本当の言葉 - 崩壊学園wiki

この時が、ついに訪れた。
破滅へのカウントダウンが始まり、自然の摂理は最も合理的な形で解釈をされ、最後には文明が終焉へと至る。
この結末は、絶望に満ちたこの世界にとって解放なのかもしれない……だが、どうしてもその答えを受け入れることができない……。
仕方ない……生きることを望むのは、どの生命にもある欲望であり、私たちも例外ではないのだから。
「聖痕空間のリンクを開始……」
——人類は、利己的な生き物だ。
……。

……。
…………。
はやく、戻らないと……。
みんなのために……ここから出るんだ……。
みんなのことを守らないと……。
はやく……ッ！
うぅ……ん……。

ブローニャ
九霄ッ！九霄、どうしましたか！目を覚ましてください！

ブローニャ……。

ブローニャ
良かった……やっと起きたのですね。ゼーレと同じように目を覚まさないのではと思いました……。

イザーリン
ふぅ、やっと起きたのね……九霄、もう2日も気を失ってたのよ。でも、想定よりもだいぶ状態が良いみたいね。

私は……ここはどこ？

イザーリン
ごめんね、エミザがまだ昏睡状態だから、あなたには修理室で寝てもらってるの。ここの方が、私としても対応しやすいしね。

イザーリン
九霄、きっとまだ困惑していると思うけど、今は非常事態だから先に私の質問に答えてくれる？

イザーリン
まず、学園都市での出来事について、覚えてる？

■選択肢
① 姫子が……。
② 全部夢じゃなかったんだ……。

イザーリン
少し覚えているのね……聞きたいことはたくさんあると思うけど、少し状況を説明させてもらうわ。
まず、あなたに関することだけど、ブローニャがあなたを学園都市から連れて戻ってきた時、崩壊による侵食反応が強く出てたの。今のところ大丈夫だけど、崩壊エネルギーはまだあなたの体内に残ってる。
ブローニャの説明では、あなたが侵食を受けた時に意味のわからないことを口走っていたそうよ。まるで、別の意識があなたを操ってたみたいだって。
具体的な原因はまだわかってないけど……私の予想では、おそらくそれはあなたの消えた記憶と——そして、この世界にあった異変と関係してるんだと思う……。

ブローニャ
律者との戦いの後、空にある死斑が再び光を帯びたことは覚えていますか？それと、律者が作り出した巨塔は？そこに律者の二人が消えていったことは覚えていますか？

イザーリン
あなたが崩壊に支配されたのと同時に、この世界の死斑が復活したの。だから、この二つにはきっと何か関係があるんだと思う。
でも、それらのことは一旦置いておきましょう……ここ2日の調査で得た結果が、予想よりもだいぶマズいことになっているの……。
あなたも知っての通り、死斑とは律者が大崩壊を起こした後に、この世界に残した傷跡よ。それらは地球を包み、崩壊エネルギーを至るところにまき散らしてるわ。そして、崩壊エネルギーが拡散されるにつれ、死斑の色は徐々に暗くなっていく。
死斑が再び光を帯び始めたのを見て、その状態を観察してみたところ、地表の崩壊エネルギーを吸収していることがわかったの……つまり、大崩壊の過程が巻き戻されているってわけ。地表にあった崩壊エネルギーが全て死斑に戻れば、おそらく大崩壊が再び発生するわ……。
律者は地表を離れ、死斑の中心へと繋がる巨塔を作ると、その中へと姿を消したわ……大崩壊の発生には律者の力が必要と考えると、これらがすべてを証明しているの。死斑が完全に復活した時、5年前の惨劇が繰り返されるってね……。
もし、そうなれば……もう誰も逃げられない……人類の文明は完全に終わりを迎える。

……。

イザーリン
ごめん、一気に言われてもわけがわからないよね。でも、これが今、私たちの直面している状況なの。大崩壊がいつ発生するのかはわからないけど、地表にある崩壊エネルギーの減衰速度を見ると、おそらくそう先のことではないわ……。

■選択肢
① すべて終わったの？
② 挽回する方法はないの？

ブローニャ
この状況を見ると……確かに希望はありません……。
意識が戻ったばかりなのに、このような話をしてしまいすみません……基地の皆が混乱していて、ブローニャもどうすればいいのかわからないのです……テレサが言ったよう、静かに最後の日を迎えるのが正しい選択なのでしょうか……。

イザーリン
ブローニャ……。

ブローニャ
九霄は、身体を休めることに専念してください……あとのことは何とかします。今までみんなのために戦ってくれたこと、心より感謝します……。

ブローニャ
では、失礼します。

……。

イザーリン
ブローニャもきっと迷ってると思う……今の彼女には、立ち直る時間が必要なの。そうでないと、きっと何もかもうまくいかない。
今は私たち自身の力で、この絶望的な状況をなんとかしないとね……。
残された時間はそう多くないわ。これ以上、迷ってたらきっと何もかも取り返しがつかなくなる……。

イザーリン
九霄。
これから私が言うことは、あなたを驚かせるかもしれない。けど、どうか信じてほしいの。
あなたの命と……この世界の存亡に関わることだから。
九霄……どうして、あなたにこの世界の記憶がないかわかる？

それは、あなたがこの世界の人間じゃないから……。

蓬莱寺九霄。
今、私たちがいる世界は幻でしかないの。ここは、あなたの中にある聖痕が作り出した幻想の世界。
この破滅寸前の長空市は、あなたを束縛する監獄よ。そして、この人類文明もそもそも存在しない。
今、現実世界にいるあなたは死に直面しているの。あなたの身体は、律者のコアに侵食され危険な状態にある。私の目的は、あなたを崩壊の浸蝕から助け出すこと。
これまで、この世界を観測してきたけど、あなたの意識はすでにここと一つになってる。この世界自体が、あなたの身体の生き写しみたいなものなの。
ここは幻であり、現実でもある。この世界が崩壊に侵食され破滅する時、あなたの命もそこで終わりを迎えるの……。
ただ、この世界が終わらない限り、私たちには最後の希望がある。だから、絶対に諦めないでほしい……！

イザーリン
ひとつだけ助かる方法があるの。これは、大崩壊を阻止する唯一の方法でもあるわ。
その成功率は保証できないけど、他に選択肢もない状況よ。
できれば協力してほしい……この世界に変革をもたらすだけでなく、あなたのためでもあるから。

イザーリン
あっ……一気に言われても混乱するわね、ごめんなさい。
今日はひとまずゆっくり休んで……明日の朝、ME社の外で待ってるから。決心がついたら、私のところに来てほしい……。