アットウィキロゴ
 三日目。
 金髪ロリお嬢様との生活二日目
 今日は、休戦日とした。
 正直な話、昨日の夜の何やらで萎えと言うか、俺の中にあった良心が水を得た魚並に暴れだしてしまい、しばらくはとても、彼女に手を付けられる心情じゃなかった。
 俺は、何をするでも無く、自室であると思われる広めの部屋でただ、じっと本などを読んで過ごす。
 意外な事に、ルーミアも同じ部屋で本棚から持ち出した分厚い辞典の様な本を読んでいた。
 俺には理解出来ない、したくもない難解な本であるのは事実だが、成る程彼女は学も深いらしい。
 それ相応の頭と気品があってのプライドの高さ、という事だろうか。
 そんな感じに、昼間の出来事に特筆事項は無い。
 そうは言っても何かあるだろう……と思われるかもしれないが、本当に何も無い。
 強いて言えば、ルーミアはやはり可愛い幼女であったという事ぐらいだ。
 見た目としては、十代の前半も前半にしか見えない。



 さて、午後は買出しに行く事になった。
 食料品が尽き掛けていたからだ。
 玄関の鍵は閉め、とりあえず一言だけルーミアに声を掛ける。
 下手に脱走もしようとしなかったし、諦めているのか、満更でもないのか……絶対前者だな、うん。
 買った物は、向こう一週間は持つであろう食料品(彼女は見た目に反して良く食べるので、普通に大人二人分で考えて)、食器やら、風呂やらの為の洗剤類。
 そして、一番の目玉商品。
 香霖堂という雑貨屋の様な、道具屋の様な、胡散臭い店で手に入れたビデオカメラ。
 どういう訳か、流れ着いてしまったらしい。
 俺がこの素敵アイテムを見た瞬間、変態的思考回路が変態的結論を導き出してしまった。
 これで彼女とのあんな事やそんな事を撮影して、売れば金稼げるんじゃね?、と。
 悲しい事に屋敷に金は一銭も無く、俺の財布に入ったわずかばかりの金が全財産。
 それもルーミアの為に使ってしまい、今日の出費で底は見えて来た。
 このままでは、真剣に人間として最低限の生活をする事も出来ない。
 何とかして、金を稼ぐ必要があるのだ。
 かなり汚い、どれぐらい汚いって忍者ぐらい汚いが、俺は空蝉なんて使えない。
 恐らく、この世界の文明レベルなら、ビデオカメラなんて一括の妖怪が用途や諸々を知っている筈も無い。
 盗撮気味にセット、そのままやる事やって、それとなく持ち帰ってしまえば、完全犯罪の成功だ。
 ……そこまで、上手く行くのか?
 ちなみにテープの問題だが、香霖堂でたんまりあったので五本まとめ買いしておいた。
 ――香霖堂、いったいどんな店なんだ?実は店主、あんた相当この業界に精通してるんじゃないのか?
「ぎくっ」
 …………俺は、何も聞いていないし、見ていない。
 これは事実だ。
 そして、最後に店主はこう言った。
「良いのが撮れる事を楽しみにしているよ」
 ああ、最高の幼女ものを撮って来るから、良いオカズにしてくれ。
 ただし、言い値で買い取ってもらおう。



 取らぬ狸のアレをしつつ、家に帰宅。
 ザスッ
 ざんねん!おれのじんせいはおわってしまった!



    コンティニュー?

 rアやるます!  もういいや


「ちっ」
 大き過ぎる舌打ち。隠す気無いよね、それ。
 明らかに心臓に向けて投げられたナイフが、薄い服に弾かれて床に墜落する。
 しかし、これどういう原理なんだ?
 確かに、尖っているナイフの筈なのだが、切っ先に触っても痛みなんてものがまるでない。
「……どういう原理なのよ」
 俺も知りたい、誰かおせーてくれよ。
「まあ、今週生きるだけの食料を買って来たんだ。……それか、俺の料理はやっぱり嫌か?」
「私が作ったら、確実にあなたより上手いわ」
 被せる様に言ってくれるなぁ、男の身とはいえ、結構ショックだぞ、それ。
「砂糖とヒ素を間違えて入れたりしないよな?」
 こっちに来る前に読んだ本の受け売り。
「この屋敷では、砂糖とヒ素が同じ入れ物に入っているのかしら?」
 俺だったら、本気で取り違いかねない。
 絶対にそんな事はしませんわ。
「女の子の手料理が食えるなら、悪い話じゃないけど……すっかり、メイドさんか何かだな」
 正直、溶け込み過ぎてないか?この娘。
 まだ知り合って二日なのに、手料理作るとか言い出す?普通?
 一発逆転の何かを用意しているのか、虚勢を張っても無駄だと達観しているのか、実は何も考えていないのか……一番最後は無さそうな気はするが。
「包丁に、熱いお湯。醤油や塩も上手くやれば、凶器になりそうね?胡椒は強盗にも使えるらしいし」
 ああ、さいですか。
 うん、ですよね。そんな上手い話は無い。
「済まないが、不味い飯を食べててもらえるかな?」
 正直、一番残念なのは俺だ。
「まあ、上手い話はそう転がっていないという事よ」
 ですね、よくわかりました。
 さすが、人生の先輩だ。
 俺の甘い希望を打ち砕き、その上で妙なトラウマチックなものまで残してくれる。
 絶対、幼女恐怖症に成り掛けてるぞ、俺。



 その日はそのまま、不味い飯を食って休んだ。
 ああ、でもこの煮物。
 若者が作るにしては、醤油とか砂糖の分量も良い感じだと思うし、決して不味くは無いと思うぞ?
 舌が肥えている幼女様が気に入るのは、一流料亭の味だけなのか?
 君は海原さん家の子ですか?何時か、ツンデレてくれるのですか?
 と言うか、金髪でサドっ気もあって、お嬢様な女がツンデレでなかったら、俺は発狂しますよ?
 ギャルゲー、エロゲーにおいてそれは常識でしょう?
 ほら、最近だとエリーが正にそんなポジションだ。
 ああ、エリールートは良かったなぁ。
 よっぴーの為の通過点とか言う奴も居るが、そういう奴はフルボッコだ。
 最近、正統派金髪ツンデレお嬢様なんて貴重なんだぞ?
 ……早速、矛盾が発声した気がするけど。





最終更新:2009年09月22日 22:11