【名前】エテノア=ウナルペク
【性別】女
【所属】魔術
【能力】『賢明な小人(コロボックル)』、『紐持つ紅蛸(アッコロカムイ)』、『紐持つ蜘蛛(ヤウシケプ)』。
【能力説明】
エテノアが使用する主要魔術は紐がキーワードとなっている。エテノア自身も色んな魔術仕様紐を常時携帯しており、アイヌ紋様を基にした魔術仕様紐結びを幾つも創造している。

  • 『賢明な小人(コロボックル)』
アイヌ伝承に登場する小人コロボックルを基にした魔術。陰陽道における式神術に類似する憑依魔術によって小人コロボックルを現世へ顕現させる。
媒介はアキタブキの葉とエテノアが持つ紐。葉を中心に置き周囲を取り巻く紐を人型に織る事で憑依魔術を行う。
大きさは10センチにも満たないが数は数十単位まで顕現できる。かなり俊敏で斥候に活用する事もできる。見掛けによらず力もある。
コロボックルは特に狩猟や漁に優れた逸話を持っている。後述する別魔術と併用する事で『狩猟』や『捕縛』に様々な加護を付与する。
また、アイヌには行進呪詛という特徴的な集団儀式が存在する。陰陽術の影響を受けていると思われるこの集団儀式には戦に向かう者達へ加護を授ける戦陣呪詛(ウケヘホムシュ)や悪魔や災いから守護する加護を齎す魔除呪詛(ウニエンテ)等の他にも行進を必要としない火急的伝達用呪詛(ベウタンケ)等色んな種類がある。
エテノアは自身が顕現したコロボックルと共に呪詛を唱える事で詠唱の短縮化・効率化を高める事に成功している。
コロボックルの伝承上仲間と認めていない人の前に姿を現してしまうと顕現が解除されてしまうように思われるが、エテノアはこの欠点を媒介として使用している紐の結びで解決している。
古来より紐の結びは外部からの影響を封じる又は内部に霊魂や霊力・魔力等を封入する境界的な役割を有する。
操作する魔術において紐を最重要としているエレノアが構築した特性の紐結びによって顕現するコロボックルは人に姿を見られても顕現が解ける事は無い。
但し姿を見られると制御が難しくなるので、顕現したコロボックルが持つアキタブキの葉の表面には不可視や気配遮断の魔術紋様、裏面には水上行進の魔術紋様が描かれている。

  • 『紐持つ紅蛸(アッコロカムイ)』、『紐持つ蜘蛛(ヤウシケプ)』
アイヌ伝承に登場する巨大な蛸及び蜘蛛をモチーフにした魔術。紐玉を8つ水中もしくは地中の所定箇所へ封入する事で発動する。
『紐持つ神』と称されるアッコロカムイは1ヘクタールもの巨体を持ち、全体が赤色で、付近の海のみならず空までもがアッコロカムイの放つ赤色に染まっていたという。
エテノアはこれを「名の由来通り紐で構成された神がアッコロカムイであり、水を自身を形作る紐の構成材料とし、空を赤い水紐で覆った」と解釈した。
規模は範囲面積あたりで最大1ヘクタール強にまで及ぶ。支配下に置いた水は全て赤く染まり、アッコロカムイとしてエテノアは自由自在に操作する。
海上戦で真価を発揮するこの魔術において、赤い水に触れたものにアッコロカムイたる赤い『紐』が絡み付き水中へ引き摺り込む。
ここにコロボックルの『捕縛』の加護が加わる事で如何に巨大な怪力があろうとも難攻不落・脱出至難の網となる。
捕縛された対象は外部へ魔術を発動するのを阻害される。これは 霊力・魔力等を外部に漏らさない境界的な役割を持つ紐結び魔術の応用であり、コロボックルの加護を重ね掛けした上で実現させている。
他にも紐を束ねて刺突したり切り裂いたりする等の攻撃への転用も行える。その場合にもコロボックルの『狩猟』の加護により威力は増幅される。
アッコロカムイの前身は陸地で大いに暴れた巨大蜘蛛ヤウシケプとされており両者は同一のものであると伝えられている事から、陸地においては大地に存在する物質(非生物)を紐の構成材料にする魔術に様変わりする。
発動の切欠となる8つの紐玉は魔術発動後アッコロカムイもしくはヤウシケプの構成材料の一部として溶けて消えてしまうので、発動前に玉を潰すしか有効策は無い。
また所定箇所の位置は操作規模の大小に直結する。規模を大きくしようと思えば思う程相手に玉を潰されるリスクが高まるので、エテノアは俊敏なコロボックルを総動員して極力リスク軽減に努めている。
【概要】
魔術結社『多からなる一(イ・プルーリバス・ウナム)』の構成員。魔法名『誇り高き民の血は決して滅ばない(immortalis053)』。
名前からもわかるようにアイヌ出身の女性。極めて深刻な危機言語であるアイヌ語の保存活動に取り組む活動家の一面を持ち合わせている。
大量の録音資料を元に現代に沿った新たなアイヌ語の開発に取り組み、カタカナやローマ字等を用いて文章化も率先して行っている。
誇り高きアイヌの血を継ぐ末裔として文化侵略的行為を酷く嫌う。アイヌという民族が他地方から齎された文化を吸収し、融合させ、アイヌ独自の文化へ昇華させた民族であるからこそその地方に伝わる文化を根底から侵略するような行いを許せないのである。
故に異教狩りや宗教裁判のような侵略行為を悪と断じ、そのせいか特にローマ正教に関しては敵対勢力としか見ていない。

性格面ではかなりプライドが高く、何かと張り合おうとする。これは色んな文化が集う『多からなる一』でも同様で、異文化交流の際には何かとアイヌの素晴らしさだの誇りだのを説きながら臨む。
決して他の文化を軽んじているわけでは無いのだが、無条件で自身の民族や信仰する宗教を他の異文化と同列に見做されるのは我慢がならないようだ(つまり上辺だけで物事を語りたくないし語られたくないという事)。
異文化交流の際には率先して異なる宗教・文化を体験し、自ら吟味した上で評価する…だけなら何の問題も起きないのだがそこで一々張り合おうとするのでひと悶着が起きる事もしばしば。
基本的にプライドの高さからくる面倒臭ささえ除けばかなり常識的な人間だがもう一つ面倒な点がある。エテノアは貞操観念の強さが面倒臭いプライド並に高い。本人としては「今までアイヌ文化の保存活動に明け暮れてその手の話に縁が無かった」等と漏らしているがようは初心なだけである。
しかし惚れやすい性格をしているエテノアは腕組みしながら気になった殿方達の顔を思い浮かべ、難しい顔をしながら延々唸っている姿がよく見掛けられる。
そんなエテノアの交際基準だが、彼女は女系の家紋にして貞淑な女の証したるウプソルクッと呼ばれる火除けの加護を齎す貞操帯を肌身離さず身に付けており、エテノアはウプソルクッを見せてもいいと思った殿方というのを基準の1つに置いている。
言い換えれば何らかの手違いなり理由なりで殿方にウプソルクッを見られてしまうと、その瞬間からエテノアは押し掛け女房化しかねない。これもまたアイヌ文化の歴史に見られた在り様の1つである。

魔道書原典『カレワラ』事件の際結社に反逆した反体制派の一人に数えられている。上記のプライドの高さを上手くカッレラに突かれた末の行動だったが、事件収束後はきっちり反省して再び保全活動に邁進している。
カッレラとは事件後にがっぷり四つ、真正面から思いの丈をぶつけ合い共に至らぬ点について意見を述べた後にそれなりの頻度で行動を共にするようになった。
互いに弱小民族・宗教などを守りたい意思は同じである事を通じ合わせたエテノアとカッレラは、今度は互いに協力して様々な事を成し遂げたいと日夜活動している。
【特徴】
161センチ。20代前半。目鼻立ちが整った残念美人。全体的にスタイルも良い。パーマ掛かったセミロングの黒髪。酒豪。
両手は手の甲から肘まで特徴的な刺青が施されている。これは制御が難しくなった状態のコロボックルに干渉する魔法陣的役割も有している。
鉢巻である藍色のマタンプシを巻き、タマサイと呼称される邪気祓いの首飾りを首に掛け、ニンカリと呼ばれる大きな環状ピアスを両耳に付けている。
イラクサを材料に織られた光沢眩しい白と黒で構成されたテタラペを着用する。衣服には全てアイヌ紋様が施されている。
紐を使ったあやとり芸を嗜んでいる。世界大会があったら必ず優勝してみせるとは本人の弁。
【台詞】
「頑張らねぇと。あたしの腕にアイヌの言語の未来が懸かってるんだ。寝る暇なんか惜しんでいられるか!」
「成程成程。うん、この文化のおおよその概略は掴めた。だが、あたしの体に流れる血の根源たる誇り高きアイヌの文化だって負けてないよ!」
「そうそう。アーシィもあたしと同じでローマ正教嫌いだもんな。カッレラも十字教嫌い。実際に見た事あるけど、事によっちゃ信者でさえ異教徒として排除する頭のおかしい連中が世界最大宗派だなんて笑い話にもならねぇよな」
「プルプルプル……み、見たな!?あたしのウプソルクッを見たな!!?あああああああああああああああ!!!」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年02月09日 00:18