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零下の檻」(2006/04/02 (日) 21:07:29) の最新版変更点

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始業式も終わり、今日から初授業である。 しかし。 真紅「……なぜ四月に吹雪いてるの?」 水銀燈「前が見えないわぁ……」 2人は道路の真ん中で立ち往生していた。 急な寒波で雪が降り出し、あっという間に吹雪いてしまったのだ。 「……はい、申し訳ありません……え?今日は閉鎖?……わかりました。  一応雪が止み次第、日直で出勤しますわ。それでは。  ……水銀燈、どうやら遅刻にはならないのだわ」 「……ん?学級閉鎖ですってぇ?丁度いいじゃない。そのまま帰りましょお?」 「帰ることができたら帰りなさい。絶対に無理だわ」 もう既に雪は膝元くらいまで積もっている。 ……数時間経過。雪はもはや腰まで積もっている。 「……何よ何よ何よ、こんな缶詰、つまんなぁい」 水銀燈が言うのも無理はない。 ラジオは気象情報ばかり、エアコンもこの状態では役に立たない。 「ねぇ真紅、あなたのほうはどうなのよ?」 お互いやる事もなくやれる事もなく、事あるごとに電話で連絡をしあってた2人。 しかし。 「真紅?ねえ真紅?」 急に電話が通じなくなった。 「ちょっと真紅ぅ?あんたもしかして電話の電池が切れたの?」 ふと前の車両……真紅の車を見ると。 さっきまで見えていた真紅の頭が見えない。 「ちょっと真紅ぅ!あんたまさかこんな中で寝ちゃったんじゃ……真紅!」 あわてて外に出ようとする水銀燈。しかし、 「あぁもう!この雪邪魔ぁ!」 積もり積もった雪が扉をさえぎってしまっているではないか。 こんなことならランボルギーニ・ディアブロにすればよかった!そう思っても後の祭り。 「…・・・そうよ、雪華綺晶に連絡すればいいじゃなぁい?私って頭いいわぁ。  ……もしもしぃ、雪華綺晶?……かくかくじかじかなでぇ……」 しかし。 「三十分?もう少し早くなんないのぉ?」 既に他の教員や生徒の救出作業に従事しているらしく、早くてもあとそれくらいかかるという。 ……。 「ま、まぁ、あのお馬鹿さんがこのまま逝っちゃっても、口うるさいのが減るだけかしらぁ?  胸がどうとかいわれなくてすむしぃ、くんくんグッズのライバルは減るしぃ……」 そう一人ごちた数瞬後。 「ああもう!この窓狭いじゃないの!」 なんと車の窓を開け、そこから車外に出ようとするではないか! 「うううううううう!!寒い!寒い寒…・・・じゃなくてぇ!」 思わず車に戻りそうになるが、すぐに思い直して必死に脱出を試みる水銀燈。 「真紅だったら、こんな窓でも十分通れるでしょうけどぉ・・・・・・」 胸が窓に閊えて数分の苦闘の末、何とか脱出した。 そのまま真紅の車まで雪を掻き分け寄ると。 「ああもう!真紅!真紅!返事なさい!真紅っ!」 ドアをしきりに叩く水銀燈。 すると? 「(ウィーン)あら水銀燈?そんなに雪まみれでどうしたの?」 普通に窓から顔を出した真紅。 「……あ、あれ?真紅あなた、気を失ってたんじゃ……ない……の?」 ふと車内を見ると。 持参していたらしい毛布に包まって、ポットからの紅茶を片手に、 携帯電話のTV機能で「くんくん探偵」の再放送を見ていたらしい真紅の姿があった。 とても快適そうである。 「まったく。あなたの様な常識知らずのせいで折角の  くんくんの推理のシーンを見逃してしまうのだわ」 ……。 真紅がTV画面に視線を移した直後。 「こ~の~!馬鹿真紅!!」 両手いっぱいの雪玉を車の中に放り込んだ。 そして数十分後。 雪華綺晶のヘリが救援に駆けつけたとき、 雪合戦と吹雪の影響でお互い真っ白な雪ダルマになった2人がいた。 翌日、二人は仲良く?風邪を引いた。

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