25 荒地 - 崩壊学園wiki

時雨綺羅
キアナ、着いたわよ。うん、ここで間違いないわ。
勝手に散策なんかしたらどうなっても知らないわよ。

キアナ
ここ？なんにもないじゃない。

時雨綺羅
そうよ、ここにはなにもない。最後の爆発で廃墟になったからね。
キアナが、この戦いのおそろしさを知ったら、ヴァルキリーになりたいって気持ちが挫けてしまうかもしれないって思ったけど、今は知る必要があると思うの。
ここは、セシリア様と第二律者が激しい戦いを繰り広げた場所よ。当時の私は、第二律者の手下の竜と戦ってて助けに行くことができなかった。他の隊員は戦いの最中に第二律者の攻撃で殺された。
私たちは本部からの支援を待っていたわ。だけど、待ち受けていたのは……。

キアナ
待ち受けていたのは？

それは……。
……。
第二律者が全ての力を注いで生み出した崩壊エネルギーによる爆発攻撃よ。私たち雪狼狙撃隊が力を尽くしても倒せなかった。疲れきっているところを見て、躊躇することなく攻撃してきたわ。
爆発した炎の中で私の意識は徐々に暗闇の中へ落ちていった。私は第二律者に致命的な攻撃を与えることはできなかった。
意識が朦朧とした状態の中で、セシリア様と誰かが話している声がぼんやりと聞こえたの。なにを話していたのかはわからないわ。
次に気がついた時、私は天命にいた。生き残ったのは私とセシリア様だけだった。

キアナ
ママの奇跡かな？第二律者を倒した時の戦いが、そんなに悲惨なものだったとは思いもしなかったわ……。

時雨綺羅
セシリア様は、そんな絶望的な状況で私を守ってくれた。だから、強さとは守れることって言葉を聞いた時、必ずここへ連れてきて見せておかないとって思ったのよ。
この場所に残された傷跡や、私という存在がセシリア様の強大な力で守ったという証よ。
だから、キアナが目指すのは単にS級ヴァルキリーになることだけじゃない。わかるわね？

キアナ
そっか……S級ヴァルキリーになるだけじゃ足りないのね。ママみたいに最強にならないといけない……。

時雨綺羅
全てのヴァルキリーを超え、セシリア様でさえ超えるくらいじゃないと……足りないわ。そうしないと、多くの人を救えないわ。

キアナ
できることなら、最強のヴァルキリーになりたいよ！でも、綺羅姉さんの話を聞いてもどうすればいいのかはわからないの……だって、私はS級ヴァルキリーですらないんだから……。

時雨綺羅
ひとつ目標を立てるといいかもしれないわ。そうね……まず始めに、S級ヴァルキリーである時雨綺羅を倒すっていうのはどう？

キアナ
倒すって……綺羅姉さんを？

時雨綺羅
そう。それが、今回の特別な任務の内容よ。S級ヴァルキリーと全力で戦うこと。そうすれば、キアナ自身足りない部分を知ることができるわ。

キアナ
すでに私が勝ちましたーみたいに言わないでよ！じゃあ、私が綺羅姉さんに勝ったらS級ヴァルキリーを名乗れるってことね！
キアナ、いっきまーす！

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