欧米では、教育行政は地方自治の権限事項であって、国レベルの機能は極めて限定的である。実際に、ヨーロッパでは、多くの国で、文部省が設置されたのは、1960年代のことだった。それまでは、国会で総論的な立法がなされることはあったが、最終的な決定は地方に任されていたのである。
実は文部省の権限も、地方に対しては、「指導助言」の権限をもっているだけで、監督することは認められていない。しかし、実質的に、文部省が立案することは、審議会で合意され、国会で承認されて、地方に強い圧力をもって実施が迫られる。また、国会での審議事項にならないことでも、通達という形で実質的に行政意志が強い圧力で実現を迫るのも度々である。
教育と政治の関わり方は、次章で詳しく扱うが、そもそも教育は政治と独立するべきである、つまり、代議制による多数決にはなじまないとする考え方と、社会のシステムである以上、民主主義的なルールに基づいて教育のあり方を決めていく必要があるとする考え方がある。
前者の議論は、教育を三権分立から更に独立させる「第四権」とする考えかたと、地方に教育をゆだねるという論がある。
最終更新:2008年08月04日 21:50