！！

……。
…………。

……。
…………。
また、ここに戻って来た……。
さっきまでの緊迫した戦闘が、生々しい感触を私の中に残している……それなのに突然世界が静まりかえって、何の音も聞こえなくなって……。
もしかして私死んだの……それとも、またくだらない夢を見てるだけ？
ま、いっか……疲れた……とりあえずひと休みしよう……。

???
眠っちゃだめ。寝ちゃったら、私みたいに二度と目を覚まさなくなるわよ……。

あなた……ようやく目覚めたの？

???
目覚めてなんかいないわ、あんたが眠りについたの……でも、意識をしっかり持ってなさい。でないと、永遠にここに留まることになるわよ。

ここに留まるって……死ぬってこと？

???
死んではいないけど生きてもいない……ここは生と死の境目よ。世界のどこにも存在しない仮想世界。
私が滅ぼしてあんたが創り出した、うたかたの夢……。
私が……創り出した？

???
今のあんたには理解できないでしょう。でも、いつか全ての意味が分かるときが来るわ……一つの世代の悲哀と……二人の恋を。

うぅ、何もわからない……頭の中に白いモヤが掛かったようで、それを取り払うこともできない。自分が誰で、どうしてここに来たのか……何も……何もわからない。
あなたは、ここにどのくらいいるの？教えてくれる？

???
……分からないわ。ここではそんな質問に意味なんてないし、答える必要もない。

じゃあ、ここで何を待ってるの？

???
待ってる？もう、そんなことしても手遅れ……贖罪にせよ、許しにせよ、すべては無意味なものになってしまった。
世代が移り変わってからはもう遡れない……そこは過去に残された記号にすぎない場所。それに納得できていないのは、まだ生きていると錯覚しているあの人たちだけ……。
今の私の望みはただ一つ……永遠に彼女に寄り添って永眠すること……ただそれだけ。

彼女って誰？芽衣先輩のこと？

???
アハハ、本当に欲張りだね……分からないことはすぐ聞いて、いつも何かをはっきりさせようとする。
もう時間がないわ。彼女は間もなく戻ってくる……あんたは元の居場所に帰りなさい。

待って……もう少し話を！

???
帰りなさい……でないと、何もかも手遅れになる。

待って……じゃあ、せめてあなたの名前を教えて！

???
私の名は——

キアナ
——キアナ。あんたたちが殺したがっている者よ……。