【名前】灰隠燼慧(はいがくれ じんえ)
【性別】女
【所属】科学
【能力】光跡開闢(グリームストラグル)レベル4
【能力説明】
灰隠燼慧が有する光学系能力。自身の周囲の光線のうち特定の波長のみを選別し弾くことができる。イメージとしては自身の周囲に特定の波長の光線だけが通れる穴の開いたフィールドを展開しているような物。この穴の大きさを調節して選別する光の波長の大きさを変更したり、選別した光線に回折を起こして任意の波長の光に変質させられる。
近接場光を生み出しレーザーを含む光線に対する防護膜にしたり、多様な光線再現&真っ黒な穴が空いたような光景にしたり、炭酸ガスレーザーと同波長に調節してレーザーを放ったり、パルスレーザー波長の光線を一点に集中させることで空気をプラズマ化させ避雷針として用いたりなど多彩な応用を誇る。
反面出力面に難があり、破壊力を有するレーザーは自分に近ければ近い程高熱だがそれも10メートル過ぎれば単なるレーザーレーダーとなり、プラズマも通常では避雷針程度にしか用いることは出来ない。
能力の射程は自分を中心に200メートル内。様々な光にレーザー的性質を付加させる事も可能だが破壊力を持たせようとすると数本レベルに激減する。
レーザーの破壊力を長距離保てない灰隠は、遠距離戦で確かな戦闘力を発揮する為に試行錯誤を重ねた結果、後述する光を照射して磁力のON・OFFや強弱を操作するHsシリーズ製新世代キラル構造兵装群を用い、光学能力と磁力操作を融合させた戦闘スタイルに行き着く事となる。
【専用兵装】Hsシリーズ製新世代キラル構造兵装群『異鏡像光磁性対掌体(キラリティ・エナンチオマー)』。
【兵装説明】
『外』の世界の数十年先を走る学園都市が開発した新世代キラル構造物質を用いて製造した一連の兵器群の総称。
酸素や一酸化炭素と同じく普段は常磁性体だが、ある特定波長の光線を浴びる事で強磁性体へと変化する常温物質の新世代モデル。
基本的に青色系レーザー光と赤色系レーザー光で磁力の強弱を制御する。青系の方が赤系より磁性は強い。青と赤を交互に繰り返す事で磁力は強弱の変化を与えられる。
新世代モデルでは特定波長の種類やそれに応じて発生する磁力の細やかなレパートリーも増え、更には大幅な保磁力を持つに至っている。
新世代モデルの特徴の一つに特定波長光線を浴びなければ常磁性体に戻る事が挙げられる。これは磁力を操作する『電撃使い』に『異鏡像光磁性対掌体』の磁力制御を奪われても解放させられる観点から見てとても優秀な点である。
戦場で用いる主な兵装は以下の3つ。他にも現在進行形で開発中のキラル構造兵装が幾つか存在する模様。


HsSCO-000『スイッチングキラル・スカイウォード』
斥候&戦闘用無人兵器『スイッチングキラル』。一見すれば万華鏡の筒のような外観を持つキラル構造物質を主とする兵器。
実は数十にも上る輪の集合体。輪の内部には特殊コーティング層を挟み、能力を用いた光発電により半永久的に稼動する駆動部やAIなどの精密機器が存在する。自動操縦可。
直径は一メートル程度だったり数十センチだったりと用途上の理由で幾つかのパターンに分かれている。数十にも上る輪の集合体である筒の全長も各々でバラけている。
輪の内側は特殊な形状の二重反転プロペラが存在し、これを以て飛行能力を得ている。プロペラの中心軸は空洞になっている。
輪の内部には新世代セラミックス製のギザギザ刃が格納されている。原作に登場するエッジ・ビーを想像して貰えると理解しやすい。
エッジ・ビーと設計を類似させており、エッジ・ビーに出来る事は大概実現できる。情報漏洩対策の為自爆機能も付いている。
内部の特殊コーティング層等で外部とは一切の電子通信ができず(=電子ネットワークを全て遮断していると同義)、光通信のみを行っている。各『スカイウォード』間の通信も光通信である。レーザー式盗聴機能付き。
キラル構造と光誘起スピンクロスオーバーという二つの性質を持つ『異鏡像光磁性対掌体』の特徴により『スカイウォード』は特定波長レーザー光を浴びる事で磁力を発生させる。
磁力によって周囲の金属を引き寄せる、もしくは自ら接着しに行った後に光通信を受けたAIが格納していた刃を露出させ削り取ったり、磁力を姿勢制御や推進力の遅速に活用したり。
光線の変更による磁力変化で刃が『掴んだ』金属の投擲速度を補強、プロペラが破損しても磁力によって他の『スカイウォード』に接着して離脱するような手法も取れる。
待機中は灰隠の傍を飛行している事が多い。灰隠は移動手段としても利用している。

HsSCO-090『スイッチングキラル・ランドブローカー』
情報記録用無人兵器『スイッチングキラル』。形状は万華鏡の筒そのもの。戦場に持参するのは通常一個か二個。全長50センチ・直径70センチ。自動操縦可。
『スカイウォード』との主な違いはプロペラ部分の材質構成やAI機能の高度化など。内部の特殊コーティング層等で外部とは一切の電子通信ができず、『スカイウォード』との通信は光通信のみである。レーザー式盗聴機能付き。
キラル構造と光誘起スピンクロスオーバーという二つの性質を持つ為、光を浴びた時に出射される第二高調波の角度を水平から垂直にまで90度間で自在に変更させられる特徴を有する。
これは光の照射量によって細かく制御でき、青系レーザー方面はより垂直に、赤系レーザー方面はより水平にと、第二高調波の波面はその回転角度を変更させる。
その上、レーザー光の代わりとして近接場光も代用する事ができる。こちらの方が焦点をおよそ30平方ナノメートルまで絞る事が可能。
灰隠はこの特徴を活用し『ランドブローカー』のキラル構造物質製プロペラ部分へ、当たる直前にレーザー光を近接場光に変換した染み出す程度の光を浴びせる事で情報の読み書きを行っている。
『ランドブローカー』のプロペラ部分は材質こそ既存機器とは異なるものの形としては光学ドライブのような仕組みになっている。
『スカイウォード』のAIから送信される光情報を収める『ランドブローカー』の記憶容量密度は灰隠が手を加える事でインチ当たり最大数十テラバイトに達する。
戦闘に用いる事もできるが、情報記録性能に悪影響が出る可能性を考慮すれば非常時にしか戦闘へ駆り出せない。プロペラ部分が戦闘用とは違う材質なので自力飛行不可能。
普段待機させている時は筒をタイヤと見立て、能力で光学偽装を施したタイヤとして灰隠の傍で転がすか飛行する『スカイウォード』に磁力で接着するかが多い。

HsKEG-001『キラリティ・EEライフル』
一言で言えば磁力狙撃銃を『異鏡像光磁性対掌体』で再現した銃。形状としては中型のサイズになるアサルトライフル銃。
磁力狙撃銃に必要な銃弾などをキラル構造物質で賄っている。磁力に反応して磁力を発生させる特殊な電磁石を内部に仕込んでいる。
狙撃時以外の無用な磁力発生を防ぐ為に普段はライフル内に設置された磁力を遮断するシャッター内に収納されている。勿論通常の磁力狙撃銃で使用される銃弾も使える。
灰隠のずば抜けた聴力にレーザーレーダーや赤外線による目標物の材質捕捉等で狙撃をバックアップする。威力や射程は磁力狙撃銃と遜色ない。
『EEライフル』の銃身と筒状の『ランドブローカー』におけるプロペラ中心軸の空洞はキラル構造物質製銃砲身パーツを用いて合体させる事ができる。
『ランドブローカー』のAI群の補助も受ける事で通常より強力且つ精密な長距離磁力狙撃を実現可能。
『ランドブローカー』を外側から『スカイウォード』が磁力干渉などで姿勢制御の補強を行い、遠距離に存在する標的を確実に狙撃する。
【概要】
あらゆる任務を請け負う、暗部専門の助っ人を生業としている暗部組織『トータル』の一員。同じく『トータル』のメンバーである陶冶空流とのコンビ『電撃殺し(エレクトロキラー)』を自称し、コンビとして任務に臨んでいる。
暗殺稼業を営む家系の末裔。幼少の頃より類稀な才能を惜しみなく発揮していた彼女へ暗殺術の一環として叩き込まれた特有の技術を、しかし灰隠は普段の悪態を吐いてばかりいる態度の中へ見事に隠し切っている。
特有の技術とはつまり『音』。言い換えれば『反響定位技術』。灰隠はずば抜けた聴覚によって周囲の音や自ら舌打ちして反響してくる音の種類や高低等で物体の位置や種類を判別する事ができる。
所謂反響定位の技術であり、盲目の人間の一部が身に付けているとされる技術を後天的修練で灰隠は己が物にしている。
才能の塊である灰隠に相応しい修練として徹底的に叩き込まれた『音』の技術は、同時に味覚・触覚・嗅覚を常人以上に発揮する程までに鍛え上げる結果にも繋がった。

一族の者からは「100年に一人いるかどうかの逸材」「類稀な才覚の持ち主」と称された灰隠が学園都市に来たのは、己の才能がどこまで通用するのかその一点のみ。
しかし、そこで灰隠は一つの挫折を経験する。発現した光学系能力はレーザーの破壊力を10メートル以上保てないという致命的な欠陥を抱えていた。
挫折など今まで味わった経験が無かった灰隠はどうにかレーザー能力を鍛えようと鍛錬を重ねるも一向に伸びる兆候は見られなかった。
そこで実戦に勝る鍛錬は無いと考えた灰隠は自らの意思で学園都市の『闇』へ飛び込み、ドス黒い邪な気配が渦巻く『闇』の世界で暗殺稼業を開始する。
暗殺稼業を開始して一年程経った頃、他の能力技術は目覚しい成長を遂げているのにも関わらず相変わらずレーザーの射程だけは伸びない現状を苦々しく思っていた灰隠。
そんな彼女は自分で仕事の斡旋をするのも面倒臭くなり、手頃な暗部に身を置こうと考えた。それが暗部組織『トータル』。そこで灰隠は自分とほぼ同時期に『トータル』へ所属した陶冶空流と邂逅する。
灰隠自身は、初対面時は陶冶の事など歯牙にも掛けていなかったのだが陶冶の方はそうでも無かったようで、幾度も自分へ接触を試みてくる陶冶に灰隠も久しく忘れていた他人との関わり合いの愉しさを思い出し陶冶の話に付き合うようになる。
陶冶と関わる内に彼が深く関わっている研究機関のツテで、灰隠はHsシリーズ製新世代キラル構造兵装群『異鏡像光磁性対掌体』と出会う。
未だレーザーの破壊力を長距離保てない灰隠は光線により磁力を発生させる『異鏡像光磁性対掌体』を確かな遠距離攻撃手段として活用する方策を見出す。
その結果、Hsシリーズ製新世代キラル構造兵装群を用いる事で、光学能力と磁力操作を融合させた新たな戦闘スタイルに行き着く事となる。

その後『異鏡像光磁性対掌体』の実証試験を兼ねて『電撃使い』相手に戦闘を行う回数が増えた灰隠は、時を同じくして新世代ファインセラミックスの実証試験を兼ねて『電撃使い』と多くの戦闘を行うようになった陶冶とごく自然にコンビを組むようになった。
「どうせコンビを組むなら仕事が来やすいように特徴ある通り名を名乗ろう」という提案の元協議した末に出た名称が『電撃殺し(エレクトロキラー)』。
当人達からすれば別に対『電撃使い』だけに限定した傭兵では無いのだが、上記の実証試験が原因で受けるかどうかは別にして『トータル』から灰隠&陶冶コンビに舞い込んでくる仕事の半数以上は対『電撃使い』を想定した内容となっている。
強大な電磁装甲を操る、『置き去り』救出に命を懸ける集団の主力の始末」「今は行方がわからなくなったが、『闇』で生きる己を破滅に追いやった元凶である強力無比なアーク放電制御によるプラズマ溶接ブレードを扱う傭兵への逆襲」「自分の全てであった“裏”の仲間達を捕らえた、○○学園第五位風紀委員の特別的な部隊にも選抜された『電撃使い』への復讐」等々、自分の事を棚に上げて己の都合や恨み辛みをブチ撒ける内容ばかりだが『トータル』の性質を理由にまずお断りしている。
「あらゆる任務を請け負うと言っても、それはどこぞの暗部メンバーが欠けた場合もしくは大人数で行う任務などに人員を派遣する、つまり先方さんの戦力が不足している時で無ければならない」というのが灰隠&陶冶コンビの意見。
そもそも『トータル』の掲げる「あらゆる任務を請け負う」という性質のせいで他にも仕事が立て込んでいる灰隠&陶冶コンビは、逆に対『電撃使い』を想定した仕事依頼に多少嫌気が差している事もありリーダーの捕杭蛇尾には「余程戦力が払底していない限り対『電撃使い』を想定した仕事依頼を断ってくれ。他の仕事に支障が出る」と進言している。
とはいえ、対『電撃使い』戦において派遣先の組織に多大な戦果を齎す事を期待されている『電撃殺し』への対『電撃使い』関連の依頼はまだまだ途絶える気配は無い。
【特徴】
172センチの高身長に暗殺稼業を営む家系の人間らしく鍛え上げられた筋肉質な体型。胸はDカップと大きめ。両サイドの髪を三つ編みにし、二つを後ろで結んだ後纏めてポニーテールを作った緋色の長髪。
暗殺に求められる能力は全て修めている。気配を消し、音を立てない歩法もマスターしているが必要な時は自然な仕草で舌打ちや指鳴らしを行う。
漆黒のライダースーツ・手袋・ブーツを普段から着用している。陶冶が開発した大気圏突入時の保護膜としても用いられる改良版セラミックスが応用されており、高い絶縁性・対熱性・対寒性の他に徹甲弾にも対応できる強度等を誇る。
暗殺家系の人間には珍しく、おだてられるとテンションが上がる性格。また、普段の悪態を吐きながらダルさを強調する性格も灰隠という人間を構成するれっきとした一部である。
大体の流れは「灰隠が愚痴を吐く」→「陶冶も愚痴を吐く」→「更に灰隠が愚痴を吐きながら悪態も吐く」→「陶冶が灰隠をホメる」→「満更でもなさそうにしながらも愚痴を吐く」→「陶冶が更にホメる」→「灰隠のテンションアップアップ↑」である。
傍から見れば漫才にしか見えない灰隠のテンションのアップダウンは、しかし任務の遂行において手元を狂わす障害にはなり得ない。
【台詞】
「チェッ、何だよ今回の仕事は。ダリぃな。マジダルいわ。もう辞めようかな暗殺稼業なんて。面倒臭い事ばっかだし、人の恨み辛みもよく目にするし耳にするし。チッ。うん、アタシ暗殺者向いてないわ。そうだそうだ。辞めよう辞めようこんな廃れ稼業」
「そ、そうか?そ、そりゃアタシだからこそ今までどんな苛酷な任務にも臨んでこられたところはあるわな。…チッ。でもなぁ、別にアタシじゃなくたっていいじゃん。アタシだって必要だと思えば撤退するし逃走もする。命あっての世渡りってやつさ。うんうん。命知らずのバカタレの方がよっぽどこういうのって向いてると思わない?」
「そうだよね!そうだよ!そうそう、さすがアタシの相棒だよ空流。アンタの言う通り、アタシは天才暗殺者だよ!へっへ~ん、今回の仕事もアタシだからこそ依頼が来たんだよね~。これが対『電撃使い』関連の依頼なら問答無用で蹴ったけど、そこまで期待されてんなら、応えなきゃ稼業が廃る前に女が廃るってもんさね!」
「距離1000。風微風。標的から能力圏内へ『飛んでくる』可視光の分析に特段の異常無し。『ランドブローカー』との接続状況確認。動作良好。『EEライフル』発砲までカウントダウン。3…2…1…ゴー!」
「チェッ。今回はツイてないわ。普段なら絶対に受けない仕事に参加したら途端に標的さんと遭遇か。チッ。勘弁して欲しいね。アタシって…こう『見えて』丸腰なのよ『電撃使い』さん?」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年01月06日 01:19