【名前】塵芥誠(ちりあくた まこと)
【性別】男
【所属】科学
【能力】能力開発は受けていない
【概要】
唱和園高校の校長先生。独身で年齢は50代後半。十数年前から語り継がれ、今なお『唱和園の七不思議』の1つに数えられている“生きる都市伝説”『童怪(どうけ)』の張本人であるワニ眼蒐集家。
趣味は骨董品の蒐集、登山、写真撮影など。少年期は素行が非常に悪い不良少年だったが、ある日購入した雑誌に掲載されていた広大な山々や、麓で暮らす子供達の生命力に満ち溢れた笑顔に感銘を受けて己の生活態度を改めるようになる。
後に教育者となったのも、趣味に登山や写真撮影を持つようになったのもこれが契機となっている。スピリチュアル溢れる山々に登る事で心が洗われるような感覚が堪らなく好き。教師生活が忙しくなった30代以降は学園都市を出て登山に出向かなくなったが、これでも七大陸最高峰到達者の1人である。
金運や恋愛運など大抵の運が悪い代わりに悪運だけは途轍もなく強いという変わった強運の持ち主。そういう星の下に生まれたとしか言えない。例えば登山中に幾度も滑落した経験を持っているがどれも無傷、あるいは軽傷で済んでいる。
性格は良い意味でも悪い意味でも子供っぽい。子供目線で物事を考えられる珍しい大人である一方、売られた喧嘩は子供相手であっても買って何倍にもして叩き返すのが礼儀と心得る。
最近は活躍目覚しい新聞部に所属する
日向野探里から都市伝説発祥の学校の校長として再三取材を受けており、彼女の余りのしつこさにブチ切れた…わけでは無く日向野が見せる余りのブレブレ写真の数々にブチ切れて、何時の間にか彼女と写真勝負にもつれ込んで唱和園高校内を物色した挙句、副部長の
篠噛僕等や風紀委員唱和園支部のトップ
此岸端渚に「大人気なさ過ぎる」と説教を食らう羽目になった。
唱和園高校に巣食う四体の魔獣『
四霊装獣』の依り代である骨董品をこの地へ持ち込んだ当人でもある塵芥は、唱和園一帯を覆う『創作魔法陣』の【鍵】でもある。
より正確には、主に日本や中国各地で骨董品を捜し歩く塵芥が持つ『魂を吸い取る』と噂された古びたカメラと都市伝説で有名なフリーメイソン製ハンターケース付き機械式懐中時計が【鍵】となっている。
これ等は依り代である霊装を備品庫へ持ち込んだ時に身に付けていて、尚且つ『創作魔法陣』発動後備品庫から持ち出した骨董品であった。
今は強力な『神隠し』で存在そのものが消失してしまっている備品庫に『四霊装獣』以外が辿り着く為には“逢う魔が時”…つまり18時から5分経つまで(これは侵入時限定。脱出は何時でもできる)の間にケースを開けた状態の懐中時計を所持する塵芥が、備品庫が存在した場所に向かってカメラ撮影を行う事で『神隠し』が10秒間解除される。
【鍵】を使えるのは18時から翌18時の間に2回まで。すなわち通常想定される1日の使用回数は侵入と脱出に宛がわれる2回限り。侵入時に2度使うと次の18時が到来するまで脱出できないどころか人々の記憶から存在が消去されてしまう。
【鍵】の所有者である塵芥自身備品庫の存在を忘却してしまっているが、【鍵】の所有者である為か「ここに部屋無かったっけ?」という違和感のようなものは感じている。
『童怪』の始まりは、塵芥が撮影する写真に出てくる心霊現象。写真撮影が趣味の塵芥は、学園都市の大型イベント大覇星祭・一端覧祭などで学校が写真撮影を公式依頼するカメラマンとは別に自ら率先して写真を撮っていた。
後に公式写真と共に現像され、廊下の壁などに張り出された様々な写真を生徒が眺める中で、当の生徒達が気付き一気に唱和園に流行したのが『写真の片隅に映る、とても楽しそうにはしゃぐ見知らぬ白塗りの子供達』。
科学調査をしても改竄の痕跡は出なかったものの、学校側として誰が撮影したものかどうかくらいはわかる。それでも、生徒達の多くは心霊写真を欲しがったのでそのまま販売を行った。また、公に誰が撮影したものかは発表していない。
それから十数年経ってもいずれかの写真に映る、「まるで本当に生きているように見える」白塗りの心霊現象が何時しか“生きる都市伝説”として『唱和園の七不思議』の1つに数えられるようになった。
言うまでも無く、これ等は全て塵芥が撮影した写真で発生する心霊現象。彼の転機となった雑誌に映っていた子供達をモデルとした心霊写真。しかし、撮影者である塵芥だけはそれを認識する事ができない。
実は『四霊装獣』の一体である
獏の仕業で、塵芥が見た『夢』を正夢にした結果が『童怪』である。塵芥が見た『夢』を簡単に纏めると、「生命力溢れる活き活きとした子供達を自分の手で撮影しようと思ったら何故か心霊写真だった。私は知らないぞ!これなら私が小童に戻って自撮りした方が良い!」である。
そんな『夢』を正夢にされてしまったせいで、約10年という年月を経て毛根の質や肌年齢(つまり外見)などが少年期の頃のものに復活してしまった。『創作魔法陣』の外へ出ると効果が一定度衰退してしまうが、再び『創作魔法陣』内に入ると効果が復活する。学園都市の外へ出ると即時効果が消滅する。
丁度その頃、登山などの苛酷な環境下に身を置く影響で肌が荒れてしまう事を気に掛けた塵芥は学園都市が誇るアンチエイジングに通い始めたタイミングだった。
よって、獏の『胡乱捕喰』による『正夢』をアンチエイジング効果と勘違い(=結果的には一緒くたにしてしまった)した本人的にはアンチエイジング効果すげぇーと最初は喜んでいたのだが、外見が10代となった今になってはアンチエイジング効果こえぇーに落ち着いた。喜べるのは、30代から禿げ初めていた髪が再びフサフサになった事くらいである。
『四霊装獣』からすれば塵芥は自分達の命の恩人の為、子供っぽい性格のせいか全くもって尊敬されていない代わりに何かと世話を焼かれる。
塵芥が普段から運が悪い事や子供と見間違われる容貌も相俟って、その姿は我が子の教育に四苦八苦する親のようなもの。『四霊装獣』の秘かな世話焼きによって、大概もっと大変な目に塵芥が遭っているのはここだけの話。
【特徴】
150センチちょっとの体格は小学生と見間違われてもおかしくない。全体的に童顔だがその中に2つ存在するワニ眼が最も特徴的。艶のあるフサフサの黒髪で、後ろに伸びた髪を輪ゴムで1つに纏めている。
50代後半だが、体力は登山活動停止以前から日課のように行っている筋トレの甲斐もあって同年代の平均と比べるとかなりある。運動能力も高い。背が低いので、全校集会などで壇上にて生徒達へ向けて話す際は少しでも背を高く見せる為に踏み台に乗る。
唱和園周辺に建てた家の中は骨董品で溢れ返っている。片付けができない性分だが、どうしても大事にしたいものはちゃんと保管してある。【鍵】であるカメラは通常家に保管、懐中時計は肌身離さず所持している。
職業柄唱和園高校を出入りするので、よく唱和園高校生に間違われる。この前は『唱和園の七不思議』の1つ『
闘技場の白雪姫(アリーナ・マルガレーテ)』の本物と遭遇し、ジャーマン・スープレックスを食らって気絶させられた。
悪運が強い事に殆ど無傷で終わった塵芥だが、彼女にジャーマン・スープレックスを食らうとモテ期が到来する噂は知っていたので内心ではウキウキしているが、今のところ兆候さえ全く見られない。余程悪運以外の運が悪いのかもしれない。
近頃では『唱和園の七不思議』の1つである『童怪』を、心霊写真現象と塵芥誠のアンチエイジング軌跡のダブル・ミーニング化する動きが唱和園高校生の一部であるとかないとか。
【台詞】一人称「私」。50代後半なのに声質は変声期を過ぎていない子供特有の甲高い声色。
「もう40年以上前の写真か…。わざわざ切り抜いて保存しているところからして、これが私にとってどれだけ大事な物かがわかるな」
「なぁ日向野君。このブレッブレの写真の数々は私へ喧嘩を売っていると解釈していいんだね?いや、これは最早ブレるという段階を超越した一種の芸術写真へと昇華している……んなわけあるか!!」
「都市伝説を追い掛けるか!大いに結構!都市伝説を食い止める!それもまた良い!物事へ単純な善悪を押し付けるだけではいかん。大事なのは物事に潜む『性質』だ。そして、その『性質』に合った行動を取れるよう己の見極める眼を養いたまえ若人よ。まぁ、私のようなワニ眼になるのはオススメしないがね」
「やはり私には心霊など見えん。我が校であれば心霊写真の1つや2つあってもおかしくないとは思うのだがねぇ。本来であれば販売できる代物では無いのだろうが、そこは我が校特有の体質なのかな。いやはや、今時の若人は逞しいねぇ」
「おかしいなぁ。『闘技場の白雪姫』にジャーマン・スープレックスされたのに、何時まで経ってもモテ期が来ない。あれは偽物だったのか?はぁ、私の独身生活はまだまだ続きそうだ」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2015年12月02日 23:51