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 事故の補償を過失責任主義だけで行うと、学校現場では非教育的な要素が入ってくる。学校側は責任を問われると賠償責任が生じるから、過失はなかった、過失は生徒にあると主張することになりがちである。
 一方被害者たる生徒は学校の過失を証明しないと賠償されないから、学校を追求することになる。事実として明らかな過失がある場合は別として、あいまいな場合が多いし、補償を得るために人間関係を壊す議論をしなければならないのは、不合理であろう。更にそうした問題を回避たるために、教育活動そのものが消極的になる危険性も指摘した。それに対しては、基本的に「無過失責任主義」に基づいた補償制度が必要となる。
 無過失責任主義の制度は保険のように掛け金を支払うことが前提となる。それが税金であろうと、独自の掛け金制度であろうと、過失責任のような財源とは異なるシステムが必要となる。
 「学校災害から子どもを守る全国連絡会」という組織があり、次のような活動をしている。

 ① 全国学災連の目的には、教育条件整備と被災者救済という2つの柱があります。
 (会則第1条) 
   a. 子どもを学校災害から守り発達成長権を保障する教育条件の整備確立をめざします。 
 b. 不幸にして学校災害にあった場合は、国及び自治体など設置者の責任で、完全な救済がなされるよう、無過失責任制を内容とする「学校災害補償法」の制定をめざします。 
  
 ② 主な事業 
   a. 子どもの発達成長権の保障と学校教育における安全性を求める調査研究、またその実現をはかるために、国や自治体などに働きかけること。 
 b. 無過失責任制による「学校災害補償法」を制定するよう、国や自治体に働きかけること。 
 c. 学校災害被災者の交流をすすめ、学校災害の実情を社会に広め支援を訴えていくこと。 
 d. 学校災害による被災者の相談活動を研究者弁護士などと連携して行うこと。 
 e. 学校災害の真相究明、再発防止などを求め、シンポジュームや研究会や学習会を開くこと。 69)http://www.geocities.jp/gakusairen/gakusairentoha.html

 この会の認識は無過失責任主義に基づく災害補償制度でなければ、過失責任を追求するという非教育的な要素を持たざるをえず、また十分な災害補償ができなくなるという点にある。
 では現在無過失責任主義による補償制度はないのだろうか。以前「学校安全会」と言われた組織が、現在では、「日本体育・学校健康センター」となって存在している。しかし、そうした組織による補償はほとんどが治療費に関する健康保険支払い部分の補填に過ぎない。死亡補償や後遺症に対する補償は極めて不十分である。給付状況は以下の通りである。70)http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h15zenbun/html/table/tb010214.htm



 また県単位での安全会が存在するところもある。
 例えば愛知の場合は次のような支給が行われている。

 治療・見舞金  日本体育・学校健康センターの支給金額の20%の金額(同一傷病で支給額       が1万円以上のものについて) 
 障害見舞金   日本体育・学校健康センターの定める障害見舞金の額の3分の2の額 
 死亡見舞金   日本体育・学校健康センターの定める死亡見舞金の額の3分の2の額 
 香料      5万円 これは学校管理下のみならず本会に加入の児童生徒の死亡の場合、       すべてに支給 71)http://www.aichikoupren.org/aichi_08_right.htm
最終更新:2008年07月25日 21:38