欧米では、以前から深刻な問題であるが、日本でも徐々に問題になりつつあるのが、教師に対する暴力とその補償である。日本では、教師への暴力は昔からあったが、教師が生徒に対して補償を求めることはほとんどなかった。しかし、教師への賠償が問題となる事例もでてきている。また学校側が生徒を告訴して、警察によって教え子が逮捕されるという事態も増えてきた。
少年記録の開示、採否持ち越し 黒磯北中教諭刺殺事件訴訟 /栃木
黒磯市立黒磯北中で腰塚佳代子教諭(当時二六)が男子生徒(一四)にナイフ
で刺され死亡したのは、市の安全配慮と両親の監督が足りなかったからだとして
、腰塚教諭の夫(二八)ら遺族が黒磯市と生徒を相手取った損害賠償訴訟の第二
回口頭弁論が六日、宇都宮地裁(羽田弘裁判長)であった。少年記録の開示を求
めた原告側の送付嘱託申し立てについて、同地裁は「近日中に結論を出す」とし
、採否は持ち越しとなった。
羽田裁判長が、事件発生の有無は被告側も認めていると、送付嘱託を求める理
由について質問し、原告側弁護士は「事件は報道などで知りえる限り。不明の事
実がたくさんあるはず」と、申し立てした全文書の開示の必要性を強調した。*38)朝日新聞 99/10/07
教師が生徒によって暴行された主な事件をあげておく。
◇教師が生徒の暴行を受け負傷・死亡した主な事件
1981・ 3 東京都葛飾区内の中学校で、授業中ラジカセをかけていた生
徒らが、注意した教師に頭突きなど。6カ月の重傷。
1983・ 6 島根県川本町で県立高校2年生が喫煙を注意した教師を文化
包丁で刺し、自殺をはかる。教師は3週間のけが。生徒は殺
人未遂の疑いで逮捕。
1983・10 北九州市の市立中学校の生徒相談室で、3年生が、非行を注
意した教頭を果物ナイフで刺し、殺人未遂の疑いで現行犯逮
捕。
1985・ 1 青森県七戸町の町立中学校で、泥酔した3年生が注意した教
師をけり、死亡させる。校内暴力で教師が初めて死亡。傷害
の疑いで逮捕し、傷害致死容疑で追送検。
1988・ 3 東京都新宿区の路上で家庭訪問の教師を中学2年生が刺し殺
す。生徒は殺人の疑いで逮捕。
1989・ 5 横浜市の市立中学校で、3年生がさぼりを注意した教師をノ
ミで刺し、傷害の疑いで現行犯逮捕。教師は1、2週間のけ
が。
1991・ 7 岩手県の県立高校で3年生が教師の腹をける。教師は2カ月
後に死亡。
1992・11 福島県会津若松市立の中学校で、3年生が教師を登山ナイフ
で刺し、1カ月のけが。生徒は殺人未遂の疑いで緊急逮捕。*39)朝日新聞 99/10/07
警察庁によると、中学生が校内で教師を殺害したとして補導された事件は、過去に例がない。そして、文部省の調査によると、一九九六年度に生徒が教師に暴力をふるったケースは公立中学校五百九十五校で千三百十六件発生。千四百三十一人の生徒が千四百二人の教師に暴力をふるっていた。発生件数は前年度比で約五割増えている。
Q 生徒による対教師暴力について、学校側が生徒を警察に逮捕させるということについて、どのように考えるか。
最終更新:2008年08月04日 21:36