【名前】獏(ばく)
【性別】不明
【所属】魔術/科学
【能力】『胡乱捕喰』
【能力説明】
数多の『夢』を支配する魔術。夢を見る全ての生物の様々な夢(吉夢・悪夢・凶夢・正夢…etc)にその姿を現し、夢の内容を書き換えるのは勿論の事その内容を捕喰する事で夢を無かった事にしたり『正夢』にする事ができる。全体的な効果範囲は学園都市内に収まる規模だが、『創作魔法陣』内の方が本来の効果を発揮する。
獏が定義する『夢』とは、簡潔に言えば『あやふや』である。生物が見る胡乱な夢を筆頭に空想・伝承・神話など確たる証拠・証明が存在しないあやふやな物事を喰らい、実在させる魔術こそが『胡乱捕喰』の真価であり、『四霊装獣』もこの魔術で現世に顕現する事ができている。
こう書けば反則的な能力だと思ってしまうかもしれないが、やはりそこは制約が存在する。まず、獏が書き換えた『夢』を『正夢』にする事はできないので獏の思う通りにはならない(これは獏本人が見る予知夢以外の『夢』も該当する。何故か獏が見る『夢』は獏が望むような『夢』には絶対にならない)。
次に、『夢』を支配する事はできても『正夢』にする事で現世へ顕現した『元』あやふやを獏が支配する事はできない(術式の解除はできる)。
そして、『正夢』にする為には元となる『夢』が必要であり生物が見る夢は全て生物次第というまさしく他人任せ、空想・伝承・神話の場合は元となる霊装や術式に魔術的記号などが必要となってくる。
唱和園高校に縛り付けられた現在では生物が見る夢はまだしも空想・伝承・神話の『正夢』化は不可能に等しい。仮に生物が見る夢を『正夢』にするにしても、獏が行える魔術の中で夢の『正夢』化が一番魔力を消費する事が一番のネックである。
現段階だけでも魔獣達の『正夢』化に創作魔法陣への魔力供給が加わって獏の魔力消費は結構なものとなっている。生物の見る夢で描かれている規模が魔力消費量に直結する性質上、体が限界を迎えようとしている獏は自身の余力をちゃんと計算した上で『正夢』の規模や精度をコントロールする必要がある。
逆に言えば、『あやふや』に敏感な獏は相手の術式を極短時間で逆算し、敵対する魔術師がどのような魔術を使用しているのか持ち得る知識内限定で速攻解明する事ができる。
また、他の特性として1日ごとを基準とし最大で3日先までの未来を知る事ができる予知夢を目に映し捕喰する事で予知した内容を無にする事ができる(一度捕喰した日を再び予知したり喰らったりする事は不可能)、生命力となる夢や都市伝説などを捕喰する代わりに喰らった生物の縁を豊かにしたり疫病を防ぐ、
夢と夢の間に『虹見の路(みち)』を繋げて唱和園高校に縛り付けられている獏の代わりとして獏の意思を宿す【余り物】を生物の夢に忍ばせ交信する(当然だが、獏が【余り物】を“仕掛けられる”のは『創作魔法陣』の効果範囲で夢を見た者限定。一度仕掛ければ、当該生物が『創作魔法陣』の効果範囲を脱しても学園都市内にいる限り交信可能である)等がある。
【概要】
唱和園高校に巣食う四体の魔獣『四霊装獣』の存在を成す魔術の持ち主。とある魔術結社に所属する四人の魔術師の内の1人が作り出した魔術生命体の一体。
獏を作り上げた女性魔術師は、自らの容貌の醜悪さに酷く嫌悪感を抱いていた。そんな彼女が魔術生命体として選んだのが、大昔に神が【余り物】で創造したとされる獏であった。
女性魔術師は獏作成に全ての情熱を注いでいた。夢の世界であれば、【余り物】で創造された獏でも絶世の美女に、何にだってなれる。
自らの醜悪な容貌を変えようとは今更思わない。天が与えた己という醜悪な肉体と、天が【余り物】で作り上げた獏に共感を抱いた女性魔術師は、獏を『【余り物】であってもそれは獏の一部となり得る』という解釈も付け加えながら製作作業に没頭し、試行錯誤を経て遂に魔獣獏を作り上げた。
我が子というものを持たない彼女が、もしかしたら我が子以上に愛情を注いだ獏を守る為に、麒麟達他の『四霊装獣』と共に獏を逃走させる時間を作るべく敵対する魔術結社へ単身突入し戦死する。
獏の性格は一言で言えば悪女。性格はお世辞にも良いとは言えず、生意気で気分屋。人を誑かし、唆し、自分が操る盤上の駒として転げ回る姿に快感を覚える。
しかし、相手が精神的もしくは肉体的に苦難に満ちているのであれば話は別。『夢』の支配者たる獏は苦難のどん底に堕とされた人間へ手を差し伸べ、獏が思う“救い”を与える。それが、手を差し伸べられた人間にとって本当に“救い”になるかどうかは別にして。

唱和園高校では、基本的にそこら中に溢れる都市伝説の中から廃れそうなのをピックアップして捕喰している。これは予期できない『神隠し』の発生確率を可能な限り抑える為でもある。
都市伝説に右往左往する人間達の言動は獏にとって極上の暇潰しらしく、そこに人間が抱える醜悪さが潜んでいると獏は見做している。
故に、都市伝説の着火装置としてあらゆる陰謀を張り巡らせる七種臥鳶達が行っている『都市伝説の淘汰(レジェンドセレクター)』に対しては相当興味を持っている。
それは、七種の行動理念に共感したとかそういう類のものではなく「もし唱和園高校における都市伝説現象が、妾達魔獣が住み着いた事が発端である事を知れば貴方はどのような表情を浮かべるのかしら?」という邪な感情に基づいたものである。
七種が主導する『都市伝説の淘汰』は、言ってみれば『創作魔法陣』の真の効果『都市伝説の創世記』と『都市伝説の神隠し』の真似事―これは『四霊装獣』の共通見解であるが、もし魔獣達の見解を上回るものを七種が見せてくれるのであれば、それはきっと比類するもの無しの極上の美酒に成り得るだろうと獏は考え、彼に淡い淡い期待をしている。

唱和園高校生の中において今まで深く干渉した人間に箒木コキアという少女がいる。彼女とは、精神系能力『夢想巡り(ドリームサーファー)』で箒木が唱和園高校生の夢の中に侵入してきた事が関わりの始まり。
多くの唱和園高校生の夢の中へ同時介入し、様々な役になりきって夢を引っ掻き回す箒木に当初は快く思っていなかった獏だが、次第に彼女が書き換える夢に滲む箒木コキアのヘルプに気付いた獏は箒木を救い出すべく流行し始めていた架空の都市伝説に便乗しようとしていた箒木の策略に加担する。
箒木と共に唱和園高校に『唱和園の枕女』という都市伝説を流布させ、主要人物として『箒木コキア』という固有名詞を登場させて騒動を拡大化させた。これが後に箒木が監禁から解放される救出劇の一助となっている。獏曰く「夢の中で喋る箒木とはよい酒が呑める」らしい。
数多の『夢』を支配する千変万化の悪女である獏だが、同時にあらゆる邪気を祓う霊獣獏としての本能が一部の生徒相手に浮き彫りになりつつあるようだ。
【特徴】
本体は霊獣獏の姿そのまま。千変万化の悪女らしく、夢の世界では絶世の美女を始まりにロリ・熟女・老婆では飽き足らず男としてショタ・美青年・オヤジ・爺まで色んな形態に変身できる。
一応ベースとなる性格は女性。基本の容姿は絶世の爆乳の黒髪美女。基本的な服装は赤と黄金色を基調とした古代中国の王族が着用したドレス。ドレスを着崩して胸を強調しながらよく麒麟をからかっている。
髪飾りも当時のもの。象牙細工の幾何学模様が眩しい黄金色の唐扇で口元を隠しながら会話する事が多い。
【台詞】一人称「妾(わらわ)」。二人称「貴方」「彼奴」。
「はぁむ。モグモグ…今回の都市伝説は辛味重視といったところかしら?ねぇ反枕?…どっかへ行っちゃったか。風狸は風来坊だし、麒麟はミコに御執心だし、妾も昼寝中の生徒の夢の中でのんびりしようかな」
「ねぇ、麒麟。貴方、今あの式神に八つ当たりしていたようだけど相手に通じてないのに八つ当たりする意味があるのかしら?…『八つ当たりじゃ無い』?あらあら。自覚が無いって妾が思ったより重傷かもねぇ」
「コキア。貴方とはよい酒が呑めそうね。どう一杯?どうせ夢の中なんだし、平気平気。味は妾が保障するわよん」
「ウフフ。ここはありとあらゆる虚ろな物語が現れては消え、また現れては消えていく摩訶不思議な『夢』の世界。まさに虚ろの群れ。都市伝説の群体。ウフフフ。これこそが現代版百鬼夜行…とでも称すればいいのかしらねぇ。ならば、現代の百鬼夜行の総大将に座するのは…妾達をこの地へ導いた、都市伝説がうつろう唱和園の主であるあのワニ眼蒐集家?ウフフフフフ。彼奴に主だの総大将だの、余りに似合わな過ぎてお腹が痛い。ウフフフフフ」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2015年12月02日 23:07